カツカツ カツカツ
ベルはまるで意識が無いような、フラフラとした足取りでメインストリートを歩く。
街の人は誰も白髪の少年の事を気にせず何も無いかのように歩き、少年もごく自然に人を避けながら歩いていた。
そして、ベルは
チリン チリン
現世と夢幻が入れ替わる。
「──っは?」
僕は
「あ、れ? どうして、僕は、ここに?」
先程までアイズと極彩色の怪物を倒していた筈だ。たしか
ダメだ。何も思い出せない。
僕は一体何をしていたんだ?
空はもう夕焼けで赤くなっている。僕の最新の記憶からは相当時間が経ったようだ。
あれ? どうして僕は
それに周囲の音がより鮮明に聞こえている。
僕は目を開けて、目の前の教会を見る。
僕は不意にそんな事を思ってしまった。
ここに来てからは毎日見ていたはずなのに、でも今は、いつもより教会を美しいと思ってしまった。
目を閉じれば、脳裏に映る僕に似た女性。
先日夢に見たアルフィアという女性とはまた違った女性。
僕と同じ髪と綺麗な青色をした瞳を持つ女性。
こちらを笑顔で見ている。二つの想いが交差する。
会いたい。抱きしめたい。
僕は手を伸ばす。私は手を伸ばす。
◾️母◾️ん! ◾️ーテ◾️ア!
「ベル君」
「──っは? か、神様?」
意識が明瞭になった。闇に降った光の声を聞く。
そこにはヘスティア様がいた。慈愛の笑顔でこちらを見ていた。
嫌な汗が滝のように身体を流れていく。全てを見透かす瞳の中の自分はとても酷い顔をしているのが見える。
「さあベル君。早く入ろう? もうボクはお腹空いたよ。バイト先のおばちゃんにジャガ丸くんを沢山もらったんだ」
「は、い。わかりました、神様」
僕は神様と一緒に
◾️◽️◾️◽️◾️
【ロキ・ファミリア】
──アイズの寝室──
「途中嫌なことあったけど、ベルとのデート楽しかった♪」
折角の楽しい時間を怪物共に邪魔されたが、ベルとの共闘など、違うファミリアにいてはほぼ一生経験できない事ができたから良しとしよう。
でも、あの気持ち悪い極彩色の怪物を倒したら、いつの間にかベルがいなくなっていた。時々、様子が変だったし、大丈夫だろうか?
──そうだ! 今度、ベルに何かプレゼントしよう!
何が良いかな? そういえばミノタウロスの時に武器が壊れたんだっけ? ミノタウロスの件は【
そうと決まれば、明日はダンジョンに潜ろう! ベルにあげるための武器の素材を探しにいこう!
なお、アイズは気づいていない。
別に武器をあげるだけなら、《ヘファイストス・ファミリア》か《ゴブニュ・ファミリア》にでも行って、武器を買えば良いのだ。それなのに何を血迷ったのか、ダンジョンに潜ろうとしている。保護者のハイエルフ様も頭が痛くなるような話である。
しかし、誰もアイズを止める事ができる者はいなかった。
◾️◽️◾️◽️◾️
──翌朝
「ふあぁ。うぅむ……。頭がぼんやりする」
僕は身体を起こし、身体を伸ばして身支度をする。
ナイフに手を伸ばそうとして、ハッと気づいた。
そういえば、あの極彩色のモンスターとの戦いで、初手で壊れたんだっけ。なんかよく壊れるな〜、僕の武器。まぁ、僕の使い方が悪いのもあるし、単純に相手が物理的に強いのもあるんだろうけど。もうちょっと耐久面に強い武器が欲しいよな〜。一番良いのは『
ブルッ!
うん? 何か凄い嫌な予感がしたんだけど? 具体的には天然娘が何か暴走するような……そんな感じがする。
大丈夫かなぁ?