タイトル通り、ザギさんが無自覚ヤンデレをこじらせてます。
(※恋愛感情はありません)
(※そもそもダークザギに性別があるのかすら謎だし)
ザギさんの言葉遣いはかなり捏造しています。口悪いです。
爆豪のキャラがだいぶ緩和?
ツンギレだけど出久に過保護。
(※恋愛感情はない!)
出久がかなりチートです。
ヘドロヴィラン事件の時のヒーロー達にアンチな表現となっています。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
ザギは、ただの気まぐれ…っと吐き捨てている。
第一、誰かを利用せずに無益で助けるなんて今までやったことはない。
なので加減を間違えた!っと、気づいた時には遅く、自分が宿ることで命をつなぎ止めた出久が4歳時点までの記憶を全て失ってしまった。
ついでに身体能力の異常な向上と、ウルトラ一族に相当する超能力まで付与された。
そんなつもりはなかった…、なかったんだ…、クソが!って自暴自棄になっても後の祭り。
幼すぎる出久の体への負担を減らすため、内側から超能力を高出力で出せないようにしたし、出久の命を脅かす事情があったらザギが出久の体を借りて敵対者をぶちのめし、良くない記憶や感情を吸い取って消した。
本当は爆豪勝己を殺すつもりでいたが、殴っている最中に不意に未来が見えたのだ。
それは、爆豪が出久の未来に必要な人間であるということ。だから殺さなかった。
予想外だったのは、骨が砕けるほどボコボコにしてやったのに、爆豪は回復してからというもの出久に過保護になって構ってくるようなったことだろう。
だがそれは、ザギの存在を警戒してのことだということは見抜いていた。だから脅してやっていた。爆豪の周りに気づかれないようにして。
そうして8年ぐらいの時を経て、ある日、ザギは、爆豪に自分の名を教えるに至る。
別に気を許したとか、そういうわけではない。
携帯電話越しだが、爆豪の出久に危険を及ぶすなら許さないという本気の気持ちが分かったからだ。あくまで出久の身の安全のためのための取引で名前を出してやっただけのことである。
………………………………………決して、気を許したわけでも、爆豪を認めてやったわけでもない。アイツは出久に危害を加える存在だ。正直、出久の未来に必要な人間じゃなかったら、殺して存在していた記録や記憶も全部抹消したい。
こんな感じで、ザギにしてみれば、ほんの少しの年数であったが出久の内側に宿った状態の日々が過ぎ、出久も成長して15歳になった。
日本という島国では、義務教育である中学生が終わる頃の年代で、ここから先の進路は自分で選択することとなる。
「デーク。進路の紙は出したんか?」
「さっき出したよ。かっちゃんは?」
「んなもんとっくに出したわ。」
「やっぱ雄英?」
「ったりめーだろうが。テメーもだろ?」
「うん!」
〔……雄英か………………………………………〕
出久の目や耳を通じて、あるいは眠っているときなどに体を借りて調べたが、出久と爆豪が目指す夢であるヒーローの育成校であることが分かった。
多くの有名なヒーロー達を輩出しており、そこを目指す子供は多いのだろう。相当な競争率になっているらしい。
競い、争うのは、生命の進化において避けられない事だ。
争わなければ、強くなれない、喰らわなければ生きていけない、生きるために他者を殺し、自分の未来の糧にする。それは当たり前のことだ。
出久もヒーローを目指すのであれば、同種である人間との争いは避けることは絶対にできない。そしてヒーローとなれば、更にヴィランという馬鹿(※ザギ見解)と戦い、そして力のない守られるばかりの弱者共のために命を賭けなければならない。
〔くだらない。強者が弱者のために命を捨てる? そんなくだらないことのために出久には……、ヒーローをやらせない方がいいんだが……〕
そうザギが考えて出久の記憶を操作したりもしたが、いくら書き換えても出久は必ずヒーローに憧れ、ヒーローになりたいと考え、その夢と信念を持つ。
ここまで来ると、もはや出久は生まれながらにしてヒーローになる運命にあり、ヒーローとしての精神性があったのではないかとザギも考えたほどだ。
それともザギが見た未来のせいだろうか?
