DMC×SAO 俺の転生物語   作:ユーグクーロ

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明けましておめでとうございます!
今年もこの駄作をよろしくお願いします!!


11 相棒、再び

ソフィアが体調を崩し、訓練が再開されたのは回復を見込んで二日後、快調になった後輩は修練の時間を迎えるや否や一番に走り寄ってその勢いのまま土下座をしてきたのはその日の中でも一番面白い光景ないが、まさかこの世界にもスライディング土下座なる物を拝める日が来るとは夢にも思わなかった。

 

それからというものその日から訓練を始めた者は良いもの、妙に言動がおかしい。別にふざけている訳でもないようだが妙に腑抜けた様子が多々見られるようになったと思ったら今度は力み過ぎて奇行の繰り返しだ。

 

それも退屈を押し殺すには丁度いい見物だったが、今日はそれ以上に収穫とも呼べるべき存在に出会えた日でもある。

 

再び安息日を迎え、俺は愛用しているリベリオンを手入れすべく街に足を運んでいた。SAO時代はデータがモノをいう世界だったがここではそうはいかない。

現実世界とほぼ変わらないようにありとあらゆるもの物質は長くも短くも放置していけば腐り、錆び、朽ちていく。まめな手入れをしなければそんな事態が発生してしまうのがこのアンダーワールド。

 

現にユージオからはたまに剣の手入れをしなくてはならないと有難いお説教を頂いたおかげでこうして車もバイクも存在しない世界で心の中で暴れる気怠い感情を宥めながら街中をのらりくらりと歩いている可哀そうな俺がいるのだ。

 

こうして十数分という貴重な時間を奪われた俺は中央セントリアにて細工師として営んでいるサードレというクソ爺に顔を合わせなきゃまらない始末だ。

店に入った途端、出会うや否や来やがったと苦々しい顔を向けられた。向こうも同じ心境だという事は痛いほど理解出来てしまう。ならばさっさと済ませてしまいたいと願う気持ちでそのまま目の前に袋で覆い隠された愛剣を重い金属音を鳴らしながら目の前に置いた。

 

「またか………」

 

目の前の老人は呆れるように腕を組んだ。やれやれと項垂れながらも職人肌の頑固爺は目の前に差し出された荷を解き、リベリオンの状態ををじっくりと吟味し始めた。

 

「毎回思うが、お前さん何と戦ったらこんな得物をこんな風に出来るんじゃ」

 

体格の大きさはもとより腕っぷしの太さからしても力強さを感じられる老人サードレは通常では持ち上げるのにも一苦労するであろう両手剣をひょいっと持ち上げ、刃こぼれのがないか目を凝らしつつも愚痴を吐き続けた。

 

「ちょっと()()()()と遊んできただけさ、そんな大した事はしてねぇよ」

 

「ふん、その知り合いという奴も碌でもない奴だな、これほどの剣をこんな風にしおってからに」

 

話せば話すほど愚痴の大きさは比例して大きくなっていく。だがこのやり取りもこの店に足を運んだ際の恒例なのだ。本人は口にしなきゃやってられないと不貞腐れている様子だがそれでも職人肌のお陰かきっちりとこなしてくれる。

 

しかしこのアンダーワールドに身を投じてからというもの、掃き溜め連中(悪魔)の存在が確認出来た。

奴等がどんな経緯を持ってこの世界まで足を踏み込んだのかは定かではないがイレギュラーとしてなら自分自身も例外ではない。

この作品………いや、この世界は俺が知るソードアート・オンラインでは無い。原作から大きくそれてしまった以上、アドミニストレータを始め整合騎士だけ相手取るだけで終わるとは到底予想できない。

必ず何かしらの形で不測の事態は起こるだろう。となれば相棒(リベリオン)だけで片付けるには少しだけ厳しい状況下だ。

たがこの世界に引き込まれた際に手元にあったのはこいつだけだった。

 

手元に何も無いよりかは遥かにマシなのだが、どうにも手数に限りが生じてしまう。せめて他の魔具…………それこそリベリオンと同格に愛用しているアレが在れば…………………

 

