ウマ娘プリティーダービー〜企画短編集〜   作:ちゃん丸

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ゴールドシップさんを無視してみましたわ

 

 

 

 

「ゴォォォルドシップさぁぁぁん!!!」

 

 

「ごっめんてマックイーン! お前の楽しみにしていた駅前のプリンがめっちゃ美味そうだったから一口食べたのは謝るって!」

 

 トレセン学園のあちこちを駆けるゴールドシップとメジロマックイーン。至高のステイヤーが黄金の不沈艦を追いかける様はそのへんのウマ娘にとって、ある意味勉強になる光景。理由はさておいて、だが。

 

「一口!? プリンの容器が空っぽでしたわよ!? 貴方にとっての一口は全部を食べることを言いますの!?」

 

「一口食ったら美味すぎて全部食っちまったんだよ~! いやぁ、駅前プリン恐るべし! あれはウマ娘を地獄に引きずり込む悪魔の手先だぜ!」

 

「あ、な、た、を! 今から地獄に叩き込んで差し上げますから早く止まりなさい!」

 

 一呼吸入れ、メジロマックイーンは更に速度を上げた。自然と前傾姿勢になる。そこはさながらG1レース最後の直線。己が誇りを示す最後の大舞台。

 彼女の顔にかかる風圧が一層強くなる。四肢の稼働率は更に高まる。至高のステイヤーは地面を踏み、一気に蹴飛ばした。その拍子に地面が抉れる。

 

「うげっ!? 本気かよマックイーン!」

 

「あれは中々手に入れることが難しいプリンだというのに! 絶対に許しませんわ!」

 

 ゴールドシップは既にトップスピードに乗っていた。最後方でスタミナを温存し、一気に駆け抜けるというスタイルの彼女。ゴールが目的ではない追いかけっこは身に染み付いているスタミナ運用の面から見て、些か分が悪い。しかし、ゴールドシップには既に案があった。

 左方向へ指を向け、こう叫んだ。

 

「あっ! あそこで流しパフェやってっぞ! すげぇ!」

 

「な、流しパフェ!? どこですの!?」

 

 指差した方を向くも、流しパフェをやっている気配はどこにもない。メジロマックイーンはすぐにそれがブラフだということに気づき、ゴールドシップに抗議しようとするが、既に彼女の姿はどこにもなかった。

 

「くっ……! 取り逃してしまいましたわ」

 

 速度を落とし、息を整えながらメジロマックイーンはゴールドシップの顔を思い出し、腹を立てる。

 

「もう! せっかく私が楽しみにしておいたプリンですのに……! はぁ」

 

 とは言え、過ぎたことである。ゴールドシップのしでかした事をすぐに水に流すつもりはないが、いつまでも拘っていてはメジロ家の誇りに関わる。

 メジロマックイーンは形の良い顎に指を添え、考え事をする。

 最近のゴールドシップの行動は目に余る。声を荒げて怒る、などということはしたくないが、それでも何か教訓を与えたい。

 

 そんな事を考えているとメジロマックイーンの元にトウカイテイオーがやってきた。

 

「あれ? マックイーンじゃん。どうしたのこんな所でー?」

 

「テイオーですか。いえ、ゴールドシップさんを追いかけていたのですが、上手いこと撒かれてしまいまして」

 

「またゴールドシップにイタズラされたの? 相変わらず仲良いね」

 

「よくありません! 今日という今日こそは許しませんわ!」

 

 憤慨するメジロマックイーンを見て、何かを思い出したのかトウカイテイオーは肩を落とした。

 

「どうしたんですの?」

 

「ううん。この前カイチョーのダジャレをからかったら一日いっぱい口を利いてもらえなかったこと思い出しちゃって」

 

「それはまた……誰も触れない所に良く触れたと言うか何と言いますか……」

 

「もーほんと怖かったんだよカイチョー。だからもう絶対にカイチョーのダジャレをからかわないようにしたんだー」

 

