ただ……、うつ病がしんどくなると執筆がはかどるってどうなんだ…?
元々ハーメルンで執筆と投稿をし始めたきっかけがそれだったからか?
今回は、オリジナルエピソードに原作展開が混ざった感じです。
前半オリジナル、後半原作展開。
インゲニウムがステインに負傷させられたタイミングなどが原作と異なります。
原作では確か体育祭が終わったときに兄であるインゲニウムの負傷を飯田が知ったはず。それで体育祭後の飯田の心配をみんながしてて…だったかな?
うろ覚えで申し訳ない。
オリジナル部分で、ステインが出久に強襲を仕掛けてきます。
でもザギによって……?
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
職場体験の指名が来たと伝えられたその日の夕方のことだった。
その日は、出久が常連として通うヒーロー関連のグッズを販売している店に入荷したキーホルダーサイズの小さいフィギュアがランダムで入った商品を購入しに行くために少し遅い時間に帰宅した。
販売予告を事前に見ていたため、購入できるだけお小遣いを溜めておいたがただの高校生に買える数などたかが知れている。
お財布事情が厳しくても購入できた喜びを噛みしめて、店の外で開封して中味を確認するとダブることなく異なるヒーローのフィギュアが入っていて出久はすごく喜んだ。
〔出久が喜ぶなら〕
実は商品選びをザギが少し手伝ったのだ。
透視能力で中味を透かして見て、違う物を選んだ。
ランダムかつ種類ごとの生産数の数から来るレア度の変動はどうしようもないので、出久が欲しがっていた何種類もあるフィギュアの中で特に欲しがっている物を出久が順位付けしていたので、透視を使って見つけたらそれを選ばせた。
商品棚に陳列された商品の箱を全部透視したが、一番の大本命であるオールマイトのフィギアは残念ながら店の商品棚には無かった。中味が見えないランダム性を売りにした購買欲を刺激する商品なのだから、全部買い占めても当たりを引くとは限らない。まあ入荷する店舗側が入っている物を把握している状態で意地悪く調整して販売して売る場合は話が変わってくるが……。
出久が常連として通っているこの店はそういう意地悪い商魂の店ではないらしく、だからこそ重度のヒーローオタクから信頼されてそういう常連が多いようだ。もちろんそれは客側であるオタク達もオタクだからこそ行儀が良く、最低限のモラルは守ろうという姿勢を保っており、行儀の悪いオタクやたちの悪い転売ヤーから店を守っいるらしい。
店内にある展示用のフィギュアの一部や、出久が今回購入した物、出久の部屋に大事に飾ってあるヒーロー関連グッズや期間限定コラボ商品やフィギュアなどの観賞用を見てきたが、ヒーローの中には身につけている装備や個性の都合で普通の人間の形からかけ離れた姿をした物が多数存在する。
〔……オレのフィギュアがあったら…、出久はどう思う?〕
自分の姿形をフィギュアにした時の形を想像してみると、実在するヒーローをフィギュア化させるよりかなり簡単に格好いいフィギュアになるのではないかとザギは思った。
そもそもノアの見た目を背中のイージスを抜きにしてそのまま流用しているのだから、ある意味で50メートル級の巨大フィギュア(?)みたいなものだろうか、ウルティノイドというのは。(※創造主の来訪者はイージスの再現ができなかった)
ファウストやメフィストなど自作した闇のウルティノイドはいるが、あれはあれで自分に都合良く動く操り人形のつもりで制作したわけだが。
〔……オレの右腕を嫌だとは思ってはいないようだから〕
体育祭で出久が気絶した後、握りつぶした右腕を治すためにザギの腕に一時的に変身させたので、目を覚ました出久が右腕を見てびっくり仰天してベッドから落ちていたが、腕の変化に驚いただけで形状や色に嫌悪を感じている様子は無かった。
腕の太さと形状の都合で袖を通せなくて困ってはいたが……。
〔まさかオレが、オレの姿形がコレ(※ノアの模造)で良かったと思う日が来るとは……〕
遠くない未来に自分の本当の姿を見せたときに、出久がどういう感想を持つのか。
イージスが無い色違いのノアと言えるほど似せられた姿形についてなんと言うのか。
