ヒロアカ×ダークザギ  ネタ   作:蜜柑ブタ

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急に大雪。
歩道の雪…、毎度毎度やめてくれって思う…、自転車が主な移動手段の私。



今回は寮生活の初日ぐらいの話?

オリジナル回。

ザギの口からウルトラマンの名称を伏せた状態で光の国と光の巨人の話を少ししてます。
特に寿命面で話。


2025/01/15
感想欄からのご指摘で、光年の意味を大間違いしていたので、一部を書き換えました。
馬鹿で本当に申し訳ありません!





それでもOkって方だけどうぞ。





いいですね?


第52話  ザギの基準がそもそもおかしい

 

 

「うー--ん、不機嫌数値限界突破ってとこ⁉」

「葉隠さん…、うん、まあ、あれは見た通りだけど…。」

 葉隠の言葉に尾白が控えめにツッコみをする。

 ハイツアライアンスの共有スペースのソファーで、その光景が見られた。

 寮生活が始まってからの初日。一新された日常のテンションもあってか共有スペースでA組生徒全員がワイワイ集まってしまっていた。

「空気がわりぃ…、どーにかしろや出久。」

「かっちゃん、そんな軽々しくそう言われても! ザギのご機嫌斜め理由が理由だからどうしろっていうのさ⁉」

「ベタクソに甘やかすとか、ドッグランででも遊び倒せ。」

「ザギは犬じゃないよ⁉」

「ベタ慣れした犬みてーなもんだろーが。お前限定の。」

「爆豪も言いたい放題言うようになったよなー。」

「最初の頃、ザギの話題になるとあんだけ胃を押さえてストレス死にしかけてたのに。進歩してる。」

「緑谷がストッパーとして機能がアップしたからじゃね? じゃなきゃ、体育祭の前やあとみたいにビクビク青ざめてたんじゃ…、ギャー!」

「っっるせー--!! 黙れや外野!」

「爆破使いながら暴れるなってばくごー-!! 寮が焦げるから!! 反省文書かされっぞ⁉」

「スプリンクラーが動くからやめてー--!」

 共有スペースがある意味で阿鼻叫喚。

 しかしこの騒ぎの原因たるザギは全く気にもしていない。オール無視。

 ソファーを背に膝を抱えて床で座っているのだが、周囲の空気が重たい。

 黒々したオーラがうっすらと漏れでいてザギの感情を表すようにオーラが揺らいでいて、いかにも機嫌が悪いことを主張しているようだ。

 オールマイト達は、色々と忙しいようで寮生活開始からまだしっかりと顔を合わせていない。

 むしろ今は会わない方がいいかもしれない……、特にオールマイト。

 絶対八つ当たりでぶっ飛ばされるだろうと容易に光景が思い浮かんでしまう。

 だが個性を失ってこれまで一部の者にしか知らされていなかった事情であったトゥルーフォームが神野の事件で明らかになってしまったため、引退の真偽を含めて今後ザギの攻撃を受けて無事で済むのかという問題が出てくる。

 最悪、オールマイトを雄英から離すということまで会議されるぐらいには、普段からのザギからの嫌われっぷりが雄英校内で周知されているため、オールマイトの命を心配するなら引き離す方が最善だと考えるのが普通だろう。

「ねえ、いつまでもウジウジイライラしてられないと思うんよ。これからまだ3年間あるし、寮生活のこと妥協できんの?」

 麗日がザギにそう話しかけるが、ザギはプイッとそっぽを向く。それは拗ねた子供そのもののように見える。

 すでに本当の大きさが50メートルの巨人だということは周知されているから、あえて人間サイズになっていてくれているのも認知されたが、大きさと内面との差異は相変わらずだ。

 ザギの実年齢は不明だが、少なくとも精神年齢は地球人から見たら見た目より幼い様に見えてしまう。

「拗ねても現実は変えれんよ? 住めば都って言うし、慣れてくれんとデクくんに迷惑だけしかかけんと思うけど…。」

「わー、麗日、ザクッと言うよね。」

「爆豪と同じで遠慮がない…。」

 麗日の遠慮のない言葉に、芦戸と耳郎がついツッコみを入れてしまう。

 

 

