名前 :衛藤 七緒(えとう ななお)
性別 :男
容姿 :深緑のショート・同色の瞳
誕生日:5月31日
身長 :160cm
学校 :神山高校
学年 :1-B
委員会:なし
部活 :なし
バイト:実家のスタジオ
趣味 :音楽鑑賞・音ゲー
特技 :お菓子作り・機材設定の把握
苦手 :断ること
好きな食べ物:パフェ
嫌いな食べ物:焼き肉
何事も放っておけない心優しくも苦労人の青年。
中学時代にバンドを組んでいたが、
あることがきっかけで解散し今は実家のスタジオで働いている。
休日は大体家の手伝いをしているか、ゲーセンで音ゲーにいそしんでいる。
少年は出会いを見つけたい
人生ってものは理不尽だ。片方を立てようとすれば、もう片方が立たなくなる。2つのうちどちらか1つの選択肢しか選べない。そして自分が正しいと思っても、それが間違いだと気付くのは、いつも終わった後なんだ。
『どうしてここでやめるんだよ!』
『そうだぞ、ここで成功すれば俺達は──!』
昔の仲間達の声が聞こえる。問い詰める2人は怒り顔だ。その後ろで、不安そうに僕を見つめる1人がいる。そんなみんなに対して僕は、ただ首を横に振るだけ。
そんな言い合いが続いて、ただただ時間が過ぎていく。やがて諦めがついたのか、仲間達はこういった。
『わかったよ。じゃあここで終わりだな』
『お前がそんなやつだったなんて、思ってもみなかったよ』
2人が呆れて帰っていく。取り残されたのは僕ともう1人だけ。
『ごめん、ごめんな……』
その1人もただその場に崩れ落ち泣いていた。気にしないで、と声を掛けられたらよかったかもしれない。でも僕は、なにも言えずただその場に立ち尽くすだけ。
遠くから歓声が聞こえる。
あれはきっと、僕達の手に入る筈のものだった。
そしてずっと、僕達の手に入らないものだった。
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次の瞬間、後頭部に衝撃が走り現実に引き戻される。何事かと思って顔を上げれば、周りのクラスメイトが笑っていた。
「おはよう衛藤、授業中に居眠りとはいい度胸しているな」
「あ、先生おはようございます」
すぐ傍にはこめかみを動かしながらこちらを見る教師の姿もある。黒板には古文と思わしき文が書き写されていた。
「えーっと、朗読ですか?」
「黒板の問題を解く方だ。黒板の文を現代語で訳してみろ。
ちなみに間違えた場合は課題が倍増するぞ」
「えっ、ちょっ、ヒント下さいヒント!」
「居眠り生徒にくれてやるヒントはない!」
どうやら現在絶体絶命というやつらしい。仕方なく訳する僕は当然ながら不正解であり、課題が増える羽目になった。
・
・
時は移って放課後。倍増した課題のせいか足取り重く廊下を歩いていた。
ここは神山高校。シブヤの一角に存在する高校でありある程度自由な校風が売りの学校だ。と言っても少しだけ自由過ぎる面も悪目立ちしていて、特に2年生には変人ワンツーフィニッシュと呼ばれる2人の男子生徒がいるらしい。
噂にはそんなに詳しくないものの、この間の昼休みに中庭で爆発騒ぎがあり、元凶がその2人と聞いた。漫画やファンタジーの世界じゃないんだから勘弁してほしい。
そんな事を考えながら学校を出る。雨上がりの空を夕日が赤く彩っている。しかしアスファルトに照り返る光がこちらの目を潰さんと猛威を振るっていた。適当に寄り道でも、と脳内プランニングに勤しんでいるとスマホから通知が入る。
「っと、親から連絡だ。なになに……」
そこには【スーパーのセールで遠出するから早く帰ってこい】というものだった。本来なら面倒と思うかもしれないが、家業が家業のため断ることすらできない。
「なら早く帰らないと怒られちゃうな。ゲーセンは諦めて帰ろう」
足早に家へと向かう中、スクランブル交差点で歌声が響いている。目を向ければ最近リリースされた初音ミクの新曲MVが映し出されていた。昔はCMですら拝むことすら難しいバーチャル・シンガーであったが、最近コンテンツとして一気に飛躍し、人気も爆発している。交差点を行き交う人々も、その映像に興味を向けていた。
「………」
そんな輝かしいシンデレラストーリーを見せつけられ、ふと夢の事を──過去の事を思い出す。
『どうしてここでやめるんだよ!』
『そうだぞ、ここで成功すれば俺達は──!』
あそこでやめていなければ、僕達もあんな栄光を掴めたのかもしれない。今もこんな、普通の高校生活どころではなかったかもしれない。それはそれは、幸せな日々だったに違いない。
ない、ないという可能性を考えずにはいられなかった。それでも、僕は後悔したくない。あのまま進んでいれば、きっと──
「すごいな、ミクは。昔からずっと、どんな風にでもなれて、すごく──自由で」
そこまで思考を進めた時、ふと独り言が聞こえた。人混みの中で1人の少女がミクのMVを眺めている。
「私とは、全然違うな……」
綺麗な黒髪が夕日に照らされ、より一層輝いている。クールな顔立ちでどこか感傷的に見上げる彼女は、不謹慎ながらとても素敵に見えた。
今思えばきっと、これが全ての始まりだった。まだ名も知らぬ少女と、どこにでもいるような僕の、最初のきっかけ。そこに理由なんてない。ただあるとすれば一目惚れというやつだ。
それは夜空を駆ける流星のように、すぐ終わってしまうものだけど。
それは夜空を駆ける流星のように、とても心に残る光景だった。
これは誰よりもみんなで一緒にいたいと願う少女と、そんな少女に恋をした少年の物語である。
全13話構成(執筆済み)。反響が良ければ続き書くかも。
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