ギルティクラウン -Fake Crown-   作:SUMI

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訓練:a preparation-phase1

第四隔離施設の戦闘の後、俺は涯たち葬儀社のアジトへと帰還、向かっていた。

 

入って直ぐのところに丸い吹き抜けになっている場所へ。直ぐに俺に視線が向く。その後直ぐに涯が俺を新しい仲間だと宣言するが三分の一辺りが疑惑に満ちていた。

そりゃあ、六本木ではっきりと拒否したのに数日したら仲間になりましたなんて疑うのも当然だろう。

 

そんなこと考えている内に涯はルーカサイトの攻略作戦を提示していた。強引だけどそれでもあの時と同じように有無を言わさない迫力があった。

 

「綾瀬、こいつに基礎訓練を付けてくれ。作戦をより確実にする為にだ」

 

そして出てきたのは車椅子に座ったポニーテールの女の子。エンドレイヴのパイロットスーツを来た姿で、おそらくさっきまでシュタイナーで手伝っていたのだろう、でも……

 

(あのパイロットスーツ。体のラインがはっきりと出てる…………年頃の青少年には凶器だよ!)

 

いのりとは違ったエロさです! でかいです! 祭と同等かそれ以上のサイズです! 下手したら視線が固定されそうです! 

 

(煩悩退散、煩悩退散、煩悩退散)

 

だけどそんな露骨な視線を向けるのはいけないので。必死に落ち着かせた。うん、大丈夫だ。改めて綾瀬と向き合う。

 

「あなたは監獄搭で白いエンドレイヴを操っていた人?」

 

「ええ、そうよ。それがどうかしたの?」

 

「ただ、あのときに複数のゴーチェを相手に綺麗に立ち回っていたからどんな凄い人が動かしているんだろうなって」

 

正直言って綾瀬の操作技術は凄いとも思う。実際に見てきたのだから。いくら綾瀬が動かすシュタイナーの性能が高くても数の暴力は強い。それにゴーチェとシュタイナーの性能の差も隔絶したものではない。対抗するには同じ数を用意するか、ヴォイドを使った俺のように圧倒的な質の差が必要だ。だからこそ圧倒的な不利な場面で立ち回っていたのだ。そのことに綾瀬は満更でもない様子だ。あれ? 涯からの誘いを思いっきり断ったのにどうしてだろうか? 他の人は嫌疑の目で見ているのに?

 

「そっちこそ、あんな動きしてゴーチェを一人で倒したじゃないの」

 

どうやら一人でゴーチェを相手にして無力化したところを見ていたみたいで結構気に入ったらしい。まあ、普通は銃ひとつで立ち向かうものじゃないからエンドレイヴは。

 

「はは、あれは王の力を使ったずるだよ。それとあの啖呵きっちまったけど仲間になることになった。いろいろとあるかもしれないけど一週間、よろしく頼む」

 

「ふふ、そっちこそちゃんとついてきなさいよ」

 

「ああ、望……」

 

言い切ろうとした瞬間、体中にビギと表現できそうな痛みが奔った。何故!? 疑問と答えは同時に出た。ああ、無理矢理使った反動がきたと。さっきまでなんともなかったのはヴォイドゲノムの身体上昇が正しい形で機能していたからであり、その前の反動を誤魔化せていたみたいでそれが溜まり、一気に開放。そのまま意識がシャットダウンした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付けば俺は何処かにいた。真っ暗な世界。それ以外には白い雲のようなものが漂っている。

 

だけど自分以外にはそれしかない。何にも感じない。音は自分の鼓動以外は聞こえない、風が頬を撫でる感触も、熱くも、寒くも。なのにどこか薄ら寒さすら感じてしまう。どこか寂しげな世界。

 

纏っている服も変わっている。何の意図なのかはわからない。黒のズボンにシャツ一枚、涯のような足首まである葬儀社のメンバーが着ているジャケットに首元にはマフラーが巻かれていた。集が原作で終盤で来ていた服だ。

 

