ヒロアカ×ダークザギ  ネタ   作:蜜柑ブタ

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やっと書けた!




今回も原作沿いっぽいようで、オリジナル展開です。
全然話が進んでない……。


肉倉がちょっと可哀そうなことに…?




それでもOKって方だけどうぞ。






いいですね?


第64話  活動時間の短さの課題

 

 

 大規模な爆発テロが発生して街と郊外にいた人々が被害にあって救助を待っているというシチュエーションで始まった二次試験。

 雄英にある訓練施設やUSJのように再現されていた一次試験のフィールドがあっという間に地獄絵図。

 大空襲か大地震でもあったのかというぐらいの有様だ。

 そこかしこから助けを呼ぶ声がする。救助者役のHUCの社員達の悲鳴や泣き声が彼らの演技力のおかげでとても凄惨さが再現されており悲痛で生々しくてそれを耳にしただけで腰が引けたり青ざめる受験者がいるほどだ。

 これが仮免を習得するための試験というのは頭にあって、合格しなければという緊張と焦燥感もあるとはいえ、生々しい現場を再現された光景は繊細な少年少女にはきついのだろう。

 だがこれを乗り越えられなければプロになることはできない。

 ここでつまずく者達の多くが振り落される。

 

「イナサ、しっかりしろ! 今は悪いことを考えるな!」

「う、うっす…! 分かってますって…!」

「いや、顔色⁉ さっきと今でゲームの状態異常表現ものみたいになってる⁉」

 二次試験開始直後にうっかりザギを不機嫌にして睨まれてしまったイナサは、自分以外の士傑の先輩生徒達に鼓舞されつつ変な汗をかきながら体調を絶対心配されるぐらいの青い顔で二次試験の救助活動を開始する。

 だがそのせいか正常な判断が欠けたのか、元々の性格もあるのか風の個性で瓦礫の中にいるHUC社員を瓦礫ごと吹っ飛ばすように浮かせて救助するということをやってしまった。

「減点!」

「へあっ⁉」

 だが減点方式採点の二次試験の基準失点の案件だったようだ。風で浮かせられたHUC社員が厳しい顔でそうイナサに宣告した。

 確かに一気に多くの要救助者を助け出せた。だがやり方が荒っぽく、救助者の状態によっては怪我の悪化や吹っ飛ばした瓦礫で新たな被害者を出したりする可能性もあったかららしい。

「ぐぬぬ…、あっちは減点されてないのに…!」

 いきなりの減点をくらってしまったイナサは、歯嚙みしつつ離れた場所で救助活動をしている黒いパワードスーツの背中を見た。

 黒いパワードスーツこと出久は、斜めになっている高層建築物のガラス片や折れ曲がったり斜めに千切れて鋭くなった鉄材が落ちてこないように強力なサイコキネシスで支えて、救助者がいる場所を安全にしていた。

 サイコキネシスで落下してきそうなガラス片や鋭いそれらが落下しないよう支え、その間に仲間が救助者を斜めに倒壊した建物から救助していた。

「全員救助完了! D&Z(ディゼ)! もういいぞ!」

 救助者を背負った尾白が斜めになった建物の三階部分から軽々と飛び降り、救助者を集める場所に運ぶ際のすれ違いに出久にそう告げた。

 出久はそれを聞くとサイコキネシスで支えていた危険物から力を解く、その瞬間に大量のガラス片や鋭い鉄材が落下して粉塵と細かくなったガラス片の粉を周囲にまき散らした。

 出久はパワードスーツのエナジーコア部分を片手で押さえた。

『……ふう…、これって…。』

『〔一次試験で少々飛ばしすぎたかもしれない〕』

『まだ救助者はいるのに…!』

 パワードスーツから伝わるエネルギーの消耗による倦怠感と疲労感のような重たい症状を感じた出久は、自分が一次試験ほどの力を出して、それを持続させるのが困難だと判断した。

 この感覚はヴィラン連合に誘拐された時にザギがエネルギー切れを起こして動けなくなった時に似ていてこのままエネルギーを消耗すれば倒れると本能で理解できた。

 まだエナジーコアは点滅していないため、まだ余裕はあるが体にのしかかる症状からその余裕は少ないことが感じとれた。

 その様子をやや離れた場所から見ていた爆豪が真っ先に察して、他のクラスメイトに大声で伝える。

「テメーら! D&Zありきで行動すんじゃねーぞ!」

「つまり緑谷が限界近いってことだな爆豪⁉」

「口に出す暇あんなら足と手ぇ動かせ!」

「分かってるって!」

「無理すんなよ、D&Z!」

 エネルギー不足問題は周知されているし、仮免試験に向けた訓練の時もその点について共有していた。

 実際訓練中にエネルギー不足の兆候が現れたことがあったため、長時間の活動が困難なことと力の使い方の加減が課題になった。(それでも3分以上はもつから地球上でのウルトラマン達よりはマシな方なのだが……)

 パワードスーツの制作の目的が使用者の能力の補助や向上ではなく、ザギのエネルギー不足問題の解決のためであるが、いくらパワードスーツを触媒に少ないエネルギーを倍に増幅して運用するとしても限度があるのだ。それにまだパワードスーツのエネルギー増幅の性能面でもまだ改良の必要があるため使ってみないと分からないのも問題だった。エネルギーを増幅させるため必然的に回路やバッテリーなどの精密な部分に負荷がかかり、そのせいでパワードスーツの運用寿命が短いのも問題になっている。

