ヒロアカ×ダークザギ  ネタ   作:蜜柑ブタ

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年末年始で実家に帰省して回復してきたと思ったら、帰ってから寒さで悪くなってきた体調……。
しんどい時ほど執筆が進む……。



今回もオリジナル回。
前回の続き。


サポート科を代表して発目とパワーローダーが出久とザギのための新コスチューム開発の案を出します。

ある意味で出久とザギの二人のヒーローとしての形、ザギが真のウルトラマンへと変わっていく転機かも?




それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?


第53話  新たなスタートへ向けて

 

 

 出久とザギがパワーローダーと発目に連れてこられたのは、サポート科が授業や個人的な工作や発明を行う時に使用する工作室の一画だった。

 サポート科以外は基本使用しない場所なので、ヒーロー科の出久は新鮮に感じたようで多種多様な工作機械や試作品と思われる品々をキラキラした目で見ていた。

 ヒーローオタクである出久は、ヒーローそのものの分析や解析以外にもヒーローの力を引き立てるコスチュームやサポートアイテムへの興味関心も強い。オタク趣味からくる独学ではあるがサポートアイテムの構造や使用する理由などの知識も持っているのだ。

「あの…、それでお話というのは?」

 恐らく設計図を書いたり、書いた設計図を広げるための机であろう机を挟んで椅子に座った出久とその隣にザギが控えて立ち、机を挟んで発目の隣にパワーローダーが座った状態で会話が開始された。

「実はですね! 緑谷さんと、ザギさんの新しいコスチュームや装備と機能についての開発と製造を請け負いたいんです!」

「えっ⁉」

 発目が興奮して早口気味に語る内容に、出久は驚いて声を上げた。

 ザギは、ムスッとしているが自分に関係があることだということを事前にほのめかされていたため、一応は話を聞いてやることにした。

「それでですね! 実はこれ企業からもライセンス契約で取り組むって話になってて…。」

「落ち着きなさい。」

「でもでも!」

 興奮しっぱなしの発目をパワーローダーが落ち着かせる。

 そのためパワーローダーが話を引き継いだ。

「ザギ、君について現時点で致命的な弱点があるということはすでに周知されてしまっている。」

 パワーローダーは、前置きとしてそうザギに言うがザギは腕組して特に反応を返さない。

「そこで…、我々としてはその弱点をなんとかできればと……、会議が難航していてね。」

「それって…。」

「そうだ。ザギのあの真の大きさ…、それよりも前から見られていた強大な力のこともすでに周知されている中でエネルギーが不足すると倒れてしまうということが知られた。その弱点をついてザギをいい様に利用しようという意見がどうしても出てしまうんだ。それは我々雄英としては反対の意見を出している。なぜならオールフォーワンとの

戦いの最中でどうやってザギがエネルギー不足を補ったかということにある。」

 出久はそれを聞いて微かに青ざめた。

 ザギがどうやって神野の事件で復帰できたのかを知っているからだ。

 数十体の脳無の命と……、神野区一画の大量の電力と、オールマイトの個性を喰ってやっと復帰できたのだ。

 その後オールフォーワンの個性を喰ったことで、多少はエネルギー不足の解消はできているとザギは出久に伝えていたが根本的な解消はできてはいない。

 つまりエネルギー不足を解消する方法をどうするべきかが問題なのだ。

「…まさか神野での時のようにはできない。多くの命のエネルギーと強個性を食い荒らして…なんて。」

『〔足しにもならない〕』

「……そうか。それでも足りなかったのか。なら余計に何とかすべき案件だと思う。そこで、我々が出したい案というのが……、ずばり省エネだ!」

 パワーローダーが語気を強めて発言したのは、足りないエネルギーの無駄な消費を抑えるという案だった。

 ザギは、その点については考えている。できるだけ今あるエネルギーのやりくりをしつつ、エネルギーの回復する手段を見つけることを。

 だが個性を食い荒らすのは、ザギ的にはあまりやりたくないことだった。

 それは単純な理由である。

 

 

 〔個性は、味がな……。単純に美味くない〕

 

 

 美味しくないくせに、大したエネルギー(栄養とカロリー)にもならないから食指が向かないだけだった。

 ザギが人間の顔だったなら、舌を出して心底嫌そうな酷い顔をしてマズ味を表情で表していただろう。

 これなら人間を生で喰った方が効率がいいとさえ思うぐらいだ。

 スペースビーストの特性をザギが取り込んでいるため、その方がいいと自然と考えてしまうのだ。

 だがそれを考えるとまず頭の浮かぶがなぜか轟で、アレを喰うぐらいならエネルギーが回復するまでじっとしとく方がいいと考えを変えるぐらいには喰わない方がいいとしてしまうのだ。

 それ以外はいいのかって話にもなるが、個性社会が普通になったこの地球で、不味い個性入りの人間を生で喰うという気を起こさせないぐらいには、個性を不味い味だとザギは認識していた。

