ネクサス後なので、ネタバレあります。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
ダークザギ。正式名は、ウルティノイドザギ。
その存在は、かつてウルトラマンノアに救済された知的生命体が、スペースビーストという脅威と戦うために造りだした、ウルトラマンノアの模造品であった。
模造品ゆえに、その姿形は、ノアの背中にあるイージスという翼のような器官こそないが、ノアとそっくりであった。
スペースビーストと戦わせるために造られたザギは、自己進化能力を与えられていた。これにより創造主が手を加えなくても無限に自らをより強く成長・進化させることができた。
だが対スペースビーストのため、スペースビーストを含めてあらゆる生命体を喰らうことで自ら進化するその力は、やがて単なる模造品の兵器でしかなかったザギに自我を芽生えさせた。
しかしその宿った意思の形は、決して創造主達にとって良いモノではなかった。
自分が模造品であり、単なる兵器(道具)として生まれたということを理解したことで、オリジナルであるウルトラマンノアを越える存在になろうと、ありとあらゆる生命体を喰らい、スペースビーストを滅ぼすどころか逆に進化を促させて利用し、ついにはスペースビーストの頂点に君臨して操るまでになってしまう。
これによりザギの創造主達の故郷は滅び、ザギは超新星の爆破に耐えた後も進化を続け、ついにウルトラマンノアと戦うこととなる。
オリジナルと模造品。だが進化を続けたザギの力は、オリジナルであるノアと互角になるほど高まっていた。
時空を越えるほどの凄まじい戦いの果てで、ノアは最後にノア・ファイナルという技を使いザギとノアは次元の彼方へ消えることとなった。
しかしザギは、肉体を失いながらも生きていた。
地球という星で人間の一人を乗っ取り、完全復活を企み、いわゆる黒幕として暗躍しながら多くの罪と、それによる悲劇を起こした。
そしてついに復活を果たすが、復活のために利用した人間達の恐怖の記憶をため込んでいたレーテという装置が破壊されたことで人間達に恐怖の記憶ごと消されていた、人間を守るために戦っていたウルトラマンのことを思い出させた。
それは、恐怖と絶望が希望へと転換する要因になり、人間達の希望と声援が、ダークザギと戦うウルトラマンネクサスを、真の姿であるウルトラマンノアへと変え、ノアを完全復活させたのだ。
ザギは、人間の絶望や恐怖を闇の力として吸収し利用して復活した。一方で希望を諦めない者達の思いを力にできるノア。その関係はまさに闇と光。
ザギはノアと互角であった。だが人間達の希望を力にし復活を遂げたノアは、そのザギの力を遙かに上回るほど強くなっていた。
その圧倒的な差に、狡猾なザギが気づかないはずがない。
ノアの模造品として造られ、スペースビーストを滅ぼすためだけに造られた道具に過ぎないザギ。
ザギが圧倒的な差を、自身のオリジナルであるノアに感じた時、その嘆きは……、怒りは……、どれほどのものだっただろう?
ザギは、ノアに完全敗北した。
ノアの放った光線に押し負け、全身が粉々に消え去る感覚を感じながら宇宙の暗闇の中でザギは完全消滅した……。
それが表向きのダークザギの終わりであった。
しかしザギは消滅していなかった。
またもやしぶとく生き残ったのかと思われるだろうが、実際は違う。
ザギをすくい上げたのは、あろうことかノアであった。
肉体を失い、最後に情報体も消えようとしていたザギの情報体を、平行世界の宇宙へと送ったのだ。
それは、ノアを基に生まれたザギを哀れむノアの最後の温情。
ザギに秘められた、ウルトラマンになれる可能性が開花する最後のチャンスとして。
時空をも越えるウルトラマンノアの力により、平行世界の宇宙の地球へと送られたダークザギは、果たしてウルトラマンとなれるのか……。
ノアからの最後の温情であることを知らぬザギは、平行世界の宇宙の地球にて、ひとりの少年と出会いを果たす。
***
その宇宙の地球では、個性と呼ばれる超常能力が当たり前となる時代を迎えていた。
誰しもが個性という能力を持っていることが当たり前となる社会で、ひとりの少年が絶望した。
名を緑谷出久。
齢4歳にして、彼は生まれてくる者が平等ではないのだという絶望を知った。
出久は、遅くとも4歳ぐらいで覚醒すると考えられている個性が生まれつき無い、無個性という存在だと分かったのだ。
個性という超常能力を悪用する者『ヴィラン』、それを取り締まり弱き者を救う『ヒーロー』。その二つの概念が当たり前になりつつもあった世界で、出久はヒーローになることを夢見た。
だが個性がないという非情な現実が4歳という幼い出久を打ちのめし絶望の淵に立たせた。
賢い出久は無個性であることが今の社会でどれだけ不利であるかも理解できていた。それが余計に絶望に拍車をかけた。
どんなに泣いても願っても、生まれつき備わっていないモノは無い。
泣いていた出久は、ある時、どこかで別の誰かが泣いているのを感じた。
感じたというのはおかしいが、とにかくそう感じることができたような気がしたのだ。
家から抜け出し、建物の隙間、ソレはいた。
黒い何か。
大人が蹲って丸まった状態ぐらいの大きさだろうか、そんな黒い塊がそこにいた。
「…どうしたの?」
思わず声をかけると、黒い塊がビクッと動いた気がした。
おそらく顔を上げたのだろうか、赤く光る二つの目らしき物が出久の姿を映す。
急に動いたので少しビックリしたが、出久はその存在を恐ろしいとは思わなかった。
むしろ……、涙は出していないが、酷く悲しんでいるとさえ感じた。
『…うせろ。』
低く唸るような響きのある声が頭に響く。
「…泣いてるの?」
『……はあ?』
「だいじょうぶ? どこか痛いの?」
出久が思わず差し伸べた手を見て、黒い何かが目を見開いたような気がした。
『黙れ!』
悲しみと怒りがグチャグチャに混ざったような感情が秘められた声が出久に聞こえる。
