話のコンセプトは猫吸いみたいなものです。
ウララちゃんは愛嬌○どころかイノセントチャーム持ちだと思います。

1 / 1
ウララのと〜こん注入

「ライスちゃん、来週レースに出るんだよね?」

 

トレセン学園の中庭でハルウララの元気な声がする?

 

「う…うん、そうなんだ」

 

小さな声で返事をするのはウララの友人、ライスシャワーである。

 

「で…でねウララちゃん、レースも近いからアレをお願いしてもいいかな?」

 

ライスは節目がちにウララにお願いをする。

 

「アレ?いいよ、はい!」

 

ウララは笑顔でライスの前で両手を広げたと思うとそのままライスに抱きついた。

 

「んむ〜ウララパワーちゅ〜にゅ〜‼︎」

 

そう言いながらギュっとライスを抱き締める。

 

「ありがとうウララちゃん、ライス元気出たよ」

 

数十秒くらいであろうか、ウララに抱き締められていたライスが言う。

 

「ホント⁉︎わぁい!やったぁ!」

 

このウララのパワー注入もといハグはここ最近のトレセン学園で見られる光景であった。

元々は、ハグにはストレスを解消するというのをウララが寮のテレビで観ていたのが始まりである。そのときは「どーぱみん」やら「せろとにん」やら言っていたがウララの頭にはハグ=元気が出ることとなっていた。

 

その次の日に早速実践しようと模擬レースが控えていたライスにハグをしたところ緊張が解けたらしく8バ身以上の差をつけての1着をとったのだ。

 

以降ライスはレースが近くなるとウララにお願いしてハグをしてもらい、レースで1着を取る。これを続けているといつの間にかウララにハグされるとレースに勝てるというジンクスが生まれていた。

 

実際にデビューを控えたウマ娘や成績が芳しくないウマ娘が試したところ1着を取れているのである。

 

これがハグによるストレス緩和なのか本当にウララからパワーを貰っているのかは分からないが、とにかくウララのもとにはレースを控えたウマ娘達がたびたび訪れていた。

 

以前、セイウンスカイがアグネスデジタルの見て何か思いついたのか悪い笑みを浮かべながら

 

「最近デジタルの調子が悪い、このままじゃ倒れちゃうかもしれないから本人に確認する前にとにかくウララの元気を分けてほしい」とお願いしていた。

 

実際にデジタルは原稿に追われていて連日徹夜していたので嘘はついていない。

 

話を聞いたウララはそのまま真っ直ぐにデジタルに向かい

「デジちゃん、元気出して!」

 

といつも以上に強めにハグをしたところ。

 

「エッ…ナニコレ…、ウララチャンガワタシニダキツイテキテ…アレ?」

 

何が起きたのか分からないのか硬直して片言を呟く、しばらくして状況を理解したのか突然

 

「んぎゃあはぇぇ‼︎」

 

と奇声を出しそのまま倒れてしまった、しかしその顔は法悦の表情、まさに我が生涯に一片の悔いなしといった感じであった。

 

効果に差はあれど今日もウララのもとには沢山のウマ娘達がやってくるのであった。

 

数週間後…トレセン学園校舎裏

 

そこにはウララとライスが2人きりでいた。

 

「ねぇ…ウララちゃんまたアレやってもらうことって出来るかな?」

 

妙に目の据わったライスがウララにハグをお願いしていた。

 

「うんわかった!」

 

ぎゅっと抱きしめるウララ、それに対してライスも強く抱き締め返す。

 

最近のライスはレース前だけでなくトレーニング前にもウララにこうしてもらっていた。

 

最初は元気付けてもらいたいだけだったのだが、だんだんとライスはこの行為がやめられなくなっていた。

 

それはライスだけではなく他のウマ娘達も同様で、時には怪しい手つきでウララの体を触っていたりする娘もいたりするがウララは特に気にしていないのかいつも通りにギュっと元気パワーを注入しているのであった。

 

 

 

 

〈ピンポーン〉ウララからのパワー注入は強い依存性があります。用法容量を守って正しく利用しましょう。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。