東方戦国記   作:楠名等

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どうも、楠名等です。

今回は戦ってますよ。うまく戦いを表現できてるかは自信ないですが。
後、今回の話で少し独自設定が入ってます。その説明(あるいは言い訳)は後書きで。

*タイトルいれ忘れてたので編集



戦う者たち

 

地方都市・沢芽市。その街にそびえ立つ巨大なタワー、ユグドラシルタワー。それは、巨大企業ユグドラシルコーポレーションの沢芽市支社であり、沢芽市のシンボルである。

そのタワーの一室で、二人の若い男性が話をしていた。

 

「駄目だ、許可は出せない」

「何故ですか!呉島主任!」

 

黒いスーツに身を包んだ呉島主任と呼ばれた男ーーー『呉島 貴虎』にもう一人の男が詰め寄る。その表情は不満よりも必死さが見える。

彼は自分がリーダーを任された任務で一人の行方不明者が出てしまった事に責任を感じていた。そして、どうにか捜索の許可を得ようとしていた。

 

「生死不明の者のために人員を割くわけにはいかない」

「ですが!」

「『神木』、お前の気持ちも分からないでもない。だが、我々はもっと大勢の人を守らねばならない。ただ一人に拘るわけにはいかない」

「・・・私もその気持ちは同じです。だからと言って時ま・・・戦国を見捨てる事は出来ません」

 

神木と呼ばれた細身の男は、貴虎の目を真っ直ぐ見る。しばしの間沈黙が流れる。先に沈黙を破ったのは貴虎だった。

 

「・・・分かった。こちらでも、捜索については検討してみる」

「っ!ありがとうございます!」

「だが、あまり期待はするな」

「はい!」

 

神木は貴虎に改めて礼を言い部屋を出る。

ため息を吐き、椅子に体を倒す貴虎。そこに研究者然とした格好をした、髪に白いメッシュを入れている長身の若い男性が入ってきた。見知った顔に貴虎は少し緊張が和らぐ。部屋に入ってきた男は、貴虎を気遣うように声を掛けた。

 

「やあ、貴虎。疲れているようだね?」

「『凌馬』か。いや、俺は大丈夫だ」

「貴虎、もしかして例の研究員が行方不明になった事故の件かい?あれは君の責任では無い。あまり気を病むな」

「だが、行方不明になった研究員は・・・」

「分かっている。あの子供だろ?」

 

ユグドラシルコーポレーションという大企業には似つかわしくない子供。新たに発見された空間の亀裂の捜索に同行した若い研究者だ。空間の亀裂に飛び込み、そのまま行方不明になってしまった。

 

「やはり、あいつには普通の生き方をさせてやるべきだった」

「かもしれない。しかし、それは過ぎ去った過去の話だ。今更悔やんでもしょうがない」

「・・・ああ」

 

今更悔やんだところで何か変わる訳ではない。そう思っても、貴虎の中の罪悪感は消えなかった。それを見た凌馬は少し話しずらそうに話題を変える。

 

「話は変わるが、実は妙な事が起きたんだ」

「妙な事だと?一体何だ」

「彼の作った量産型のベルトが全て消えていた」

「何だと!?」

「彼が装着していた特別製の物と作りかけの『新型』を除けば、彼の個室に保管されていた八台全てが無くなっていた」

 

凌馬の言葉に貴虎は驚く。量産型のベルトが盗まれた事は一度だけあったが、その時は一台だけだった。八台も盗まれるのは前代未聞だ。

 

「監視カメラは確認したのか?」

「彼の個室には監視カメラが無い。ただ、それ以外のものは全て確認済みだ。しかし、誰も彼の個室には訪れていない」

 

パソコンに監視カメラの画像を表示する。貴虎は自分の目で確認するも、特におかしい点は見当たらなかった。もっとじっくり見れば何か発見できるかもしれないが。

 

「捜索の同行許可を出した時に彼の持ち物もチェックした。その時は、一台しかベルトはなかった。彼が捜索に出た直後辺りに盗まれたと考えるのが妥当だが、どうやってかは分からない。彼が行方不明になったのと無関係かもしれないし、そうじゃないかもしれない。これはまるで・・・」

 