未来を見たことで強制力が働いている可能性もある。
〔ってことは、オレのせい? ………………………………………ちくしょうが!!〕
図らずも出久の未来を確定させてしまったかもしれないと考えたザギは、己に腹が立った。
〔仕方ない。オレがどうにかするしかないな。とりあえず敵や邪魔なのは殺そう〕
っという感じで、ザギなりに出久第一で目標を立てる。
出久は、記憶喪失の影響で体に宿っているザギの存在を認識できずにいるし、ザギが意図的に認識させないように立ち回っているためザギのその歪んだ保護欲を知らない。
出久に知られれば確実に出久から怒られる内容だが、残念ながらザギは分かっていない。
「Mサイズの隠れ蓑……。」
〔…………………ヴィランってのは…、邪魔くさい!! どこからともなくいくらでも湧く“ダニ”じゃあるまいし!〕
この時襲いかかってきたヘドロヴィランを力業で防いだ出久の目を通して、助けるために入れ替わるタイミングを伺っていたザギだったが、程なくしてオールマイトが現れ、出久と対峙していたヘドロヴィランを殴って気絶させてペットボトルに捕獲した。
オールマイトの登場にヒーローマニアの出久は大変喜び、喜びすぎて心臓止まりそうなぐらいだったが超人化している頑丈な肉体故その心配はなかった。
出久の体の中から外の様子を見ているが、ザギは出久が死にそうなほど喜んでいるのは素直に良いことだと思っていた。
ただ、オールマイトや、オールマイトを含めるヒーローというモノには、過去ノアが人間達の声援を受けて自分を圧倒したこともあり、好きではない。
しかし、ヒーローというものはしょせんはそう名乗って振る舞っているだけで、守られている側の弱者と同じ種族でしかない。だからザギにとっては、まったく脅威でもなんでもなく、むしろ扱いやすそうなのがゴロゴロしていて逆に面白いと思える。
弱者がヒーローと呼ぶ者達が、突然牙を剥いたら…、どれだけの負の感情が発生するだろう?
そんなわる~いことを考えていると、出久がオールマイトの体の変調に気づいてヒール能力(※ザギによって低出力になってる)を使い始めた。
オールマイトは、かなり驚いている。
無理もないだろう、内臓を摘出するほどのアホみたいな古傷の苦痛がものすごい和らぎ、なおかつ活動限界時間まで回復しつつあったからだ。リカバリーガールの個性よりも強いことが分かる。
あまりにも体から苦痛が無くなったことで、逆に力が抜けたオールマイトがその場で尻もちをついた。
「オールマイト!」
「いや、あっ、すまない! しかし驚いたね! この個性はリカバリーガール以上のものだ!」
「あの…、褒めていただけて嬉しいですけど…、これ個性じゃないんです。」
「ふむ!? 個性じゃない?」
「僕、小さい頃に家族の顔も自分の名前を全部忘れちゃって、その時からこういう力が使えるようなったんです。他にも色々と…。」
「ほうほう! 個性の多様化に伴い、代を経て複数の個性が合わさって複雑化しているというわけでもなさそうだね! なにか困っているのなら話を聞くよ!」
「えっ、でもそんな…。」
「うっ…!」
「オールマイト!?」
少し苦痛が和らいだとはいえ、古傷が完全回復したわけではないのだ。そのため油断してしまったオールマイトは、たちまち本来の姿であるトゥルーフォームになってしまった。
「すみません! 僕の力が及ばなかったから…。」
「いや、すまない…! 堪えればまだイケるんだが、これは単純に私のうっかりだよ!」
ハハハ!っと笑うオールマイトだが、笑ったら不意にガハッと吐血した。
それで余計に出久を心配させてしまい、出久が気を使ってガリガリの本来の姿を晒してしまったオールマイトを抱きかかえて近くの公園まで走って運んだ。オールマイトはいきなりのことと、あとあまりの出久の早業に驚き止めようとする間もなく公園のベンチに降ろされた。
「君は、すごいね! なにか分からないけどすごい!」
「そんな…オールマイトにそんなこと言われちゃうなんて…。」
「いやいや、本当のことさ! ぜひ、君の名前を聞きたい!」
「み、緑谷出久です!」
「うむ、緑谷少年! 君のことを教えてくれるかい?」
そして出久は、オールマイトに自分のことを語った。
4歳の時に記憶を無くしたこと、記憶喪失の後に突然身体能力の異常な向上と超能力の覚醒のこと。
4歳から前の記憶はないが、どうやら個性診断では無個性だと結果を受けていたこと、だが身体の異常について調べたが、どう調べても個性が覚醒する要素がなくて、医者達はみんな首を傾げて困ってしまい、しかし急に一般的な無個性と違う体になってしまったため、一応届けでは常時発動のパワー型個性ということにしていると。
「どう…思います? こんな僕ですけど…、ヒーローになれますか?」
「……大変だったね。しかし、その身体の異常についてまったく心当たりはないのかい?」