 エネルギーが足りなかったから背に腹は代えられなかったとはいえオールマイトの個性を。嫌がらせでオールフォーワンの個性とヴィラン連合の個性を喰ったが『不味かった、オェ…』という感想しかない。

 かといって、その辺の動植物を…というのは、恐怖や絶望などの感情をエネルギーにするスペースビーストの特性上あまり旨味がない。つまりほとんどエネルギーの足しにできないのだ。

 

 〔スペースビーストの因子がここで足を引っ張るとは……〕

 

 支配下に置くまでにスペースビーストを理解して、その身に取り込んだザギは、まさかそれによって困ることになるとは考えていなかったと、内心で苦虫を潰した。

 味について我慢すれば感情豊かな人間を喰う方が回復効率が良いが……。

 ザギは、チラッと椅子に座っている出久を見た。

 

 

 〔出久に絶対嫌われる!〕

 

 

 ザギが捕食をしようとするには、必然的に出久の体の主導権を一時的にでも取るしかない。

 つまり出久の体で人間を捕食するといことだ。しかも生きたまま生でバリバリと。

 それでいて恐怖と絶望をたっぷり引き出すように……。例えるなら活け造りの魚か?

 ザギの認識と感覚だとスペースビースト流の捕食行動は、自分の強化と共に回復も兼ねているから普通のことだが、出久は地球人だ。同じ認識と感覚を強制させるのは自殺行為だ。ザギにとって死ぬより辛い結末になる。

 それは絶対避けたいから選択肢は決まっている。

 パワーローダーと発目の案を受け入れることだ。

『〔内容だけは聞いてやる。それ次第だ〕』

「ザギ!」

「ありがとうございます! では、まずこちらを!」

 ザギの前向きな発言に出久が表情を明るくしてザギ見上げ、発目も飛び跳ねそうなほど喜びながら丸めていた設計図と書類を机に広げて見せた。

 専門知識がないと分からない文字列や図が書かれているそれだがザギは一目で理解する。

 

 

 〔なかなか使えそうな素材があるのか…。これなら……〕

 

 

「この新しい特許素材は多くの期待が寄せられていて、まだ多くの試験と試作実験過程中で、実用化までに至っていませんがこの問題点をクリアーできれば…。」

『〔ここは、こうだ〕』

 ザギがその辺に落ちていた誰かの落とし物らしきペンを超能力で持ってくると、設計書の一部に書き加えを行った。

 それを見た発目とパワーローダーが目を大きく見開く。

「こ、ここ、…これは!  ざ、ザギさん! あなた、すごいです!」

「こんな発想を即座に…。やはり知識量については科学や創成といった面でも突出しているのだな…。」

「私としたことが盲点でしたー-! どうして今まで見落としていたんだ私…。」

『〔ただの間違い探しだ〕』

 激しく落ち込む発目にザギはなんてことないように言い放つ。

 来訪者という高度な科学技術を持っていた知的生命体の知識と技術や、宇宙に住まう多くの高度な文明を持つ知的生命体の惑星から得た知識があることと元からある自己進化能力からくる柔軟性でザギからしたら間違い探しに等しかったのだ。

 あとこの設計図にあった見落とされていた実用化に至れない欠点は、この地球の文明レベルでならちょっとした気づきで解消できる見落としであったことから、地球外の技術を用いる必要もなかった。

「すごいよザギ!」

 出久にキラキラした笑顔を向けられてザギはそっぷを向いたが、表情は変わっていないがただの照れ隠しである。

「ありがとうございます! これを提携企業と会議して通れば開発と実用が可能になります! 早速…、パワーローダー先生!」

「すまないな、せっかくここまで呼んですぐに帰すことにさせて…。」

「いいですよ。あの…それだと新コスチュームはどれくらいで…。」

「最短で見積れば、1週間もいりませんよ! 私に任せてください!」

「発目…、何日徹夜するつもりだ?」

「早くこの新しいドットベイビーを使ってもらえる姿を見たいから、いくらでも頑張れますよ!」

「……体調管理だけはしっかり守ってくれ。」

 鼻息荒く目をギラギラさせている発目を止められないと諦めたパワーローダーは、溜息混じりにせめてもの忠告だけはした。

「えっと、あの…、くれぐれも無理だけはしないでください…。」

「期待して待っててください! 必ずお二人のために最高の新作コスチュームを作って見せますから!」

 発目は、拳を握って出久とザギに強い決意を秘めた顔を見せ、新しい出久とザギに合わせた新ヒーローコスチュームを完成させると宣言した。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 話が終わり、寮に戻る途中出久がブツブツとなにか考えながら呟いていた。

『〔…出久。考え事か?〕』

「……あっ、ごめん。ちょっと考えたんだ。ヒーローはさ、オールマイトもそうだけど、ヒーロー名っていうのがあるんだ。それをどうするかって考えてた。コスチュームを新調するならそれに合ったのを…って。」