 〔分かっている…。そんなことは言われなくとも分かっている!〕

 

 

 ザギは、顔を伏せてイライラしていた。

 麗日の言う通りにするしかないことはザギは理解している。

 片手でガシガシと頭を搔きむしって苛立ちを見せていることから、麗日の言葉が刺さっているのが見て取れ、出久は心配そうだ。

「ザギ…、無理しなくていいんだよ? 辛いことや、嫌なことを無理して我慢しなくていいからね?」

「だー--! そうやってテメーは甘やかし倒しやがる!!」

「だ、だってぇ! 僕はザギに無理をさせたくないんだ!」

「ザギって無理してたのか?」

「林間合宿で…、あれエネルギー切れだったって聞いてたけど、それが本当なら手加減イコール省エネもかねてたってこと?」

「だからあの時までエネルギー切れが無かったのか?」

「実のところどーなん? 緑谷?」

「あれは……。」

 出久はA組の生徒達からの疑問に答えるべきか、ザギを見て言っていいかと言葉にせず聞こうとした。

 ザギは、別に隠す気はないようで別にいいぞと手を振る。すでにエネルギー切れ問題が露見してしているから今更隠すのは無意味という判断だ。

「えっと……、簡潔にまとめると…、環境が合ってないのがエネルギー不足の一番の原因らしい。」

「環境に? それって地球の空気がザギに合ってないって話?」

「宇宙人だから?」

 前に出たザギ宇宙人説が生徒達の脳裏に蘇る。

 地球の環境に適応できないのは、地球の外から来たからだという可能性が容易に想像できた。

「…ザギってどこから来たのかって、緑谷は聞いた?」

「詳しくは…。でも地球以外ってことだけは確かだよ。」

『〔とうに滅んだ星と銀河と創造主なんて、今更知らん〕』

 出久が困ったようにそう言っていると、ザギが付け足すようにそう言った。

 その言葉にその場にいた全員の視線がザギに集まる。

 滅んだとザギはあっさり口にした。それが意味することが分からないほどこの場にいる全員は馬鹿じゃない。

 出久は、ザギの出生と軌跡を全て把握しているわけでないがここに至るまでのことをざっくりとは認識している。

 エネルギー不足で昏睡した時に見た、死体の山。

 それだけの犠牲の山を重ねても届かなかった自分の生まれる理由になった存在。

 出久を通して得た感情や善悪の認識基準の影響で自分がやってきたことが無意味だったという結論を出させ、底知れぬ虚無感と絶望と罪悪感、それらを心から認識できたことで感じた壮絶な痛みは計り知れず、ザギは今更無意味だと理解しながら血涙を流していた。

 自分を造った者達の意図から逸れて自我を持って動き出したザギは、自分なりのやり方を見つけて強さを手にしてきたが、その結果が自分を造った者達が超新星を爆発させて故郷と銀河を巻き込んででもザギを葬るという手段を取らせてしまった。

