なんだか勢いがつけられない…。
今回は騎馬戦の続き。
タイトル通りザギが元ラスボスとは思えない低レベルな感じでギャーギャーやってます。
爆豪が一番頑張る。
ザギのキャラが相変わらず原作と全然違う。
苦手な方は注意。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
体育祭の競技の最中に起こった異変に観客席とプロヒーロー席側がざわめいていただが、今は静まっている。
騎馬戦で他クラス混同での協力戦のルールで行われていた第二競技の真っ只中で緑谷出久に異変が起こった。
翡翠のような緑の髪が黒く染まり、髪と同じ色だった目の色が赤くなり、顔や首、腕など体操服から見えている肌の部分に見える赤く光る模様。
なにより表情がまったく別人だ。鋭く睨み付けてくる眼力と怒っているような表情。敵対者に唸る獣を彷彿とさせる気がする。表情が違うだけで同じ顔であるはずなのにまったくの別人になってしまうのだと理解させられるのだ。
出久を古くから知る爆豪以外の知り合ってから日が浅い同級生と教師達の戸惑いは大きい。特にUSJで脳無と死柄木をボコボコにしたあの出久(ザギ)を見ているA組の面々の顔には困惑と恐怖がにじんでいる。
ザギの獣のような凄まじい咆吼に、ただそれだけで誰も動けなくなっていた。
最初は……だ。
第二種目開始から少し時間が経過していた。
『〔ホレホレ。その程度か? もっと取りに来てみろよ! その程度か! なにがヒーローだ! 悔しかったらもっとオレを楽しませろ! 燃えさせろ! その程度で英雄(ヒーロー)名乗れるのか!? 気取るにしろもっとマシなところを見せてみろ、卵以下のガキ共!〕』
「キーーーーー! いちいちムカつくこと言いやがってーーー!!」
「卵以下ってなに!? それもう生まれる前ってことじゃん!?」
『〔生まれる前ぐらい弱者だってことだ! これなら落ち葉の下にたむろする虫ケラの方が有益で存在意義がある!〕』
「言い方ーーーー!!」
「“黒”緑谷の言動がイチイチグサグサくんのよ…!! もう泣きそう!」
「もう泣いてるし!?」
『…………あーーー…、これって競技として誰か判定プリーズ…。』
実況を担当しているプレゼントマイクがどうしたものかと困ったように言っていた。
『…………チビ同士の喧嘩…。』
プレゼントマイクの隣の席に座らされている相澤がそう呟いた。
別クラス混同の騎馬戦は黒緑谷(ザギ)の出現でカオスになっていた。
本来は騎馬の下になってくれている生徒との協力も含めて審査される協議だったのだが、ザギが騎馬をその場にとどまらせた状態で体操競技の足場みたいに利用して攻めてくる他の騎馬達を相手にギャーギャー子供の喧嘩みたいなチャンバラじみたことをやっている。
ハッキリ言おう。ザギの動きがキモいレベルで滑らかで速くてパワーがとんでもないから個性による差や体格もものともせず圧倒的な人数を相手に余裕さえ感じられるほどギャーギャーやれている。怪我はさせてないが千切っては投げという勢いで他の騎馬を倒しては立て直しの繰り返しで将来の後輩としてスカウトとしても来ているプロヒーロー達から見ると子供同士の喧嘩に見えて仕方ない。口喧嘩と挑発とが相まってそう見えてしまうのだ。
「っざけんなゴラーーーー!!」
『〔お前はいい加減沈め!〕』
特に一番立ち向かってポイポイ叩かれては立ち上がってるのは爆豪だ。
ストレスによる胃の痛みもそっちのけになるほど我を忘れてのマジ喧嘩状態だった。騎馬として協力している切島達も付き合って頑張っている。特に切島が他の騎馬のメンバーを庇って硬質化の個性を使いザギから流れ弾みたいに来る拳や蹴りを受け止めていた。
「誰が沈むかゴラァ! テメーが引っ込め!」
『〔邪魔するなこのガキが!〕』
「いつまでもガキ扱いすんな、クソ過保護! 出久を今すぐ返せや!!」
『〔誰がするか馬鹿が!〕!』
「馬鹿呼ばわりする方が馬鹿だ、クソが!」
『〔クソクソと…それしかないのか言葉を学べ!〕』
「いい加減引っ込めクソ極悪過保護野郎!!」
『〔お前にだけは言われたくない! 手のひら返し過保護が! 今度こそ殺してやろうか!?〕』
「俺を殺したら出久がどー思うか考えられねーか!? 脳みそたんねーのか!? いやその脳みそも出久のだろ!?」
『〔今はオレだ!〕』
「レベル…低っ!!」
漁夫の利を得ようと観察していた心操が爆豪とザギの口喧嘩とアクロバティックな殴り合い、蹴り合いを見ていてそう思わず口にしてしまった。
ここまで来るともう今の出久が別人であることは明らかだ。戦闘訓練の時にほんの少し、USJでガッツリ出てきてヴィラン連合をボコッた黒い出久の正体は出久自身が自覚していなかったし映像の記録も残っていなかったためハッキリできていなかったが、ここまで別人であることを露出する動きをしていたら確信はもてる。