そう物思いに耽っていると店の奥から轟音が飛び出してきた。

人の声の類ではない。何かが破裂したかのような炸裂音だ。

 

「あのクソガキ、また懲りずに!」

 

普段からシワを寄せているサードレの眉間が更に溝が深くなった。

もう勘弁ならんと小言を零しながら音の発生源へと足先を向ける。

 

「おい、いい加減にしろ!近所迷惑になっているのが分からんか!!これで何度目だ!!」

 

ゆっくりと後を追うと奥から煙がもくもくと溢れ出てきている。

発生源へと辿るとそこには悲惨な迄に道具やら鉄屑が飛散していた。

 

「うっせぇ!ちょっと失敗しただけじゃないか!」

 

未だ消える様子がない煙の中から全身煤まみれの人物が啖呵を返しながら姿を見せた。

先の爆発音の原因を作り出したであろうその者は小柄でありながら覆面に眼帯に覆面という何とも怪しそうな出で立ちをしている。

 

「何が失敗だ!店の手伝いも碌にしないで変な玩具ばかり作りおってからに!」

 

「玩具じゃねぇ!こいつ等はあたしの芸術だよ!」

 

一切悪びれる態度を変えることなくサードレに楯突くこの者も原作には存在していない筈、つまりはイレギュラーなのだろう。よもやこんなところにも存在しているとはこの先記憶を頼りに最悪のケースを回避することが難しくなりそうだ。

 

客人であるはずの此方を蚊帳の外に放り出し、二人の抗論が冷めるどころか熱くなる一方だ。仲裁に入ろうにもその隙は見られないし、かといって仲裁に入ろうものなら一蹴されて振り出しに戻るのも目に見えている。

 

いつ終わるかわからないが取り敢えず周囲の鉄屑…………もといサードレに喧嘩腰になっているガキンチョがいう芸術品とやらを物見遊山代わりに見て回ることにしよう。

 

未だに消え去っていない爆煙の中から姿を表している物、バネや空洞の鉄パイプ、歯車等とがあたり一面に散らばっている。

工芸品を扱っている店としては珍しい材料だが手の込んだモノを扱っている店なのか、機械に頼らず手作業のみで作ったにしてはそれなりに精度は高いようだ。

 

散策ついでに更に奥へ進んでいくと作業台らしきものが目の前に現れた。

 

そこには小さな工具、ドライバーやレンチの類といったものが丁寧に並べられている。先程から荒っぽい口調で食い下がっている奴がこんな几帳面なことをいているのかと鼻で笑いそうになるがそれ以上に好奇心に駆られるものが台の中心に鎮座していた。

 

俺やキリトが居た現実世界では見慣れた鉄製の飛び道具、白と黒に染まる二対の拳銃だ。

シンプルなデザインでありながらも基本に忠実なつくりを施してあるようだ。元の世界で例えるならコルトガバメントに近い形状をしている。

相次ぐ想定外の出来事が続いたものだが、この出会いに関しては僥倖といっても過言ではないだろう。

グリップを掴み取り、ゴトッと重厚感ある金属音と共にズシリとした重量と共に持ち上げる。

 

「あ、おい!アタシの最高傑作を勝手に触るんじゃない!!」

 

後ろから怒鳴り声が聞こえるも無視し、トリガー部分のリングに指を掛けたままブーメランのように回転、所謂ガンプレイと呼ばれる動作で遊び始める。

弧を描く黒光りする鋼の飛び道具は己の頑丈さと精密さを物語るように決してブレることも、フレーム同士のぶつかり合う音も聞こえない。

 

「………ガキンチョ、こいつはお前が作ったのか?」

 

「ガキ呼ばわりすんじゃねぇ!アタシにはニールって名前があるんだよ!」

 

「…………なに?」

 

ニール、この子供は確かに自分をそう名乗った。そして顔を覆い被さっていたゴーグルとマスクを取り外すとそこにはセミロング程度の茶髪を後ろに纏めており、煤だらけの顔が露わになる。

喋り方からして少年かと思っていたが少女だったらしい。年頃はユウキと同じぐらいだろうか?