凌馬は貴虎に背を向け言葉を続ける。冷静な声色を崩さずに。だが、貴虎からは見えないその表情は、

 

「まるで神隠しだ」

 

新しい玩具を見つけた子供のような笑顔だった。

 

「神隠し、か」

 

貴虎は嫌な予感がするのを感じていた。せめて、この予感が外れるようにと思う。行方不明になった少年の生存を願いながら。

 

 

「はぁっ!りゃあ!」

「グオォ!」

 

黒影へと変身した戦国はインベス強化体と応戦していた。相手の猛攻を躱しながら影松で斬りつける。しかし、相手も並のインベスではない。戦国の攻撃は大したダメージにならず、インベス強化体の動きは全く衰えない。

 

「ウオォォー!!!」

「うわっと!危ない危ない」

 

インベス強化体の一撃をすれすれで躱す。地面が陥没するほどの一撃に、戦国は冷や汗を流す。

戦国はインベス強化体と戦いながら、そのデータを確認していた。力は従来のシカインベスよりも遥か上で、機動力も上がっている。一番厄介なのは、痛覚が鈍くなっているのか攻撃をしても怯まない事だ。スイカロックシードが使えれば楽なのだが現在はエネルギー切れで使用出来ない。

しかし、戦国は諦めない。

 

「ウウウゥゥ!グオォォーー!」

「今だ!」

『ソイヤッ!マツボックリスカッシュ!』

 

カッティングブレードを一回倒し、必殺技を発動させる。大振りの攻撃を躱し、相手の懐に入る。マツボックリ状のオーラを纏った影松の一撃を胴体に食らわし、そのまま強化された蹴りを入れる。初めてまともに入ったダメージにインベス強化体は悲鳴を上げ暴れる。戦国はインベス強化体の足元をくぐり抜け背中に回る。無双セイバーを引き抜き、鍔を引いて弾をチャージする。

 

「これでも食らえ!」

「グオォォ!?」

 

ガラ空きの背中に連続で弾を撃ち込む。インベス強化体は痛みに怯む。その隙を逃さず、背中に飛び乗り無双セイバーで斬りつける。痛みに暴れるインベス強化体に振り落とされるも、戦国は次の攻撃へと移る。

 

「なあ、霊夢」

「何よ、魔理沙」

「スイカ太郎・・・じゃなくて、時正だったけか?あいつ普通に強くないか」

「強いというより、相手の行動を知っているように見えるわ」

 

魔理沙はインベス強化体と戦う戦国の強さに驚くが、霊夢は戦国の戦い方は何か経験に基づくものと捉えていた。しかし、戦国はアーマードライダーにはなったばかりだと言っていた。その言葉は嘘には聞こえなかったし、そこまで戦闘経験があるとは思えないが。

霊夢の考えは半分当たっていて、半分間違っていた。戦国は別のアーマードライダーの戦いのデータを記録を殆ど見ていた。その中に幾つかシカインベス強化体の戦闘データがあったのだ。その行動パターンを戦国は記憶している。だから相手の行動を予測して躱す事が出来る。

だが、それも絶対では無い。

 

『ソイヤッ!マツボックリオーレ!』

「そおりゃあ!」

「ギアアアァァァーー!!」

「え!?ぐわぁっ!!」

 

インベス強化体の片腕が切り裂かれる。片腕が吹っ飛び、今までにない痛みに暴れるインベス強化体。その一撃をまともに食らってしまい、吹き飛ばされる戦国。今の一撃を食らわせればインベス強化体は一旦後ろに下がるはずだと思っていた戦国は、受け身を取ることもできずに地面に叩きつけられる。その拍子に影松と無双セイバーを落としてしまう。

 

「ぐぅっ、うぁぁ」

「おい、スイタ!しっかりしな!!」

「まずい!インベスが!」

 

痛みで体を動かせない戦国に周りのインベスを倒し終わった萃香が駆け寄る。そこにインベス強化体が近付いてくる。想像以上のダメージに思うように体を動かせない戦国を庇いながら萃香がインベス強化体に立ち向かう。手負いとはいえ、相手は萃香よりも遥かに巨大だ。だが、萃香にはそれを覆す能力があった。

 

「いくぞー!」

 

