ザギは、活躍しません。
無自覚ヤンデレのままブツブツ文句だけは言ってます。
あと、このネタ内での無個性の扱いについて。
全体的に、出久愛され?かも。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
運動場に出てきた出久と爆豪を含める1年A組の生徒達は、そこで相澤から今から個性把握テストを行うことを告げられた。
入学式は!?と、困惑している者達に、相澤は雄英は自由な校風であることを理由に合理的に事を進めということで落ち込ませていた。
そしてお前達は、ヒーローとしてこれからこの学び舎で三年間徹底的に育てられることとなるが、まずは自身の持つ力の限界を記録として出せ、見込みのない奴は除籍だと宣告された。
除籍!?っと、入学初日からいきなり言われ、青ざめる者達。出久も顔色を悪くするが、横にいた爆豪が肘で小突いて顔を上げると爆豪が目で、ビビんな!っと言ってくるような気がして、出久は気を持ち直した。
〔あの男…、殴りてぇ…!〕
出久が入学式に出られないことを残念がり、なおかつ入学早々に除籍のピンチに動揺するのを感じて、ザギは冷静沈着な相澤に殺意を覚えた。
しかしそのザギの殺意とか考えを、ザギを宿している出久は知らない。
入学初日に除籍というピンチに、出久と爆豪だけじゃなく、他のクラスメイト達も当然必死になる。
名前順で測定記録を出すのだが、名前の順の都合で出久と爆豪が50メートル走で一緒に走ることになる。
手を抜けば見込み無しということで除籍という危機感が、手加減を忘れさせる。
爆発の威力を利用した高速移動をする爆豪を軽く追い越して、スタートダッシュの時の残像だけ残してゴールした出久は、久しぶりの超スピードを出したためブレーキが上手く出来ず交通事故で吹っ飛んだみたいに派手に地面を転がってゴール地点からだいぶ離れた位置でやっと止まった。
先に測定した、あるいは順番待ちのクラスメイト達がすごい心配した。出久の転がったときの体の動きとバウンドの仕方とか、下手すると全身骨折あり得そうな、もっと言えば車の交通事故が発生したときの状況を調べるために使われる実験用の人形の映像のような、とんでもない転がり方していたからだ。
しかし土煙の中でムクリッと出久は何事も無かったように起き上がったので、違う意味で爆豪以外の者達を驚かせた。
出久は自分のいる位置に気づいて慌てて走って戻って来た。さすがに50メートル走の時のスピードは出してない。ついでにスピード出して止まるコツもすぐに掴んだらしく止まる際に転げることもなかった。
爆豪が間抜けと怒りながら出久の体に付いた土汚れを払い落としてやり、出久が弱々しく謝罪している姿を、さっきの半端じゃない転げ方したのに無傷の出久に唖然としているクラスメイト達が見ていた。
その後も記録を取るための運動や機器を使うのだが、柔軟以外はほぼ全部記録を出久はぶっちぎり、数トンの力にも耐えられるはずの握力計を破壊し、ボール投げに使ったボールを行方不明にし、相澤から『あまり学校の備品を無駄にするなら除籍だ』と釘を刺され、ビビる出久に今回は全力を出すためのテストだから大目に見ると言って残りの記録に挑戦しろと言った。
そうしてすべてのテストが終わり、順位発表。
「ひええええ…! 僕、そんなつもりなんてなかったのにー!」
「謙遜してるつもりだろーが、腹決めろやクソデク!」
柔軟だけ抜けば、全部ぶっちぎりの記録を出して超目立つ1位になった出久が慌てふためくので、爆豪がイラ立って出久の頭を叩いた。
そうして順位発表で、最下位となった峰田が絶望して泣いていたら、相澤が除籍はウソで、全力を出させるための合理的な口実だと告げたが……。
〔いいや、見込みの無かった奴は問答無用で切り捨てる気だっただろうが……〕
出久の目を通じて相澤の本気度を読み取っていたザギは、呆れた。主に除籍がウソだったと安堵している出久のクラスメイト達に。
ザギは、そんな彼らについて割とどーでもよかった。未来予知すれば簡単だが、それだと出久の未来に何かしら悪影響がある可能性もあるので運命の確定による強制力を考えて出久と爆豪以外の未来を見ることは控えることにした。
「おまえスゲーなー!」
「うひゃっ!」
「ホントホント!」
「ねえねえ、君ってどんな個性なの?」
同じ夢を追う者同士、嫉妬といったモノは付き物だと思われるが、同じ夢を追うからこその仲間意識も強いらしく除籍処分の危機がなかったと分かるなり出久に話しかけてくる者達がいた。
普段は温厚な性格の出久は、コミュ力高いかと言われれば微妙だ。ヒーローオタクゆえに、ややインドア派である。なのでグイグイ来る明るい性格の同級生達にたじろいてしまう。そして爆豪にさりげなくヘルプと視線を送るが……。
爆豪はこれも高校デビューの洗礼だとばかりに視線で答え、傍観された。
助けを求められる相手がいなくて、なおも続く同級生達からの質問攻めなどに混乱しつつも、出久は己の心の内に内包している申し訳なさ故に叫んでしまった。
「ぼ…、僕、実は無個性なんです!」
「えっ?」
思わぬ言葉に、場がシーンとなる。そして爆豪は、このアホナードが!と頭を抱えた。
「むこせいなの?」
「そうなんですぅ…! 無個性って言っても信じてもらえないから普段は常時発動型のパワー型個性ってことにしてるけど、本当は無個性で! 無個性なのにみんなみたいなすごい個性の人達より順位取っちゃって本当にごめんなさい!」
「マジで無個性?」
「うん…。」
