「貴方はだーれ?」
「ふぇ?」
暗闇から声がする
「いい匂いがしたから来ちゃったわ、これはあなたの食べ物かしら?」
「は、はい……?」
な、何者…?!
「お腹すいてるから食べていいかしら?」
暗闇の向こうから話しかけているのか、姿も見えません
「え……?あ、どうぞ沢山ありますから」
(突然すぎませんか……?)
「ありがとう、もらうわね」
(焼いた肉をあげるのはいいんですが……)
「えーと、先に顔を見せて頂いてもいいです?」
暗闇から肉の方へ伸ばされた手が止まる
「……なんでかしら?」
「あ、単純に暗闇でお顔が確認出来ないので、どんな方なのか気になっただけですよ」
あやや、ちょっと警戒されちゃいましたかね
「そう……まぁいいわ」
真っ暗だった周辺が夜目で見えるほどの明るさへと戻る
「私はルーミア、よろしくね」
そこにいたのは金髪の女性だった
「えっ……」
(るるるルーミア?!今ルーミアって言いました?)
そ、そんなことあります?!
(い、いやでも原作とは姿が全然違うような?)
「もう食べてもいいかしら?」
ルーミアさん(?)の声で現実に引き戻される
「ど、どうぞっ!」
驚きと緊張で声がうわずってしまいます
「ありがと、頂くわね」
そんなことはいざ知らず、彼女は既に焼けた肉を口に入れている
「んモグモグ、美味しいわね」
(いやいやいや、この人がルーミアだなんてそんな)
身長も割と高いですし、何より赤いリボンが付いてないです
(いやでもルーミアという名前をもつ方が他にいるとは……思えないですよね)
「あやや、分からなくなってきました……」
「ん?どうかしたかしら?」
「な、なんでもないですっ」
(危ない危ない、つい口走ってしまいました、冷静にならないとです)
「ひっひっふー、ひっひっふー、あれ…?」
(この匂いは……)
匂いの元に目を向けると………?
「あぁぁぁこげてますぅ?!」
石焼き(?)にしていた肉の方をすっかり忘れていました
「なんてことを……」
片面が真っ黒になってしまいました……
「んぐ、さっきからあなた元気ねぇ」
「すみません……その、肉が焦げてしまって」
これじゃせっかくの肉が台無しです
「それって食べられるわよね?」
「まぁ食べられないわけではないですけど…」
「食べられるならいいじゃない、食べないなら貰うわよ〜?」
「は、はい……どうぞ」
「いただきまーす」
(食べちゃうんですね)
あまり食にこだわりがないんでしょうか
「そういえば普段は何を食べてるんですか?」
「んー?人間かな〜」
「あー……なるほど」
確かに当たり前のことでした
(ルーミアは人喰い妖怪ですもんね……)
その点でもやはりこの人は東方紅魔郷に登場する妖怪のルーミアで違いないんですかね
「ん〜、ご馳走様」
そんな考え事をしている間にもう食べ終わってしまったみたいです
「お粗末さまです」
「長らく人間を見つけられてなかったから助かったわ〜」
「そうなんですか?それは大変ですね」
「そうなのよね〜、人間が全然いないのよ〜」
(あ、そういえば近くに村ありましたよね)
ルーミアさんは見つけてないみたいですね
「貴方は最近見かけていたりしないかしら?」
「あー……」
(ぎくぅ?!)
「人間は……み、見かけてませんね」
教えたら絶対食べに行きますからね、流石に教えられません
「あらそう……残念だわ、この辺りは人が少ないのかしらね」
「多分そうだと思いますよ」
ちょっとあそこの村の人間を食べられるのは困るので、ここは嘘をつかせていただきます
「そうね……それならちょっと遠くまで行こうかしらね」
「それがいいんじゃないでしょうか」
(あれ……そういえばなんで私はあの村を守ろうとしてるんでしょう?)
関わりないのに不思議ですね
(やっぱり私の中に人間の心があるってことなんでしょうか)
「そろそろ私は行くわね、色々ありがと」
「あっ、こちらこそルーミアさん会えて良かったです」
「ん…?まぁいいわ、それじゃ」
「はい、またいつか!」
そう言うとルーミアさんは闇を纏って飛んでいってしまいました
「あやや……行っちゃいました」
(初めて会えたのに何も聞けませんでしたね……)
もう少し色々話しかけてみれば良かったです
「まぁそのうちまた会えると思っておきましょうかね」
(それはそうとして……)
残っている肉を食べてしまわないとです
「あや……ルーミアさん結構食べていきましたね」
山ほどあった肉がもうほとんど残っていません
「まぁルーミアさんに食べて貰えるなら光栄ですね」
そうに違いありません
読んで頂きありがとうございます!
今回はキリがいいので短めです
続きは明日夜に投稿予定です