出会った時の記憶を失ってしまった出久から拒絶されるのが嫌で、コミュニケーションを取ろうとしなかったが、イエスノーカードと筆談と右腕の動きでコミュニケーションを取るようになったことで、本当の自分の全てを見せた時にどう思われるかということに希望が持てるようなっていた。
少しザギがいつか自分の本当の姿を見せる時のことを考えてドキドキしていた時だった。
「お前が、緑谷出久か?」
「えっ?」
〔なに!?〕
ザギが思考にふけてしまっていて油断した。
日が落ち始めて空の色が昼と夜の間の色になった時間帯だった。陰りから突如現れた赤黒い人間が飛びかかってきたのだ。
いきなりのことに出久が動くより速く、ザギの右腕が出久に向かって振り下ろされる刃を防いだ。
刃こぼれした刀の刃が出久の身を守るザギの腕にぶつかり火花が散る。
「ぬぅっ!? この腕は…!?」
「ありがとう、ザギ!」
出久が自分を守ってくれたザギにお礼を言うが速いか、ザギが腕を振るって襲撃者を弾き飛ばした。
「グオっ!? なんという力! 片腕でこれとは……!」
弾かれて飛ばされたが身を捻って地面に着地した襲撃者が顔を上げる。
「あ……、あなたは……! まさか…。」
相手を見て、出久の顔色が悪くなった。
「№2を二度も軽く転がした話は……、真実のようだなぁ?」
「ヒーロー殺し、ステイン! こんなところで…。」
「試したい……。はあ…お前は真に英雄になり得るか……。それともオールマイトの敵か。オールマイトの拳が傷つくほどのバリアを張り、何度殴っても破らせないほどでありながら余裕だった。お前は、なんだ? その腕が力の一端か? ……はあ…、答えられないか?」
悪名高いヒーロー殺しの二つ名で指名手配されているヴィラン、ステイン。
英雄という物への強すぎる拘りから多くのヒーローをその手にかけ、命を奪ったり、再起不能にしてきた凶悪犯罪者だ。
ステインのターゲットになるのはヴィランも含まれているが、被害者のほとんどはプロ-ヒーローである。この男によって命と未来を奪われたヒーロー達のことを思い、出久の表情が変わる。
ヒーローに憧れ、ヒーローになる夢を持つ者として、この狂人殺人犯が許せないのだ。
ザギは、そんな出久の気持ちをくみ取る。
右手に紫電のようなエネルギーを溜め始めた。
出久はそれに気づいて驚くがすぐにザギの意図を理解して、ステインをまっすぐ見て構えた。
ザギが教えたわけじゃない。出久が直感でこう構えると良いと思ってその構えを取ったのだ。ザギを知る者が見れば、それが戦っている時のザギの構えだと分かる。
ステインは、凄まじく嫌な予感がして咄嗟に動こうとした時には発射までの溜めは終わっていた。
そしてザギの動きを模倣した出久とザギの意思で伸ばされた右腕から放たれるザギシュート。(※エンデヴァーに撃ったものより、ちょっと強め)
ステインが紫の光弾の中に姿を消し、着弾と共に爆発が起こった。
途端、周囲が爆発音と伝わる衝撃によって驚いて騒ぎ出し家から顔を出す人や、通行人が集まって来る。中には咄嗟の判断でヒーローや警察に電話を掛けている人間達もいた。
爆風が晴れると、そこにはステインはいなかった。
代わりに焦げた赤黒いマフラーの一部がクレーターになった地面の端に落ちていた。あと血が僅かだが点々と……。
「……ザギ?」
出久は右腕を見てザギに聞くと、ザギは右手首を振って仕留め損ねたことを出久に伝えた。
爆風に乗じて上手く逃走したステイン。だが僅かに血痕が残っていることから無傷ではないだろう。体育祭で無防備でまともに喰らったエンデヴァーよりは、危険察知能力が高く逃げ足が速かったようだ。
出久はヘナヘナとその場に座り込んでしまった。
ザギは、慌てた様子で右腕を動かし、出久の頭を撫でる。
「ご、ごめん……。ヒーロー殺しに襲われるなんて……思わなかったから…。今更、腰が抜けちゃった。」
悪名が知れ渡った連続殺人犯にいきなり狙われた恐怖が後から湧いてきてしまったらしく、声も身も震わせている出久の目ににじんだ涙をザギは右手の指で拭った。
