なんか執筆が進まず……。
今回は期末試験後のA組での話。
ザギが期末試験開始で出したホログラムの姿で、あれやこれ?
特に大きな騒ぎにはなりません。
ザギがただグダグダしてます。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
その後の特別期末試験のラストステージはどうなったのか……。
簡単にまとめると。
超最速クリア。
……だった。
「テンションあがっただけで……。クソナードテンションの成せる業か…?」
試験終了後、爆豪はゲンナリした様子でブツブツとそう呟いていた。
試験の様子をカメラ越しに見ていた根津は、試験後にラストステージで起こった事を詳しく聞いてこう言っている。
「よっぽど嬉しかったんだね。それでやる気がみなぎったんだ!」
ラストステージのクリアの様子については、爆豪と根津の言葉通りのことになった。
ザギの方から初めてザギの声で言葉をもらったことに嬉しさが爆発した出久は、蓄積された精神疲労がぶっ飛ぶというか、分からなくなるほど脳内物質が放出されたらしく想定されていたクリア時間を遙かに短縮してラストステージをクリアしたのだ。
某赤帽子ヒゲの主人公のゲームの最速クリア動画並だったと、妨害役として参加してラストステージでは総戦力で挑んだのにそれを目の当たりにして一部が例え話でそう口にして青ざめていたようだ。
なおちゃんとザギは破壊行動などはしていない。全部出久が自力でやった。ホログラムの姿で出久の後ろをついていっただけである。
記録した映像にもそれが事実であるという証拠がバッチリ映っている。なのでステージクリアの条件を満たした上で全ての試験をクリアした事実は覆せない。
なので今回特別に実施された出久(+ザギ)のための期末試験は、合格の太鼓判を押された。
よって夏休み期間に実施される夏休み返上の林間合宿への参加の資格を得たと言うことである。
***
ヒーロー育成のトップ進学校として名を馳せる雄英での立ちはだかる難敵として牙を剥いてきた期末試験は、こうして無事に終わった。
だが、……越えるのが厳しい壁だからこそ越え損ねた者達が出てしまうのもまた事実である。
ヒーロー科1年A組の一部生徒がドヨ~~~ンとジメッたオーラと心が落ち込んでいる漫画的な背景の表現が見えそうな状態になっていた。
出久と爆豪だけは、ザギ関連のために用意された特別仕様の試験だったが、他の生徒は雄英に籍を置くプロヒーロー達が敵として生徒達を相手にする試験内容だった。
二人1組での実施だったのだ、個性の都合や相手になった教師との相性もあってクリアが不可能状態だったという運の悪さなどもあるが、それらをPlus Ultra(更に向こうへ)で乗り越えるために今の限界を超えることが試験の目的でもある。だが決まった制限時間内に活路を見出すのはまだ入学してそれほど経っていない新入生には酷でもあった。だがそれぐらいでないと3年間という短い期間でプロヒーローにはなれんぞという意味合いもあった。
だが不合格になったからと言って即座に退学や留年確定ではない。
もちろん赤点をとってしま場合には、中学校や他の学校と同じく追試がある。それをすればとりあえず進級に影響を及ばさないだろう。
不合格者達が暗く沈んでいるのは、夏休み返上の林間合宿への参加の資格を失ったことが大きい。これに参加できないのは楽しい青春に満ちた学校生活ももちろんだが、全面的な強化を目的とした合宿に参加できないことで他の生徒との差ができてしまうことについて落ち込んでいるからだ。
小中でただただ楽しい期間として記憶に残る夏休み期間を返上してでもその機会を失うのは、たった3年間でプロヒーローになることを夢見て雄英に来た青少年には残酷だったのだ。
だが雄英側もその辺の配慮はあったようだ。
「夏の林間合宿だが……、全員参加だ。」
試験後のA組にて、担任の相澤がとんでもない後出しをしてきたのだ。
試験の合否に関わらず、結局全員が合宿への参加が可能だったこと。じゃあ何のために合宿不参加をちらつかせたのか……、そこは入学式参加を無しにして行われた除籍覚悟の相澤流試験によるものだったようだ。それだけの緊張感がないと全力が出せないだろうという理論からだ。
見込み無しと判断されたなら、昨年に行われたマジの全員除籍という結果になっていたことを考えれば、不合格者達を参加させてもだいじょうぶだという判断をされる程度の不合格判定だったということともとれる。
その時の追試組の喜びようといったら……。ザギは苦笑する思いだった。
それはそれとして。期末試験後に大きな変化が起きていた。
「なあ、爆豪…。」
「うっせぇ…。」
「いや、だってさぁ…?」
