お久しぶりです。楠です。今回は連続投稿じゃないです。変身もしてないよ。
キカイダー見に行きたい
沢芽市の街の中を一人の少女が走っていた。腰にダンスチーム『チーム鎧武』の衣装である青いパーカーを巻いていて、長い黒髪をツインテールに縛っている。
少女は誰かを探しているのか、仕切りに辺りを見回している。
「あぁー、もう。『紘汰』ってばどこにいるのよ」
少女は紘汰という人を探しているのだが、手掛かりが無い。何回も電話で連絡を取ろうとするが、返ってくるのは留守番サービスの音声だけだ。
少女が紘汰がいると思われる場所に移動しようとした時、後ろから自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
「『舞』さん!」
少女ーーー『高司 舞』に声をかけたのは、舞と同じチーム鎧武の青いパーカーを羽織った黒髪の少年だった。
「あ、『ミッチ』、紘汰見なかった?」
「いえ、僕もまだ会ってないです。何回か連絡を取ろうとしたんですけど、全部留守番に繋がりました」
「やっぱり・・・」
ミッチと呼ばれた少年ーーー『呉島 光実』は舞にそう答える。舞も予想していたのか、あまり期待はしていなかったようだ。だが、声色は一段と暗くなる。
「すみません。役に立てなくて・・・」
「あ、ミッチは悪くないよ。それもこれも全部何も言わないでフラフラしてる紘汰が悪いんだから!」
舞の期待に応えられなくて落ち込む光実。舞はそんな光実を励ますように明るく振る舞う。光実もそんな舞を見て、心が軽くなっていく。
「きっと、紘汰さんにも何か理由があるんですよ」
「うーん、でも連絡一つ入れないでってのは、今回が初めてじゃない?もう一週間近くもだよ」
「確かに・・・。でも、舞さんは心配しなくても大丈夫。僕が紘汰さんを見つけてみせます!」
「ありがとう、ミッチ。他のメンバーにも紘汰を見つけたら連絡入れるように話すから」
そう言って舞はまた街の中を探し始める。光実はその後ろ姿が見えなくなるまで見送り、来た方向へと戻る。
「・・・紘汰さん、なにやってるんだろう」
光実は紘太の行き先に思い当たる場所があった。恐らく、紘太はヘルヘイムの森にいるはずだ。そして、その森にいるある者と接触しようとしている。
だが、光実にとって紘汰がいなくなった理由などどうでも良かった。光実にとって重要なのは、どうやって舞を悲しませずに事を終わらせられるかだ。
「いっそ、このまま消えてしまえば・・・・・・」
胸の中に黒い思いを滾らせながら、光実は考える。どうすれば、舞を悲しませずに紘汰から引離せるかと。
以前のように異世界にでも飛ばされてしまえばいいと光実は考え、紘汰への劣等感を抱きながらも口の端を小さく歪めた。
▽
人里の団子屋で霊夢達は団子とお茶を飲みながら一服していた。
「さて、これからどうする?」
「どうするって?」
「色々だよ。インベスとかロックシードとか時正を攻撃した奴とか諸々。何も手を打たないわけにはいかないだろ?」
魔理沙の言葉に萃香が聞き返す。魔理沙が言うとおり、やるべき事や調べる事は沢山ある。戦国から様々な情報を聞いたが、根本的な解決をするには行動を移さなければならない。
「そうね。初級のインベスなら私達でも倒せるけど、上級インベスと戦う時に時正がいないと困るわね」
「あれ?萃香が上級インベスを倒したって言ってなかった?」
「あのね、あんなのが何匹もいられたらいくら私でも無理だよ」
