(これはっ……!!!)
「……どうした、大人しく付いてくる気になったか?」
(白狼天狗だっっ!!!!!!!)
白い毛並み、そして犬耳、それに尻尾も見えている
(あやや、どうしましょう……まさかここで天狗に出会えるとは)
私は既に妖怪の山の範囲内に侵入しており、監視を担当していた白狼天狗に見つかったという感じなのだろうか?
「おい、聞いているのか?」
「……」
だとすれば、ここまま連行されていけば妖怪の山へ案内してもらえるかもしれない。いやしかし、そのまま怪しい者として殺されてしまう可能性もある。それならば一旦ここは様子見で……
「おい!!大人しく付いてくるか反抗するのかはっきりしないか!!!」
「はいぃっ!!逃げさせていただきます?!?!」
「逃がすかっ!!」
咄嗟に突風を発生させ上空へと距離を取ろうとする
「怪しいものじゃありません~!!」
「待たんかっ!!」
右へ左へ、時に乱気流を発生させながら逃走を図る
「その手は効かんぞっ!」
「なんでですかーっ!」
しかし妨害も意味を成さず、その距離はどんどん縮まっていき……
「ひょわっ」
「捕まえたぞっ!」
十数秒の逃走も虚しく、がっちりと足首を捕まれてしまった
「よし、今度こそ連れていくからな」
「あやや~、怪しいものじゃないですよーー……」
「それを今から調べに行くんだ、大人しくついてこい」
「な、私に何をする気ですか」
「書世丸様の所で記録を確認する、そこにお前の記録があるはずだ」
「私の記録が……?」
「鴉天狗の出生記録は全てそこにまとめられているからな」
「いやいや、ありませんよ絶対」
「いいや、書世丸家の記録は絶対だ、特に鴉天狗のことに関してはな」
「いや……ないと思いますよ」
(さすがにこれで私の記録があったら驚きってレベルじゃないですよ……)
「なぜそこまで自信を持って言いきれる?嘘ならすぐバレると言うのに」
「いや、射命丸という記録はないな」
「何故だっっっ!!!」
「だから言ったじゃないですか……」
連れてこられたのは紙の匂いのする書物庫らしき場所
「いやしかし、私としては記録にない鴉天狗であるのならば君のことを隅々まで記録させて頂きたいのだが……」
手をワキワキする眼鏡をかけた書世丸というらしい男性の鴉天狗
「出身は?身長は?体重は?得意とする技術はあるのかな?これまでの来歴も聞かせーーーー」
「あや、あやや……わ、私は……」
「書世丸様、ここに記録がないとなればこやつはどこへ連れていけばいいのでしょう?」
「できれば君の服装についても記録を……ふむ、そうだな……この子は……」
「必要であれば哨戒班の牢屋に入れておきますが……」
「えぇ?!」
「いや、そうだな……射命丸……私のように長の名前を持つもの……ふむ……」
「どうしましょう?」
「そうだな、念の為一旦私が引き取ろう」
「書世丸様が……?」
「必要な手続きは私がしておこう、犬走よ、ご苦労だったな」
「お気遣い感謝します、それでは」
どうやら私を連れてきた彼は犬走と言うようである
(犬走ッ?!?!?!)
「そうだ、射命丸と言ったか……お前、書世丸様に粗相をするんじゃないぞ」
「は、はい……」
いやしかし、犬走とは言ったがそもそも彼は男のようである
(あの犬走椛とは違いますよね……)
その容姿も白毛の犬耳ではあるものの明らかに男性で、それも割と筋肉がついているように見える
(あ、犬耳って言うと怒られそうですね)
「ふむ、それでは射命丸君、ついてきてもらえるかな?」
「は、はいっ」
「そんなに緊張しなくてもいいさ、ちょっと記録をしたあとに天魔様にあってもらうだけだからね」
「て、天魔ですか……?」
「そうだね……ふむ、その様子だと天魔様については知っているのか……なるほど、記録しておこう」
「あっ……」
「なに、記録するだけだよ……必要となれば閲覧されることになるだろうけどね」
「そ、そうですか」
割と背の高い彼に連れられて書庫の奥へと進む
「ここは……?」
「私の作業場みたいなものさ」
そうして連れてこられたのは棚が大量に設置された少し暗い部屋、そこから少し歩くと開けたスペースに作業机らしきものが設置してあるのが見えた
「そうだな、これにひとまずこれに掛けてくれるかな?」
どこからともなく椅子をとりだす書世丸さん
「へぇ……すごい」
「ふむ、術の類に興味あり、しかし理解している訳では無い様に見える、と」
「す、すみません……」
「いや、大丈夫さ……そうだな、私は沢山の記録に触れることもあって少しこの類の術の知識はあるのさ、興味があるのなら後でオススメの書物を紹介しようか?」
「あ、はい、そのうちお願いします」
「よし、それじゃ記録していこうか」
これまたまたどこからか取り出した椅子に腰掛ける書世丸さん
(今度の椅子はちょっと良さげな椅子だ……)
「そうだな、どこから質問していこうか……あ、そうだ」
「なんですか……?」
「虚偽の申告はしてもいいけど……記録に残るからね」
「は、はい……わかりました」
一体どんな尋問が始まるのだろう?
読んでいただきありがとうございます
今回は早めに書けました。毎回これだけ早く書けたらいいのになぁ
最近は執筆の熱が高まっているので毎日ちゃんと書くと言うのを決めて頑張っています。Twitterで執筆の記録をつけてるので、進捗が気になるからはどうぞ
最後に、お気に入り登録者700人突破ありがとうございます。100人ごとにお礼を言っていたらくどくなりそうですが。
作者は毎日増えていくお気に入り登録者数やUAを見てこんなに増えていいものなのだろうかとドキドキしています。
今後ともよろしくお願いします
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