でもって、これもほぼ徹夜して勢いで書いちゃった。(早く寝ろ)
今回は、強化訓練の様子。
出久以外はほぼ原作通り。
虎とラグドールが頑張ってザギと出久の会話を取り持とうと頑張ったり、ザギが嫌々、渋々だけど出久に回答したりします。
今更ですがザギのキャラが全然違います。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
ギャグ漫画表現の地獄絵図?
ザギの目線で見て、その一言で片付けてしまいたくなる光景が広がっていた。
いや、各自合ったやり方で頑張っているだけなのだが……、それぞれの特性を伸ばすためとはいえ用意された強化訓練のスケジュールが個性の都合で多種多様になる……のは必然であるのだが。
ギャグ漫画か小道具をたっぷり使うコントか?とついツッコみたくなるほどの光景だった。
〔個性に使い方と、使用条件に合わせた訓練であるなら理にかなっている……のか? 個性という通称を付けるだけあり、個性豊か、多種多様か〕
八百万と砂藤は、それぞれ食べ物を食べながらの訓練。八百万は、無機物を創造しながら脂質を摂取する。砂藤は糖分たっぷりの甘いお菓子をがっつきながら重りがたくさんついたダンベルを上げ下げ。これによって限界点と一度に摂取する燃料をより効率的に使えるよう体にムチを打つということか。
瀬呂と峰田と芦戸や上鳴や青山のような体から何かを生産する個性は、ひたすらそれを出し続ける訓練。峰田はモギモギが頭部から生産しているせいで早い段階で頭皮から出血している。電気とレーザーはともかく、残る物は出すだけ出して、後片付けはどうするのだろうか?
麗日は、自分の個性を自分に使用した時に生じる乗り物酔いのような酔いを克服するために三半規管を鍛えることを重点に、弾力ある球体のような物に入れられて荒れたゴツゴツの急斜面を転がされる。顔色が悪くてほっぺたが膨らんでいて、いつ放出するか分からない吐瀉物にも耐えないといけないのか。
常闇は……、ダークシャドウとの諸々のためにピクシーボブが急造した土の山の洞窟の闇の中に入っている。だがどちらのか分からない悲鳴が聞こえてくる。喧嘩をしているのか、一方的に常闇が痛めつけられているのか。
爆豪は、手の汗腺を広げるために巨大な中華鍋に湧かされた火傷しない程度の熱い湯に両手を浸けて水中で爆破を繰り返す。汗が爆破の燃料だから汗をたくさん出せるようにするのはすぐに思い付くことだろう。
轟は、ドラム缶風呂に浸かり、ドラム缶を満たす湯を沸かしのための火力調整と氷を生産し続けて氷と炎の両方のコントロールと出力を上げる。あえてドラム缶風呂なのは温度の微調整の訓練のためか?
飯田は、広い敷地内にある走行できるアルファルトはないが平らに整えられた道をひたすら走って周回する。恐らく燃料であるオレンジジュースも持っているだろうが、持久力と脚力の強化が先かもしれない。
異形型の蛙吹と障子と尾白は、ロッククライミングや凹凸が激しい足場の悪い場所で全体的な身体能力の強化訓練。尾白は同時に尻尾を強化するための尻尾に重りやバネなどを使用することも。異形型は生まれた時点であの体なのだから、総合的に肉体を鍛えることが一番合っているのだろう。
口田は、発声練習。動物を声で操るのだから声が届く範囲を広げることが重要か。
耳郎は、彼女の個性のイヤホンジャックである耳たぶから垂れ下がる部位に重りを付けて上下させたり色んな方向へ動かしたりして鍛える。耳たぶから垂れ下がる部位は、自由に動かせるためそこを重点的に鍛えるのは当たり前か。
そして出久は……。
「ねえ、イレイザー……。」
「教官はお前達だ。」
「でもさ~…。」
マンダレイが文句を言う。
その理由は……。
「頼む! 我らと対話としてくれぬか! この通りだ!」
地面に敷いた面積の大きいレジャーシートの上で虎が土下座せんばかりに頼み込む。
だがツーンとそっぽを向くザギのホログラム。
そんなザギのすぐ横でオロオロする出久。
「私達ってそんなに嫌われることしてる? 話してくれないと分かんないんだけど?」
ラグドールも虎の横でザギに食い下がるがザギは、やはりツーンとしてご機嫌斜め。
出久の肉体はザギによって幼少期から超強化された状態だ。だから今更鍛える箇所が見当たらない。
だが超能力の出力などをザギによって制御されていて、限界の出力を出せないようにされていることが体育祭で出久が轟を治療するためにザギに懇願したことで抑えていた出力を解放の許可を出したことで出久が理解していた。
そのため出久に求められる合宿での強化の目的は、ザギとの対話によってザギとの協力体勢を深めることだった。
虎とラグドールが二人の会話のネタ提供や仲を取り持つきっかけになるために付き添っているが、一向に成果は出ない。