 だがそれでも滅びなかったザギは、更に強くなり、多くの犠牲の上にふんぞり返って、自分のモデルとなった神に挑んで、最終的に完敗した。

 ザギが裏で手引きして積み重ねられた悲劇と絶望を乗り越えて立ち上がった小さな英雄達の絆が起こした奇跡の前に圧倒的に負けたのだ。

 その英雄達と戦った経験があるから、この地球でのヒーロー(英雄)を良く思えない理由になっていることも。

 ステインに語っていた英雄についての持論も自分の経験から来るものだったから。

『〔……何万年も前の話だ。後悔だのなんだのの話じゃない。そしてお前達にも関係のない話だ〕』

「なんまん…。」

「あれ? 耳がおかしくなったかな? とんでもないこと言ってたような~?」

「気のせいじゃありませんわ…。」

「あらまあ、それが本当ならザギって長生きしてるのね?」

「中身はガキのくせに…。」

『〔あぁ?〕』

 爆豪の一言にザギがギロッと爆豪を見た。

「ってことはだ…、ザギはものすごい年寄り…、ほぎゃあああっ⁉」

「ちょっ、ザギ、やめてーー-!!」

 峰田の一言でザギが峰田をサイコキネシスで浮かせてグルグル宙で回したため、出久が止めに入った。

『〔長命な種は珍しいだろうな。地球の生命はオレからすれば短命だからな〕』

 峰田を解放してもらってから出久がザギに聞いた。

「ザギと同じ種族の標準寿命って?」

 出久からの純粋な問いにザギは少し考える仕草をした。

 自分はウルティノイドという模造品だから、標準の寿命はどうなのかという点と、ウルトラマンと分類される超人の平均寿命のどちらを説明すべきかどうするかを。

 少し考えてザギは、後者を選んだ。

『〔……地球の日数の数え方に当てはめれば、5千年ぐらいで出久と同じか、少し下ぐらいの年頃だ〕』

「長生き! でもって成長が遅い! ああ、でもそれだけ成熟に時間がかかるってことは、それだけ多くの知識量と色んな技術の経験を身に着けるのにすごく適してるから長寿の方が結果的に優秀で強くなるから…、そういう意味で理にかなっているんだ! でも5千年でやっと高校生ぐらいだから……、成人年齢は…。」

 ザギの説明を聞いて、驚きつつ、ブツブツと考察する出久。

「巨人だからメチャクチャ長生き? 長生きだから巨人?」

「小さい生き物は短命ね。ネズミ算っていう言葉があるぐらい、すぐにたくさんの子孫を残す生態だけど、大きいクジラとかは何年も子供を生まないってぐらい繁殖力が低い傾向があるわ。」

「天敵が多けりゃたくさん生めや増やせで維持できて、天敵がいなきゃ長生きの代わりに子供を増やす必要がなくなるのか…。」

「絶滅危惧種も人間が環境破壊や乱獲とかして頭数が減ったから子供を産めなくなって数が増えないって悪循環だし。」

「テレビかなんかで、年がら年中繁殖できるのは人間だけだって解説されてたぞ。」

「それウサギの話じゃね?」

「野生のウサギは違うよ? 動物には…決まった時に発情期があるから…。」

「口田詳しいな。」

「ウサギ…飼ってるから。」

「そーなんだ! あとで見せて!」

「うーん、結論! 地球以外の宇宙にはものすごい長生きの生き物がいても全然不思議じゃないことでオーケー⁉」

「5千年で高校生ぐらいかちょっと下なら、1万年で成人ぐらいか? 単位が半端な過ぎてどんな生活してんのか興味あるけど、地球人の寿命じゃ付き合えなさそーだな…。」

『〔奴らは、元々はお前達に近い生態系だった。あることがきっかけで超人の種族に進化しただけだ〕』

「そーなんだ⁉ あるきっかけって?」

『〔超新星……、太陽が失われて滅亡しかけたから、技術を結集して太陽に代わる物を開発したら、それが原因で惑星の住人が光の巨人の一族に進化しただけだ。そのせいでその代わりの太陽無しにはまともに生きることも維持できない致命的な弱点も抱えたがな。だが他の惑星や銀河系にも誕生経緯は違うが似たような巨人はいるから、きっかけがあれば惑星間で交流や移民して仲間入りするってこともまあまあ珍しくない〕』

「地球人に近いって言っても、かなり文明技術レベルが高かったってこと⁉ 太陽作ったら、巨人になったなんて…受け入れるの大変だったんじゃ…?」

『〔詳しいことは知らん。力の使い道が、“血を吐きながら終わらないマラソン”してるような奴らだ。……比べられない〕』

「比べられないって、この地球のプロヒーローのこと?」

 出久が問うと、ザギは腕組して頷いた。

「数千、数万年も生きる巨大な超人の種族と長くても100才がすごい長寿と言われる地球人と比べられるわけがありませんわ!」

 思わず声を上げる八百万。

 まったくもってその通りだと、学力が低めのクラスメイト達ですら理解できる。

 生きられる長さが違う分だけ得られるものが多く、なおかつその他の超常能力も生まれつき備わっているのなら比べることができないほど差がありすぎる。

 ヒーローをやたら嫌うザギの比べる基準がおかしいのだと、この時全員が理解した。

「君が持ってる基準が少し分かった気がするよ……。でも、少しだけ妥協…して欲しいかな? 君が言うその光の巨人の人達と比べられたら、地球はずっと君の基準に届かない気がする…。」

