ヒロアカ×ダークザギ  ネタ   作:蜜柑ブタ

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急に寒くなったせいか、色々体調が悪いし精神的な面で沈んでて大変ですが、好きな曲を聴きながら書いたらいけた。

でもかなり駄文な気がします……。



今回は、まだ初日。

洸太との出会い?

あと露天風呂でのひと悶着?


原作とは違う展開です。





それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?


第41話  合宿を共にする、ついでのもうひとり

 

 

 

 予定よりも疲労困憊にはならなかったが育ち盛りの青少年はすぐに空腹になる。

 思春期故に女子は見た目を気にするお年頃にもなるが、成長のために肉体は食物から摂取する栄養素とカロリーを求めずにいられない。生きていくにはどうやっても避けられない。

 シャトルバスでの長時間の乗車と慣れない森の中を歩き回ったことでお腹は普通にペコペコだ。

 プッシーキャッツが用意していたたくさんの昼食にありつき、がっつく1年A組とB組の面々。

 雄英での学食や学食以外での食事風景よりも勢いがすごい。空腹ももちろんだが、これから始まる厳しい強化訓練のために栄養をつけておきたいという気持ちもあるのだろう。

「緑谷だけ体力有り余ってんの、ズリぃって思っちまう!」

「そう言われても…。」

 夏の暑さと森の湿気も相まってほぼ全員が汗でドロドロで疲労感を感じているのに、出久だけがケロッとしていた。汗もほとんどかいていない。

 ザギが憑依してからというもの疲れ知らずで、頑丈、暑さにも強い。そのため小さい頃から熱中症アラートが鳴るほどの猛暑でも平然としていたため、熱中症で倒れる人を救助したこともあったほとだ。

 そのエピソードについては出久の近所の腐れ縁幼馴染みである爆豪がよーく知っているので特に口出しはしない。

 昼食が終わり、シャトルバスから下ろされた荷物が宿泊施設前の地面に敷かれたシートの上に並べられていた。

 点呼と共に合宿の注意事項やあらためてプッシーキャッツによる挨拶などが行われたのだが……。

 マンダレイの後ろからこの場に似つかわしくない年代の子供が前に出てきた。

「君は?」

 その子供は角のような飾りがついた防止を被った男の子で、出久達より年下であることすぐ分かる年代だった。

 たぶん小学生で、夏休み期間だから小学校に行かないのでここにいられるのだろうと考えられるが、なぜ雄英校の合宿場所にいるのかと大人達以外の生徒達は不思議に思った。

 男の子はマンダレイの後ろから出てきて出久の前に来て黙ったまま、ジッと出久を見上げていた。

 何か言いたげな顔をしているので出久は少し困惑しつつ目線を合わせようと膝を折ろうとした時。

「っ!?」

「ちょっ、洸太!?」

「ヒーローとなれ合う気はねー!」

 子供の右腕ストレートが出久の股間めがけて打ち込まれた。

 慌てたマンダレイが男の子の名前を呼び慌てて駆け寄るが、マンダレイの手から器用に男の子は逃れる。

「緑谷くん、だいじょうぶか!?」

「う、うん…、びっくりした…。」

「金的も効かねーのかよ…。どんだけ頑丈なんだ…。」

「!?」

 尻もちをついた出久を心配して集まる同級生達に出久がそう返答していて、出久の股間を攻撃した洸太が驚いて立ち止まり、目を見開いて出久を見た。

「捕まえたぞ!」

「はなせーー!」

 その隙をついて虎が洸太を背後から捕まえて持ち上げた。

「ごめんなさい! この子は私の従甥(じゅせい)の洸太っていうの。私が保護者で、合宿中に一緒に暮らすことになるから紹介しようと思ったんだけど……。」

 マンダレイは顔色を悪くして出久に謝罪する。

 努めて隠しているがさっきのでザギが怒るのではと気が気じゃなかったのだ。

 

 

 〔あのガキ……〕

 

 

 体が頑丈だからダメージがほぼなかったが危害を加えたことには変わりない。

 普通に怒っているザギ。

 どうしてくれようかとホログラムの姿を出して洸太を睨むと、虎に胴体を持ち上げられている洸太は分かりやすくビクッと震え上がって恐怖で固まる。

「ザギ! 僕はなんともないから落ち着いて! 虎さんその子連れて逃げ…、ああ、ダメだ! 逃げようとしてもサイコキネシスで捕まえてどうにでもできるんだ…、かといってこのままだと……、ねえ、ザギ……、僕に免じてあの子のこと許して!」

