――目が覚めたら、見知らぬ風景が広がっていた。
……テンプレ乙。なんて言われてもテンプレを使用してでも状況を教えたかった。
あぁ、まずは落ち着こうか。やや焦っていたようだ。
さて、とりあえず、私の情報を再確認しよう。能力の一つに『自己分析』があったはずだ。
……あった。迷わず能力を使用すると、一瞬耳障りな音が聞こえた。耳障りではあるがこれが解析中の印なのだから我慢するしかない。……能力の改良ができれば迷わずしているのだがな。
『――解析終了。名前、秋城桜花サマ。解析時の身体年齢、10サイ』
ん? 10歳だと? 私の年齢は17のはずだが……。
気になって自分の手を見た。小さい。まさか身体年齢といっていたのはそういうわけか。精神年齢は17というだけで。
『現在保有している能力、2000コ。前世での死因、銃殺デス。死亡した後、トリップしてこの世界へ来られマシタ』
……いやいやいや、トリップしたらいきなり10歳は……無い。普通、死んだことによってトリップしたら赤ん坊からスタートしたりするだろう? 世の中のトリップ小説も基本的にそのはずだ。
まさか……なぁ。自己解析で死んだって出ているんだから、死んだに決まってるだろう。ならばなぜ今世では10からスタート?
……まぁ、そんな不思議体験今更か。私という存在自体が不思議なものだからな。
しかし、ここはどこだ? 日本にしてはやけに自然が多いものだ。例えるなら山の中といったところだろうか。
だが、ここがどこの県か分からなければ意味が無い。どこの県か分かれば山の中といえど少しは見当が付くというものだがな。
まぁ、とりあえず少し歩いてみるか。もしかしたらヒントがそこらへんに転がっているかもしれないし。
……歩いて10分くらい経った。そして山の頂上を目指していた私の視界に入ったのは……地面に倒れている西洋の魔法使いの服装っぽいものを着ている人だった。
「霊夢のやろー……ただじゃおかないぜ……」
絶賛仲違い中の友人同士が何かやらかして、負けた方が家に変える途中に発する負け犬の台詞のようなものを言葉にしたこの金髪黒魔法使いはなんだろうか。
こういう場合、黙って立ち去るか、声をかけるか。この二択が現れる。基本的に私は前者を選ぶのだが、今回の場合は話が別だ。この世界について理解しなくてはならないのだから、仕方なく後者を選ぶことにした。
「……大丈夫ですか?」
声をかけるまで私の存在に気づかなかったらしい。声をかけると少し驚いていた。
「あ、ああ。大丈夫だ。……しっかし、どうしてここを通ろうとしているんだ?」
「ただの探索です。どこに何があるか分からないので、自分の目と耳で知りたいのです」
「ん? そういっているということは外来人か?」
嘘は言っていない。だが、それを言った後の彼女の言葉の中に知らない単語がある。
『外来人』とはなんだ?
文字通りに直訳してしまうと“外から来た元々そこにいなかった人物”ということでいいだろう。
となるとこの山の中は何かの集合集落で、その外から来たため外来人と呼ばれたということだろうか。
「そっか。外来人って言っても分からないな。まずこの場所について説明したいところだが……手っ取り早く済ませるにはやっぱり霊夢のところへいくしかないのか……」
一人で自問自答して悩みこんでいるが、私の頭にはクエスチョンマークしか浮かばない。一体何の話をしようというのだ。
「うん。仕方ない。ちょっと私と一緒に来てくれないか? この世界について説明するためにうってつけの場所があるからな」
若干嫌々感もあるが確実な信用も混じっている。そこまでいうところであれば、行ってみてもいいかもしれない。この世界についての説明をしてくれるのであればそれはかなりありがたいし……
何かあれば私の能力でどうにかすればいい。
ならば、話は簡単だ。
「わかりました。着いたら、説明お願いしますね」
「おう! そうだ、一応言っておくが、私の名前は霧雨魔理沙って言うんだ」
「私の名前は……。私の名前は、秋城桜花といいます」
世界を知るために利用させてもらおうか。