萃香は『密と疎を操る程度の能力』を使い自身の体をインベス強化体と同等の大きさに変える。密と疎を操るというのは、人や物などの密度を操る能力だ。それは物や人を萃めたり、自分の体を巨大化させたり出来る。

 

「うらー!」

「ゴオォォーー!!」

 

お互いの拳をぶつけ合う。インベス強化体の想像以上の力に萃香は驚くも、自分の力を最大限込めて競り勝つ。萃香の一撃に後ずさりするインベス強化体。だが、萃香自身も先ほどのセイリュウインベス戦で力を使いすぎたのか、すぐに元のサイズに戻ってしまう。

 

「・・・ちょっと、きついかもね」

「萃香、大丈夫?」

「スイタもきつそうだね。まだいけるかい?」

「当然です!」

 

フラフラとしながらも戦国は立ち上がる。萃香一人だけに戦わせるわけにはいかない。吹き飛ばされた武器を回収している暇もなくインベス強化体は向かってくる。

 

「・・・霊夢、魔理沙。あたいも二人と一緒に戦いたい」

 

チルノはインベス強化体と戦う二人を見て、また戦う気持ちが湧き上がるの感じていた。何度も攻撃を受けてボロボロになっても立ち上がる戦国と萃香の姿に何かを感じたらしい。

 

「おいおい、チルノ。私はちょっと休憩してただけだぜ?そろそろ行こうかなって考えてたんだよ」

「そうね。楽園の素敵な巫女があんなのに怯えるなんてあり得ないわ」

「自分で素敵って言うのかよ?」

「あら?私は素敵よ?」

「素で敵だらけって意味ね!って、痛い痛い!つねならいで!」

 

軽口を言い合う三人。だが、気持ちは一緒だった。さっさとあのインベスを倒す。あの二人と一緒に。

それに、霊夢は気付いていた。さっきまで狂ったように野次を飛ばしていた男は、あのインベスを呼び出した後抜け殻のように大人しくなっている。今ロックシードを破壊してもあのインベスを追い出す手段は無い。ならば、手っ取り早くインベスを倒した方がいい。

 

「ぐああぁぁ!」

「スイタ!うあっ!」

「グォォ!!」

 

インベス強化体の蹴りを食らってしまった戦国と萃香。その姿はボロボロで、黒影の鎧は所々破損している。インベス強化体も満身創痍だが、状況は劣勢だった。

そんな窮地を救ったのは、三人の少女だった。

 

「マスタースパーク!」

「夢想封印!」

「ダイアモンドブリザード!」

 

色とりどりの攻撃がインベス強化体を飲み込む。その攻撃の美しさに戦国は一瞬見とれてしまう。

 

「凄い・・・」

「あんたら、随分遅かったねぇ。昼寝でもしてたのかい?」

「誰かさん達がピンチみたいだったから、わざわざ助けに来てやったぜ」

「お代は高くつくわよ」

「あたいの完璧な力を持ってすれば楽勝だもの。さっさと倒そう!」

「え、あ、もちろん!」

 

影松と無双セイバーを戦国に渡しながら三人は言う。妙に気合の入っている三人に戸惑いながらも、戦国はそれに応える。インベス強化体は諦めようとせずに、なお戦国達に向かってくる。

 

「えーと、時正?」

「何?魔理沙」

「さっきやってたソイヤッ!ってやつあと何回出来る?」

「ロックシードのエネルギーが切れそうだから、後一回だね」

 

ロックシードにはそれぞれ使用限度がある。スイカロックシードのようにすぐにエネルギー切れになるものはそうそう無いが、必殺技を二回も使用しインベス強化体の攻撃を食らいすぎたマツボックリロックシードは限界が近かった。変身を解いて時間を置けばエネルギーは元に戻るが今はそんな暇は無い。一か八かにかけるしかない。そう考えている戦国に、魔理沙は一つの提案をした。

 

「私達があいつの気を引くから、その隙にでかいの一発ぶち込んでやってくれないか?」

「でかいの・・・。分かった、やってみる」

「頼んだぜ!カッコ良くいけよ!」

 

インベス強化体の攻撃を躱しながら魔理沙は霊夢達にさっき戦国に伝えた事を言う。霊夢達もそれを了解し、行動に移る。

 

