東方鴉人録   作:yukke9265

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23.天魔と鴉天狗

「やぁ、こんにちは射命丸くん」

 

突然どこからか声がする

 

「こ、こんにちは」

 

振り向くが誰もいない

 

(部屋の中には私1人だけ……なのに声は近くから聞こえてくるってことは……)

 

「術か何かですか……?」

 

「違うよ〜、上見て上」

 

「えっ」

 

そう言われて上を見ると……

 

「やっほー」

 

何者かが天井に張り付いていた

 

「こんにちは……天魔さんですか?」

 

「天魔さん……まぁそうだね、天魔さんだよ」

 

スっと音もたてずに畳に降りる天魔さん

 

「天魔さんって呼ばれるのも久しぶりだなぁ」

 

「あっすみません、えっと天魔……様?」

 

「そのままでいいよ〜」

 

「そうですか、ありがとうございます」

 

「それじゃあ……何から話そうかな?」

 

書世丸さんから渡されていた書類を取り出して読み出す天魔さん

 

「えっと……へぇ、諏訪から来たんだね君」

 

「はい、守矢神社にお世話になっていました」

 

「守矢神社ね、昔からあそこは力が強いからねぇ」

 

「あ、そうだ」

 

そういえば天魔さんに渡せと言われたものがありましたね

 

「これなんですけど」

 

鞄から諏訪子さんから受けとった箱を取り出す

 

「ほう、それはなにかな?」

 

「これは、諏訪子さんからあなたに渡してほしいと頼まれたものです」

 

「それが?えっ、私にはかなりの呪物に見えるんだけど……」

 

「諏訪子さんには手紙のようなものだと言われていますが……そうなんですか?」

 

「えぇ……これで手紙って、宣戦布告か何か?」

 

「えぇ!そんな訳ありませんよ、諏訪子さんはそんな気はないと思います」

 

「そうなんだ……まぁ開けない限りは特に害は無さそうだし一応受け取っておくよ、然るべき防御をしてから開けさせてもらうよ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「それじゃあ……君はもしかしてこれのために妖怪の山へ?」

 

「半分はそうですね、頼まれごとだったので」

 

「もう半分は?」

 

「私が妖怪の山に来たかったってだけです」

 

「それだけ?」

 

「はい」

 

「妖怪の山へ来て何かをしようというわけでもなく?」

 

「まぁ、もちろん何かはしたいですけど、それはこれから決めます」

 

せっかくの妖怪の山だから、いろんなキャラに会いたいものだ

 

「そっか、じゃあこれから暇ってこと?」

 

「まぁ……そうですね」

 

「そうなんだ……あっそうだ」

 

「なんでしょう?」

 

「君、妖怪の山に住む予定ある?」

 

「えっ……急ですね」

 

「どう?」

 

「ないことは……ないですけど」

 

というか、こんなに簡単に妖怪の山に住めるならば願ったり叶ったりだろう

 

「それならいい所があるんだよね」

 

「私なんかにいいんですか?」

 

「君だからいいんだよ」

 

「どういうことです?」

 

「行けばわかるから今から行こうか」

 

「えぇっ」

 

「ほらほら、立って立って」

 

「ちょ、ちょっと突然すぎません?」

 

「そんなことないよ〜」

 

腕をグイグイ引っ張られる

 

「そ、そうだ!そういえば私の名前のことなんですけど!」

 

なにがなんだかわからないので一旦話題をずらすことにする

 

「あぁ、私がいいと言えばいいんだろ?もちろん大丈夫さ」

 

「えぇ、そんな適当でいいんですか」

 

「天魔がいいと言ってるんだからいいんだよ」

 

「そうですか……」

 

さすがの天魔様である

 

「じゃあ、これで君の用事も済んだしついてきてくれるよね?」

 

「は、はい……」

 

一体どこへ連れていかれるのだろう

 

「楓!聞いてたよね?行くよ」

 

「かしこまりました」

 

声と同時に襖が開く

 

「しかし天魔様、娘様にはつい三日前に来るなと言われたばかりではありませんでしたか?」

 

「今回は特別だよ、この子をあそこに住ませようと思って」

 

「天魔様、また勝手にことを進めるなと娘様に怒られますよ」

 

「いいじゃないか、今はたてに必要なのは同世代の友人だろう?」

 

「それはそうかもしれませんが……」

 

「あの……天魔さんに娘さんがいらっしゃるんですか?」

 

(何か聞き覚えのある名前が聞こえた気もしますが……)

 

「そうだよ?姫海棠はたて、私のかわいい娘でね、今は一人で生活ををしているんだけど、君にはたてと一緒の家で暮らしてもらおうかと思って」

 

「えぇっ?!?!」

 

(姫海棠はたてですか?!あの?!しかも天魔の娘?!)

 

「やはり驚かれるのですね、天魔様に娘がいることを知られると」

 

「その言い方はなんか気になるなぁ?」

 

「すみません、長年の疑問でしたので」

 

「それを言うなら楓も早く子作りすればいいのに〜」

 

「……私には遠い話です」

 

「ま、楓がいいならいいけど」

 

そして情報を飲み込むのに時間がかかっている中、またしても腕を掴まれる

 

「さぁ、こんな話はいいから早く行こう!」

 

「は、はいっ」

 

どうやら姫海棠はたてに会うことになってしまったらしい私、これから一体どうなってしまうのだろうか?




読んで頂きありがとうございます!

毎週投稿しようと言って次の週に2日遅れの投稿ですね。来週は頑張ります。

追記 どうやら1話の投稿から1年が経過していたようです。途中休止もありましたが、意外と1年が長かったような気がします。これからもよろしくお願いします

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