今回は、オリジナル展開。
ザギが小さい(?)事件を起こします。
ザギの食性については、色々と捏造しています。
スペースビーストの設定とかを考えて、たぶん…こうかな?という妄想です。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
仮免試験に向けて雄英校のヒーロー科の生徒達が頑張っている日々の中で、小さな事件が起こった。
雄英校名物のひとつに数えられるランチラッシュの食堂で食料盗難事件が起こったのだ。
「盗まれたのは、鶏肉、豚肉、牛肉の三分の一。あとレバーなどのホルモンが全部だ。」
その日の朝礼で相澤が食堂で起こったその事件について説明した。
食べ盛りの少年少女には寝耳に水な話だ。特にカロリー(脂質)が個性発動の絶対条件である八百万は。
「先生! それらは全て未調理なのですか⁉」
「翌日に使うために夜間に冷凍庫から出して冷蔵庫で解凍させていた物だ。」
「野菜や果物は盗まれなかったんですか?」
「手を付けられたのは肉類とホルモンだけだ。調味料や粉類にも一切触れられていない。」
「犯人の痕跡は?」
「現段階で調査中だ。監視カメラ一式にも記録に残っていない。ランチラッシュが仕込みをするために冷蔵庫を開けてやっと盗難に気付いたほどだ。」
「肉だけ盗むんなら、なんでレバーとかホルモンだけ全部? おかしくない?」
鶏と豚と牛の肉を中途半端に盗んでおいて、その三種の動物の内蔵であるレバーなどを全部盗むのは奇妙だ。
B組には摂取した鉄分で個性を発動させる鉄哲という生徒がいるが、さすがに未調理の生レバーを食べるような節操無しではないし、加熱調理前提の生レバーなんて食べたら普通に食あたり待ったなしであることと、容疑者から外される他の理由として犯行推定時刻に寮にいたことが証明されているため犯人ではないというアリバイもしっかりある。
「……。」
食料の一部、それも肉類だけを盗難されたという事件が起こったことを聞いてざわつく教室内で、出久は眉間にしわを寄せて口を片手で塞いで不快そうに落ち着きがない様子だった。
「緑谷? どした?」
後ろの席の峰田が出久の様子がおかしいことに気づいて声をかけた。
「うん……、なんか朝起きた時から口の中が変で……。」
「口内炎か?」
「なんか喉の奥や歯の間から生臭い鉄の味がして……。」
「……おい?」
それを耳にした前の席に座る爆豪が勢いよく振り向く。
「ザギは?」
「えっ? なんか今日は出たくないみたいで引っ込んでるけど?」
いつもの朝の光景に欠けているものがあった。
期末試験以来日常になりつつあったホログラム姿で出久の傍に常にいるザギが、なぜか今日は出てきていないのだ。
爆豪が出す疑念の空気が伝わり教室内がシンっとなって視線が出久に集まる。
相澤もすぐに察したようだ。
「緑谷……。歯磨きはしたか?」
「は、はい! しました。」
「まだ鉄の味が残っているか?」
「はい…、喉の奥から…、なんていうかニンニクたくさん食べた翌日みたいな……、……ん?」
そこまで声に出して、出久も何かに気づいた。
するとタイミングを見計らったかのようにどこか分からない暗い場所で膝を抱えて背中を向けて、何か悪いことをしたことを誤魔化す犬みたいに知らん顔しているようなザギの光景が脳裏に浮かんだ。
「……ザギ?」
出久がザギに声をかけるが全く返事なし。
なんとなく気まずい空気のような物を感じたのは気のせいじゃないと出久は考えた。
「……君が犯人じゃないなら、堂々と出てきてよ。じゃないと君が犯人ってことになるよ?」
「出久を困らせて泣かせたいんか?」
爆豪の痛恨の一撃の一言でザギが出久から飛び出すようにホログラム姿で出てきた。
大慌てで出てきたからか、飛び出した時の着地がうまくできず床に変な体勢で倒れたザギ。だが実体のないホログラムだから机や椅子、生徒にもぶつからないから問題ない。
「………ザギ。」
出久が努めて冷静に問うと、ザギはビクッとなる。
そこまで露骨に反応したらもう答えは分かったようなものだ。
「君がお肉とレバーを盗んで食べたの?」
『〔……〕』