包帯を巻いた手を振る萃香。瑛琳の治療を受けたから外傷は殆ど治っているが、骨に相当の負担がかかっていたらしく、数日は安静にするように診断された。
インベスの対処を考える霊夢。上級インベスとの戦いで、自分達ではまともにダメージを与えられなかったのを考えると、アーマードライダーの力は必須だ。
「あ、それなら問題無いよ」
「どういう事よ?」
しかし、魔理沙はその言葉に問題は無いと答える。当然疑問に思う霊夢は理由を聞くが、魔理沙が取り出した錠前を見てその理由を把握した。
「私が変身すればいいだろ?」
「ああ、そういえばロックシードとドライバーがあれば誰でも変身出来るんだっけ」
「そういう事」
「あたいもロックシード持ってるよ」
「お前より私の方が強いだろ」
「何よ!あたいのような強者に対して失礼ね!」
「香車みたいに真っ直ぐしかいけない直情型が何言ってるんだか」
「何を!じゃあ、ジャンケンで勝負よ!」
「望むところだぜ!」
魔理沙とチルノが変身する権利で喧嘩しているのを、霊夢は冷めた目で見ている。インベスと渡り合える力には興味はあるけど、自分の頭にマツボックリが被さるとこを想像すると、正直嫌だったりする。鴉天狗に記事にされたらたまったものじゃない。
それに、この戦いは遊びじゃない。
「あんたらね・・・。これは弾幕ごっこじゃないのよ。最悪、怪我じゃすまないわ」
「よっしゃ!勝った!ん?ああ、分かってるって。インベスと戦うっていっても無茶はしないよ」
「あたいのグーが負けた・・・」
インベスとの力の差は理解している。だが、今はその差を埋める力がある。なら、その力を使わない手は無い。そう魔理沙は考えているのだろう。
だが、霊夢にはその力を頼りにしている魔理沙が危なっかしくてしょうがなかった。いつの世も過信は身を滅ぼす。魔理沙が本当に無茶をしないとも限らない。
「本当かな?・・・って、あー!お団子が無い!」
「あ、ごめん。さっき全部食べちゃった」
「萃香ー!!あんたね、私まだ全然食べてなかったのよ!?」
「わ、悪かったよ!謝るからつねらないで!」
萃香が腹をさすりながら謝る。霊夢は話に集中していたためあまり団子を食べていなかったようだ。鬼のような表情の霊夢に、本物の鬼が怯えるという面白い状況に魔理沙は笑いを堪える。
「でもさ、こんな異変が起きてんのに『紫』はどうして何も言ってこないんだろ?」
「そういえば、影も形もスキマも見せないわね。冬眠でもしてるんじゃない」
「こんな非常事態にか?」
霊夢は胡散臭いスキマ妖怪の顔を思い出す。幻想郷を愛しているはずの紫なら、高みの見物だけで済ませるとは思えない。しかし、霊夢は紫の考えを理解しているわけではない。紫がどうするかなど考えるだけ無駄なのだ。
「非常かどうかはあいつの考え次第でしょ?」
「全く、非情な奴だな」
「「「・・・」」」
「そんな目で見るなよ!」
自分の所為とはいえ、三人の冷たい目に思わず叫ぶ魔理沙。
その空気に耐えられず、とにかく!と強引に話題を戻す。
「やるべき事は、ロックシードの回収。インベスの撃退。黒幕を探す。んで、時正を元の世界に帰す」
「今はそんな所ね」
魔理沙とチルノが拾った物のように、ロックシードはまだ幾つか落ちているかもしれない。それを悪用される前に集めた方がいい。危険な黒いロックシードは見つけ次第壊した方がいい。インベスはヘルヘイムの森から来るらしいが、こちらから森に干渉出来ない限りどうしようもない。とにかく、出てくるものだけ倒す。一番の問題はこの異変を引き起こした黒幕だ。弾幕ごっこを仕掛けてこないし、戦国を不意打ちした時にも姿を見せなかった。よっぽどの臆病か、それとも慎重なのか。戦国を攻撃したのが黒幕とは限らないが。