まだまだ未知の分野である個性という特殊能力は、あとになって個性の性質と原理が最初と違っていたことが判明して登録を変えたり生活を変えなければならなくなることは少なくない。なので出久の身体能力の異常性がまだ判明していない個性の特性であるのなら十分説明はできるし、個性が別の人格を持つというのは常闇のダークシャドウのような例があるのであり得ない話ではなかった。
『〔ああ~~~、もう! 邪魔くさい!〕』
『あああーーーー! 黒緑谷がハチマキを投げ捨てたーーーー!?』
爆豪との喧嘩(?)がヒートアップしてきて片手に握りしめていた点数の刻まれたハチマキが邪魔になってきたザギがばらまくように投げ捨てた。
「やっと手放したか!」
「ナイス! 爆豪!」
「取れ取れ! チャンスだ!」
「ヒートアップしすぎを狙ったのね。」
ザギが捨てたハチマキに群がっていき、爆豪とザギの戦闘とは別にハチマキの取り合いによる戦闘が始まる。
「…チッ。1000万ポイントはアイツの首に…。」
轟は1000万ポイントがザギの首にストールのように巻かれているのに気づいて少し舌打ちした。
完全勝利を狙うならアレを狙わなければならないが子供じみた喧嘩みたいなやり合いとはいえザギと戦って奪い取るのは難しい。爆豪が主な相手になる前に轟もザギと取っ組み合いをしたのだがあっさり地面に転がされた。元々の出久の身体能力が更に上がり、獣のようでいて非常に戦いになれた動きをしてくるのだ。エンデヴァーの息子として幼少期から英才教育を受けていたとはいえ経験値の差はどうしようもない。№2のプロヒーローから拳を叩き込まれたからこそその経験値の差が嫌でも分かり轟は唇を噛んだ。
『〔完全勝利? 闇の上澄みも知らない未熟な卵以下が…、自惚れるな!!〕』
「!」
まるで轟の頭の中を読み取ったようなタイミングでザギが吠える。
轟に向けられた左手から紫色のエネルギーの光が発生するがそれを横から飛びかかった爆豪に阻止された。左手に発生していた光の球は轟に向けて発射されず、向きを上空へ変えられてしまったため雲の散らばる青空に向かって飛んでいった。エネルギーの塊が通り過ぎただけで雲が散らばって消滅していた。もしあれが人間に向けられていたら……。
『〔離れろ! 触るな!〕』
「い…出久! 起きろ! 起きやがれ!」
『〔耳元で騒ぐな! ガルルル!〕』
「アイダダダダダダ!?」
爆豪の頭と額の間をガジガジガジガジと噛むザギ。甘噛みどころじゃない思いっきり犬歯やその他の歯が食い込んでいて血走った赤い目も相まって凶暴な獣と取っ組み合いをしているように見えてしまう。
「ぐっ…、お、起きろって言ってんだろうがーーーー!! いい加減起きろ、寝坊助!!」
『〔この…、っ……? い…ずく…〕』
ザギにしがみついて耳元で大声で呼びかけていた爆豪に苛立ったザギが爆豪の首を掴もうとした時、ザギは内側から来る異変に気づいた。
『〔な…ん……で…?〕』
ザギは困惑した顔をしながら消えそうな声でそう言うと自分が引っ込み、出久と入れ替わった。
力が抜けた出久の体を爆豪がそのまま受け止める。髪の色がもとの緑色になり、顔や首、他の肌に浮かんでいた赤い模様が消えた。
目を閉じて意識を失っている出久を支えていると、競技終了のブザーが鳴った。
〔…………慣れてしまったのか…?〕
今まで自分が表に出ているときは出久は内側に押し込めて意識を深い眠り状態にしていたのだが、今回出久の意識がゴソゴソと反応していた。それを10年近い間自分が宿っていることで知らず知らずのうちに免疫が出来てしまったようだ。今まではザギが表に出ているだけで十分だったが、これからはダメージを考えずに押し込めないと出久が出てこようとしているのでザギはこの先どうするか考えることになる。
光線系の攻撃抜きで子供じみた喧嘩、ギャグを目指しましたがうまく書けなかった……。
なんか調子がイマイチで…。
爆豪はストレス性の胃痛を無視できるぐらいの気合いで出久を叩き起こすことに成功。ほぼ一か八かでした。
ザギもまさか出久が自力で意識を浮上させようとしてくるとは思わず焦って出久にダメージが行かないように慌てて引っ込んだ。
でもこの段階ではまだ出久はザギのことを認識できていません。深い眠りから覚める途中みたいな感じで目を覚まそうとしていて状況を周囲の状況が何も分からない、爆豪の声も空耳ぐらいに感じていた程度です。
とりあえずこの段階で常闇のダークシャドウと比べられて、別の人格を持つ個性として認識されることになるってのを考えました。
それだと無個性判定なのに常人を越える身体能力の理由になるかな?
これそのうち展開が思い付いたら書き直すかも……。
次回ぐらいでザギがエンデヴァーを一発殴る展開を書けたらいいな…。
轟との戦いで客席のエンデヴァーにザギシュート一発の予定ですが。