ギルティクラウン -Fake Crown-   作:SUMI

2 / 17
発生:genesis-phase1

夢を見ていた。

 

昔の……まだ少年がなにも知らない頃の優しい記憶。

 

優しい義理の母親と綺麗な姉と気弱な親友。みんな笑っていた楽しい夏の記憶。

 

でもいつの間にか…………

 

 

 

 

 

ゆさゆさとやさしく揺さぶられ意識がはっきりとしていく。

 

「起きて、もうすぐ着くよ。集」

 

目の前に赤い学生服を着た栗毛の短い髪を後ろで二つにまとめた女の子の西條祭。中学からの付き合いで4年近くは付き合いがある人物だ。

 

祭が俺を起こしたってことは通学途中の電車で寝ていたのか、外の景色を見れば学校の側まできていた。そろそろ降りないと

 

「ん、起こしてくれてありがと。祭」

 

にしても懐かしいと言えば懐かしい記憶を見た。あの時以来、はじめの方しか夢で見ることしかなかったのに。

 

 

 

 

 

あれからもう10年が経った。ぶっちゃけて言えば本編が始まるまで特にするべきと言うか出来ることはない……というよりもしなかった。考えてみると何も知らない学生であったからこそ葬儀社と接触もでき、そして王の力を手に入れることが出来たのだから。ダァトが何らかの方法で引きずり込む可能性も無きにあらずだがある程度選択の余地がある葬儀社と関わることを選んだ……まあ、原作どおりに流されたと逃げになるかもしれないが……でその時までやることはなかったので自分自身を鍛えることしかなった。その結果として原作の集よりも少しだが背が高くなったし体型は変わっていないが鍛えられた体となっている。無論なにかしら武術も習っているので喧嘩も出来る……が経験はない。実際に経験しないと動けるかなんて自信はないけど。

 

 

 

 

この世界についても変わりがない。財政界の重鎮たちがテロによって重要な人物がほとんど、いや全員といっていいほどの人数が死亡した。それだけならまだ建て直しが効いたがちょうどよくアポカリプスウィルスによる災害、真名の暴走が発生。それによって国の中心部が完全に停止してしまったのだ。その後にGHQが武力介入し、そのまま国の中枢を占拠した。それが今の日本の現状。

 

登校通路の傍、その近くに平然とGHQの基地と内骨格型遠隔操縦式装甲車両、通称エンドレイヴが居る光景がすでに日常となっている。

 

そして学校でクラスメートとある程度愛想よく返事しながら、適当に授業を済ませ、夕方。

 

原作通りに俺は部活動は映研に所属している、部室というか部員達の溜まり場というべき場所に向かう。場所は天王州大学跡地。なんとも運命なのか偶然か分からないが因果な場所になったもんだ。

 

そこに二人の男子というか、一人は活発そうな刈上げたぼさぼさの黒髪の少年で魂館颯太。

 

「おっ! 集じゃないか、今日は遅かったな!」

 

元気良く挨拶してくる。正直、原作の集と同様に馴れ馴れしいのがちょっと好きじゃない。もうちょい距離を離してくれればいい三枚目になれるのに。

 

もう一人は癖のない自分と同じ茶髪のショートで冷静な顔つきの青年とも取れそうな顔つきの少年、寒川谷尋がの声で俺に気づき。

 

「よお」

 

「ん」

 

お互いに軽く手を振って短い挨拶。谷尋とは原作とは違い、仲はいい。お互いに似ているのだからだろう。どっちも本当のことは隠して上っ面で愛想良く振舞っているのだから。そのことが妙に馬が合ったのか深いようで浅く、浅いようで深い友達付き合いをしている。お互いに何かを隠していることを理解してあえて深いところまで知ろうともせず踏み込まない微妙な距離での付き合い。だからこんな短い挨拶でも通じるほどだ。

 

あ、そういえば、まだコンクール用のクリップ映像の編集済ませていなかったっけ

 

「あ、悪い。颯太、まだクリップ映像まだ出来上がっていなかったんだ。もうちょい待ってくれ」

 

「ん、そっか」

 

とまあ、可もなく不可もなくってところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、家に帰った俺は日課とも言うべき家事と結構な量のトレーニングをさっさと済ませ、前からの趣味と言うべきネットサーフィンでアングラな動画投稿サイトに投稿されているあるアーティストの唄を聴いていた。

 

『EGOIST』

 

記憶にある姉にそっくりな少女、楪いのりが歌っている動画。それが静かな人気を得ていた。なぜ葬儀社に所属しているいのりがこの曲を歌っている映像を流したのか? おそらくトリトン……涯の指示だろう。茎道への宣戦布告なのかもしれない。真名にそっくりないのりの映像を流すことで茎道への意図返しであるかもしない。

 

だが集にはその映像そのものが10年も前になる知識に引っ掛かる。いや、既に感じているんだと。

 

ふと視線を遠くに見える巨大な支柱を中心に何十もの円が円錐形を形作る建物。ボーンクリスマスツリー。それが灯まるで何かを探すように辺りを照らす姿に始まりの光景思い浮かべていた。俺自身にも何となくだけど始まるのだろうと予感していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、その予感の通りにGHQにテロがあったとニュースが報道していた。

 

 




原作まで特に書く事ないのでキングクリムゾン。
世界は原作と変わらず。
変化があったのは集自身。
主な変化は体を鍛えているので身長は少し伸びており、顔つきもすこしはきりっとしています。あとは対人関係はあたりさわりがないといったところです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。