「黙ってても、僕の口の中や胃の中を調べたら答えが出ちゃうよ?」
『〔……………………ごめんなさい〕』
倒れていたザギが起き上がってから床で土下座スタイルに以降するまでのスピードを目で追えたのは、出久だけだった。
こうして食堂から未調理の肉類を盗んだ犯人は、その日のうちに見つかって解決した。
肉類を盗まれて食べられたせいで、その日の寮で提供される朝食メニューの急遽変更と昼食の食堂のメニューの提供についての説明と、あと夕食メニューの変更などでランチラッシュが怒りで角を生やしていたらしい。
外部犯なら普通に窃盗でお縄だが、生徒や教師だった場合は反省文と場合によっては賠償請求と退学やクビ案件だったが、犯人がザギだったことと犯行に及んだ理由を事情聴取してそうはならなかった。
「……えー--と、つまり単純にお肉が食べたかったから、つい忍び込んだってこと?」
事情聴取のため会議室のひとつを使って根津や相澤達とランチラッシュが出久の後ろで背中を向けて拗ねているような態度のザギの通訳として出久が説明をした。
「近場で手軽に食べれそうだったからってこと…らしいです。」
「ふ~ん。調理しないでそのまま生で食べたの? もしかして生の方が好きか、生じゃないと食べれないとか?」
根津が問うと出久は首を後ろに捻って後ろにいるザギを見上げる。
ザギは渋々といった様子で出久に耳打ちした。
「食べるなら生の方が好み……みたいです。」
「他の肉類には中途半端なのにそれ以外のホルモンを全部ってことは、レバーとホルモン類が好物ってことなのかな? 早く言ってくれれば、こっちで手配してザギ用に用意してあげれたのに。」
『〔加工した食肉は内臓を含めて血抜きされていて物足りん〕』
「えっ?」
『〔!〕』
根津の言葉につい不満を口にしたザギは、慌てて口を自分の手で塞いでいた。
「……ってことは、生きた家畜を生きたまま食べたいってことなんだ?」
根津は顎を自分の指で触り、思考を巡らせる。
そこで思い至ったのが。
「そういえば、神野の事件でオールマイトの個性とオールフォーワンの個性を食べた時も、直接齧ってたね! ってことはザギ、君は肉食性ってことか!」
『〔肉食は否定はしないが、個性も個性持ちもゲロマズだから、好き好んで喰らう気はない! ……背に腹は代えられない時以外は。〕』
「そ、そんなに美味しくないんだ…? オールマイトから個性を食べるときも凄い嫌々だったもんね…。」
「……素直に大ショック…!」
ザギの食性が肉食動物のそれであると指摘したとたん、ザギが個性と個性を持つ人間がゲロ不味いから好き好んで食べたくないと強く言い放ったことで場が凍り付くが、出久はザギがそこまで嫌がるほど個性が不味いと認識されていることについて理解し、オールマイトは自分のこれまでの積み上げたことと未来を全てを捧げて後のことをザギに託す気でワンフォーオールを差し出したのに、当のザギからゲロ不味いと酷評するほどなのに背に腹は代えられないから無理して食べたと聞いて床に両手両膝をついてショックを受けていた。
「つまり…、ザギ、君は本当は人間を食べるってことでいいんだね?」
根津の言葉に緊張が走る。
ザギの先ほどの言葉が嘘ではないのなら、背に腹は代えられないなら個性を奪うことも、個性を持つ人間も直に食べるということだ。
出久はザギの顔を見上げて、ザギの回答を待った。
するとザギは、大げさな身振り手振りで肩をすくめて見せる。
『〔負の感情のある知的生命体は最高の滋養だが……、この星の知的生命体は総じて喰う気が失せるほど不味い。お前達を喰うくらいなら、別の手段でエネルギーを確保した方がマシだ〕』
ザギはそう語りながら心底不味い物を口にしたくないとばかりに、不味すぎる物を口にしてオエッと吐くような動作を大げさにやって見せた。
背に腹は代えられないとはいえ、よっぽど食べたくないほど個性を持つ人間を食べたくないという意思表示だとこの場にいる人間全員が理解した。
だが一方で……。
逆に言えば個性持ちが美味しかったり、我慢して食べられる程度の不味さなら遠慮なくこの地球の人間を食べまくるということでは?