「……ふむ」

 

 あのトウカイテイオーが反省をし、今後についての誓いを立てている。これを見たメジロマックイーンは一つ、策を思いついた。

 脳内シミュレーションをしてみる。実に完璧な結果だった。涙目で反省をし、許しを請うゴールドシップの姿が目に浮かぶようだ。

 思わず、笑いが込み上げてくる。

 

「どしたのマックイーン……? 何か怖いけど」

 

「ふ、ふふふ……イケる。イケますわこれは……! これでゴールドシップさんに反省を促すことが出来ますわ!」

 

「ま、マックイーンが壊れた!? マックイーン! おーいマックイーン! どこ行くの!? おーいってばー!」

 

 走り去っていくメジロマックイーンの後ろ姿を見て、どうしようもない不安を感じるトウカイテイオー。

 

 安心して欲しい。その不安は的中するのだから。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 翌日。

 チームスピカの打ち合わせの日なので、各ウマ娘達は部室へと集合していた。

 メジロマックイーンは談笑しながら、機会に備えていた。

 これから行われるは日頃限度を知らずに暴れているゴールドシップへの、ささやかな仕返しだ。

 幸か不幸か。ゴールドシップはまだ来ていない。気持ちを整えることが出来た。

 

(少しばかりお灸を据えて差し上げますわ……ゴールドシップさん!)

 

 バッターン、と勢いよく扉が開け放たれ、ゴールドシップがやってきた。

 

「よー! って、何だよー! アタシが一番ビリッケツかよ~!」

 

 ゴールドシップに対してチームスピカのメンバーは色々と言い、彼女はそれを飄々(ひょうひょう)と躱していった。

 ゴールドシップがちらりとメジロマックイーンを見て、首を傾げた。無理もない。いつもならばここでメジロマックイーンがゴールドシップを叱り飛ばすのだから。

 だが、メジロマックイーンはゴールドシップには見向きもせず、トウカイテイオーを始めとする他のウマ娘と談笑していた。

 それが何だか味気なかったゴールドシップは仕掛けた。

 

「へいマックイーン! ゴールドシップ様がやってきたぞ~!」

 

「……」

 

 肩を組み、メジロマックイーンに声をかけるゴールドシップ。だが、メジロマックイーンは返事をすることはなく、トウカイテイオーとの話を続けた。

 

「え、マックイーン? ゴールドシップが呼んでるよ?」

 

「? 何を言っているのですか? それよりも今度の併走の打ち合わせをしましょう。この私と走るのですから、それなりの経験値を積んでもらわないと困りますわよ」

 

「な、なにをぉー!? マックイーンこそ、ボクの走りを見て腰抜かさないでよね!?」

 

 いつも通り、トウカイテイオーとメジロマックイーンが火花を散らしている。自然とメジロマックイーンの肩からゴールドシップの腕は離れていた。

 それを見ていたチームスピカのトレーナーが首を傾げたのは、隣にいたサイレンススズカしか知らない。

 

「まあ、そんなこともあるか! お~いスペ~!」

 

 表情こそ変わらないが少しだけ勢いがなかったゴールドシップ。

 そんな彼女を横目で確認したメジロマックイーンは確かな手応えを感じていた。

 

(や、やりましたわ! ゴールドシップさんが少しだけダメージを受けていますわ!)

 

 

 ―― 無 視 。

 

 

 メジロマックイーンが悩みに悩んだ末に下したゴールドシップに対する罰。

 あのトウカイテイオーですら反省したこの行為。これならばゴールドシップも反省するかもしれない、そんな思いで始まった今回の企み。

 もし自分がやられたら、それを思ったらかなり罪悪感がすごいが、これも全ていつもちょっかいをかけてくるゴールドシップが悪い。

 自分で自分を騙し、メジロマックイーンは心を鬼にした。

 

(悪く思わないでくださいねゴールドシップさん。メジロ家としてあるまじき行為ですが、私も容赦しませんわよ……!)

