親友と異世界転生したら俺は体力無限に、親友は相手の体力を残り1にできるイケメンになりました   作:みそすうぷ

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5話

「どのクエストにすっかなあ〜」

 

「どうせなら報酬がいいやつにしようよ。僕イケメンだし。」

 

「当たり前よ!いつまで私に宿代払わせるつもり!」

 

「そりゃわかってるけどなあおい。カマ野郎はどこだ」

 

「あ〜、昨日夜遅くまで飲んでてまだ寝てるわ」

 

ひどい。いくらなんでも酷すぎる。約束だからパーティーにカマ侍を入れたはいいが、早速役立たずとは。まあいい、隙を見てクビにしよう。このポンコツ剣士だって俺たちが自力で稼げるようになったら切ればいいのだ。それからまた新しい仲間を募集すればいい。

 

「そもそもそんなに選ぶ必要もないんじゃないの?あんたたち最初は冗談か何かと思ったけどガチのハイスペ能力者じゃない。一番報酬のいいこれにすればいいわ」

 

「あのなあ、俺たちだってまだ戦ったことないからどの程度のもんなのかわかってないんだよ。それなのにこんなエレクトロドラゴン討伐なんて危険すぎるだろ」

 

「でも実際僕が体力を1にして宗介が無限の体力で突進してパンチでもすればそれで終わりじゃないの?」

 

「いいか?こういうのは何かしらの落とし穴があって実は大した能力じゃありませんでしたってのが大抵のオチだ。それなのに自分たちの能力を過信して強敵に突っ込んでみろ。秒で女神行きだぞ」

 

「じゃあこれは?街の外に巣を作りかけている巨大アリ三匹討伐」

 

「悪くないな。それで行くか!」

 

〜〜〜

【クエスト-巨大アリを三匹討伐せよ-】

 

「あれが作りかけの巣の入り口みたいだな」

 

街の外壁から百メートルも離れていないところにぽっかりと二メートルほどの穴があいている。

 

「どうやってアリをおびきよせる?」

 

「巨大アリといえば決まってるわ!これよ!」

 

「おーい、なんだその壺いっぱいのネバネバした液体は」

 

「水飴よ!これで巨大アリを誘導するの」

 

「なるほど、で、誰が行く?僕は確実に能力使うためにおとりにはなれないと思うけど」

 

「まあそうね。ならもう、決まりね。私と体力無限のあんただったらどう考えてもあんたの方が安全よ。死なないんだもの」

 

「そうだな。おとり役ってのは気に入らないが客観的に俺が適役だろう。じゃあ水飴垂らしてくるからそれくれ」

 

「え?何言ってるの?全身に塗りたくるのよ。ちょっと水飴垂らしたくらいじゃ巨大アリだって気付かないわよ。そもそも水飴は匂いでおびきよせるためであってメインのエサではないし」

 

「おい待て。そんなの聞いてないぞ。ていうか今エサって言ったな」

 

ベトッ。

 

結局つけられた。よくよく考えたらこんな能力最高に都合のいいエサ役じゃねえか。俺まさか一生エサとして扱われるんじゃ。

 

靴を脱いで裸足の俺は片足を巣に突っ込んだ。

 

「出てこないんだけど?」

 

「せっかちね。いいから黙って待ってなさいよ」

 

くそ。宿代を立て替えてもらってるから強く反抗できない。そして直虎は街の壁内で屋台をしているおばちゃんたちに取り囲まれて悦に入っている。

 

突然、足が噛みつかれた。

 

「イダダダダダダダ!!!!!」

 

「ナオトラ!きたわよ!」

 

俺は涙目で自分の足を引っ張っていた。なんとか振り切り巣を離れると巨大アリが一体飛び出して来た。

 

直虎がエレナに教えてもらった通り詠唱を始める。

 

「コマンド!アタックオーバーナチュラルスキル!!」

 

するとドンっと、巨大アリの全身を見えない波動が打った。

 

「宗介!今だ!」

 

「うおおおおお!!!!」

 

ペチ。

 

俺は巨大アリの腹を力一杯引っ叩いた。

 

ビキキキキキキキキ!!!っという音と共に巨大アリの全身の殻にヒビが入り、ギギッ!!という鳴き声と共にアリは絶命した。

 

「やったわ!」

 

「よし!」

 

そんな調子で割とすぐ3体は討伐できた。

 

「結構余裕だったね!」

 

「そうね。あなたたちのスキルどうやら本当みたいだわ。とんでもない代物よ。これがあればどんな高額クエストも余裕だわ!」

 

「そうですねぇ〜」

 

俺は唯一不機嫌だった。クエストが達成できたのは嬉しい。能力がイメージ通りで、今後の生活がそれなりに保証されそうだというのも嬉しい。ただ毎回エサになるのかと思うと憂鬱だった。アリに噛まれたとき、体力は減らなかったもののしっかり痛かった。しかも噛まれた時地面を転げ回ったので全身の水飴に土がついてもうそれはそれは汚い。スキルを使う直虎はあんなにかっこよかったのになんで格差だ。

 

「ちょっと!こっちこないでよ、きったないわね!」

 

直虎は何も言わないものの常にエレナのさらに奥にいる。

 

ひどい。酷すぎる。なんて世知辛い世界なんだ。

 

「はやく帰って、風呂入ろ…」

 

 




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