ヒロアカ×ダークザギ  ネタ   作:蜜柑ブタ

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そろそろ整体で体をほぐしてもらおうかと考え中なぐらい肩こりなどが酷い。




今回は、オリジナル回。

かなり捏造。

ザギへの改変が酷いです。
出久もかなりキャラが違う。


死体描写、血液描写など残酷な描写がありますので、苦手な方は注意!!




ネクサス関連であるキャラが導き役をやらされています。
そういう意味では銀色の方が酷いことしてる。





それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?


第47話  血涙に濡れた屍の山は、ザギの罪、ひとかけらの許し

 

 

『ー--て。起きて。』

 

「………?」

 

 出久が目を開けた。

 誰か知らない声で起こされて仰向けに寝転がったまま真っ暗な世界を見た。

 何もない。一粒の光もない。塗り潰していると思えるほど真っ黒。

 首を動かして横を見ると、誰かの足が見えた。

 足を見つけてから、足を伝って上へと視線をあげると、そこにいたのは人じゃない存在がいた。

 人型なのだが人間というカテゴリではない外見だ。

 どこかザギに近いように思えるが、別物だ。

 黒いが周囲の真っ黒さと違う暗い色の両目には白目がなく瞳と呼べる部位もない。

 胴体と手足は赤色と黒色と銀色の線で仕切られたようなツートンで、顔は銀色が基調で目の下から顎下まで縦線がある仮面のよう。

 頭部にはクラウンのような突起物が見られるが飾りとしてのクラウンではない、角というには奇妙で全体的に生物的に見えない。

 ザギと同じ故郷の同族。人種の違い程度の同族であると言われれば納得がいくかもしれない。そんな見た目だ。

『声は聞こえてるよね?』

「…はい。あなたは?」

『都合があって名乗れない。……名乗りたくないし。』

「えっ?」

『それよりも、周りをよーく見て。』

 体を起こした出久に謎の人物(?)が周りを見るよう言った。

 出久が目を凝らして周りを見た。

 そして目を見開き、顔が強張った。

 そこには死体。

 死体、死体、死体………。

 死因は色々で、だがほとんどが無残と言う他ない死傷が原因だと分かる状態。

 数えきれない何か分からない生き物を含めて、人間と判別できた物も含めて恐ろしい数の死体が敷き詰められているかのように一帯を埋め尽くしていた。

 悲鳴さえあげられないほど衝撃を受けた出久に、謎の人物(?)が遠慮なく声をかけた。

『どう思う?』

「えっ…あ……。」

『言葉にできないほどショック? でもね……、この死体は全部ダークザギに殺された命なんだよ?』

「えっ⁉」

 その言葉に出久は謎の人物(?)の言葉に驚いて、その顔を見上げた。

 ダークザギ。

 恐らくそれがザギのフルネームか、本来の名前か。どちらかは不明だが、少なくとも出久が知るザギと同一だと判断できた。

『知ってるでしょう? ダークザギは、強くなるために手段を選ばなかった。進化できる力があるから相手を倒して、食べて、学んで、陥れて、食べて、殺して……。ねえ? 君は、ザギの罪を受け入れられる?』

「!」

『この全ての死体は、ザギの罪。君の目が届かないところまでたくさんあるよ。死体が多すぎて全部見られないほど。ザギは、自分が強くなるためにたくさんの命を食べて奪った。そうしてまで強くなったのに……。』

 すると出久と謎の人物(?)の間や周りにある死体の隙間を流れるように鮮やかな赤い液体が流れてきた。

 謎の人物が赤い液体が流れてくる方向を指さした。

 つられて出久がそちら見ると。

 

 ザギがいた。出久達から見て背中を向けた状態だ。

 何かと戦っているようで、必死に腕を振るい、足を振り上げ、休む暇なく動いている。

 赤い液体はザギの体から流れているようだった。

 動くたびに舞い散る赤い液体は、ザギの顔の目元にある赤い模様から流れているようだった。

 それはまるでザギが血の涙を流しているようだ。

 なのにザギが戦っている相手は、見えない。

 よーく目を凝らすと、うすぼんやりと何かが見える気がした。

 だがザギの攻撃は一切それに届かない。

 ヒラリヒラリと躱されるか、攻撃が届かない。

 どれだけザギが必死になっても全く手も足も届いていない。

 血の涙を流しながら、自分が積み上げた死体の山の上で、決して手が届かない相手に攻撃しようと懸命になっているように見えた。

 

