親友と異世界転生したら俺は体力無限に、親友は相手の体力を残り1にできるイケメンになりました 作:みそすうぷ
俺たち四人は、初めて巨大アリ討伐以来、さらに巨大アリを四回、レッドウルフを二回、制御軸の壊れた暴走ゴーレムを二回、クエストで討伐していた。
オカマ侍のトシロウはかなりの戦闘経験を踏んできたやつでめちゃめちゃ強かった。特に回避に関しては相当な上級者レベルらしく、まだ一度も攻撃があたったところを見たことがない。ところがそう浮かれてもいられなかった。
だいぶあとから発覚したことなのだが、トシロウは幼少期にトシロウの親を恨んだ呪術師によって呪いにかけられており、HP、体力の値が存在せず、二度攻撃を受けたら即死するらしい。はじめはその呪いを克服しようとあらゆる能力者に見てもらいに回ったらしいが結局呪いは解けず、強くなることにしたらしい。
トシロウの攻撃スピードは凄まじい。あれなら直虎が能力を使ったあと敵に攻撃を当てるのも容易だろう。ただ、攻めすぎて攻撃が当たると二回で死ぬ。二回で死ぬのだ。
エレナのこともだんだんわかってきた。こいつの職業が見習い剣士なのは知っていた。実際は見習いがほとんど取れそうくらいの実力らしい。一瞬疑ったが、これは話していたときの口調からしても、戦闘中の実力からしても嘘ではないのだろう。あと山菜ハンターらしい。山菜ハンター笑。
トシロウは戦闘バカでこの世界については俺たちほどではないにしても全然知らないらしく、この世界で生きていくには結局まだエレナに頼る必要があるみたいだ。
直虎は街中の女たちから愛されていた。老若(男)女関わらず。(一部興味ありそうな男がうちのパーティーに一人いる。)たぶんあいつはやろうと思えば、ヒモにでもなってこの世界で楽して生きていける。その話になったときあいつは
「この街以外にもレディーはいるよ?笑」
と言い、否定した。くそっ、うらやましい。
俺はといえば…特に何もない。ほんとにただのHP無限男だった。死なないのはありがたい。でもそれだけだ。痛みはあるし、よく考えたら寿命で死ねるのかもわからない。今後がひたすら不安だ。
そんな俺たち四人は、クエスト十回目となる今日、大きく出ることにした!
〜〜〜
荒涼とした静かな山に俺たち四人は来ていた。エレクトロドラゴン討伐のためだ。報酬は200万ゴールド。四人で分けても一ヶ月は宿と食べ物に困らないであろう額だ。
山はてっぺんがくぼんで盆地のようになっているカルデラになっていて、そこにドラゴンはいるらしい。たった一体、うまくいけば他のクエストのときみたいにあっさり勝てるだろう。
「よし!みんなもうそこを登ればてっぺんだ!エレクトロドラゴンは気づいたらすぐ攻撃してくるかもしれない!気を引き締めて作戦通りいくぞ!」
「おう!」
「おう!」
「おう!」
作戦は簡単だ。まず、もし周りに他のモンスターやドラゴンが複数体いた場合は、エレクトロドラゴン一体になるようにエレナとトシロウが気を引いておく、あるいは倒せそうならその場で倒す。
エレクトロドラゴンが孤立したらここぞというタイミングで直虎がスキルを命中させ、エレナとトシロウが逃げないようドラゴンを囲み、そこに焦って暴走したドラゴンの攻撃がいくら当たってもいい俺が突撃し、確実に一発お見舞いする。シンプルかつ確実だ。
「あ!」
なんとドラゴンの巣にドラゴンの姿はなかった。代わりに人間の子供くらいの大きさの卵が二つあった。
「お、おいどうするエレナ?ドラゴンが来るまで待つか?」
「ないないないない!そんなのありえないわ!だってあれ、エレクトロドラゴンの卵よ!魔術師に売れば一つ500万ゴールドはくだらないわ!」
「ごひゃく!?」
「なんだって!絶対にあれは取ってこなきゃじゃねーか!」
「じゃああたしとエレナで取ってくるのが確実よね」
「いや、まてトシロウ。二人共いなくなったら俺と直虎が襲われたときドラゴンを倒せても最悪の場合、直虎は死ぬ」
「じゃあ私が取ってくるから、トシロウは二人を守ってて」
「わかったわ」
「いっせんまんか、卵で予定の五倍の金額だよ」
「いっせんまん…」
「いっせんまんねえ…」
「きゃあああああああああ!!!」
「あ」
「あ」
「あ」
エレナが帰ってきた母ドラゴンに狙われた。
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