「なんだよそれ…、メッチャレアじゃん!!」
「へっ?」
無個性と聞くと失望されるかと身構えていたら違う反応が来て出久はびっくりした。
「今のご時世で無個性ってさぁ、超レアじゃん!」
「ええ!?」
〔へえ……? あのクソガキ(爆豪)とは違うな〕
出久が実は無個性であることを知っても、馬鹿にするとか蔑むとかせず、むしろ良いことだと受け取る少年少女達にザギは少し感心した。
ザギが出久を通して爆豪の方を確認すると、爆豪がばつが悪そうにしているのが分かり、鼻で笑いたくなった。
超常能力である個性が当たり前になった社会では、生まれもった個性のせいで将来つける仕事や日常生活が狭められることも少なくなく、多種多様な個性に合わせて生活必需品を作っていかなければならないという社会問題があるらしい。オーダーメイドはどうしても金額が高くなったり、安価な生活必需品の多くは大量生産されるものが多いので選択肢が狭まり、生活費がかかる原因にもなっている。お金がかかるということは、当然それに見合った収入が必要だが、個性のせいで出来る仕事の幅が狭まれば収入も変わってしまい、個性によっては生活費が高いのに低収入という悪循環で生活苦になるという人間もいる。
なんだったら結婚し家庭を作る場合も困る。
少し昔は個性婚という社会問題があったほどで、個性目当ての望まぬ結婚や、そんな結婚によって生まれる望む個性の組み合わせを受け継いだ、逆に望まれなかった個性だった子供の問題、そもそも個性の性質によっては結ばれるのが難しい、子作り、出産が困難という個性もあったりして、単純な恋愛だけでは物理的に結ばれることができないという問題など、色々と困ったことになってる。
そのため影響の少ない弱個性、もっといいのは障害になる個性が一切無い無個性の価値について見直さなければならないという研究論もあり、広い範囲で見れば無個性への迫害意識の持ち主は一部だけの話であるようだ。残念ながら運悪く出久の生まれて育った環境は無個性に風当たりが強い風潮があったらしい。
出久の周りで、無個性と判明してからの出久への風当たり強い筆頭だった爆豪は背中を向けてムチャクチャ気まずそう。
〔下手に頭と記憶力がいいのが仇になってるな……。ざまあみろ〕
未来予知で見た未来で、出久の将来に欠かせない存在になる爆豪がこんなところで潰れられては困るのだが、爆豪のことが気に入らないザギはついそう思ってしまう。本当は出久に近づく者達全般が気に入らないが、特に爆豪は気に入らない。アイツは自分の意思で出久に害を与える奴だから。あの時殺すつもりだったが不意に未来予知が過ぎたから見逃しただけだ。
しかしこれからどうするか…っと、ザギは考える。
出久はとても謙虚で、自己評価が低い。無個性であるがゆえにもとからないモノを埋めるように他者の個性を分析し知識として蓄える癖がついていて、持たざる者だからこそ持つ者を尊び、褒めちぎる。それが原因で自覚がないままべた褒めした相手に勘違いされて危なかった場面など何度もあった。その都度、爆豪が追い払ったり、出久の記憶を弄ったりしたものだ。ちなみに爆豪が頑張ったのは、ザギが表に出てきて暴れないようにするためだったりするが、ザギは別に頼ってなどいない。
出久はその後相澤から、一応書面上ではパワー型個性として提出しているのだからあまり無個性だと触れ回るなと注意されていたが、無個性だからといって冷たい目を向けられることは一切無かった。こういうヒーローばかりならザギもこの世界のヒーローに呆れることも無かっただろう。
ヒーローオタクの出久は、個性把握テストで同級生の個性を見たのもあり、分析したいという欲求が止まらずちゃんと許可を得た上で個性のことを聞き出して自覚のない得意のブツブツ呟きをしながらノート取ってて同級生から若干引かれたり、個性の持ち主が自分の個性に自信がないと言おうものなら自覚なく良い部分を見つけ出して褒めて相手を赤面させたりしてしまい、確実に変な虫が付くとザギだけじゃなく、爆豪も心配させているのだが当の本人はまったく自覚が無かった。
爆豪以外の同級生を褒めちぎった出久であるが、その過程で同じ事を麗日にやったところ、沸騰したように真っ赤になって鼻血を吹いた麗日が倒れてしまい自重しろと相澤と爆豪から怒られたりもした。
実のところ今日の日に試験の日以来になる麗日からの気になる視線を出久が受けていたのだが、まあ試験の時に助けられたことや、多感な十代半ばの年齢もあるし異性への意識はあるだろう、という感じでザギは深くは考えていなかった。出久の邪魔になるなら殺せば良いし…って感じで。
こうして入学式に出られずに、入学初日から除籍の危機という波乱に満ちた雄英での学校生活が幕を開けた。
個性婚が問題視されているなら、個性を抜きにした結婚も大変じゃないかな?
異形系はまず体の形が問題だし、発動型もね……。
そう考えると個性が元々ないからそれが障害になったりしない無個性って重要じゃないかと思うのだが……。
轟家の子供の体質が個性婚で子供を求めた悪い結果の例だと思う。悪い部分だけを受け継いでしまいそれが問題になるという。
個性把握テストも終わったし、次は戦闘訓練による授業だけど……、どうしようかな?
一応予定としては、USJの時にザギが出てきて暴れる予定だけど。
戦闘訓練でチラッと出てきてもいいか?
あと、どの辺りで轟に共感するものを感じるか……。体育祭前でもいい?
それとも体育祭での家庭での事情を話したときに?
うーん……、悩む。