 土下座の勢いでザギに頭を下げて懇願する出久に、ザギは焦り、洸太に何かするどころじゃなくなった。

「デクくんのこと大事なら、デクくんを困らせることしないようにしなって発想にならないん?」

「丸顔…、てめぇ…マジで度胸据わって…、いや慣れたんか?」

「だって放っておく方ことだけが良いって話じゃないやん?」

「そうね。最近じゃ優しい虐待とか、ネグレクト(育児放棄)って言葉が悪い意味でトレンド入りするような時代の移り変わりとかもあるでしょうけど、時にはキツく言い聞かせたり実力行使でいかないといけないことってあると思うわ。」

 

 

 〔……いちいち刺さること言いやがる〕

 

 

 出久とザギの関係を思っての発言とアドバイスであることは分かる。

 反論しようがないザギがあらためるべき事柄を指摘されているため、ザギは麗日になにも返せない。

 ザギだって分かっている。分かっているが……。

 

 

 〔出久を守りたい……、それだけなのに…〕

 

 

 出久を困らせて心労を積もらせたいわけではないのに、どうしてこうなるのかザギは半泣きの出久を前に困り果てる。

 泣かせたくない。だから出久の顔を見ていられない。

 ザギはホログラムの姿を消した。

 そんなことをしても出久の体内から出久が泣いているのは分かるので意味なんてない。

「デクくん、だいじょうぶ?」

「う、うん…、ごめん、気を遣わせて……。」

「いいよ。悪いのはザギやもん。」

「えっ、それは…。」

「ザギが暴れん坊だからって甘やかして見守るだけじゃダメだって思う! 分かってもらえるまで何度でも言うよ、私!」

 ザギからの報復が麗日にいくことを恐れた出久が恐縮するが、麗日は強い眼差しでそう宣言した。

「デクくんひとりじゃ荷が重いなら、助けを求めて! 大したことできないかもだけど、絶対見捨てないって誓うから!」

「ええー!?」

 出久にズイッと顔を近づけて本気の姿勢を示す麗日に出久は顔を赤くしつつ驚愕して色々とキャパオーバーしかけた。

「おーい! なんか重たいこと言ってない!?」

「お、おおお、お前らいつからそんな仲に…!?」

「ヒューヒュー!」

「緑谷、俺も力になる。ザギと仲良くなりてーから。」

「轟はなんかズレてんだよな~?」

「お前ら、時間が押しているんだ! 静かに整列し直せ!」

 洸太から始まった一連の出来事は相澤の一喝でなんとか終わり、やっと宿泊施設に荷物を運び込むために男女で割り振られた部屋のことと、明日からの強化訓練に向けて、温泉と夕食、そして就寝するスケジュールを説明された。

 なお爆豪は胃が痛くて、頓服の薬を急いで飲み、効くまで胃を押さえて蹲っていたため近くにいた生徒が心配して介抱していた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 マンダレイが所有する土地は広大であるうえ、温泉まで湧き出しているらしい。

 そのため林間合宿のために提供されたこの宿泊施設にも湧き出す温泉が使われた露天風呂があった。

 大きな規模だったり、老舗の旅館では無いため、さすがに混浴は無い。

 しかし簡易的な木と竹などで作られた壁で仕切られた男女の露天風呂であるため、壁の向こうに異性が裸で体を洗い、温泉に浸かっているのを想像するだけで思春期の子供達は落ち着けない。生殖機能と精神面が大人への成長する過程で正常な反応だろう。

「この壁の向こうに何があるか? 何がって? 柔らかな山と谷の楽園があるのさ…。」

 そう熱く語るのは峰田。

 彼の前には女風呂を隔てる壁。

「やめとけって。気になるのは仕方ねーけど、命に代えられないと思うぞ?」

「俺だって見れるもんなら…って! 思うけど、ここでまだ死ぬ気にはなれねーんだ!」

「……おい。なんもすんなよ?」

「かっちゃん、それ…、ザギに言ってる?」

「ここでなんかしでかすとしたら、それしかねーだろーが。」

「いくらなんでもそんなことをザギが……。……ねえ、ザギ。君って、男? 女?」

 ふと気になったことを出久が湯に浮かべた風呂桶に乗って座っている小さいザギのホログラムに聞いてみた。

 途端に男子全員の視線が出久とザギの方に集まる。峰田は特に白目が血走っていてちょっと怖い。

 聞かれたザギは、なんのことかと首を傾げる仕草をした。

「……もしかして自分の性別分かってない? それとも性別の認識が特にないってこと?」

「……声が男にしか思えねーが?」

「いやいや、声の低い女の人だっているよ?」

「声優が男キャラを担当するってこともあるしな。なくもないか?」

「そもそもザギの歳とか、種族とかもなにも分からねーから…、性別云々じゃねーかもだろ?」

「体型だけ見たら、地球人の男っぽいように見えるが、地球人に当てはめるべきかどうかも考えるべきかもしれない…。」

「まな板な女だって世の中には腐るほどいる! 声が低いボーイッシュもだ! んで、本当のところは!?」

 峰田が血走った目ですごい勢いで出久に近づくものだから爆豪が間に入り峰田を軽く爆破して退けた。

「近寄るな、キショ玉が!」

「爆豪もなんだかんだで緑谷に過保護なんだよな~。」

「うっせー!」

 