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 メンバーが集合したので、始められたチームスピカのトレーニング。

 

 それぞれ脚の適性に合わせてトレーニングが始められた。

 その中でゴールドシップとメジロマックイーンは良く組むことが多かった。と言っても、ゴールドシップから強引に組みに行っているというのが要因なのだが。

 そして案の定ゴールドシップがやってきた。

 

「マックイーン! アタシと組もうぜ~! 今日はドラマでよく見る断崖絶壁クライミングだ!」

 

 手を振りながら近づいてくるゴールドシップ。だが、メジロマックイーンは既に手を打っていた。

 

「スペシャルウィークさん、ちょっと試したいことがあるので今日は私と組んで頂けないでしょうか?」

 

「え、良いんですか!? マックイーンさんと練習出来るの、嬉しいです!」

 

 さりげなくスペシャルウィークの死角にゴールドシップを入れるよう、陣取ったメジロマックイーン。

 その工夫の甲斐あり、ゴールドシップの姿が見えなかったスペシャルウィークは二つ返事で了承してくれた。すぐにゴールドシップから距離を取り、トレーニングを開始する。

 それを見ていたゴールドシップが両手を後ろに回し、唇を尖らせる。

 

「マックイーン……って、行っちまいやがった。ちぇっ、今日は何か一度もマックイーンと話せてねぇーなー」

 

「あれ? ゴルシ、マックイーンと組んでないの? じゃあボクと組もうよー!」

 

「……おう! やっぞテイオー! 今日はこのゴールドシップ様の五百六十四つある走法の一つを伝授してやろう!」

 

「ウェエ!? 多すぎだよー!」

 

 若干の物足りなさを感じながらも、トウカイテイオーと一緒にトレーニングを始める。

 そんな彼女の姿を横目で見ていたメジロマックイーンは驚きの光景を目にする。

 

(ご、ゴールドシップさんが真面目に練習をしている!? こ、こんなに上手くいくものなのですか!?)

 

 いつもならこの辺りでいつも奇天烈なことをしているが、それが無い。

 自然と握り拳を作っていた。これならばゴールドシップに反省をさせられることは間違いない!

 間違いない、のだ。

 

(…………今日は一度もゴールドシップさんと話してませんわね。って、いけませんわ。ここで気を許してはまたゴールドシップさんが調子に乗ってしまいます! 心を鬼にしなさいメジロマックイーン……!)

 

 胸が少しだけ苦しくなった。

 

 

「よーしお前ら、今日の練習は終わりだ。各自、アフターケア忘れんなよー」

 

 

 練習は特に問題なく終了し、トレーナーは皆に解散を告げた。

 いつもならトレーナーはそのまま戻るのだが、今日は違った。メジロマックイーンを手招きする。

 トレーナーはそのまま彼女を物陰へ連れていった。

 

「私に何かご用が?」

 

「なにかご用が? じゃねえだろうが。ゴールドシップと何かあったのか? 部室のときと言い、トレーニングのときと言い、あからさまに避けてただろ」

 

「うっ……やはり、分かってしまうものなのですね」

 

「当たり前だろうが。で? あのメジロ家のご令嬢があんな子供みたいな事したのには訳があるんだろ?」

 

 ここまで言われてはもはや隠し通せない。

 メジロマックイーンは正直に今回の企みを話した。

 深刻な話を予想していたトレーナーは一通り話を聞いて、思わずため息をついてしまった。

 

「ま、まじで子供みたいな理由だったとは……」

 

「なっ!? 私にとっては深刻な問題ですわよ! もっとちゃんと聞いてくださいまし!」

 

「いや、プリンて……。まあ、お前にとっては大事な話なんだろうな。ゴールドシップが妙に落ち込んでた理由がわかったぜ全く……」

 