 

「苗字は?」

 

「は?いきなりなんだよ、先ずは自分から名乗りな!」

 

「ダンテだ、いいから答えろ」

 

間髪入れずに問いただすと仮にも客人に対しての口調かとサードレから有り難いゲンコツを貰ったニールは訝しむような顔で渋々口を開いた。

 

「…………ゴールドスタインだよ」

 

やはりか、というべきなのだろう。ほぼほぼ確信に違い予測ではあったのだが、どうしても確かめずにはいられなかった。

 

ニール・ゴールドスタイン、デビルメイクライにてダンテが愛用しているエボニー&アイボリーを作り出した銃職人(ガンスミス)、作中では名前しか出てこない人物ではあったが確か偽名時代のダンテの面倒を見ていたということしか認識出来ていないが……………

 

「なんだよさっきからジロジロ見やがって!」

 

再びサードレから師の制裁を喰らったニールは2度も同じ事痛みを味わったお陰で悶絶しながら蹲った。

どうしてその名を持った人物が現れたのか、何故この世界に銃という概念が生まれたのか、現実世界に戻らなければ確かめる術もない。今はただ受け入れるということにしておこうか。

品定めはこのくらいにして本題に入るとしよう。スライドを引き、手当たり次第にある壺等の工芸品に標準を定める。

 

「お、おい!何を____」

 

呼び掛ける間もなく引き金に掛けた指を引き絞ると撃鉄が起き上がり、爆音とともに瞬く間にして標的である陶器は粉々に砕けていく。

 

休む間もなくまた一発、二発と発射し、的は無惨に散った。

火薬の激しい怒号が過ぎ去り、陶器の破片がぱらぱらと落ちていく様を見届けた後、もう一度この手に握られた拳銃の様子を確かめる。

破損している様子は一切見られない。どうやら見た目ばかりのオモチャじゃないのは今ので証明出来た。

 

その有様に後ろに居たサードレは呆けていた。流石に今の光景はこの世界にとって無かったものだ。無理もない。

するとサードレの脇からこの銃の制作者であろう子供が震えながらこちらに歩み寄ってきた。やはり無断で使用したことにかなりご立腹のようだ。

 

「す…………す………」

 

ただその一文字を口にしながらさらに近付いてくる。余程気に障ったのだろうかと思いきや、今度は満面の笑みで半ば強引に握手された。

 

「すっげぇぇ!アンタ!そいつの使い方が分かるって言うのかい!!」

 

良き理解者に恵まれたと言わんばかりに目を輝かせている。その反応にはこちらも流石に驚いたものだ。

 

「なぁなぁ!そいつの使い心地はどうだい!?アタシの自信作なんだ!」

 

「まぁ悪くは無いな………」

 

「だろ!?」

 

高らかに笑いながらバンバンとこちらを叩き、感嘆しているニールは見るからに上機嫌だ。これまで自分を理解してくれるものが居なかったのだろう。その表情は満足そのものだ。

 

「気に入った!そいつはアンタが持っててくれよ!」

 

「………随分と気前がいいな、出会ったばっかの奴に渡してもいいのか?」

 

「構わねぇよ!そいつをもっと改良するには使い手の感想も欲しかったことだ!」

 

即座に返ってきた快諾に呆気なさを覚えるがこれで手元の寂しさが解消されるならこちらとしても万々歳だ。

 

「貰っておくよ」

 

もう片方の銃と合わせ腰の後ろに仕舞いこみ、軽く手を振りながらその場から立ち去る。未だ呆けるサードレはニールに任せるとしよう。剣の修繕費もどうやらツケにしてくれるみたいだ。有難い限りだ

 

こうして退屈な用事から新たに巡り合えた俺は街に出掛けた頃とは真逆に上機嫌なまま寮に変えることが出来た。

 

因みに新しく出会えた相棒はルーチェ、オンブラと命名した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなより一層可笑しな出来事に巡り合っているのも束の間、いよいよキリト達に異変が起き始めた。

 

ウンベール達の傍付きを担っていたフレニーカ初等錬士が二人にとあることに対して嘆願を申し込んできたのだ。

 

いよいよ、この世界にも大きな変化が訪れる。

 

 

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