「いっくよ!」

 

最初に動いたのはチルノだった。飛び跳ねるインベス強化体の足元を凍らし、動きを封じる。

 

「マスタースパーク!二連打ぁ!」

「夢想封印!」

 

霊夢と魔理沙が追撃をする。狙いは最初にダメージの通った胴体だ。

 

「「「「「ハァァァァァ!!セイヤーッ!!」」」」」

 

自身の能力で分裂した萃香が空から連続で蹴りを食らわせる。次々に蹴りを食らい、インベス強化体を覆う枝角の一部が剥がれ落ちた。

 

「スイタ!」

「分かってる!」

 

戦国がカッティングブレードを三回倒し、必殺技を発動させる。

 

『ソイヤッ!マツボックリスパーキング!!』

「はああぁぁぁぁー!!」

「ゴオォォォ!!」

 

影松を構えその場で回転しながら空中に浮き上がり、インベス強化体に突っ込む。インベス強化体は残った片手で攻撃を仕掛けるが、その攻撃は届かない。

 

「そおりゃあーっ!!」

 

マツボックリ状のオーラを撒き散らしながらインベス強化体を影松が貫き、インベス強化体の胴体に風穴を開ける。全てのエネルギーを使い果たしたマツボックリロックシードは強制的に変身を解除するが、問題は無い。

 

「ウオォォォォ!!?」

 

その一撃に耐えきれなかったインベス強化体は悲鳴を上げて爆散した。

 

「・・・勝った」

 

戦国は人々を守るアーマードライダーとしての初陣を見事に勝利で飾った。トルーパー隊以外の初めての仲間と共に。

 

 

「やれやれだぜ。結構手こずったな」

「やったー!大勝利!」

 

やっと戦いが終わって安堵する魔理沙。チルノは巨大なインベスを倒した事に大喜びする。

 

「さて、またインベスを出されても面倒だから、ロックシードを回収しましょう」

 

霊夢は男に向き直り、ロックシードを回収しようとする。そして、男の異常に気付く。

 

「な!?」

 

黒いロックシードを持っている男の手から、奇妙な植物が生えてくる。その光景に霊夢は絶句してしまう。

霊夢はロックシードを男から離そうとするが、既に肩まで植物に侵食されてしまっている。しかも、男の目は虚ろになっていて、自分の体の異常に一切反応を示さない。

 

「・・・!ああ、もう」

「スイタ!近づくな!」

 

予想外の状況に動けずにいた戦国は、萃香に止まるように言われるも、男を助けるために行動する。

男の側まで駆けつけた戦国は、男からロックシードを離そうとする。無理やり力を込めて引っ張り続けるも、根が張ったかのようにビクともしない。

 

「くっそー!剥がれろよー!!」

 

男の体の半分は既に植物で覆われている。もし、これが体全てに周ってしまったらどうなるのか。少なくとも、ろくなことにはならないのはここにいる全員が理解していた。

 

「萃香!」

「しょうがないねぇ!」

「私も手伝うぜ!」

「あたいも!」

 

その場にいる全員が力を合わせ、引き剥がしにかかる。少しずつだが、男の手からロックシードが剥がれていく。

 

「クッソ!りゃあーっ!」

 

戦国がフラフラの体に喝をいれて黒いロックシードを力の限り引っ張る。すると、植物が千切れながら男の手から完全に離す事に成功した。

 

「やった!剥がれーーー」

 

男の手から黒いロックシードを剥がした瞬間、戦国は黒いロックシードから奇妙な感覚を感じた。自分の体の中に何かが入ってくるような不快感。そして、大勢の人の悲鳴のような声。自分が知らない景色や臭いが一度に記憶の中に侵食してくるようなそんな感覚を。

 

「お、おい、顔色悪いけど大丈夫なのか?」

「えっと、大丈夫、だよ」

 

体調を気遣う魔理沙に、戦国はぎこちなく笑顔を返す。今まで幾つものロックシードに関わってきた戦国だが、こんな経験は初めてだった。それに、こんな黒いロックシードなど見た事も無い。

 

戦国は黒いロックシードを調べようと思い、白衣にしまおうとした。その時、

 

『ー-----!』

「がぁっ!?」

 

