勢い付けすぎた?
今回は、ステインとの決着?
ほぼザギとの会話です。
か~なりステインが雑魚になってるかもです。
かなり台詞に苦戦したので矛盾点が多いかもです。
もしここがおかしいというご指摘がありましたら、活動報告か、メッセージでお願いします。
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それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
カオスな空気に満たされた現場で、その殺意に最初に気づいたのはその人物を探していた飯田だった。
たまたま彼の視線が出久の後ろに移っただけだったが、それは見えぬ何かから彼に課せられた試練を乗り越えてみろというように絶好であり、最悪のタイミングとなる。
「緑谷くん!!」
「えっ?」
個性エンジンを使い、一気に距離を詰めた飯田の体が土下座状態の出久の上をかすめる。
「ステイーーーーーン!!」
爆発させた感情のままに出された絶叫と共にステインに飯田の脚部による槍のように鋭い蹴りが襲いかかる。
だがステインの二本の剣をクロスさせてそれを防ぎ、うまく蹴りの衝撃を受け流してから飯田の胸部を狙って片方の剣の先を突き出した。
飯田は間一髪で体を捻り、胸部、心臓か肺を狙った突きを攻撃を回避したが、厚みのあるヒーロースーツの鎖骨辺りをかすめてから頬と耳の横の中間が刃で切れて出血した。
飛び散る血と、捨て身同然での攻撃であったため攻撃後の体勢の立て直しを考えていなかったからか、飯田は勢いよくステインの横をも過ぎて地面に転がった。
「…ハア……貴様には用はない。」
「俺はお前を…、インゲニウムの……、兄さんの仇を討つ!!」
「……贋物の弟か。……だが所詮はお前も贋物。」
刃に付着した飯田の血を舌で舐め取った途端、起き上がって再度攻撃を仕掛けようとした飯田の動きが止まり、飯田は驚愕の表情をした。
「飯田くん!」
「…ハア……、待て。」
飯田の近くに寄って飯田の首元に剣を当てたステインが、土下座状態から立ち上がった出久に言った。
飯田を人質に取られて、他のプロヒーロー達も下手に動けなくなった。
「お前の…中に潜む……、個性か? いや、違うか。……まあ、そんなことはどうでもいいことか。」
「ザギに用が?」
出久はステインを強い眼差しで見据えて務めて冷静に聞いた。
「ザギ…。そうか、それが名前か。ハア……、俺はザギとの会話を望む……。力を試す前にやるべきことだったと、ハア……後悔している。」
「もしや雄英の体育祭でのことでか?」
グラントリノがズバリ言った。
緊張が走る中、ステインは頷いた。
「…どうする? ザギ?」
グラントリノは、出久を見てザギに問うた。
出久は、凄まじい緊張の中で右腕を撫でた。クラスメイトを人質に取られているという危険な状況で、もしザギが断ったら?
最悪の結末を想像してしまい、自然と右腕を撫でる左手が震えていた。
〔出久を怖がらせたな〕
とうに答えは決まっていた。
ザギの右手が出久の左手に触れて、ザギが出した答えを伝えるようにした。
意図を汲んだ出久は頷き、息を吐いて目を閉じた。
すると再び髪の色が黒くなり、顔や首など見える箇所に赤い模様が現れる。
目を開ければ赤い目がステインを見る。
違う緊張が新たに場の空気を支配した。
飯田の命は、ザギの行動次第で決まる。
『〔…それで? オレに何を聞きたい?〕』
ザギが腕組みをして威圧的にステインに問うた。
ステインは、口元を釣り上げて笑った。心底ザギに会えたことが嬉しいとばかりに。
「雄英の体育祭で、№2の息子に説いたあの言葉……、あれはお前の考えか?」
『〔だとしたら?〕』
ガチンコバトルで轟を瀕死に追いやり、トドメを刺そうとする前に吐いたザギの台詞。
それは体育祭を生で見ずともテレビなどで観戦していた他のプロヒーロー達も知っているし、他のヒーローや関係者から伝え聞いて知った者達も多い。
「『勝つことを望むなら、なにをしてでも戦うことをやめるな。全てを使い尽くせ』、『産みの親だろうが育ての親だろうが兄弟だろうが、喰って殺してでも勝利を欲したこともないのか』、『この地球のヒーローというものに! つまらない! 心底くだらない! 価値も無い! ただの烏合が! 英雄(ヒーロー)の価値をどこまでも下げるだけだ! お前もそうだ。父親の叶わぬ望みの代替えで終わることを不服とするなら、手段を選ぶな! 全てを喰らい尽くして糧としてでも抗う執念を持て! 価値のないものに価値を見出して夢を求める強欲さを!』、………ハア…、あれは………身が震えた!」
ステインは、体育祭の生中継で聞いたザギの台詞と声を思い出して、身震いした。それがどこか恍惚としているようにも見え、彼が持つ狂気をあふれさせているようだ。
「先に問い、聞くべきだった。力を試すことは二の次でよかった。俺はこれほど後悔したことはない。だから、次は間違えないと! ハア……、ザギ………、あの台詞は…ハア…、お前が実際に実行し、経験したことだろう? イエスか…、ノーか。」
選択肢を出しつつ、イエス以外を許さないような声色でステインがザギに問うた。
ザギは、動揺する様子も無く、ただ面倒くさそうな雰囲気を出しながら口を開いた。
『〔その通り〕』
その答えに、グラントリノだけがやはりかと顔をしかめた。
ザギは強い。強すぎる。その強さの秘訣とは?