「そういえば、魔理沙は実家に戻るのかい?」
「まさか。適当に宿をとるよ。霊夢はどうするんだ?神社に戻るのか」
「えぇ、今日は神社に戻るわ。ドライバーがあれば上級インベスは何とかなるでしょうし」
「おいおい、他力本願ってか」
「巫女が神社にいるのは当然でしょ?」
魔理沙が不満を漏らすも、残ったお茶をすすりながら霊夢は素っ気なく返す。
「あたいもここに残るわ」
「お前はもう帰れ。友達が心配するぜ?団子代は私が払うからさ」
「・・・分かった」
チルノが自分も残るように言うが、魔理沙に却下される。不満そうに、ジャンケンで勝ってれば・・・、と言いながら渋々人里を出ていった。
「あ、魔理沙」
「何だよ、っと、ロックシードか」
「時正が変な事をしないようだったら返してあげて」
「まあ、別にいいけど。って、もう帰るのか?」
「ちょっと調べたい事があるの。後は任せるわ」
本当に帰るつもりらしく、霊夢はそのまま空を飛んで人里を出ていった。
「自分で渡せばいいのに」
「面倒臭いからだろうね」
「だろうな。お、時正のロックシード色が戻り始めてる」
「どれどれ?本当だ。そろそろ使えるって事だね」
「ま、どっちにしろあいつの出番は無いけどな」
自分のロックシードを回しながら魔理沙は言う。戦国も萃香も戦えないのならば自分が戦う。二人の怪我が治るまでだが。
「取り敢えず、ロックシードとインベスには近づかないように人里に広めておくか」
「おう、任せたぜ」
「魔理沙もね」
「いたたたた!分かったから耳引っ張るな!」
萃香に耳を引っ張られる。怪我をしているはずなのに相当元気だ。これなら、萃香は戦えるんじゃないだろうかと魔理沙は思った。
「・・・」
引っ張られた耳を抑えながら、魔理沙はあることを思い出す。
「どうしたんだい、魔理沙?小難しい顔して」
「んー、別に」
運命の巫女って結局なんだったんだろう、と魔理沙は考える。
男はインベスをけしかけた時に、運命の巫女以外は皆殺しにしろと言っていた。つまり、魔理沙達の中にその運命の巫女がいるという事だろうか?巫女といえば霊夢・・・とついでに『早苗』か。
「あ!」
「急に叫んでどうしたんだよ?萃香」
「霊夢の奴、金払ってない!」
「ああ・・・」
▽
『はぁっ・・・はぁっ・・・』
暗い空間の中、戦国は一人で走っていた。自分でも何から逃げているのか分からないが、酷く恐ろしいものに追われている感覚がある。
追いつかれたら自分はどうなる?想像し、恐怖に襲われる。
『うわっ!?』
ふらついていた足が縺れて転んでしまった。疲れと焦りで体が言うことを聞かない。腕だけで這って逃げようとするが、鉛のように重い体を動かせない。
かつん、かつんとすぐ後ろから足音が聞こえる。無情にも追跡者は戦国を逃がす気は無いようだ。
力を振り絞り、戦国は後ろを振り向いた。そして、そこで見たのはーーー
『・・・バッ!』
頭に『バナナ』を被った何かだった
▽
「バ・・・バナナッ!?」
布団をはねのけ起き上がる。荒い息を整えながら周りを見渡し、さっきまでの出来事は夢だと気付く。
「夢か・・・。良かったぁ」
あまりに予想していなかった悪夢?に飛び起きてしまった。安堵すると同時に、どっと疲れがくる。体を休めるために睡眠をとったのに、逆に疲れてしまったようだ。しかし、なぜバナナだったのだろうか?