『〔差し引いても気に入らない〕』

「ドきっぱり言い切られた! 何がそこまで気に入らないの⁉ あっ……、ステインに言ってたって話…。」

 出久がハッと思い出して口に出すと、ザギは頷いた。

 ザギは力の差云々もだが、その精神性とか英雄としてのあり方の基準がそもそもおかしかったのだ。

 ザギが自分で体験した、どんな苦難にぶつかっても立ち上がり続けた小さな英雄達が起こした奇跡に完全敗北した経験がトラウマという形であるがザギが相手を比べる基準にもなったのだ。

「ザギ。俺はザギの英雄になれそうか?」

『〔今は無理だ〕』

「今は…か。じゃあ頑張ればなれるのか。」

『〔近寄るな〕』

 床に座っていたザギの隣に座った轟が、期待する顔をしてザギに問うてきたのでザギは適当に嫌そうに答えたのだが前向きに受け止めた轟が嬉しそうにやる気をだしていたので、ザギは轟にシッシッと手を振って出久の方へ場所を移した。

 

 そこへ、ある訪問者が来た。

 

 

「緑谷さん、いますかー--⁉」

 

 

「えっ、だれ⁉」

「もー、酷いです。私です。サポート科の発目です! 体育祭で騎馬戦でご一緒になったでしょ!」

「あっ、あの時の…。」

 共有スペースにズカズカと入ってきたのは、サポート科の生徒である発目だった。

 体育祭で騎馬戦を一緒に組んでくれて以来だったため、記憶にあまり残っていなかった。

「ど、どうしたんですか? 急に。」

「実はですね…。」

「待ちなさい。発目さん。」

「パワーローダー先生!」

 そこへ遅れて入ってきたのは、雄英の教員のひとりでありプロヒーローでもあるサポート科を受け持つ人物だ。

「すまないな、急に押しかけてしまって。緑谷くんとザギに話があって来たのだが…。時間はだいじょうぶ?」

「は、はい…。ザギは…。」

 出久がザギに目を向けると、ザギは機嫌が悪そうだが渋々といった様子で頷いた。

「だいじょうぶです。」

「そうか。なら、一緒に来てほしい。」

 パワーローダーは、出久の返事を聞くと、発目と共に出久とザギを連れて寮から出て行った。

「なんだろ? なんか大事な話でもあんのか?」

「サポート科が関わるってどんな話だよ。」

「…ザギにも来てほしいって言ってったってことは、ザギ関連のことじゃ?」

「お茶子ちゃん?」

「……たぶん、二人には良いことだと思う。」

「…そう。」

 こっそり蛙吹が麗日に顔を向けて聞いてみると、麗日は不安な様子はなくむしろ良いことが起こると感じている様子だった。それを見た蛙吹は、二人が呼ばれた理由が悪い理由じゃないと判断した。

 

 

 

 




本当は、この回で昨晩思いついたイベントを書こうと思ったのですが、思ったより長くなりそうだったので次回にしました。

ウルトラマンとそれに近い超人達の寿命って……って、毎回思っちゃうんですよね。
光の国の成り立ちの設定と、レオ達のように別の惑星の似た能力を有した種族や、ダイナのように謎の光との接触で能力を有したとか、オーブの光のように試練を突破することでなれるとか、ジードのように地球人年齢のウルトラマンや、ブレーザーのように文明が異なるウルトラマンとか……。
環境や文明の違いはあっても、似たような存在が点在してるんですよね。別の宇宙だったり、違う次元だったりで。

ノアは、時空を超える能力を有しているのであっちこっち移動して回っているのかもしれないけど、現段階でザギにはイージスがないためそこまでの能力を手にするまでには至ってない感じ。

余談ですが、麗日が緑谷限定でいつでも様子を見れる能力があることについては、蛙吹と雄英の教師達と一部のプロヒーローと警察関係者だけが知っている状態でまだ緑谷本人は伝えてません。


次回書く予定のオリジナルイベントは、ザギのエネルギー不足問題の解消と共に出久のヒーローコスチュームを一新する回にする予定です。




2025/01/15
光年の意味を間違えていたことを深く反省しています。
ご指摘をしてくださり、誠にありがとうございました。
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