『哀れな話。これだけたくさんの命を奪っても、一番欲しかった物には全然手が届かない。何にも実を結ばないって虚しい。でも、諦められない。だってそうじゃないと…、ここまで罪を重ねたことが無意味になっちゃうから。』

「ザギ…。」

『ザギはね。』

 謎の人物が少し間をおいて言葉を続けた。

『今まで自分のやってきたことを振り返って反省することも罪悪感もなかった。この死体の山の上で堂々とふんぞり返ってたんだよ。けれど、最近……、本当に最近になって自分の過去の行いを振り返るようになった。どうしてだろう? 今更な話なのに。もう取り返しがつかないのに。奪ったものも、失ったものも元には戻せないのに。ああして、紅い涙を流すようになって……。後悔しても遅いのに……。何のために涙を流して…、あっ。』

 ザギが今まで過去に行ってきたことを後悔せず罪悪感もなく過ごしていたこと、しかし最近になって急に過去を振り返るようになり血の涙と共に後悔していることなどを語っていると、出久が立ち上がって、死体の山を踏み越えてザギへと向かっていった。

 足の踏み場が無く、死体を踏むしかないため出久は心の中で必死に詫びながらザギへと足を進めた。

 死体を踏みつけることへの罪悪感でザギとは違い透明な涙が目ににじむがそれでも足を進める出久はついにザギのもとへ到達した。

 絶えず何かに攻撃を加えようと動いているザギの背中へ飛びついて後ろからザギの胴体を抱きしめた。

 ザギが硬直したように動きを止めた。

 血涙は変わらずボタボタと流れ落ちるため、出久の腕まで汚す。

 絶えず動き続けたせいか疲労したようで肩で息をしている動きをしていた。

「ザギ…、僕のこと分かる?」

『〔……〕』

「…僕……、覚悟が足りなかった。君の罪が重いってことを軽々しく考えてたかも……、でも……。」

 出久が抱きしめる腕に力がこもる。

「…少し、思い出したかも。」

『〔!〕』

「君があの時、僕に見せたよね? 君の罪。君の過去。それだけのことをやったのに、……君は完全に負けたこと。今君が戦っている相手は……、君のモデルになった……。君が生まれるきっかけ…。」

『〔言うな!〕』

 ザギが叫んだ。

 出久に対して初めて出会ったとき以来初めて拒絶した。。

 ザギは、顔を両手で覆う。血の涙はその手の隙間から漏れて滴り落ちる。

「……過ぎたことは、もうどうしようもない。君がやってきたこと……、君の罪は消せない…。君の罪を許さないってたくさん思われるだけのことをやったこと……。君はずっとそのことに対して本当にどうでもいいとか、気にしてもいなかったのも。君にはそれが不要だからそれを考えたり感じることができなかった。でも、最近になって分かるようになったんだよ? 急にそうなったのって……、僕のせい?」

 出久が発する言葉の最後辺りでザギの体が反応した。

 図星だったかのように。

「僕と一体化したからかな? 君が僕の体を作り変えたことで僕の精神とか人間の感情とか感じ方とか…、そういうのが君にも? きっと君はそれが強くなるのに不要だったから切り捨ててたけど、僕を守るために捨てないで受け止めた。それで君は…、自分の過去を振り返って………泣いているんだね。後悔と罪悪感……、君のモデルになった相手に勝てなかったことが悔しくて悲しくて。でも、どうしたらいいかも分からなくて、苦しむしか……。」

『〔違う…!〕』

 ザギは首を振り否定する。

 だがその否定は出久の指摘が本当のことだという意味である。

「ごめん…。ごめんね…。僕のせいでしなくていい苦しみを味わうことになって…。」

 出久も泣いていた。血の涙じゃなく透明な涙。

「こんな想い…、しなくていいと思う! 辛いことなんてないほうがいいに決まってる! ごめん。ごめん! 苦しめてごめん! 僕のせいだ!」

『〔違う! これを受け入れたのはオレだ!〕』

 ザギが叫んだ。

 胸の内を吐き出すように子供が感情のままに泣きながらわめくように。

『〔オレは、コレを…、この感情を…! 不必要だと切り捨てない選択をした! なぜかはオレにも分からない! 捨てる気にならなかった……。そう判断した理由も……。不必要だと頭じゃ分かっているのに、捨てる気にならない。オレが確実に変化しつつあることにも気づいてて…、それでも……それでも…。オレは……、無意味に罪を重ねた許されない存在……!〕』