 これ以上は本人たちの問題なので、トレーナーは口出しをするつもりはなかった。もっとも、チームが不穏になるようであれば強制的に介入するつもりではいるが。

 だが、今回はメジロマックイーンとゴールドシップ。

 なんだかんだ仲が良い二人の絆を信用することにした。

 しかし、トレーナーはあえてちょっかい出すことにした。

 

「でもな、マックイーン。後悔しない内に終わっとけよ。お前はそういうことがきっちりと出来る奴じゃないだろ」

 

 後ろで一つに結んだトレーナーの癖毛が揺れた。

 トレーナーはこれだけで終わるつもりでいた。後は本当に二人の話。

 だが、メジロマックイーンにはこれだけで十分に伝わっていた。

 

「……分かっていますわよ、それぐらい」

 

 トレーナーと別れたメジロマックイーンは胸のモヤモヤを感じながら、帰路につこうとした。

 

 

「おお~~い! マックイーン!」

 

 

 背後でゴールドシップの声がした。

 メジロマックイーンは構わず歩いた。ここまで来ると、もはや何か意地になっていた。

 無言でメジロマックイーンは歩を進める。

 

 そうだ。自分はゴールドシップに反省を促すためにあそこまで嫌なことをしていたのだ。今更、どんな顔で振り返れば良いのだろうか。

 歩く速度を上げる。このままいなくなってくれれば良い。そう、メジロマックイーンは祈っていた。

 

「マックイーン」

 

 腕を掴まれた。だが、まだ何も言わない。言ったら、そこで終わる。

 しかしメジロマックイーンはすっかり忘れていた。ゴールドシップがこの程度で引き下がるウマ娘ではないことを。

 

「ちょっと待ってくれって。これ見てくれ」

 

 そう言って、ゴールドシップはメジロマックイーンの目の前に立ち、手に持っていた小さな紙袋を突き出した。

 それを見たメジロマックイーンは僅かに目を見開いた。

 

(これは駅前の……)

 

「あ~……その、悪かったよマックイーン。お前があんなに楽しみにしてたとは思わなくてさ、だからそれ買ってきた」

 

 無言でメジロマックイーンが紙袋の中身を見ると、そこにはあのプリンが二つ入っていた。

 

「アタシが食っちまった分と、そんであと一個残ってたからそれも買ってきた。だからさ、あ~……と、だな」

 

 視線をあちらこちらにやり、頬をポリポリと掻いているゴールドシップ。滅多に見ない彼女の姿がとても新鮮だった。

 

「本当に悪かった! 許してくれよマックイーン! だから、またアタシとバカやってくれよ!」

 

 頭を下げるゴールドシップを見ながら、メジロマックイーンは今までの行動を振り返っていた。

 

 目的は達成された。

 ゴールドシップは反省し、思わぬプリンも手に入れた。これを受け取り、彼女を許せば、終わる。

 ……それだけで、良いのだろうか。

 しばし自問自答する。思考を巡らせている最中も、ゴールドシップは不安そうに様子を伺っていた。

 

(……はぁ、何をやっているんでしょう私)

 

 考えすぎて、もう訳が分からなかった。

 ただメジロマックイーンは目の前でしょんぼりしているゴールドシップを前に、これ以上メジロ家の面汚しとなるような真似だけはしたくないと思った。

 

「……」

 

 そっと近寄ったメジロマックイーンはおもむろに右手をゴールドシップの額へ伸ばした。中指を親指で押さえ、力を溜めた後、解き放つ!

 

「うぎゃああああああ!!!!!」

 

 吹き飛び、ゴロゴロと後ろに転がっていくゴールドシップ。

 ウマ娘の身体能力は人間を容易く凌駕している存在。そんな存在が繰り出す割と強いデコピンの威力たるやいかに。

 頭蓋骨粉砕待った無しの一撃を食らったゴールドシップはむくりと起き上がり、メジロマックイーンを見上げる。その表情はポカンとしており、およそゴールドシップというウマ娘を知っている人はそうそう見ることはないであろう珍しい表情だった。

 ようやく視線が交わる二名。

 