「ごめんなさい。何かがあったらしい、4歳の時の記憶が全部無くって…。自分のことと、家族の顔を覚えるとか、色んなことを覚えるのでいっぱいっぱいで…。」
「すまない…! 辛かったね!」
「いえ、もうだいじょうぶですから。…あれ?」
「うむ? どうしたんだい?」
「…ペットボトルは? ヴィランを入れた…。」
「むっ? おおっ!? しまったぁぁああ! どこかに落としたか!?」
「えーーー!?」
〔……………フンッ。……しょせんは、ただの人間か……〕
ザギ目線から見て、ザギはうっかりミスをやらかした平和の象徴と称されているオールマイトを嘲る。
さらにここからザギは、ますますヒーローというものに呆れてしまう。
なぜなら逃げ出したヘドロヴィランが折寺の商店街に出没し、あろうことか爆豪を襲ったのだが、ヘドロのようにドロドロとした体に口を覆われてもがき苦しみ逃れようとして爆破を使う爆豪を助けに行かず、色んな理由を付けて周りにいたヒーロー達が動かなかったからだ。
〔……くだらねーー…。なんだこの茶番は? ヒーローってのはお遊戯かよ〕
爆豪を助けるべく飛び出した出久を何もしないヒーロー達が止めようとするが、出久の身体能力では、そこらのヒーローでは止められるはずがない。
むしろ拳の風圧でヘドロヴィランを一部剥がし、爆豪を引っ張り出して救い出した。
ゲホゴホとむせている爆豪を担いで、出久はヘドロヴィランからあっという間に離れた。そしてそこへオールマイトが駆けつけ、今度こそヘドロヴィランを捕獲したのだった。
オールマイトの登場と活躍に、市民も、他のヒーロー達が歓声をあげる。
一方で勝手に飛び出すなんて!っと、何もしてなかったヒーロー達が出久を叱った。
「っざけんなや! なんもしなかったクソヒーローがコイツを叱りつける資格なんざねぇ!!」
「そ、それは…。」
出久に助けられたが、ヒーローには助けてもらえなかった爆豪がキレて怒鳴り、言われたヒーロー達は口ごもり気まずくなっている。
「個性が不利だの、場所が狭いだの、手柄譲るとか、しかも避難誘導もなにもしねーで見てるだけって、マジでてめーらプロなんか!? 自分じゃ無理だって判断したらあっさり引き下がって見捨てんのがヒーローなんか!? 俺がプロヒーローになった暁には、てめーらみたいなクソなプロヒーロー全員ぶっ潰してヒーロー業界を一斉清掃したるわ!!」
「か、かっちゃん落ち着いて!」
ぶち切れまくる爆豪を出久が羽交い締めにして落ち着かせようとする。
爆豪に指摘されたヒーロー達は、反論できず黙り込んでしまった。
「落ち着きたまえ、少年!」
「オールマイト…。」
フーフーと荒い呼吸をする爆豪が近くに来たオールマイトを見上げた。オールマイトが話に入って来て、何を勘違いしたのかホッとしたような顔をする何もしてなかったヒーロー達。
赤い目にギラギラと怒りの感情を燃やす爆豪の視線を、オールマイトは一切臆さず受け止める。
「君の言葉は正しい! だが、一般市民であり、なおかつ子供である緑谷少年が危険を顧みず飛び出すのは褒められたことではないのだ! そのことをどうか分かって欲しい!」
「じゃあ、そっちの何もしないで他人任せのクソヒーロー共を許せって? 俺を救った俺の幼馴染みを蔑ろにした、コ・イ・ツ・らを!? 水に流せってのかぁ!?」
「とんでもない! このことは私からヒーロー協会に報告するさ!」
「お、オールマイト!?」
「そ、そんなことされたら…!」
「ヒーロー協会から追って連絡があるだろうから、それまでの間、せめてヒーローとして恥ずかしくない活動をしなさい! いいね!?」
「は…はい……。」
顔面蒼白で震えて俯く、何もしてなかったヒーロー達。
そんな姿を見て、出久はあわあわとし、爆豪はざまあみろっと嘲笑していた。
〔…………………くっっだらねーー…〕
出久の体の中にいるザギは、出久の目と耳を通じて見聞きし、心底くだらないと吐き捨てた。
〔こんなくだらないヒーローなんてもんに…、どうして出久は……?〕
出久の中で、ザギはブツブツと呟く。しかしその声も言葉も出久には聞こえていない。聞こえないようにしている。
〔…………出久に害のあるもんは……、全部…、全部…、オレが……〕
ザギのことをまだ認識できていない出久は、イライラとまだ怒りが治らずにいる爆豪を宥めながら家路についたのだった。
出久を助けようとしたけど、弱い命を助けるということに不慣れだったため加減が分からず記憶喪失をやってしまったのと、出久がヒーローになるという未来の予知をしたから出久の未来が確定されたかもっと考えちゃうザギさん。
爆豪は、言い訳して助けてくれなかったヒーロー達にはかなり失望していて、自分がプロになったらそういう性根の腐ったヒーローを叩き直すか、一掃(クビにする)すると宣言。
たぶんこのネタの爆豪は、救助や奉仕活動もちゃんとやると思う。
この時点では、ザギもヒーローというものにかなり呆れており、なんで出久がそんなくだらないものにならなきゃいけないんだ?っと首を傾げている。