という疑念が沸いてしまうのだ。
「ザギ……、お腹がすいてる?」
空気が悪い中、出久がザギに聞いた。
ザギが出久を見た。
「我慢できなくて、……でも食べたくても食べれないから、食堂から肉とレバーを盗んで気を紛らわしたってこと?」
『〔……〕』
「ザギは……、たぶん…、ううん、きっと…、どこかで地球人に似た知的生命体を食べてたことがあったんだよね?」
大人達の疑念をズバリ出久がザギに言った。
出久は神野事件の時にザギの深層心理らしき場所でザギが殺して食べたと思われる人間を含めた多種多様な生命体の死体の海を覚えているので今更聞くのもおかしいのだが、ここにいる人間達がその事実を知らないためあえてザギに確認したのだ。
大人達がザギがどう反応するか緊張する中……。
『〔………………喰った。……いくつもの銀河からいなくなるまで…〕』
いくつもの銀河。
それが意味すること。
つまり地球ひとつとかいうレベルではなく、別の地底生命体が住む星を見つけたら絶滅するまで喰いつくすことを何度も行ったということだ。
その銀河系からいなくなったら、別の銀河系に渡り知的生命体を見つけたらまた……。
それを繰り返して、この地球にやってきたはいいがこの地球の知的生命体である地球人類はザギの味覚にとことん合わないため食べる気が起きないだけであるということだ。
味覚が無かったら喰いつくされていた可能性が高いので、ザギに味覚があったことが個性を持つ地球人類からしたらとてつもない幸福だったのだ。
「本当は……、食べたい?」
『〔……負の感情をエネルギーにできる。殺して喰うのが一番効率がいい〕』
「僕らが口にしてるお肉とレバーは美味しくなかった?」
『〔…まあまあ〕』
「人間を食べるよりは?」
『〔天と地の差〕』
即答するほど個性と個性持ちの人間は不味いらしい。
「そっか。あの根津校長先生。」
「うん? なんだい?」
「あの……先ほど、ザギのために肉とレバーを……。」
「いいよ! 血の滴る新鮮なのを朝イチで届くよう手配するから! 血の味が好みならレバーだけじゃなく、家畜の血でもいいのかな?」
「歯ごたえがある方が…。」
「そうか! じゃあホルモン類を含めて……、いや鶏か豚か牛一頭みたいに丸ごとの方がいい? その方が可食部と量も増えるけど? どう?」
「校長…それだと配送料が…。」
「そこは問題ない! 政府からザギにかかる資金については専用窓口を用意したらしいから!」
ザギ関連で国も頭を抱えているようで、ザギを宿している出久を抱えている雄英に対して破格の対応をすることが可決したらしい。なのでザギの口寂しさは解消できそうだ。
だがあくまでこれは、恐怖の感情を持つ知的生命体を喰らうことで滋養にしてエネルギーと進化するための利用するスペースビーストの因子を持つザギが血の味が恋しくなるのを解消しただけだ。
つまり根本的なエネルギー不足問題は解決していない。
あと、大問題があった。
「だがザギ…、お前が食事をする時は緑谷の体を使うんだろう? 緑谷への負担をどうする気だ?」
相澤に指摘されてザギはハッとした。
食堂から盗んだ肉とレバーで口の奥と歯の間に生肉の後味が強く残るのだ。もっと血の滴る新鮮なのを食べるとなると……。
「いいよ。ザギが我慢して辛いのを見たくないから、僕が我慢するから。きっと慣れるから問題ないよ!」
っと、ザギの顔をまっすぐ見て笑顔でサムズアップしていた。
ザギに我慢させるより、自分が生肉と血の味に慣れる方がいいと言い切る出久にザギは言葉を失ったように出久を見つめていた。
『〔…………迷惑なら…〕』
「迷惑じゃないよ。だから気にしないでザギが美味しいって思える物を食べていいから。」
俯くザギに、出久はそう言ってまた笑顔を見せた。
「……み、緑谷少年……、とんでもな過ぎる!!」
ザギの過去の所業を知ったうえで、ザギのためにと自分が耐えるから好きさせるという姿勢の出久にオールマイトはただただ驚かされていた。
肉類の盗難事件後、1年A組の男子寮側の一部から血生臭い匂いが微かにするようになったが、事情は生徒全員に通達されているため、臭いがある時はザギが食事中だという認識となった。
うっかり出久の部屋の前を通ると、肉を咀嚼する音と骨をバリボリ食している音がドアの向こうから聞こえるという嫌な経験をするのでザギが食事をする時間帯はほぼ決まっているのでその時間帯は急用がない限り近寄らないという暗黙のルールができたりもした。
ザギが美味しいと感じる味を好きな時に得られるようになったからか、それからというもの出久はパワードスーツでの訓練の調子がより良くなり、空中浮遊のコントロールが上達していったそうだ。
きっと好きな味が食べれなくてザギは無意識にストレスが溜まっていたんだろうと出久は分析した。
***
雄英の外。とある場所にて。
「……これはかつてない難問ですね。」