「俺ら、お前らの試験内容知らねーから…、な?」
「……。」
出久と爆豪だけが、他の生徒と違う試験だったことは試験前に全員に伝えられている。
なので試験後にどんな内容だったのかを聞こうとするのは普通だったが……、それ以上に当時者に聞きたいことが二人以外にはるのだ。出久と爆豪以外のA組生徒全員がだ。
それは。
「ねえ、ザギ……、どうしてもダメ? どうしても喋りたくない? ダメ?」
『〔……〕』
出久の席。机のすぐ横に背中を預けるようにして体操座りしている黒い存在に向けて、少しモジモジしつつ期待を込めた目と声で問いかける出久がいた。
ザギと呼ばれているので、そこにいる黒い何かがザギであることは間違いないとクラスメイト達全員がすぐ理解したし、出久の右腕が元に戻っていたがザギの右腕の形状と色がそこにいる実体の無いホログラムのザギのものと完全一致していたのでより確信が持てた。
全体的に真っ黒で、赤い模様が体のアチコチを彩っていて黒い色と赤い色の両方を引き立てている。赤い模様と同じ色の赤い両目も実に黒い体に映えている。
今は膝を曲げて座っているが二本足の人型であることと、体の表面に体毛などが無く、生き物よりも人形やフュギアなどの無機質な物に見える外見をしている。部分的に硬いことが見て取れるアーマー的な部分が見られるのも余計に生き物じゃないという印象を強めた。
更に目にまぶたもなくて、赤い目に黒く細い縦線が三つがあって生き物という感じがよりしない。
出久の意識と入れ替わった際に髪の色が黒くなり、目と顔などに現れた赤い模様がホログラムとして出ているザギの体の色と目の色と顔と体の赤い模様だということが分かり、ザギと入れ替わったときの見た目の変化の理由が分かって爆後以外の周囲は納得できた。
出久が教室に入って来て机につくなり現れたので教室内にいた他生徒を驚かせたが、ザギは周りを気にせず今の姿勢になり出久はザギが出てきてくれたことで、オールマイトに向ける周りがドン引くほどのヒーローオタクなキラキラお目々をした嬉しさMAXな顔をしてザギを見て、何度も話しかけていた。
出久に何度も話しかけられているのだが、ザギはいっこうに反応しない。いや多少は動いているが、一言も言葉は発していない。
出久からのお願いとして、ザギと声と言葉で会話をしたいとお願いされているのだがザギは言うとおりにする気がないようだ。
ただ表情こそ仮面のようであるが、所作でなんとなく喋りたいけど喋る勇気が出ないようなもどかしさを感じさせる。なんというか極端な人見知りか、恥ずかしがりな子供がモジモジしているような……。
なお轟もザギのホログラムの姿を見て真っ先にザギだと理解して、出久ほどじゃないが嬉しそうな顔をしてザギに近寄って話しかけたがやはり反応は返してもらえなかった。それでシュンッと悲しそうにしていて他クラスメイトが慰めている姿があった。
「子供っぽいけど、どーみても子供じゃねーし…。」
「普通にデカい大人じゃないのか?」
「でも見た目通りってことじゃないかもよ?」
「人間じゃないからよけーにな。人間目線で判断するのは早計か。」
「じゃあ、遺伝や人種や環境とか、個性社会になってからは異形型とか個性の都合で同年代でも極端に全然違う成長の仕方するって当たり前になってきてるし、ザギが宇宙人って事なら地球人目線で大人だと思ってたら実は子供って可能性高いかも?」
「可能性はあると思いますわ。地球人類ですら見た目通りとは限りませんもの。」
「それで、本当はどうなの?」
葉隠が率先して出久に聞いた。出久なら先にザギのことを聞いていると思ったからだ。
「えっ? 知らないよ? まだ教えてもらってないから。」
「えー、なーんだ。てっきりもう聞いてるかと思ったのに~。」
「聞かれたくないのに、無理に聞くのは良くないって思って……。」
「テメーもテメーで甘々だな……。」
爆豪が呆れたようにそう言った。なんだかんだで出久も出久でザギに甘い対応をしている。
「えー? 甘やかしてるってわけじゃないよ?」
「なあ、緑谷、ザギっていつからこうやって出てくるようになったんだ?」
「試験が始まるときに出てきたよ。色々ヒントを見つけてくれたりして助けてくれたんだ。」
「俺のダークシャドウとは……、違うな。ただの立体映像…ホログラムか。」
常闇がダークシャドウを出してみて、ダークシャドウがザギに触ろうと手を伸ばしたが触れることができず、話しかけても返事も返してもらえなかった。
「そうみたいだね。ザギの大元は僕の中にいるけど、こうやってホログラムでコミュニケーションしやすいようにできるみたい。」
「けどよ、まだ喋る気ゼロなんだろ?」
「うん……。」