『お前になにが分かる!? オレは、オレは……。』
「っ…!」
絞り出される声と共に、出久の頭に凄まじい勢いで何かの映像が流れ込んできた。
賢かった出久は、急なことに膝をついたもののなんとなくであるが、それがこの黒い何かの過去的なものであると理解した。
4歳の出久にすべてを理解できたわけじゃない。けれど……。
「貴方は……、造られた…?」
『ハンッ…その通りだ! 愚かしいだろう! オリジナルの野郎を越えると息巻いて、結局最後にアイツに倒されたなんてなぁ!! しょせんは模造品に過ぎないこのオレが……、どれだけ勝つことを求めても、しょせんは夢のまた夢……。』
「勝ちたかったんだね?」
『そーだな。模造品が本物になるには、それしかないだろう?』
「……そうかな?」
『はあ?』
「…貴方は……、ザギ…さ、んは…、ザギさん…だよ?」
『!』
その言葉は、『ザギ』にとって、初めて言われた、与えられた物であった。
「ノアじゃないよ…? ザギさんは、ザギさんなのに…。」
『…哀れみか……?』
「違います!」
あまりの衝撃で声が震えてしまう『ザギ』に出久が強い口調で、強い視線で言った。
「だって…、強くなりたかったのも…、その気持ちも…、勝ちたいって思うことも、頑張りたいって気持ちも、全部、全部…、ザギさんの物だよ! ノアじゃない!」
『だまれぇぇぇえええええ!!』
「!?」
出久の言葉に激情を放った『ザギ』の周囲から凄まじい力が発生した。
それは、幼い人間の子供にはひとたまりもないものだ。
周囲を破壊し、天候さえも変える力を暴走させていた『ザギ』は、ハッと我に帰った。
「…ぅう……。」
『おい!』
『ザギ』の前には、血塗れで瀕死になっている出久が倒れている。
どう考えても自分のせいだと分かる状況だ。
実体の無い『ザギ』は、出久に手を伸ばす。
すると周囲に人間達が集まる気配があった。
このまま医者に診せても出久が助かるとは思えない。それほどの大怪我だった。
『……ノアの…、まねごとか…。』
『ザギ』は、半ば自虐するように呟き、倒れている出久の上に覆い被さるように乗った。
そして出久の傷口に吸い込まれるように入り込み、やがて出久の中へと消えた。
騒ぎに駆けつけた人間達が来たときには、傷ひとつなく、けれど意識を失って倒れている出久だけがそこにいるのが発見された。
かつてザギがノアと雌雄を決した別宇宙の地球で、ザギが復活の時を策を巡らせて企んでいたように、ノアの方もまた復活する時を待っていた。
完全にひとりの人間を乗っ取って利用していたザギとは違い、様々な人間の体に宿り力を与えつつもその人間を尊重し少しずつ形態を変えながら復活したノア。
ザギは、自分のために利用する事はあれど、救うということはしなかった。
出久にしたことを、ノアのまねごとだと自虐したのは、ノアが宿った人間をも救っていたからだ。
ザギは、本当は出久を乗っ取ることもできた。しかし、やらなかった。
『ザギさんは、ザギさんだよ。』
出久が放ったザギの存在そのものを肯定する言葉は、道具(兵器)として生まれ、利用される、そして自我が芽生えてからも自分が単なる模造品でしかないがために本物に嫉妬し、本物になることに渇望してきたザギにとってどれほどの衝撃だったことか。
言葉を放った出久は知らない。
少なくとも、ザギが出久を生かすために自ら動いたのだ。ザギがこれまでやってきたことを知る者達からすれば、気まぐれ云々ということで片づけるにはあまりにとんでもないことである。
病院に搬送された出久は、半日ほどで目を覚ました。
心配する母・引子が涙を浮かべて声を掛けてくるが……。
「だぁれ…?」
わずか4歳の幼子である出久は、その日、4歳までの記憶を一度すべて失った。
同時に、ザギと出会ったこと、ザギを肯定したというやりとりの記憶すらも。
それは、ザギが共生という形で宿った相手を生かすことに慣れておらず、そのせいで加減が分からなかったことと、ザギを受け入れるには出久が未熟で幼すぎたことが原因だった。
ザギは、自分が生きているのが、ノアからの最後の温情だということは知りません。
情報体のみが残っている状態で自暴自棄になってたところを、共鳴した出久に発見されて、物語が始まりになったという感じです。
この時点ではまだ明らかになっていませんが、出久はザギが宿ったことで身体能力上昇や超能力が身につきます。
次回ぐらいでそこら辺を書きたいかな。
出久とザギの二人でひとつのヒーロー名
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ウルティメイトD&Z
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ウルD(ウルティノイド・デク)
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グレイデク
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闇の正義・ザギ
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ディアンズ
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ウルザ(ウルティノイド・ザギ)
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アンチヒーローダークデク
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Day Blake(デイブレイク)
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破壊ヒーロー デストロイヤー・ザギ
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創造ヒーロー アルキミア