 動いたのはメジロマックイーンからだった。

 

「全く……貴方はいつもいつも私の調子を狂わせてくれますわね」

 

 おもむろに紙袋からプリンを取り出し、じっと見つめるメジロマックイーン。考えているのはゴールドシップの事。

 彼女は彼女なりに思うところがあり、そして行動に示してくれた。だから――自分も行動で示すことにした。自分たちの“いつも通り”を始めるには、まずそこからだろう。

 

「ゴールドシップさん」

 

「お、おう」

 

「生憎、私は次のレースのため食事制限をしている最中ですの。だから食べられるのは一個まで。だから……貴方も食べなさい。一緒に」

 

 腰掛けられるところに座り、プリンとスプーンを取り出し、口に入れ始めるメジロマックイーン。隣にはゴールドシップもいて、また一口でプリンを食べていた。

 

「私、今日一日貴方を無視していましたわ。相手にしなかったら日頃の行いを反省するかと思いまして」

 

「な、何だよそれ。そういうことだったのかよ……本当に悪かったって。もうお前のプリンには手出ししねーよ。だってよ――」

 

「それは当然ですわ。こほん。それで、その……貴方に絡まれなかったのは平和だったのですが、やはり――」

 

 二人は同時に言葉を発した。

 

 

 

「お前と話さなかったせいで、今日一日アタシの調子が狂って仕方ねーんだよ」

「貴方と話さなかったせいで、今日一日私の調子が狂って仕方ありませんでしたわ」

 

 

 

 ゴールドシップが反射的に立ち上がる。

 対するメジロマックイーンは顔を赤くし、手で口を塞ぐ。その拍子に最後のプリン一欠片を味わえないままゴクリと飲み込んでしまった。のどごしの良さだけが伝わった。

 

「やっぱりそうだよな! アタシとお前はいつもそーだよな! な!?」

 

 メジロマックイーンの真正面に立つゴールドシップ。その表情は今まで以上に明るかった。両手を広げ、空を仰ぐ。

 

「よっしゃあ! 行くぞマックイーン! アタシとお前の新たな船出だーい!」

 

「ちょっ!! ゴールドシップさん!? 貴方何を!?」

 

 慣れた手捌きであっという間にメジロマックイーンを肩車するゴールドシップ。

 メジロマックイーンが抗議する前にゴールドシップは出航した。

 

「きゃああああ!! ご、ゴールドシップさん!! そんな速度で走ると危ないです! 危ないですからぁぁ!!」

 

「しっかり掴まってろよマックイーン! 今日のアタシは止まらねぇぞ! 目指せ富士山登頂!」

 

「行きませんわよ!!」

 

 親友、ライバル、親子、姉妹。どういった言葉で二人の間柄を表現すれば良いのだろうか。

 少なくとも、二人にとってはいないと調子が狂う存在だということは間違いない。

 きっとそれで良いのだろう。二人の間に遠慮はいらない。仲良くじゃれ合うことが二人の“いつも通り”。

 

 さぁ、少し遅れて“いつも通り”がやってくる。

 チームスピカのメンバー、そしてトレーナーが二人の姿を見て、安堵していた。皆、心配していたのだ。

 

 ゴールドシップはメジロマックイーンを見上げながら言う。

 

「なぁマックイーン、お前今食事制限中なんだっけ? それにしちゃあ、ちょっと重すぎる気が……。あっ! お前もしかして……」

 

「は、はぁ!? 食べてませんわよ! スペシャルウィークさんからもらったお菓子なんて絶対に食べてませんわよ!」

 

「うっし! んじゃこのままスペんとこ行って事情聴取だ!」

 

「それはおやめなさい!」

 

「お、スペだ! おーいスペー!」

 

 

「ゴォォォルドシップさぁぁぁん!!!」

 

 

 その日、いつまでもいつまでもメジロマックイーンとゴールドシップの声がトレセン学園中に響いていたそうだ。

 

 

 


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