出久は返事をして酷く残念そうに俯いた。
そんな出久の様子を見たクラスメイト一同の目線が一斉にザギに集まる。
ザギは、出久の様子を気にしているようだが、どうしても出久の希望を叶えることができないようで困っているようだ。
体操座りから体勢を崩して膝立ちになり、机の端に手を置いて俯いて暗くなっている出久を間近で心配して見る体勢になっていた。
その様がまるで大型の犬が飼い主を心配してか、もしくは構って欲しくてあざとく無言のアピールをしている様を思わせるもので、犬動画を見てるクラスメイトは既視感を覚えた。ザギの背が高いので背中を丸めているのが余計にそれっぽい。
そんなに心配するなら出久の希望通り喋れば良いのに…っと思ってしまうが、ザギにも喋りたくない理由があるだろうから強く言えない部分がある。
ザギが強すぎるから無理強いすると手痛い反撃が来るから、ザギから行動を起こさないといけないのだ。
しかもここに今いるザギは実体の無いホログラムだから触ることさえできない。だから声を掛けるぐらいしかできないが、下手に声をかけるだけで噛みつかれるので下手に声を掛けるのも躊躇してしまうのが現実だ。
だが勇敢…もしくは無謀な強者は必ずいる。
「ザギは、なんで喋るのイヤなん?」
麗日だ。
何度か言葉でザギの動きを止めたり、考えを変えさせる場面があったので現状爆豪の次にザギに話しかけてザギが言葉を聞き入れる人間かもしれない。
「うちは減るもんじゃないって思ってるけど、ザギには重要なことなん? 教えてくれないとこっちもどーしたらいいか分かんないよ?」
〔ぐ……、グラントリノと同じ事を……〕
麗日の言葉がグサリッときてザギは心の中で毒づいた。
グラントリノと同じようなことを言われて反応に困ったが、実際問題麗日の言葉通りで喋ること自体には何の問題もないのだ。
ただザギにその勇気が無いだけ。
たったそれだけなのだがどうしてもできないのだ。
とうの本人もなぜこんなに頑なに行動を起こせないのかが分からなくなるほど行動に移せないでいた。
〔喋りたい…、喋りたいのは山々。だが……、出久に記憶が戻ってオレが嫌われたらと考えるとできない!〕
期末試験中に一言だけ言葉を出久に聞かせたが、日常で会話をするまでに至れない理由はそれだった。
出久が4歳の時に出会い、八つ当たりで自分のこれまでの記憶を無理矢理出久の頭に流す暴挙を行った。
その内容には当然だが、地球人の基準で見ればとても口に出来ないような非道な行いが山ほど含まれていた。
4歳の時と違い、善悪の区別が出来るようになった十代半ばの年頃になった出久がザギから押しつけられたザギの記憶(過去の行い全般)を思い出してしまったら……。
もう何度もそれを想像して鬱々としたし、不安を抱えた。
だが一方で出久がザギとの交流を求めて来ることに応えたいという気持ちもある。
出久ならザギの過去を知った上で受け止めてくれるかもしれないという期待もある。
だが嫌われたら? 拒絶されたら?
しかも期末試験のラストステージでザギが気づいたこととして、出久の肉体がザギ仕様に造り変わっていて、もはや地球人のそれじゃないことについて打ち明けたらどうなる?
もう何度も同じ事を想像して行動に移せなかった。
「デクくんは、ザギが過去に悪いことしてたって聞いたらどうする?」
〔!?〕
ウダウダ考えていたザギが、麗日が出久にかけた言葉で我に返った。
慌てて出久の様子を伺うと。
「えっ? ……うーん。それは聞いてみないとどうするか決められないかな? でも……、すでに色々やらかしてるし?」
ザギの過去が明かされた時のことについて考える仕草をしたが、すぐにこれまでにザギがやったやらかしについて思い出した出久がジトッとザギを見た。
〔…………今更…か…〕
出久の知らないところで10年近く爆豪を脅迫していたことや、出久の制止をまったく聞かずに右腕を使ってオールマイを始めとした人々に物理的に攻撃しまくったことなどなど、もう十分罪は犯している。ザギは出久を守りたいのと、警戒心での威嚇と、ムカつきなどの感情でやってきたことだがかなり手加減してた。
だが出久の目線で見れば今更過去のことを明かされても酷いショックを受けない悪行であると。
〔だが…、地球(※ネクサス世界の)到着時にオレが乗っ取った人間の男のことと、完全復活に必要な駒だった凪がデュナミストになるまでの間にオレが舞台裏であれこれやっていたことは……、出久から見れば死罪に値するか?〕
「ん? ちょっ、ザギ!? なんか落ち込みようが大変なことになってるよ!?」
かつて暗躍した別宇宙の地球での自分の行いは、出久から見れば死罪以外に無いと思ったザギは、膝を抱えて床にうずくまってしまった。
