ギルティクラウン -Fake Crown-   作:SUMI

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始めまして、SUMIです。

意外と人気があるギルクラですがssがなかったんで我慢できずに書いてみた。お楽しみいただけるのならば幸いです。では本編、というよりも導入をどうぞ。


憑依:restart

それはまるでまどろみから浮かび上がるように俺の意識は目覚めた。

 

………か?…………い、……大丈……大丈夫か!?

 

朦朧とした意識の中、ぼやけながらも初めて写ったのはクリーム色に近い迷彩服とヘルメットとゴーグルで顔が隠れている、そして十分すぎるほどに重々しい重装備の自衛隊らしき人の姿。

 

次に感じたのは体が揺さぶられる感触。どうやら俺ははっきりとしてはいない意識でも意識を失っていたんだと感じていた。だけどどこか感覚がおかしい。自衛隊の人がやけに大きく見えて体を揺さぶれる力もやけに強く感じていた。

 

そのことがやけに気になって周りを見れば…………惨状が広がっていた。周りにある建物はみんな無残に崩れ落ちていて、所々には現実ではありえないような妖しくどこか浮世離れしような紫の結晶がこべりついていた。見上げれば白い白い雪がゆらゆら揺れながら降っている。その光景は退廃的でありながらどこか幻想的でもあった。

 

(なんだこの光景? 何が起こったんだ? どうして俺は外に?)

 

ふと、自分の腕が見えた。だけどそれはいつもの見慣れたものではなく、まるで自分のものじゃなく、子供のような……まさしく子供の手だった。そして僅かに見える茶色の髪。

 

次の瞬間に浮かび上がるのは驚愕と疑問。何故!?どうして!?ありえない!?と瞬く間に思考が埋め尽くされていく。

 

この光景が写る前の最後の記憶。其れは俺がどこにでもいるただの高校生だった記憶。ただ極々普通に、学校へ行き、学業を受け、放課後に自らの趣味を楽しみ、そして眠った。そんな特に記憶に留める必要もない、いつも通りの日常の一片。

 

気が付いたら見知らぬ子供になっていたのだ。パニックにならないほうがおかしいだろう。あまりの衝撃的な出来事に意識の許容量が限界を超え、糸が切れるように意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢を見ている。自分ではない自分の記憶。

 

「ねえ、集。もう目を開けていいよ」

 

「うわぁ……すごいきれい」

 

それは姉と過ごした優しい記憶

 

 

 

 

 

 

「怖いよ、こんなの無理だよ」

 

「大丈夫だって、僕を信じろ!」

 

それは親友と過ごした楽しき記憶

 

 

 

 

 

幼き少年にはずっと続くと思い込んでいた。でもそんな時間は唐突で残酷に終わってしまう。

 

 

 

 

 

それは雪が降り注ぐホワイトクリスマス。その少年には楽しき思い出になるはずだった。

 

 

 

 

 

 

 

炎の紅蓮に染まる教会。その中で血の紅で染まって倒れている親友の姿。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分に助けを求めながら、崩れ落ちていく全身が紫の結晶の異形となった姉の姿。

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけならまだ深い深い心の傷になるだけだろう。だが現実はそれ以上に幼き彼に無情を突きつけていく。それはこうなってしまった原因を作ったは幼き彼であることだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は拒絶してしまったのだ、姉を。体の所々に紫の結晶になった姉を『バケモノ』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その事を少年は理解してしまった。それ故に大好きな姉を殺してしまったことがあまりにも重すぎて…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に目に入った光景は規則正しい網目が入った模様の白い天井。横に視線をずらせば小さくなった腕に点滴が刺さっている。

 

その光景に俺は胸の内に残っていた期待も消えた。夢であってほしいと。あの光景は夢で、目をさませば何時もの部屋にいると心のどこかでそうあってほしいと思っていた。だが、それはもう出来ない。

 

(それにあんな光景を見ちゃったしな)

 

さっき見た夢で見てみぬ振りなんて出来るわけがない。もう既にここが何処でこの少年が誰なのかも理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、この少年の名は桜満集。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もとの世界でアニメーションだった『ギルティクラウン』と呼ばれる世界の主人公になるはずの子どもだ。

 

 

 

 

 

なんの因果か、俺はその少年に憑依したのだ。

 

 

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