その後、間もなく駆けつけた警察やヒーロー達によって現場検証と事情聴取のためにひとまず出久はパトカーに乗せられ、出久の証言と目撃情報と近くの監視カメラの映像、そして浅いクレーターに残っていた焦げた赤黒いマフラーの一部から出久がステインに襲われたので自己防衛のためにステインに反撃したという結論となり、出久は解放された。相手が相手なので過剰防衛とはならなかった。
警察からの電話を受けて迎えに来た引子が出久を見つけると駆け寄り、出久を抱きしめて泣きながら彼が無事でいることを喜んだ。
それから悪名高いヒーロー殺しに出久が命を狙われたことを警察から聞かされた引子は、青ざめて卒倒しかけたが息子を迅速に保護してくれた警察とヒーローに感謝の言葉を述べて頭を下げた。
ヒーロー殺しがまだ近隣に潜んでいる可能性があると見て、逮捕する千載一遇のチャンスだとばかりに、応援に来た警察の部隊を始め続々と別の地区にいたプロヒーロー達が事件現場となった地域に集まった。
翌日、ニュースにもなったが、襲われた被害者が未成年であることから顔も名前も伏せられての内容で報じられた。
だが……、程なくして緊急速報のニュースがテレビやネットニュースで流れる。
翌日、何事もなく登校した出久だったがクラスメイトの中に皆勤賞を狙っているんじゃないかというほど特に真面目なひとりがいないことに気づいた。
「飯田くんは? 休み?」
「デクくん! テレビ見た!?」
「えっ?」
「飯田くんのお兄さんが……。」
「!」
ヒーロー殺しステインを逮捕するべく集まってきたヒーローのひとりが、ザギシュートによって負傷したステインを発見した。
だが浅くない傷だったとはいえ、多くのプロヒーロー達とヴィランを殺傷してきた凶悪犯はただでは捕まらなかった。
ステインを見つけたことで自分のサイドキック達や他のプロヒーロー達と警察に向けて通信機で呼びかけてここに急行させつつ、ステインを捕縛しようと挑んできたそのヒーローに重傷を負わせてステインは逃亡して包囲網をも掻い潜り行方をくらました。
重傷を負わされたそのヒーロー、インゲニウムは、駆けつけたサイドキック達によって応急処置され、すぐに病院に搬送されたが命は助かったもののヒーローとしての未来を失った。
下半身不随という結末は、弟である飯田と同じ脚の機動性に優れた個性を主力としたヒーローである彼の未来を完全に閉ざした。
〔……手加減するんじゃなかった〕
出久の目を気にせず、確実にステインの息の根を止める手段を使うべきだったとザギは悔いた。
悔いた理由は、インゲニウムの弟である飯田が間違いなく復讐に走り、生死に関わらず学級委員長でなくなった時のシワ寄せが出久に来て面倒になることを危惧してのことだ。
〔死んだら、次は誰を据えるか〕
飯田が復讐に失敗することを前提でザギは出久以外のA組生徒内の誰を学級委員にするか考えていた。
ザギにとって出久以外はどうでもいいのだ。ただ爆豪のようにザギが未来視によって未来になくてはならない存在か、出久のために使えるか否か、それぐらいだ。
あとがきや活動報告の方でも次の展開をどうするか悩んでいることを書いたと思いますが、悩んだ末にこの展開にしました。
ステインは体育祭を視聴して、ガチンコバトル中にオールマイトが頑張っても破れないバリアを張った状態で轟を一方的に痛めつける出久(※ザギ)のことをどうしても確かめたくなり出久の所へ来ました。
もちろん自分が理想とする英雄像に相応しいか、それとも贋物かを見定めるつもりでしたが、攻撃をザギが右腕で防ぎ、反撃としてザギシュートを撃たれて敗北。
気絶はしなかったし怪我もしたけど、致命傷はギリギリで回避して逃走。
ステイン逮捕のためにプロヒーロー達が集まった中にインゲニウムとサイドキック達も参加していたため、たまたま単独行動中にステインを先に発見したインゲニウムが仲間や警察を呼びつつステインを逃がさないようにしましたが失敗し、原作通りに再起不能にされてしまいました。
ザギは、飯田が兄の仇を討とうとするだろうと分かっていますが、飯田の生死はどうでもよく、もし死なずに再起不能の結果になって委員長でなくなると出久にシワ寄せが来ることの方を重要視して、飯田以外に委員長の座になれる生徒を誰にするかを考える。
現時点でのザギは、出久以外はどーでもいい。出久さえ無事なら他がどうなろうと別に構わないというスタンス。
次回は、職場体験……でいいかな?