 

 〔そんなに性別は重要なことか? グラントリノにも聞かれたが〕

 

 

 性別に興味が薄いザギであった。

 性別の必要性は種族を見分けるためと、繁殖の特徴を示すなど科学的な面での認識程度である。

 元々科学の力で造られたウルティノイドである。外見についてはノアに似せることを重要視したであろうから、生殖機能の有無とかについては注意を払っていないからザギ自身も頓着がない。

 まあ宿主の精神の在り方や生物的本能に左右される部分はあれど気にならないのが正直なところだ。

 

 

 〔出久もいずれは、生物の繁殖本能で異性を……〕

 

 

 出久は年齢相応の異性を意識している。

 峰田のような極端さはないものの色恋沙汰には興味はあるだろうが、それよりオタクとしての欲の方が強い傾向にある。

 

 

 〔ヒーローオタクとしての活動に欲望を全振りしているようにも思えるが……、意識していないわけではないか〕

 

 

 少なくとも麗日に顔を近づけられて顔を赤くする程度には初心な男子だ。

 ザギがピクシーボブを貶した時にはオブラートに包んだ言い方をしろと女性への気遣いを見せているぐらいだ。がっついてない分、女性側の好みにもよるだろうが人当たりが優しくて大人しい男性として魅力的に見えるかもしれない。

「クッソーーー! 期待して損したーーーー! ならばすぐ目の前のエデンの光景を!!」

「ダメだよ、峰田くん!」

「ぐえっ!?」

 出久が湯から飛び出して壁に向かって走って行く峰田に片手をかざしてサイコキネシスを使い湯に逆戻りさせた。

 ザギの性別が不明なことに勝手にガッカリして勝手に気を取り直した峰田は壁の向こうの女風呂を覗くことにすぐに目的を変えたが、それを出久に咎められて風呂に戻された。

 まるで首輪に繋がったリードを引っ張られた犬みたいにくの字になって湯に投げ込まれた形だったため少しブクブクと泡ぶくが出て峰田が顔を出して必死に呼吸していた。

「気持ちは分かるけど、ヒーローになる前に覗き犯の前科つけたくないでしょ? そもそも前科前歴ついてたらプロヒーローの免許が取れるかどうか……。」

「うごぅっ!? ぐぐ……、ぢ…ぢぐしょおおおおおお!!」

 血涙でも流しそうなほど露天風呂に浸かったまま嘆く峰田。モテるためにヒーローになりたい男は、さすがに前科前歴の問題付きでヒーローになった時のリスクを考慮して暴走する欲望を寸前で理性で抑えたようだ。

 

 その時。

 

 

「きゃーーーー! 麗日ーーー!?」

 

 

 女風呂の方から悲鳴、絶叫。

 そのただ事じゃ無い声を聞いて下心抜きで心配と不安が沸き起こった出久達は急いで風呂から上がり、濡れたままタオルで下を隠して女風呂の脱衣所の方へ急行した。

 設置されていた救難を知らせる機器でプッシーキャッツ達が先に駆けつけていたため、濡れたまま駆けつけてきた男子達に気づいてラグドールがだいじょうぶだから戻れと言った。

「なにがあったんですか!? せめてそれだけでも!」

「だいじょうぶよ。命に別状はないから。なんかのぼせて鼻血がちょっと出てふらついちゃったみたいだから。本当にだいじょうぶ! だから貴方達は脱衣所に戻ってちゃんと水気を拭いてきなさい! あとで床の水滴もモップで拭いてもらうから!」

「あっ、す、すんません!」

 自分達が濡れたままの状態で廊下にいたことを思い出して、急いで脱衣所に戻った。

 ちゃんとタオルで濡れていた体を拭いてから滴り落ちた水滴で濡れた廊下をモップで拭き取る後始末をしたのだった。

 