戦国の背後から衝撃波が襲ってきた。避ける間もなく衝撃波は直撃し、戦国は吹き飛ばされる。その拍子に黒いロックシードを手放してしまう。

霊夢は攻撃がきた方を見るが誰もいない。

 

「おい!時正大丈夫か!?」

「・・・うぅ」

「息はある。霊夢、魔理沙、人里にーーー」

 

攻撃を食らった戦国に駆け寄る霊夢達は、人里まで戦国を運ぼうとする。

 

『ほぉ、今のを食らっても無事か。やはり、貴様もーーー』

「ッ!?誰だ!」

 

突然聞こえた声に萃香は問いかけるが、周りを見渡しても姿が見えない。だが、強烈な威圧感は感じる。

 

『残念だが、もう時間のようだ・・・。そいつに伝えるがいい。いずれ貴様は禁忌に触れた事を知ると』

「待ちなさい!あんたがこの異変を起こしたの!」

『貴様らが真実を知るのは、まだ早いーーー』

 

霊夢の問いかけに、そう答える声。霊夢が周りの気配を探るが、先ほどの威圧感は消えてしまう。

 

「霊夢!スイタが!!」

「っ!萃香、そっちの男を運んで!魔理沙、時正を医者に連れていくわ!手伝って!」

「分かったよ!」

「ちっ!おい!どこの誰か知らないけど、次あったら絶対ぶっ飛ばしてやるからな!」

 

既にいない事は分かっているが、魔理沙は吐き捨てるようにそう言う。傷だらけの戦国の体を霊夢と二人で持ち上げる。

 

「意外と軽いわね」

「あ、ほんとだ。って、そんな事はどうでもいいだろ」

 

霊夢の言葉に同意しながらも、つっこむ魔理沙。

 

「おい、チルノ。早くーーー!」

 

魔理沙が動こうとしないチルノに声をかけ、言葉が止まる。チルノの見ている方を向くと、さっきの黒いロックシードが置きっ放しになっていた。だが、様子がおかしい。ロックシードから黒い靄のようなものが出ている。そして、それに惹きつけられるようにチルノがロックシードの方へと近づいていく。

 

「チルノ!それに近づくな!」

「うぇっ!?」

 

萃香の言葉に、ロックシードに近づいていたチルノが正気に戻る。ロックシードの異常を察知したチルノはその場から走って逃げる。

 

その瞬間、ロックシードが音を立てて壊れ、中の何かが解き放たれるように空へと昇っていく。見ている者に恐怖を覚えさせる何かが。

 

「・・・どうなってんだい、これは」

「・・・や、やだ。怖い・・・怖い」

「チルノ、落ち着きなさい」

「・・・落ち着けって方が無理だろ、これ」

 

今まで感じていた恐怖の大元が目の前にある。だが、それが何なのかが分からない。

何かはそのまま空間に亀裂を作り、消えていった。後に残ったのは、静寂だけだ。

 

「・・・・・・終わった、のか?」

「ええ、今は、ね。まだ異変は解決してないわ」

 

魔理沙の問いに霊夢が答える。しかし、それはその場の皆の希望に応えるものではなかった。

 

霊夢達は気付く。自分達が戦う道を選んだという事は、もう運命からは逃げられない。まだ運命は始まったばかりだと。

 

そして、

 

「・・・」

 

その光景を、戦国は何も言わずに見つめていた。

 




最後まで読んでくれてありがとうございました。

独自設定の部分は、ロックシードのエネルギーが云々ってとこですね。
まず、この設定を入れた理由ですが、

①スイカロックシード以外にもエネルギー切れってあるのではと思った

②量産型の誰でも変身出来るのを生かしたかったから(後々の展開で)

③エネルギー切れの設定がなかったら、必殺技連チャンでええやん?と兄弟に言われたから

くらいですね。ロックシードによってエネルギーはまちまち何じゃないかとか、スイカだけ凄いエネルギー使うだけなのでは?と思う人はいるでしょうが、この設定が死に設定にならない限りは生暖かい目で読んでもらえればと思います。

因みに、この時点で魔理沙があのロックシードを持っていますが、渡す展開にならなかったのはマツボックリで勝たせたかったからです。

次回に続く



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