「うむぅ……、なにゆえそこまで頑なにするわけがあるのか? 我らヒーローにあまり良い印象を持っていないというのは聞いている。しかし…、対話なしに緑谷くんとの今後を過ごすのは難しいと思うのだが?」
虎は体を起こし、説得しようと言葉を続ける。
「緑谷くん第一なのはすごーーーーい理解してるつもりだけど、なんとかこう……警戒を緩めるというか、妥協できる範囲とかこれぐらいなら…ってのを増やしてくれたら嬉しいんだけどな~! 緑谷くんもきっと嬉しいよね!」
「は、はい!」
「それでもダメ?」
ラグドールが出久に話を振って頷く出久の反応を見てもダメかとザギに問う。
その瞬間、ラグドールの体が硬直した。
ザギの赤い目がラグドールを睨んでいたからだ。
視線と雰囲気でなんとなく……、『出久を出汁にする気か、ゴラぁ』っていうのが伝わってくる。
「ザギ…、ザギ!」
ラグドールを睨んでいるザギに出久が話しかけるとザギの雰囲気が和らぎ、出久に顔を向けた。
「プッシーキャッツは、僕らのために言ってるんだ! 分かるよね!? 僕は、君ともっと仲良くなりたいし、君のことを知りたいし、会話だって……。でも君が嫌なことを強要したくはないっていうのも正直な気持ち……。けど、だからってずっと引き延ばすのもって……。だって周りの人達を困らせたくないって僕が思うから。」
出久は一端言葉を切り、呼吸を整えてから続ける。
「轟くんや飯田くん、グラントリノからも聞いたよ。君の知っている英雄(ヒーロー)の話。そんな英雄を知っているし、実際にその英雄達と戦って負けた君にとってこの地球のヒーローってすごく気に入らないって思うことも。でも……、全部嫌いなの?」
出久は問い続ける。
「ヒーロー以外も、僕のことを第一にしてるけど、僕以外が全部ザギにとって不快で嫌悪しかないって、そう思ってる? 本気でそう思ってるなら…、早い段階で僕以外の何もかもを滅ぼし尽くしてるんじゃない? 君にはそれを実行できるだけの力がある。無関心に近くても、嫌い以外の気持ちがないと……。」
『〔出久の未来に……〕』
「えっ?」
『〔出久の未来に必要な要素を消せなかった。それだけのことだ〕』
「それって……!?」
一向に喋る気を起こさなかったザギが言葉を発した。
だがその回答の意味を察した出久は目を見開いてザギの顔を見た。
『〔ただのオレの失態だった。オレが見た未来の確定。それによる強制力が出久がヒーローを目指す夢を消させなかった。何度も記憶を弄った。だが無意味だった。オレが出久の運命を固定させてしまったからだろう。だから出久はヒーローになる。ヒーローになる時のその隣には……、爆豪勝己がいた。だから殺せなかった〕』
「!?」
『〔出久の未来をオレが予言しなければ……、くだらないヒーローに出久をならせないですんだはずだった。修正はできない。無理に修正すれば何が起こるか分からなかった。だから大きな手出しができないでいた〕』
「僕が何度も記憶が曖昧になったり、忘れてたのと…、記憶が無くなったときの補正のために残した日記の一部が無くなったりしたのって……、僕をヒーローにさせないためだった? でも君が僕がヒーローになる未来を予言したから、その未来通りになることが決まったからどうにもできないから……、だから僕の周りが気に入らないし、ヒーローが嫌いってこと!? だからかっちゃんを脅して酷いことしたり、オールマイトに特に敵意剥き出しだったんだ!?」
出久がザギから語られた話の内容に絶句しかけながら、オールマイトを特に嫌っている理由について合点がいったとばかりに聞くとザギは頷いた。
出久はレジャーシートの上で脱力したように倒れ伏した。
「そういうことだったのか…、正直半端ないショックだけど、知れてスッキリしたよ……。なんでオールマイトを特に敵視してるのか気になってたから、教えてくれてありがとうだけど………、ショックが大きいよ……。」
「しっかりしてー!」
「気をしっかり持つのだ!」
うつ伏せ状態でシクシクと涙をシートの上に流す出久の様が可哀想というか、落ち込みようが酷いので焦るラグドールと虎が出久を励ます。
ザギは、膝を抱えて背中を丸めて顔を伏せてしまった。
〔……伝えたくなかった。けれど、これから先……、知られないままは不可能だった〕
いずれは伝えなければならなかったことだとザギは理解している。
それが近い未来だということも。
だが酷くショックを受けてしまった出久を見て、余計に伝えられないことも出来てしまった。
それは、自分の過去の犯した過ち。強くなるために積み上げた屍、悪行と分類できる所業の数々。
それを知ってなお……、ザギを受け止めてくれるだろうか?