そんな状態で上も下も右も左すらもわからない状態なのにしっかりと立っている。どうしてなのかも分からない。いや、それ以前に俺がどうしてここにいるのかすらもわからない。むしろ、今すぐにでも立ち去りたい気分になる。そう感じているはずなのにどこかで立ち去ってはいけないと感じている部分もある。

 

 

-----……こ?………………ん-----

 

 

自分以外音のない世界、その世界にいないはずの誰かの声が聞こえてくる。それは泣き声。小さな子供が泣いている。気づけば俺はその声がするほうへと足を進めていた。

 

進めど進めど周囲の景色は変わらない。辟易してきたときに誰かの姿が見えてきた、黄色のダウンジャケットを来た背中が見えて、その姿は誰かを探している迷子だ。それに何処か見覚えがあった、その少年は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…………あれ? 俺は……」

 

光を感じて目が醒める。けどなんともいえない何かが渦巻いていた。自分のみにまったく覚えがない非現実的な場所での出来事。一秒一秒ごとに記憶から抜け出してく中で本能とも言うべき部分が忘れるといっている。それが何かを警告しているかのようにも思えた。

 

「なんだっていうんだ?…………どうしてあんな夢を?」

 

だけどそれを再確認する手段なんてないから放置するしかないと完結する。次は周囲の状況を把握しないと。周りはベット以外は何にもない。本棚とかは在るが備え付けで本は何一つ納まっていない。まるで引っ越した後のような何にもなさだ。

 

それと服ありませんかね? あれから起きたら生まれたままの姿って結構ひどくない? 綺麗な女の子だったら役得だけどさ、ただの細マッチョな男子高校生の体なんか見て誰得だよ。

 

「さて、服はどこにあるかな」

 

ともかく服探さないと、申し訳程度に掛かっていた布に近い布団を腰に巻いておく。何にもないよりはましだろう。

 

ああ、あの後綾瀬が心配してきてくれたけど腰に巻いたものは落ちなかったと言っておこう。だけど、異性に裸見られた……

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりというかあのボールペンは無事綾瀬の元へ。それが重要なものだと言ったんだがなんだかそれが綾瀬の何かを刺激したみたいで悪戯っ子みたいな表情で一週間後のテストで合格したら返してくれる約束をして特訓開始へ。

 

ステップ1、総合近接格闘術。

 

「名前は?」

 

「桜満集です」

 

完全にガンつけながら名前を聞いてくる大部分を金髪のメッシュをかけた鋭い目つきのまさに不良といっても過言ではない姿のこの人は月島アルゴ。

 

初対面ではガチで怖いが、内面は義理堅く人情に溢れた兄貴と言えるだろう。仲間を大切にする姿はかっこよかった。

 

「知っている」

 

「なら聞くなよ」

 

つい、心の中の突っ込みを言葉にしてしまった。だけど普通にスルーされた。綾瀬からはアルゴが白兵戦でのプロだと説明する。

 

「ホントに殺す気でかかってこい」

 

そうして気軽に渡されたものはナイフ。顔が映るほど手入れをされている品だった。

 

「これモノホン?」

 

言わずとも本物でなんかやな予感。でも最近からエンドレイヴとか明らかに歩兵が相手できるわけない兵器を相手にしているか俺の危機感覚が麻痺しかけているからなんだか当てにならないかも。

 

「オラァ!」

 

容赦ないな! 髪の毛数本切れたぞ! つーか、ナイフ邪魔! ヴォイド使っているとき以外は素手のほうが勝手が良かった。だからさっさと渡されたナイフは捨てて、ステゴロでナイフすら振るえないくらいに接近。

 

「っ!!」

 

鉄山コウもどきのショルダータックルをさっきの容赦ない一撃のお返しとしてかます。

 

「はっ! やるじゃねえか!」

 

でもアルゴは綺麗に衝撃を受け流し、ほとんどダメージはない。体勢を崩している為に追撃をかけようとしたけど。

 

「だが甘ぇ」

 

「ですよねー」

 

鳩尾にナイフを握っていない方の手がめり込んでいた。ああ、俺って調子にのっていたなと反省しながら意識が落ちた。ヴォイドなかったらこの程度だと改めて認識した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステップ2、持久力。