あの時に吐かれた言葉にザギが強くなった理由がそのまま語られていたのだ。
『〔ぬるい。生ぬるい。どいつもこいつもヒヨコにも満たない未成熟。圧倒的に足りない。求めるものがあるのならそれを手に入れるために何をすべきか。何が必要か。何を犠牲にしてでも、どれほど傷つこうと、噛み砕き、飲み込み、啜り、喰らい尽くしてでも立ち止まらぬ勢いと強欲。価値なきものに価値を見出し、ちっぽけな夢であろうと、絵空事であろうと、遠い未来に続く足下の礎になるだけになろうと……、自分の子が、孫が、関わった親しい者の心に残るだけになっても、諦めてしまうほどの絶望を前にしても、打ちのめされて転がっても何度でも立ち上がり、逃げたとしてもまた挑み、泣いてもまた笑える……。〕』
ザギは、途中で言葉を止めた。
少し目を伏せ、何か考えてから目を開けて続けた。
『〔全てを喰らい尽くして………、屍と積み上げ手にしたオレの力は……、何度転んでも立ち上がることを選んだ諦めないちっぽけな英雄(ヒーロー)に敵わなかった〕』
「!」
思わぬ続きの言葉にステインが信じられない様子で目を見開いた。
ザギの圧倒的な力をその身で味わっているだけに、実はザギが決定的な敗北を経験していることが信じられないようだ。
『〔逆に聞く。お前にとっての英雄とはなんだ? お前には理想があるということを情報媒体から見聞きしている。お前が贋物と断じる潰してきた人間達は、意味の無い無価値で不必要で、英雄になれないと思うのか?〕』
「なにを……。英雄を穢す贋物が溢れる今のこの世が正しいと!? ザギ! お前はヒーローを…。」
『〔オレはヒーローが嫌いだ。あまりに弱い。貧弱すぎる。オレが知っている英雄の連中と一緒にするなって、つい思うぐらいにだ。だから出久をヒーローにさせたくないのが本音だ。くだらないこの星で職業として存在する英雄(ヒーロー)に。〕』
「なら!」
『〔だが、お前が潰したひとつひとつの可能性が、きっかけがあれば強い希望の光となったかもしれないぞ?〕』
「?」
『〔オレが知る英雄達は……、ひとつひとつはちっぽけで、弱い。だが、そんなちっぽけな奴らが起こすんだ。名も残さず散ることさえ後身が成長する礎となり大きな奇跡に結びつける橋となり、身を削り、心を消耗して泣いて傷だらけで苦しんでも何度でも立ち上がり、先を走って礎となった者達の想いを、生き様を見て、一見無意味にしか見えない思えない繋いできた全ての絆が、守りたい全てと、その後の未来への道を開く奇跡の使者たる神をも蘇らせて、オレは圧倒的な力の差で負けた!! 手も足も出ずにだ!! もう一度聞く………、お前がお前の理想と違うからと断じて潰してきた全ての可能性は、本当に無意味で不必要だったのか? 可能性はごくごく低かったとしても、ゼロじゃなかったのに……。じゃあ、お前がやってきたことは、なんだ?〕』
「~~~っ…!!」
ステインは、何か反論したいようだが言葉が出ず口をパクパクさせ、大量の汗をかいていた。
『〔ついでだ。もうひとつ面白い話をしてやろう〕』
するとザギがついでだとばかりにある話を始めた。
それは、ある平和な星を守るためにやってきた英雄を貶めて英雄の評判を落とそうと画策したある宇宙人の話。
その宇宙人は他者に変身する能力を持っていた。だから英雄と同じ姿になることもできた。
だがその変身能力が予想外の事態を起こした。
英雄の姿から戻る際に人に見られ、慌てて星の住人の姿と偽名を名乗ってしまい、英雄の正体だと思われて瞬く間にその宇宙人が英雄だと思われてしまった。
これはこれで英雄の評判落としに使えると考えた宇宙人は、彼を英雄だと信じた住人達と交流を深めた。
その交流は宇宙人の心に変化をもたらした。
純粋な英雄への感謝と憧れを向けられ、今更自分が贋物だと告げられない罪悪感。
そんな最中で宇宙人の司令官からの指示で、交流していた者達を殺せと命じられた。だが宇宙人は実行できなかった。
業を煮やした宇宙人の司令官は、強い怪物を送り込んだ。
宇宙人は仲間を裏切り、交流したその星の住人達を守ることを選び、贋物の英雄の姿で戦った。
だが所詮は形だけを真似ただけで英雄に遠く及ばない。変身は解けて真の姿を晒すことになった。
しかし、それでも誤魔化さなかった。自分が英雄だと偽っていたことを告白した。
すると住人達は、宇宙人を責めるどころか、宇宙人を応援した。
自分達の平和を壊す侵略者であるはずの宇宙人が同胞を裏切ってでも、自分達のために命を賭けて戦う姿は偽りじゃないことを理解して、英雄の名では無く、偽名として名乗った名前であるが宇宙人に心からの声援を送った。
