魔法の森というところにある魔理沙の家に行くことになったのだが、魔法の森とはどこだ?
「……そういえば、魔法の森までどうやって行くんですか?」
素朴な疑問ではあるのだが、これが以外にも重大な事実だったようだ。
「しまった……。飛んでいると気づかないが、徒歩で歩くとすると時間がかかるんだった……」
「そうね……。飛んでいくから問題なかったのだけど……」
……何故二人して私を見る。ああ、私が飛べないから余計な運動をする羽目になるのだな。特に霊夢。特に霊夢。(大事なことなので二回言いました☆)
「皆さん飛ぶとかそのようなことを言ってますが、人間ですよね……? 先程の八雲紫さんならともかく」
アレは例外だからな。しかし、人間が空を飛ぶ? まさかそのようなことが……あるかもしれないな。そうだ、私を含む周りは基本的に二次元だということをすっかり忘れていた。
「そりゃまぁ……ねぇ?」
「ほら、最近よく聞くだろ? まったく持って役に立つことのない車掌の決め台詞らしい『イマジネーション!』てやつだぜ」
幻想郷には、戦隊も幻想入りしているのだろうか。というか、投稿日的にいえば最近のやつじゃないか。忘れ去られたわけでもあるまいし……ということは、八雲紫さんが持ってきたのか。それとも、もしかしたらあるかもしれない結界の綻びから流れ出てきたのか。どちらかだろう。
さて、本題は飛ぶことだ。まぁ、能力の中にはな、羽の出現する能力があるからな。やろうと思えば出来るが、能力をそう簡単に出そうとは思わない。
「普通それで出来るんですか?」
「まぁ、そんなもんでしょ。私たちも当たり前のようにやってるからなんともいえないけど」
飛べるなら何かは言えるはずだが。
……そういえば、霊夢の能力には『空を飛ぶ程度の能力』というのがあった。なら、巧妙にカモフラージュしつつやれば、バレずにすむ。何とかなったというわけだ。
だから、能力を使用する……おや? 何かがおかしい。無重力状態に陥っているような気がする。
「え。うわ。なんですかこれ」
「……想像を働かせすぎると怖いな」
「待って。これは想像力とかそんなチャチなもんじゃ断じてないわ。これって……」
霊夢が何かに勘付いた。ヤバイ、霊夢は勘が良かったのか。まぁ、能力の持ち主の前で能力を始めて行使したら加減が分からないから変な挙動を見せることもあるんだよな。それも特に、能力を使ったところを見ていない場合は特に。
能力を解除しよう。そうすれば偶然だったと分かる。だって、能力で生み出された飛行能力だ。ならば、きっと落下するだけだからな。
……するとどうだろう。私の体は落下することなく、むしろ安定して空中に浮いているではありませんか。重力に逆らうことのなく、ホバリングを続けるヘリコプターの如く。
全くもって考えていたこととは違うが、これはこれでありだ。能力なしで飛べたのならば、それで構わない。
「が、頑張れば何とかできました」
「そうかそうか。それならよかったぜ。まぁ、最初どうなるかと思ったがな」
魔理沙はなにも気づくことなく笑っていた。いや、それが一番なのだが。それが私にとっての心の平穏をもたらしてくれるのだが。
「そうね……。別に、飛べたなら問題はないわよね……」
だめだ。霊夢的にはまだ終わっていない。勘が告げているはずだ。何か隠している重大な何かがあるということを。
「飛べるから、今度こそ魔法の森へ行こうぜ? 徒歩よりも倍早い」
「そうね……行きましょう」
そして今度こそ、魔法の森へ行くことになった。ただし、徒歩ではなく、飛行して。
何故、何故スムーズに魔法の森へ行こうとしなかったし。