東方鴉人録   作:yukke9265

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5.この身体の有効活用

「んんっ……」

 

小鳥のさえずりで目が覚める

 

「起きないと……いてっ」

 

(はぁ……なんで毎朝のようにどこかしらぶつけてしまうんでしょう)

 

とりあえず顔を洗いにでも行きましょうか

 

眠い目を擦りながら寝床を出て歩き出す

 

 

 

「ふぅ、やはり冷たい水は気持ちいいです」

 

清流の水となれば尚更です

 

「最近少し暑くなってきた気もしますからね」

 

その辺は気のせいかもしれません

 

 

 

「さて、どうしましょうか」

 

昨日は……そうでした、ルーミアさんに会ったんでした

 

「すぐ行っちゃいましたけどね」

 

もう少しお話をしたかったです

 

「また会えると信じることにしましょうかね、きっとそのうち会えます」

 

まぁ、振り返りはこれくらいにしておいて

 

「今日は周りの探索でもしましょうかね」

 

ちょっと試したいことかあるんですよ

 

「早速やってみましょうか」

 

腰を少し落として構える

 

「すぅ……はぁ……よしっ、まずは……」

 

自分の周りに上昇気流を作り出して準備をする

 

「そして……せーのっ!」

 

大きく羽ばたかれた黒い翼は、風を受け止め、

その軽くて小さな身体を……

 

 

高い空へと連れ去った

 

 

「おおおっ!すごい!」

 

みるみるうちに周りの木々よりも高い場所へと上昇する

 

「遠くまで見渡せますねぇ」

 

(これならもしかして……)

 

羽を大きく広げ、風を操作し、滑空するように姿勢を変えてみる

 

すると、身体が宙を滑るように移動し始めた

 

「おおー!鳥になったみたいです!」

 

眼下には流れていく森

 

(翼が風を切る音が心地良いです)

 

「そして身体を傾ければ左右に移動できますね」

 

ある程度風を操作することでバランスを保てるので案外簡単です

 

「よっ……おおっと」

 

曲芸飛行はちょっとまだ難しいですけどね

 

「それではもっと速くしてみましょう、それっ!」

 

風を纏い、空を滑る

 

「あははっ!空を飛ぶのって楽しいですねっ!」

 

しばらくこの初めての空を満喫することにしましょう

 

 

初めての空を一通り楽しんだ頃

 

「よっと……」

 

風が止み、地に足をつける

 

「楽しくなってしまって本来の目的を忘れるところでした」

 

初めての空でしたからしょうがないですよね、そういうことにしておきましょう

 

「本来の目的は空が飛べるなら遠くまで探索できるって話ですからね」

 

あれだけ飛べるならどこまでもひとっ飛びでしょう

 

「問題はちゃんと帰って来れるかですけど……」

 

この川を目印にして頑張ってみましょうか

 

「それじゃ上流に向かってレッツゴーですね!」

 

ビュンっと飛び上がりスーッと飛んでいけば何か見つかりますよね

 

 

 

 

「おっ、あれは……」

 

緑で……細くて真っ直ぐ長い

 

「竹林ですね!」

 

(竹は割と色々用途がありそうですね)

 

覚えておいて今度採りに行きましょうか

 

さらに上流へと飛んでいく

 

 

 

「おおーっ、すごいです」

 

野生植物をつまみ食いするなど言葉通り道草を食いながら

 

気持ちよく空を飛んで進んでいくと大きな崖と大きな滝がありました

 

「うひょー、滝つぼは結構激しいことになってますねぇ」

 

水しぶきにはうっすら虹も見えます

 

「崖の上にも行ってみましょうか」

 

風を操作して高度を上げる

 

「お、花が咲いてます」

 

崖に咲く花というのもいいものです

 

「そして上からの景色もいいですね……」

 

今まで飛んできた川の流れが遠くまで見渡せます

 

「そして下は……あやや」

 

命懸けのロッククライミングでもできそうな断崖絶壁です

 

「少しここで休憩することにしましょうか」

 

崖に腰掛けて景色を楽しむことにしましょう

 

 

 

 

そして少し時間が経つ

 

「さて、無事寝床まで戻ることができるんでしょうかね」

 

休憩の後、キリがいいので上流へ登るのはここまでということにして

 

今は来た道を戻っているところです

 

「空を飛んでいるので道というのも変な感じがしますが」

 

まぁそれは……どっちでもいいでしょう

 

「成果としてはまぁまぁといった所でしょうか?」

 

一応役に立ちそうな物はありましたね

 

「まぁ今回は飛行試験みたいな所もありましたね」

 

おかげで割と上手く飛ぶことができるようになりました

 

「曲線的な複雑な飛行はまだ難しいですけどね……」

 

それはおいおい練習していくことにしましょう

 

「あとは家に帰るまでが遠足なんですが……」

 

 

 

……!

 

 

 

「ん……?」

 

(何か聞こえたような…?)

 

耳をすましてみる

 

 

 

……っ!

 

 

 

「やっぱり何か聞こえます」

 

それに何故だか胸騒ぎがします

 

「……これは急いだ方が良さそうですね」

 

音のする方へ針路を向け、速度を上げる




読んで頂きありがとうございます!

昨日投稿した分が短めだったのでその補完です
やっと空を飛べて良かったです
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