〔また……、あの言葉をくれるだろうか?〕
ザギはザギだという肯定する言葉。
4歳の時の出久が無理矢理頭に流されたザギの記憶から導き出して咄嗟に出した言葉を、今の出久が再び同じ言葉をくれるだろうか?
ヒーローにさせないために、夢を叶えることを妨害するために記憶を操作し、爆豪を傷つけたり脅しておきながら殺さないでいたのは自分が予言したことで確定された未来のせいで爆豪を排除できなかったからだということと、オールマイトを一番嫌う理由を知りこれほどショックを受けているのだ。
大きくなった今の出久は、ザギの過去を知った時、どんな反応を返すのか。
そればかりが恐ろしくて、何も伝えることができなかった自分の意気地無し。
出久に出会う前の自分からは想像も出来なかっただろう、恐ろしく臆病で小さく弱い自分を過去の自分は呆れて嘲笑するだろう。
もう何度も自虐した。
どこかでこちらを見ているであろうノアは笑っているだろうか。それとも何をやっているんだと呆れているか。
〔オレは、確実に変わった……。変わり続けている。この変化は、前のオレが求める強さに不必要だったもの……。それを受け入れて何になる? オレはどうなろうとしている? オレはこのまま……どうなるんだ?〕
ザギは不確定要素に満ちた自分の今と、それを受け入れることでこれから先に待つであろう大きな変化に、どうすればいいのか分からないまま身を委ねるしかなかった。
「ザギの本当の声、そういう声なんだな。」
「うわっ、轟くん!?」
いつの間にか近くにいた轟がザギの声を聞いて嬉しそうな顔をしてた。
いつからいたのか膝を抱えているザギのすぐ横に正座してる。
ドラム缶風呂で体操服で浸かっていたのでびしょ濡れであるから、訓練から勝手に抜け出してザギのことが気になってこっそりこちらに来たようだ。夏場であるが濡れたままで寒がる様子もないので、左側で体温調整をしているのかもしれない。
「なんか分かんねーけど、低くてカッコいい声っていうのか? 本当の声、もっと……、っ。」
言葉を続けようとする轟の口を超能力で無理矢理閉じさせて開けなくさせたザギ。
〔なんなんだコイツは……、本当に…、意味が分からない〕
轟にやたら懐かれることについて意味が分からなくて、ザギは露骨に轟から距離を取った。
そしてその間に身を起こした出久の後ろに行く。その様はまるで子供が親の後ろに隠れるような、そんな姿に見えた。
本人は無意識の行動だったが、そんなザギのことを出久がどんな顔をして見ていたのか、ザギには気にする余裕がなかった。
「……とりあえず、一歩前進?」
「…だといいが。」
様子を見ていたマンダレイと相澤は、不安を感じつつも進展があったと認識することにしたのだった。
勢いで書きましたが今回はザギが出久の記憶の操作をしていたことや、自分が予言したことでヒーローになる未来の確定による強制力があるからザギが大きな悪さができていなかったというわけを話す回になりました。
小学校の時に爆豪を痛めつけた時、この時にザギが出久の未来を予言したためあれ以上のことができなくなっていたことや、爆豪への脅迫ぐらいで抑えていたという設定にしました。
ザギが予言さえしなければ出久以外が消失していたIFもあり得たという恐ろしい事実にショックを受ける出久。
そんな出久を見て、自分の過去を伝えるのがまた怖くなるザギ。
でも避けられないというのを知っているからウダウダしてる。
轟は吹っ切れるきっかけをくれた恩人だから純粋に仲良くなりたいって気持ちでいます。
でもザギからしたらなんで懐かれるのか意味が分からないとうざがってる。
実体の無いホログラムなのに出久の後ろに隠れてしまってますが本人無自覚で無意識の行動。
洸太への絡みは次回にするか……。
ヒーローを親に持つ子供というヒロアカ世界の闇の一部として重要なイベントだからなんとかしないといけないですが、どう描くか……。
オールマイトみたいなヒーローではなく、賛否のあるダークヒーローとしての形で対応するか。