『〔なるほど〕』

 そういえばそうだったなとザギは、思い出すがこの地球でのヒーローがどうでもよくて深く知ろうという気が起きていなかった。

 だがだいたいの知識は雄英に入学する前からヒーローオタクの出久を通して見聞きしている。

 ヒーロー科では、ヒーロー名を自分で決めることも授業の大事なイベントに取り入れられているようだ。

 もちろん途中で改名するも良しだが、目指す将来への指標とモチベーションを保つために必要なのだろう。若いのだからその方がやる気もでるはずだ。

 自分の個性を基にヒーロー名の由来にしたり、憧れのヒーローに肖って似た名前したり、個性以外の自分の特性などを考慮して自分が描くヒーロー像を文字に起こしたりと色々だ。

 だがさすがに変すぎる名前や、社会常識を逸脱したり、諸々の権利侵害や放送禁止用語などを盛り込むのはさすがアウトだ。

 ……だが18禁ヒーローを名乗るミッドナイトはどうなんだという話になるが、あそこまで振り切ったら逆に社会で認められるのかもしれない。その名を通しきるほどの実力と実績を持ち合わせているのもあることだし、あそこまでなれるのも実力と努力あってこそだ。そうじゃないと昨今のコンプライアンス的にアウトなヒーローの肩書きを持つ彼女が雄英というヒーロー育成の名門校の教員なんてできないし、認められない。

「うー---ん……。」

 寮で割り振られた部屋に帰ってきてからも出久はまだ考え込んで唸る。

 ザギにとってヒーローはどうでもいい要素だ。

 だからどんな名前を出久が選んでもいいと思っている。

 すると。

「プルス……ウルトラ………、Plus Ultra(プルスウルトラ)……。ウルトラ…………、ウルト……、……“ウルトラマン”?」

『〔!?〕』

「ザギどうしたの?」

 ヒーロー達が合言葉のように使用している、『更にその先へ』という意味での言葉を口にしていた出久が不意にウルトラマンと口にしたことにあからさまに驚いた挙動をしたザギ。

 それに気づいて驚いた出久がザギを見た。

 ザギは、乱れた体勢を戻して努めて平静を装った。

『〔……なんでもない〕』

「そ、そう? 本当に? びっくりの仕方が尋常じゃなかったような気がしたけど?」

『〔……〕』

「あ、ごめん! 聞かれたくなかったことだった⁉ ごめん、もう追及はしないから許して!」

『〔出久は何も悪くない…〕』

 慌てて謝る出久にザギは眉間辺りを指で押さえながらそう返答した。

 

 

 〔まさか……、出久がその単語にたどり着くとは……〕

 

 

 ウルトラマン。

 光の国の善なる巨人の一族。あるいはそれに近しい力を持つ巨人の異星人達。

 ウルトラマンとは、ある種称号だ。

 一族や種族を示す名称としての意味と、その力と精神を備えた英雄を示す言葉として用いられることも。

 ウルトラマンの神の模造品として生まれたザギは、ウルティノイドという模造品に分類される。

 ウルティノイドからウルトラマンとしてウルトラ一族から認められたウルトラマンもいる。

 だがしかし……。

 

 

 〔オレが……ウルトラマン? ………オレほど似合わない奴はいないな。皮肉や煽りでも言わないだろ〕

 

 

 ウルトラマンが神と呼ぶ存在が不確かなほど謎だらけのウルトラマンノアの模造品として造られたウルティノイド。

 形だけは限りなくそっくりに造られたがそれだけだ。

 ノアの特徴である背中のイージスは再現できなかったから背中にイージスが付けられるはずだった痕跡がある状態。

 

 

 自分には、ウルトラマンという名を付けられる資格はない。

 

 

 それが、己がこれまで積み上げた十字架の多さを自覚してきたザギの認識だった。

 

 




最後の方の台詞を書くために新コスチュームの話題を書きました。

予定としては、『ULTRAMAN』のウルトラマンスーツのような物にする予定です。
あれのザギバージョン。
でも性能とかは、元ネタとは違う物にする予定。
すでに先駆者の方のザギのパワードスーツのイラストなどがPixivなどで見られて作者様方を尊敬しています。

私の記憶力が悪いのですが、たぶんザギはウルトラマンという単語はまだ口にしていないはず……。
ぼかして光の国のこととか、宇宙のあちこちに光の国と似たような巨人がいるってことを少し話してるけど。
だからPlus Ultra(プルスウルトラ)から、ウルトラマンという単語に行き着いたことにザギはうっかり激しく動揺しちゃった。
ザギ的には、ノアの次にコンプレックスにしている相手方なのでNGワードな感じにしました。


活動報告でも書きましたが、新コスチュームとなるパワードスーツを身に着けた出久(+ザギ)のヒーロー名については、まだ募集しています。
募集数が多ければアンケートを設置します。
もしよかったら応募していただけると大変嬉しく、大変助かります。
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