「…………すよ。」

 自分が許されないことをした罪人でしかないことを吐き出すザギの背に抱きついている出久が語りかける。

「……僕が許すよ。」

『〔…出久?〕』

「きっと君を許さないって相手はたくさんいる。これだけたくさんの死体……、恨みも憎しみも悲しみも……言葉で言い表せないほどだって想像できる。僕なんて取るに足らない無価値な木偶の坊だから、なんの意味もないかもしれない。神様も君を許さないかもしれない。でも……、僕だけは…、僕だけは君を……、ザギを許す! 君が生まれてきて必死に強くなってきたこと、生きることを! 君の存在が無意味じゃなかったこと! 君のモデルじゃなく、ザギがザギだってことを!」

 

 

 『ザギは、ザギだよ。ノアじゃない』

 

 

 濃すぎる闇と血の涙と過去の罪の証の世界に、幼い子供の声が響いた。

 それはザギの精神世界だからザギの記憶の中の4歳の出久の声が再生されたからだった。

 出久はザギを抱きしめたまま目を見開いた。

 記憶はなくとも、察せられた。

 先ほどの声と言葉が、今のザギに至った最大のきっかけなのだと。

 ザギが出久にだけ、極悪な過保護になったのかを。

「………ねえ、ザギ。」

 出久がザギの背中に額を押し付けて、優しく問いかける。

「…変わることが怖い? 今までの自分じゃなくなることが。」

『〔……分からない〕』

「初めての感覚ばっかりで、慣れないから?」

『〔…たぶん〕』

「うん…。」

『〔………切り捨てたいと考えていない。この変化を…〕』

「嫌じゃないってこと?」

『〔分からない〕』

「そっか…。いらないって考えてないことは、嫌ないってことだと思う。慣れてきたら違うかもね。これは、これなんだって、すんなり納得するようになるのかも。」

『〔……オレは、兵器として造られた。大昔にある星を救った神を真似て形作られた。力も限りなく近いものを再現しようとされた。だが全てを真似られなかった。オレには奴にあった背中のイージスはない。その代わりにオレには手を加えなくても自力で成長し、進化するためのプログラムが組まれた。相手を殺し、喰らい、より神として完成するように。不滅の禍を滅ぼさせるために。永遠の平和を実現しろと。……やがてオレは、オレという自我を得た。それはオレを造った奴らにとっては予定外だった。オレは、強くなるために強い相手がとにかく必要だった。不滅の禍がいなくなられたら困る。だからオレの手で増やし、あえて強く育てることにした。そしてオレは不滅の禍を支配する力を手にした。それを見ていたオレを造った奴らは、オレを滅ぼすことを決定した。故郷の星ごと巻き込んで超新星を爆破させてな……。だがオレは生き残った。オレは更に力をつけ、オレの基になった神と戦った。オレは体を失い、神は姿を消した。オレが流れ着いた青い星……、出久が住むこの地球とは違う宇宙の地球で、オレは復活するために暗躍した。ひとりの人間を乗っ取り、多くの命を奪い、人生を狂わせ、ついに復活をやり遂げたと思った時……、奴が…神が復活した。オレのやってきたことで傷つき、失い、何度も転んでも立ち上がり続けた小さな英雄達が起こした奇跡が、神を完全に復活させたうえにより強い力をもたらし、オレはその奇跡を前に圧倒的に敗北した。絶望も恐怖も……、大きな希望に転換する要素だった。オレが利用した大きな負の感情の闇が、より大きな正の感情、希望が奇跡の使者の神の完全復活に繋がるなんて……。ちっぽけな存在を……、どれだけ転んでも立ち上がる奴らを…、英雄を軽視した結果だ。〕』