宇宙人は彼らのその気持ちに応えたいと立ち上がり、怪物に挑んだ。だが負けた。
ここまでという時に、本物の英雄がやってきて宇宙人を救った。
英雄は、贋物を騙った宇宙人を責めることはなかった。
『〔悪の側として活動する者も、きっかけがあれば“痛みを知るただひとりの英雄”になる可能性を秘めている。その逆も然り。光と闇は表裏一体とは上手い言葉だ。お前は、この話の中の宇宙人をどう思う? また聞き返すが。お前が潰してきた奴らは……、殺してもいい無価値で無意味なだけの存在だったのか?〕』
「~~ぁ…、が、…ぅ……うぅ…!!」
ステインはガクガクと震え、限界まで見開かれた両目からとめどとなく涙を零し、両手に握っていた剣を落とした。
そして両手で頭を抱えて両膝を地面につき、深く項垂れて声にならない声で呻くばかりだ。
ザギが語った英雄の姿と、その軌跡。
それを聞いて理解したステインは、ザギにこれまでの行いについて問われ決壊した。
最初は英雄になり得ないほど弱くあらゆる意味で恵まれていない存在であろうと何者かになれること、誰かの成長のきっかけとなる礎として輝く未来の足場となって後身がその想いや生き様や様々なものを受け継ぎ、その繰り返しがやがて大きな奇跡を起こすかもしれないこと、何かきっかけがあれば悪人でさえ真の英雄になる可能性を持つこと。
自分がやってきたことは……、自分の価値観で判定してすぐに命を奪い、その後の生き方さえ狂わせて未来を閉ざすことだけだった。
圧倒的な力を持つザギが敗北したという、大きな奇跡を起こすほどのことを、自分が潰してきた者達が起こす可能性があったかもしれない。今すぐじゃなく、ずっと先になるかもしれないが、可能性はゼロじゃなかった。
なら、英雄回帰の思想のためにヒーロー殺し(ステイン)がやってきたことは……?
「おおぉぉ……うぅぅおおおおおおお……。」
ステインはただただ大粒の涙をとめどなく流しながら、悲痛な絶望を帯びた嗚咽をあげ続けた。
『〔オレは、今はヒーローという職業をくだらない、出久に相応しくないとしか思えない。だが……、小さくとも変わる可能性があるなら……、考えが変わるかもしれないな。〕』
英雄(ヒーロー)は嫌いだが、侮って負けた事実は消せない。
トラウマかもしれないが、消せない記憶となって残り続ける英雄達の輝く姿の記憶は、ザギの中に深く深く消えない傷として残っている。
この地球のヒーローがその英雄達のようになる可能性はゼロじゃない。
まだ発芽していない。まだ殻を破っていない。まだ成長していない。
それがいつになるかは分からない。
ステインが潰して奪ってきた者達がそうなる可能性はあったのだ。
だが、もう元には戻せない。
その可能性は、ステインの手で永遠に失われたのだから。
〔脆い……。その程度だったか〕
ザギは、ステインの有様を目を細めて見つめながら、ステインの英雄回帰という思想の脆さに呆れた。
ザギとしては、自分の思想で動く狂人のステインの心を砕くために自分の話と、自分が知る英雄達と、そして侵略者であることを辞めたひとりの宇宙人の話をしてやっただけだ。
ステインに付き合って英雄について語り合う気なんてなかったのだ。
ステインが重ねた罪の内容と自分が語る英雄達を重ね、ステインの行いがもたらしたことがザギが語る英雄の誕生を完全に潰えさせるだけにしかなっていないとこぎ付けをしてやった。そしたらあっさりこうなった。
ステインの脆さにザギは、失望だけしか感じなかった。
体育祭でザギが勢いで吐き散らした台詞を引用しつつ、振り返って台詞を書きました。
ザギは、ステインと英雄について語る気はなく、出久を怖がらせやがった不届き者許すまじ!ってことで、ステインの心をへし折って砕いてやろうという意味で色々と語ってステインのそれまでの行いとこぎ付けをしてやった感じです。
ザギの基準としている英雄がそもそもレベルが違いすぎるのと、今の段階だと職業ヒーローを比べちゃってメッチャ見下していますが、渋々ながらグラントリノを認めたり、将来性があるという意味で麗日を見直したりって感じで個人個人の良い部分や将来性とか成長の過程を見て認識を改めることはするので、今後ヒーロー全般への認識が変わる可能性はゼロじゃないです。
ただしそもそもの基準(ウルトラ一族や防衛隊とか)が狂ってるので可能性はメチャクチャ低い。
ちなみにエンデヴァーは、この間犬神家状態で放置状態です。
次回でステインの逮捕とか飯田の立ち直りや、エンデヴァーとギャグちっくにザギがなんかやらかすか、色々と考え中。