手元にあるファイルにファイリングされた資料に目を通しているのは眼鏡がトレードマークだと見て分かる男。
「じゃろ?」
同室にグラントリノがいて、机を挟んでファイルに目を通す男の前には出された茶をすするグラントリノがいた。
「後出し後出しで…、まあここまでヤベー情報が出てくる出てくる…。噛めば噛むほどじゃねーじゃろうに…。ただでさえ体育祭で露呈しただけで騒ぎになったってのに、そこにエンデヴァーのあれ……、更に追い打ちに痛恨の一撃どころじゃない50メートルが本当の大きさだったって事実判明に……、雄英で聞き出せた情報をまとめりゃ間違いなく地球外生命体らしいし、地球上じゃあり得ん年数生きてるらしくてなぁ。」
「我々地球人類は、まだ宇宙に進出するほどの発展はしていませんからね。個性という超常が当たり前となった浅い歴史に対応しきれていないですから宇宙への進出は何世紀先か…。逆に個性が常識になったことで地球外からの来訪者に気づけなかったことも大きいですね。……話がズレました。グラントリノ、私としてはこれはさすがに……。」
「知的生命体を好んで喰っていたって話か? 負の感情がエネルギーと進化の滋養になることか? 個性と個性持ちの人間はいくら感情があって栄養があっても喰いたくないほど不味いから喰う気がまったくないことか?」
「特に知的生命体……この地球では人間と自称する知的生命体を好んで食べる点がです…。あと個性を不味いと言って好まないこと。このことが広く知られればザギがいかなる個性を取り除いて無個性にすることに希望を見出している人々がどう動くか……、個性があることで苦しい人生を送る者達が味で好き嫌いするザギのことを考慮するとは考えにくく、まず間違いなくザギが機嫌を悪くして恐ろしい事態になるかと考えると……。」
「じゃが隠しとくにも限度があるわい。わしらがどー思おうが、ザギは開き直ってその気になれば地球をかち割って緑谷と宇宙へ飛び立つことぐらいはするじゃろう。」
「ご機嫌取りをし続けろと?」
「わしらはザギと対等にはなれん。」
グラントリノは空になった茶碗を置いた。
「じゃがな、会話ができる。理解する知能も持ち合わせている。ほとんどザギ次第ってなるが、会話が成り立たない相手じゃないってのが巨大な幸運と考えるべきじゃないか? 納得できんのなら、直に話をしみりゃいい。百聞は一見に如かずと言うしな。」
難しい顔をしている眼鏡の男にグラントリノはそう語る。
「……ええ。そのつもりです。」
「インターンに誘うんならしっかり準備しておけ。アイツは緑谷限定の極悪過保護だ! 俺もメチャクチャに負けた半端ないほど負けた! どうあがいても無理ってほど全く手も足も出んかったからなぁ!」
グラントリノは豪快に笑ってそう忠告した。
眼鏡の男は、ファイルを机に置き眼鏡を片手の指で押さえた。
ファイルに印刷されている写真には、ホログラムのザギに後ろから抱きつかれた状態で朗らかに笑っている出久の姿が写されていた。
ザギはたぶん食べようと思えばなんでも喰えるけど、基本的にはスペースビーストの性質の都合で肉食性という設定として捏造しました。
スペースビーストがコスモスのラスボスと違って絶対和解も共生もできない、恐怖などの負の感情を喰って進化する災いそのものという対比で、スペースビーストを支配下に置くほどスペースビーストの力を取り込んだザギもスペースビーストと同じ食性になってそうという妄想です。
でもヒロアカ世界の地球人を喰う気が起きないほどザギの口に合わないということで、食べるくらいなら他の方法でエネルギー不足を解消する方法を探すってぐらい不味いって感じているということにしました。
神野事件でオールマイトとオールフォーワン、あとヴィラン連合の個性を喰ったのはエネルギー不足で背に腹は代えられなかったのと嫌がらせ目的ってだけで不味くても感情を優先したりして我慢しただけ。
だからザギに個性を取ってほしい人達の願いを叶えて聞いて実行する可能性はとても低く、不味いから喰いたくないって嫌がられても個性を消してほしいと強引に来るだろうザギが機嫌を損ねて地球を叩き割りかねないぐらいヤバいって話…になったかな?
急に食欲を出してきたのは、出久の生活習慣とかに引っ張られたとかで急に生肉と血の味が欲しくなったから手近にある食堂から生肉とレバーなどを盗んで少しでも味覚を満足させたくなったって起こした事件です。
事情を知った雄英側が新鮮な生の家畜を骨と内臓ごと食べれるように手配してもらったので、今後出久の部屋からは肉の生臭さが絶えないことになりました。(※消臭対策はしてるけど)
でも味覚を満たしているだけでエネルギー不足を解消できていません。
嗜好品みたいな感じかな?
インターンってプロヒーロー側からお誘いを受けるってことあるんでしたっけ?
ゴーストライダーネタの方では、ナイトアイが直々に誘ってきたとしましたが。