戦国の叫び声が聞こえたのか医者が飛び込んできた。部屋の中に強盗でも入ったのかと思っていたのか、片手に木刀を持っている。
「おい、バナナがどうしたんだ?」
「あ、いや何でもないです」
「だけど、凄い叫び声だったぞ」
「いえ、ちょっとした悪夢・・・?うん、悪夢を見ただけです」
「そうか?ならいいんだけどよ。他の患者もいるから静かにな」
「すみません・・・」
医者は納得したようなそうでないような複雑な表情のままだ。戦国自身もあまり蒸し返されたくないから、話題を変える。
「あの、ここに本ってあるの?」
「本か。本なら書庫にあるけど、お前さんが読んでも面白いものはないと思うぞ」
「大丈夫。ちょっと暇をつぶしたいだけだから」
もう寝れそうにないし、と続ける戦国に医者は疑問を持つが追求はしなかった。精神状態が良くないのだろうと判断したようだ。
「この部屋の廊下を出て、突き当たりを右に曲がってすぐだ。読んだ本は戻してくれ」
「はーい」
部屋を出て行く戦国。医者は面倒な患者を受け入れてしまったと思い、ため息を吐く。
廊下へ出ると心配そうな表情の慧音と出くわした。医者の持っている木刀を見て、表情が険しくなる。
「何か、物凄い叫び声が聞こえたのですが・・・」
「あー、気にしないでください。何でもないんで」
「そう、ですか?てっきり戦国に何かあったのかと」
「あいつは元気ですよ。本当に怪我してるのかってくらいね」
「はぁ」
医者の言葉に慧音は何と返せば良いのか分からなかった。
▽
医者に書庫の場所を教えてもらった戦国は言われた通りに進み、目的の場所に着いた。扉にかけられている木札に『書庫』と書かれたあるので間違いはないだろう。
「お邪魔しまーす」
静かに扉を開き、戦国は中に入る。あまり広くはない部屋に所狭しと様々な種類の本が綺麗に並べてある。手入れが良いのか、本の状態も悪くない。
「うわー、沢山あるなぁ」
適当に一冊手に取る。医学についての本らしく、何ページかパラパラと捲って読んでみるが戦国には内容が理解できなかった。本を元の位置に戻し、今度はある程度目安をつけて本を選ぶ。
「・・・ふーん、肉じゃがってこう作るんだ」
料理とは無縁の戦国だが、料理に興味がない訳ではない。もっぱら食べる専門ではあるが。
数十分くらい本を読んでいた戦国は別の本を探し始める。
「ん?これって、新聞?」
部屋の中を散策していると、端の方に纏められていた新聞の束を見つける。名前は『文々。新聞』らしい。製作者は『射命丸 文』と書かれている。
「あやあや。しんぶん?いや、ぶんぶんかな?よく分かんね」
記事を読む限りやはりこの世界と外の世界とではかなりの差異がある。吸血鬼、幽霊、神様、地底、不良天人、博麗神社崩壊、宝船・・・。自分の世界も大概だが、この世界はもっとぶっ飛んでいるらしい。その中で戦国は妙な記事を見つけた。
「空から人のようなものが落ちてきた?」
割と最近の話で、大体一週間くらい前の出来事らしい。記事の内容を纏めると、記者が空を飛んでいたところ、突然空から人のようなものが落ちてきた。人のようなものはそのままの勢いで湖に落ちていき、その後浮かび上がってこなかった。こういう話だ。記者の意見では、弾幕ごっこが行われていた形跡は無い事から、酔っ払って居眠りをしていた阿呆が落ちた可能性が高い、らしい。弾幕ごっこが何なのかは知らないが、確実にいい加減に書いている。
「・・・この写真に写ってるのは」
新聞に載っている写真をよく見る。ぼやけて分かりづらいが確かに人のようなものが見える。だが、戦国が気になっているのはそこではない。写真の端の方に閉じかけているはいるが、自分が通ってきた空間の亀裂に似ているものが見切れている。ぼやけていてはっきりと断言は出来ないが、戦国の目にはそう見える。
「僕以外にも誰かがこっちに来たのかな?」
もし、あの空間の亀裂を通ってきたのだとしたらヘルヘイムの森から来た可能性はある。だとすればこちら側の人間のはず。勿論、そうだと断言は出来ない。それでも、何かのヒントが手にはいるかもしれない。
「人のようなものが落ちた湖は、『紅魔館』の近くか」
戦国は自分の目的を一つ決めた。紅魔館へ行き、そこの住人にこの記事について知らないか聞き出す。少ない可能性だが、何もしないよりはマシだ。戦国はこの異変を解決する鍵を見つけたかもしれないという希望を得た。
「・・・どざえもんになってたらやだなぁ」
多少の不安を抱えながらだが。
▽