「お茶子ちゃん、だいじょうぶ?」

「う、うん…。」

 鼻にティッシュを詰めた麗日が宿泊施設内にある医務室のベッドに座っていて、椅子に座った蛙吹が話しかけていた。

「それにしてもびっくりしたわ。急にどうしたの?」

「べ、別に……。」

 顔どころか耳と首まで赤くして目を泳がせて挙動不審な麗日の様子はどう見てもおかしい。

「なにか興奮しちゃうことでも考えちゃったか、見ちゃった?」

「ブフッ!?」

「あら? 図星だった?」

 鼻に詰めていたティッシュが飛び、蛙吹がそれを拾ってゴミ箱に捨てて新しいティッシュ箱を手渡した。

「……あ…あらためて見たら……なんかこう……。」

「うんうん。」

「カーーッてきちゃって……。よくわかんない…。」

「何か見てたの? 興奮しちゃうもの。」

 蛙吹が聞くと麗日はグッと唇を閉じて黙った。

「…例えば好きな人の裸見ちゃったとか?」

「ブーーーーッ!」

「ごめんね、私思ったことすぐ言っちゃうの。なるほどそうだったのね。」

 再び鼻に詰めたティッシュを床に飛ばした麗日に、蛙吹は納得したと頷きながら再度落ちた使用済みティッシュを拾ってゴミ箱に捨てて新しいティッシュを手渡した。

「前から思ってたけど、お茶子ちゃん、緑谷ちゃんのこと好きでずっと見てる?」

「っ……。」

「でも見たくて見てるとかとはちょっと違うかしら? 見てたら好きになっちゃったって感じかしら? 初めて会ったときから緑谷ちゃんのこと見てる様子がね……、なんだかずっと知ってた相手にやっと会えたって感じに思えたの。」

「……梅雨ちゃんってなんでそうズバズバ言っちゃうん?」

「ごめんなさい。私って気になることすぐ聞きたくなっちゃうの。聞かれたくないことだったなら、本当にごめんなさい。でも、お風呂で倒れそうになるほど血圧が上がるって大変よ? だから心配の気持ちもあって気になったの。話したくないことなのかもしれないけど、貴女のことが心配って気持ちは本当よ。」

「…うん。ありがとう。」

「いいのよ。私がズバズバ言っちゃったせいだから。悪い癖ね。でも、気になることだった。」

「うん…、分かってるよ。ありがとう。でも……、信じてもらえるか分かんないってのがあって……。」

「うん、そういう話ってあるわね。でも話せば楽になるってこともあるわ。私は気になったこと聞きたくなっちゃうけど、誰彼なしに言いふらしたりしないから。ただ心配なだけなの。」

「うん。」

「話したいって時は、話聞くわ。お茶子ちゃん、一人暮らしだから打ち明けられる人がひとりでもいた方がいい気もするの。私でよければだけど。」

「…ありがとう。」

 蛙吹の気遣いに麗日の目に涙が浮かんだ。

 高校進学のために親元を離れて十代半ばで始めた一人暮らしは、正直なところ寂しさが強く生じる。

 家が裕福ではないから、生活費の切り詰めや通信費のことを考えると手軽に実家に帰省することも連絡を入れるのも少なくしないといけない。

 自分が決めた進路、親の応援に応えたい一心もあるが、それでも寂しい気持ちは湧き上がる。

 蛙吹の申し出に、麗日は嬉しさが込み上げて涙も込み上げてきてしまった。

 蛙吹はそんな麗日の頭を優しく撫でた。

 下に弟と妹がいる長女である蛙吹なりの慰め方だったが、それがとても優しい温もりが感じられて麗日の抱える寂しさを和らげていった。

 

 




今回は好きな曲を聴きながらのど深夜に勢いだけで書いたので色々予定通りにいかなかった感じになりました。

洸太との絡みはかなり迷いましたが、結局原作通り金的に一発入れるけどザギが憑依してる影響で頑丈になっているからノーダメ。
更に怒ったザギに睨まれて洸太はビビリ、出久の必死な懇願で追撃は免れた流れにしました。
洸太の事情については、ザギもまったく他人事じゃない内容なので何かしらスパルタな形で絡ませようとは考えています。
ザギは洸太と違って奪った側だという点もね……。やったことはマスキュラ側だった…。


露天風呂イベントは、悩んだ末に出久が超能力で峰田を強引に止めて前科がつくとプロヒーローになるのは無理かもと説得されて諦めさせた。
でも一方で女風呂で麗日が何やらトラブルを起こして鼻血を吹いて救護室で休むことに。
蛙吹は、色々ズバズバ聞いちゃうけど口は固いでしょうから一人暮らしで寂しい麗日の話し相手になろうと接する。
さて、麗日は何を見て鼻血を出したのか?


次回は強化訓練本番と、洸太との絡みを書こうかな?
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