「経験済みだったからこの地球のヒーローが気に入らないってことだったんだね?」

『〔アイツらと比べたら…〕』

「ところ変われば品変わる、だよ。同じ人種でも、同じような文明があっても価値観とか色々違うってあるあるじゃない?」

『〔……〕』

「ザギ。」

『〔?〕』

「君のこと、教えてくれてありがとう。君のことを知れて嬉しい。」

『〔!〕』

「一蓮托生なんだよね? 僕ら。だから遠慮なく僕も君に寄りかかっちゃうよ。いっぱい頼っちゃうよ。利用しちゃうよ? いいよね?」

『〔……出久が望むなら〕』

「いいの?」

『〔今のオレと出久は、分離できない。オレが加減間違えたせいだ〕』

「あっ、やっぱり分離できないんだ?」

『〔……〕』

「あ、責めてるわけないよ! 過ぎたことだし、僕は怒ってないから! さっきも言ったけど、一蓮托生! 僕も遠慮しないけど、ザギも遠慮しなくていいから! もし気になったら聞いてくれたいいからさ!」

 ザギが顔から手を離して、背中の方にいる出久を見た。

 出久はザギの顔を見上げて笑顔を見せた。

 その笑顔は、ザギが背負う罪を自分も背負う覚悟を決めて文字通り一蓮托生を誓ったことと、ザギの身の上話をしてくれたことに対する喜びが感じ取れた。

『〔出久……、オレを許すのか?〕』

「僕程度じゃダメかもだけど…。僕は…。」

『〔出久…〕』

 暗闇と血と死体の世界に天から白い光が照らし始める。

 光は弱く、小さな穴から深くに入ってくる光のような感じだ。すると出久の体が急に上へ引っ張られて浮き上がる。

「わわっ⁉ ザギ!」

『〔……またあとで〕』

 ザギがそう言いながら自分の胴体に巻きついている出久の腕を優しい力加減で外させ、出久を引っ張る力に任せて暗闇の世界から白い光の先へ行かせる。

 出久は必死にザギに手を伸ばそうとするが引っ張る力が強く、ザギの姿がどんどん小さくなり、やがて出久の姿も意識もここから消えた。

 

 

 

 

 

 

『……何見せられてるんだろう? 弧門くん伝いの頼みじゃなかったら、こんなことやりたくなかったよ。よりにもよってこの姿で……。私にこんなことさせるなんて、奇跡の使者って嘘じゃないのかな? あの男の子と女の子も心配…。』

 

 出久にザギの罪を伝えた謎の人物(?)は、ザギと出久のやり取りを離れた場所から見ていたが、それが終わるのを見届けた後、心底嫌そうにそう独り言を漏らしながらその姿が薄れていった。

 消える直後、その姿が白いワンピースをまとった美しい女性の姿に一瞬変わったが、ザギはその存在に気づいておらず、出久が自分に抱きつく前に何があったのかも知らない。

 

 

 

 




今回は、ヴィラン連合との戦いの最中に倒れてからの精神世界(?)での出久とザギの会話メイン。
ネクサス関連でザギと因縁があるキャラが、銀色の方に弧門越しに頼まれて渋々出久を導く役をやってもらってしまった。
本当にごめんなさい…、リコさん。
メフィストだとそういう役はできそうになさそうだったので、本当に他に思いつかなかったんです。
リコさんは、たぶん二度目の死後、弧門の守護霊になってくれてそう…な気もして弧門越しに銀色の方から頼まれたら自分の死の元凶とはいえザギのことでものすごい嫌々だけど引き受けてくれないかな……と妄想してしまった。
これ以降はたぶん登場させないと…思う。


出久はザギと一蓮托生する覚悟を決めて、この世の全てや神がザギの罪を糾弾する中で自分だけはザギを許そう、それでザギの罪を一緒に背負って償おうと腹を決めます。
ウルトラマンシリーズの中には、制作側の都合でそれまで登場していた知人や仲間を一気に亡くす鬱展開がありつつ、完全に孤独な中、家族を失った孤独な子供のために最後まで戦い抜くことができたというのがあったから、ザギにもたったひとつの小さな守るべき物のために…という支えがあれば……という思い付きでした。


これでザギが本物のウルトラマンになる工程をちゃんとできているか自信がありません。
ヒロアカ世界に流れ着き、出久に出会ってから生じた変化がどう作用していくか……、ザギがどういう決断をするか、出久とどう関係を築いていくか、周りに目を向けるかとか。
自分への興味をそらすためとはいえ、洸太のために約束をして約束を果たしたり、洸太に自分のようにはなれないと諭して遠ざけたりして道を踏み外させないようにしたり、確実にネクサスの時のザギとはかけ離れたことになってるかな?


次回は、ヴィラン連合のアジトを発見するために麗日のある秘密が明かされる回にしようかと思う。
……予定通りにできたらいいな。
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