時刻は夕方頃。人里の外で若い三人の男がある場所を散策していた。今朝、空に向かって何かが昇っていったと思われる場所だ。その付近はまるで巨大な怪物が暴れまわったかのように荒れている。
「すげぇー!おい、見ろよ『ノア』!まるで嵐の後だぜ!」
「はしゃぐな。ただ荒れてるだけだろ」
「相変わらず冷めてるよな、お前。もっと楽しもうや!」
荒地を見てはしゃぐ二人に対し、ノアと呼ばれた長身で茶髪の男は興味なさそうにしている。三人は幼い頃からの関係で、よく一緒に行動していた。面白そうな事が起きれば首を突っ込もうとし、その度に大人に怒られる。今回も好奇心にかられた二人が大人にばれないようにここまで来た。そして、ノアはいつもそれに巻き込まれている。ちなみに、さっきまで結界が張られていたが、交通の事情で一部解放されている。
「あの人里を襲った妖怪が出てきても知らねえからな」
「お!何か見っけ!お前ら、こっち来いよ!」
「おうおう、なんだなんだ?」
「聞けよ」
三人の内の一人が何かを見つけ、二人に手招きをする。一人は興味津々で来るが、ノアは興味が無いのか動こうともしない。
「何だこれ?板か?」
「外の道具じゃねーの?」
二人は拾った物を観察する。小刀のような物が付いていて、中央に何かを嵌めるような窪みがある。が、使い道がさっぱり分からない。
「お前ら、落ちてるもんで遊ぶな。ガキかよ」
「お、今のはカチンときましたよ」
「よーし、じゃあノア。お前が正しい使い方を考えてくれたまえ!」
「あ?」
いきなり拾った物を手渡されたノアは、突然の無茶ぶりに顔をしかめる。取り敢えず、思いつく限りの使い方を試す。右側に付いている小刀のような物を握って動かすが反応は無い。左側を触っていると、端の方が外れてしまった。一瞬壊したかと焦ったが、何も描かれていないプレートを観察すると元々分離するように作られていたのが分かった。
「・・・・・・こうか?」
もうやる事が無くなってしまったのか、苦し紛れに自分の腰に当ててみる。サイズ的にこの辺りにフィットする気がするからだ。すると、さっきまで何の反応も無かった物から銀色の帯が出てきて自分の体に装着された。
「何だ!?くっついたぞ!」
「ははははは!何だそりゃ!?でっかいベルト!?」
「自動腹巻き機かよ!マジでウケるわ!」
「笑い事じゃねーだろ!くそ、取れねぇ!」
二人は思ってもいなかった使い方に、感心する前に爆笑した。一方、ベルトのような物が付いたノアは外し方が分からなくて焦っている。これがもし爆弾だったらたまったものではない。
「まあまあ、案外様になってるじゃん」
「なってねぇよ!」
「おっ!今度は変な植物見っけたぞ!」
「マジで!いこいこ!」
「おいおい、勘弁してくれよ・・・」
最初にベルトを見つけた男が、今度は植物を見つけたようだ。ノアはため息を吐き二人の所へ行く。
二人がいる場所に着いたノアは、その変な植物を見る。荒れた地面からその植物だけが何事も無かったかのように生えている。そして、その植物には奇妙だがどこか魅力的な果実がなっている。
「こんな植物見たことねぇぞ」
「やっべ、もしかしたら新種か!」
「・・・」
腰にベルトを付けたまま植物に実っている果実を手に取る。すると、果実が手の中で無機質な錠前のようなものへと変化する。
「変わった?」
「すげぇー!おい、俺たちも取ってみようぜ!」
「おう!」
残った二人も果実に手を伸ばす。それぞれ両手に一つずつ取るが果実が変わらない。それを不思議に思い、ノアは自分の手の中の錠前を観察する。どこかクルミを思わせるデザインと『L.S.ー02』という文字が刻印されている。
「おい、もういいだろ?俺は先に戻るからな」
どこか不気味に感じ、元々乗り気でなかったノアが二人にそう言うが、どちらもその言葉に反応せずに果実に魅入っている。それに呆れ、さっきまで騒いでいたのが急に静かになったのに違和感を感じながらも、二人に程々にするように言い人里へと戻っていった。
だが、置いていかれた二人はそんな事は気にせずに手に取った果実をまじまじと見つめる。果実の皮を剥き、露わになった実を見て喉を鳴らす。
「なあ、この実さぁ・・・」
「ああ・・・」
実を見たまま二人は言う。今までに経験した事の無い衝動に襲われながら、あるがまま感じた事を。
「「凄く、うまそうだぁ・・・!」」
そして、二人は本能のまま手に持った果実にかぶりついた。
それがどんな結果になるとも知らないで。
水落ちは生存フラグ
名無しは死亡フラグ
そして魔理沙ともう一人のオリジナルキャラに変身フラグ