ドヨ~~ンとそこだけ暗いオーラみたいなものが見えそうな重たい空気になっていて、ザギが酷く落ち込んでいるのが出久を始め見ていた面々全員が感じ取った。
「…んな、口に出せねー極悪な悪事をやったんか?」
爆豪がボソッ口にしたのをザギがしっかり耳にして、ビクッとなっていた。
「…だいたい想像はついてたが、マジか……。」
これまでのザギの振る舞いは、正義感や善行を行使する存在とはかけ離れていたし、体育祭でのガチンコバトルで轟に浴びせた罵声の内容からとてつもない暴れ方をして強さを手にしたことが伺えたので、口に出来ないような非道もやっていると容易に想像できた。
爆豪は顔を青くしてつい胃の辺りを手で押さえていた。ザギは絶対過去にとんでもない悪事をやっているという予想ができて、ザギのその行いを出久が知ったらどうなるかという未来を思い描き、そのストレスが胃にきていた。
最悪の場合、自暴自棄に陥って地球を滅ぼすような暴走を起こすのではないかと。
爆豪は、出久に視線を移した。もう出久にしか地球の命運を守れないということで。
「ザギ…。」
出久がザギを呼んだ。
だがザギは動かない。出久に顔向けできない様子だ。
「僕は君が過去になにをしたのか、本当に何も知らない。でも……、話してくれないとどうしようもないから、いつか…、ザギが話す勇気が出たらでいいから話してくれる? 受け止めきれるかどうかは、僕にも分からないけど……、たぶんザギとは一生以上ずっと一緒にいることになりそうだし、僕はザギのことを知りたいよ。」
〔…………なんとなく察してるのか〕
出久はなんとなく程度だがザギと一生以上の長い付き合いになるというのを予感していたのだ。
すでに肉体が地球人のそれではなくなっているということを、ザギが宿って記憶を失って、ザギの存在を認識してからなんとなく感じていたのだ。
ザギと分離して別々になることはもうできないというのを予感したのだろう。
これからもっと長い付き合いとなるならお互いのことを知りたくなるのは普通のこと。好奇心と知識を吸収する欲の強い出久は、だからこそ余計にザギとの会話をしたいと望む。けれど一方でザギが喋りたがらない理由も考慮したいと思ってもいる。
その気遣いに、ザギは胸のどこかが痛むような感覚を覚える。
〔黙っている意味なんて…、もうないのに……〕
出久に出会う前の自分とはかけ離れた状態になってしまった自分のことが不思議で仕方がない。
だがその変化に驚きつつも、それが自分にとって良くない変化だとも思わなかった。
強さを求め、ありとあらゆる物を喰らい、踏みにじり、殺し続けて、自分のモデルになった神(ノア)と英雄達の起こした奇跡の前に完全に敗北し、気がつけば流れ着いていた異なる宇宙の地球で。
ザギは今までと違う自身の変化(成長)を実感しつつあった。
そしてそれが自分にとってマイナスになるものではないということも。
出久に出会う前なら真っ先に切り捨てて目を向けることすらしなかった要素をすんなり受け入れられるようになった。
ザギは過去の自分と比べてその変化に混乱しつつも落ち着いて現実を受け止めるようになる。
意気地無しな行動ばかりをしている自分自身の弱さの理由も少しずつ……。
朝礼の時間になり、相澤が来てザギのホログラムを見てギョッとしつつもこれから授業その他があるから引っ込めと口出ししたが、ザギが全然聞かず無視したため、新たな問題として雄英の教師陣を困らせるのは少し後のことだ。
今までの勢いが一気に萎んでしまったみたいで全然書く気になれず……、なぜ?
今回はザギがホログラムの姿を普通に出すようになって日常を過ごすようになったという展開。
イメージとしては、ウルトラマンタイガでのタイガ達がミニサイズで行動してるシーンみたいな感じです。あれの180センチぐらいの人間の大人サイズです。
実体がないので触れないし、物に触ることも出来ないけど視界に映るからザギの姿と感情の動きが挙動で分かるという感じです。
表情の変化とかはほぼないけど、挙動でなんとなく感情が分かりやすいという設定にしました。
でもまだ喋る気が起きてない。勇気が無いだけで。
でも出久の方は、自分の身に起きていることや今後ザギと一生以上長い付き合いになるというのをなんとなく予感していたという。
出久のナードさなら観察眼とか分析力で早い段階で理解し始めるような気がして……。
原作だと林間合宿に向けた準備でショッピングモールで死柄木と遭遇する場面でしょうが、どうしようかな?
接触しても別の展開か、もしくはザギがホログラム姿で爆豪その他を交えてギャイギャイするギャグ展開にするか……。
林間合宿を経て、今一番書きたい神野事件までどうするか……悩む。