 

『心拍数、平常値。うん結構鍛えているんだね。男の子』

 

アサルトマシンガンを持ちながらふゅーねるを背負って六本木の悪路でマラソンしている。といっても九年前からずっと走りこんでいる俺からすれば重石と悪路程度じゃ問題にもならない。軽快に走っていく。

 

ん? なんかカチカチしている? すると綾瀬があのボールペンのボタンを弄っていた。

 

ちょ、綾瀬さん。そのボールペンカチカチしないで! そのボタンはルーカサイの発射装置なんです。ルーカサイトを知っている身としてはその動作が怖くて仕方ないですよ! 今、赤いボタン押したら発射されていたじゃないですかヤダー! やめてー! え? やめて欲しかったらスピード上げていこうと?

 

「ちくしょー!」

 

下手したら即あの世行きな特訓とかどんな罰ゲームなんだよ! しかも手元にないと嘘界さんとの交渉に使えないから安易にポールペンがマーカーとして機能していることを話せないのがつらい。だって話したら処分されるが確定だからだよ。いったい何時撃たれるかもしれない戦略兵器のマーカーを持ち続けるバカなんている? 俺みたいな利用価値を見出している人以外はいないだろ?

 

と言いつつも全力疾走で駆け抜けていく。

 

結果はぶっ倒れるまで走ったのは久々だと言っておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステップ3、腕力。

 

次は影は薄かったがアニメでも結構出番があった大雲さんの部屋で試験。

 

「……重いかも」

 

彼の手に持ったものを差し出す…………なにこれ? これ持てと? 重機関銃だよね。普通はエンドレイヴとかに搭載するのが普通な奴だ。大雲さんは体格が普通の人よりも大きい、まさに熊のような体格からこそ扱えるものだと思うんですけど。

分かりましたから持ちますから面白そうにボールペンカチカチしないでお願いだから。それやるたびに冷や汗かきそうになるからやめてください。ああ、言えないのがもどかしい。

 

「お、重ッ!」

 

渡された重機関銃はやっぱり重い。両手で抱えてやっと持ち運べるくらいの重さだ。やっぱ大雲さんのような体格の人が使うもんだよね。とはいえ足腰はしっかりしているから無様に倒れることはないのだけどね。

 

あの…………なにか話し込むのはいいんですけどいつまで持っていればいいんですか? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステップ4、射撃訓練。

 

担当はいのり。目の前で実演している。

 

滑らかな手さばきで銃弾を装填、そのまま射撃する。その一連の動作は素人の目から見てもすごいものだと感じられた。しかも狙いも精確だ。撃ったのは六発、だけど人型の的の穴は頭部と胸の中心の二つだけ。

 

「すごい。全弾命中」

 

「集にもこのくらいは目指して貰うから。頑張れ」

 

「……善処させてもらいますよ」

 

とは言いつつも流石にあの域は難しいがそれなりに使えるようになったほうがこれから先、役立つのは確実だ。まずはさっきいのりが撃っていた姿を真似てみる。けれどどこかしっくりこない。どこかまちがっているのだろう。

 

「違う、そうするとスライドで手で擦り剥ける」

 

傍で見ていたいのりが構えに四苦八苦しているときに直してくれようとした時、背中当りに女の子特有の柔らかい感触。いのりには意識していなのだろうけど俺だってこんなふうに体をくっつけられるのは初めてで……

 

「む、胸当たって!?」

 

いきなりのことにビックリし飛びのいてしまった、しかも顔は真赤になっているかもしれない。綾瀬、頼むからにやにやしないでそういう経験ないからどうしたらいいのかわからないんだよ。憑依前からも女の子と触れ合った経験なんてほとんどないんだ。せいぜいが手をつなぐ程度が限界なんだよ。あ、ヴォイド使っているときは例外、どうにかすることに必死で意識する余裕なんてないのだから。

 

あの後少し気まずくなったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じに上手くとはいえないけどなんとかやってけそうです。

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