 そのせいでパワードスーツの製作スタッフ達から“使い捨てカイロ並み”なんて言葉が出るほどだった。

 試験内容は告知されていないためいかなる試験内容にも対応できるよう準備していたから慌てふためくことはなかったが、二次試験が始まってそんなに時間が経っていないのが問題だ。

 そのことは前もって頭に入れていたとはいえ、出久とザギの力に頼っているという自覚があるクラスメイト達は、出久の限界が近いことを知って内心少しばかり焦っていた。

 万が一の時に出久が動けなくなるということだからだ。林間合宿でヴィラン連合の襲撃の際にもザギに頼り切って隙だらけになったことがザギが突然動けなくなり出久と轟を誘拐される原因になったというとてつもない反省点があったものの頼りになりすぎる仲間の有無による安心感と余裕がないのは精神的な負担になる。

 オールマイトに頼り切っていたせいで命に関わるほどの古傷を隠してでも活躍していたオールマイトに巨大な負担がかかっていたという歪なこれまでの体制の見直しと、ザギという圧倒的な力を有する機嫌一つでいつ敵になるか分からない出久限定極悪過保護の存在が世間に知られたというのことでヒーローのこれまでのあり方を変えようという動きは起こっている。

 ステインが提唱していた英雄回帰の思想とは異なるものだが、ただひとりの強いヒーロー(英雄)に頼り切り、個性の相性だのなんだのあれこれ理由をつけて突っ立っているだけでいたというヒーローへの当たりがSNSなどを通じて過去をほじくられて誹謗中傷されたりなどのことが多発していてニュースなどの報道されるほどだ。

 だがそれはある意味でこれまで当たり前に思っていたことが大きな問題だったという意識改革とそれを解決しないといけないという危機感を持ち始めたという良い意味での捉え方もできる。

 そういう意味では今年の仮免試験受験者達は、その最前線でこれからのヒーローという存在の改革に関わる礎になるのだ。

 特にザギと近くで接している雄英はその中で最もその役割が大きいだろう。

 だが今は、目の前の試験を無事にクリアして仮免試験の合格を得ることが先だ。

 難しい課題だらけの未来のことは今は置いておく。

 

 

 〔オレと出久ありきで考えて動くこと前提だとそうもなる。それでも落ち着いている方か……。〕

 

 

 出久の超能力による手助け抜きでの救助活動に切り替えて考えて行動をし始めるA組面々を出久越しに見ていて、ザギはそう思った。

 だがそれでも心の内に湧き上がる焦りと余裕を失っているのを感じ取れる。

 

 

 〔力の使用を許可すべきじゃなかったか……。強い力は否応なしに守られないと生きられない弱者を引き寄せる。良くも悪くも〕

 

 

 最初は傷ついた出久の体を治すために憑依し、その時に加減を間違えて身体能力強化と裏でザギが出力に制限をかけた超能力が使える状態になっていたが、ザギの存在を認識され、体育祭の最終種目頃には出久に耐性ができてきたせいか意識を抑え込まれても自力で意識を表に戻せるようなってからの流れで成り行きでザギが力を提供して戦いの補助やザギが交代して戦う体制まで整える結果になってきた。

 未来予知で確定されている出久がヒーローになる未来がある以上、ザギもそれに加担しないといけない流れに形で巻き込まれているのだろう。

 

 

 〔なぜあの時未来を視たんだ、オレは……〕

 

 

 あの時とは、出久が6歳頃の時にイジメてきた爆豪をザギが表に出て爆豪を殺しかけた時だ。

 あの未来予知に出久の傍に爆豪の姿もあったため、爆豪を殺せない理由にもなった。

 ザギからしたら腹立たしいことこの上ないが、ザギのこの未来予知による未来の確定で現在(いま)があるのだとしたら……。

 

 

 〔自業自得か……。やはりヒーローになってすぐに辞めさせるのが一番いい方法か…〕

 

 

 この地球でのヒーローが気に入らないザギ。

 だから出久をヒーローにさせたくない。

 ならヒーローになってすぐに何らかの理由ですぐ引退になる状況にしてしまえばいい。

 ヒーローになる未来は叶えば、未来予知の確定は解除され、その後は問題なく手を出して自由に動かせる。

 再び未来予知をしない限りは問題なはずだ。

 それならさっさとプロヒーローにさせるべきだ。

 そのためにも仮免許の習得は早いに限る。そうすることで雄英の卒業までにプロヒーローの資格を得てデビューを飾れるというわけだ。

 

「うわわわー--! やべぇやべぇって!!」

「D&Z…、って爆豪⁉」

「俺がやる! 粉塵とこっぱした瓦礫に備えろ!」

 

 高層建築物の上部がズレて落下寸前になっているのに気づいて慌てて悲鳴が上がる。

 巨大な落下物が落下する先には救助活動中の受験生達と要救助者がいたのだ。救助者は複数人おり、地盤沈下した建造物の下にある空間に落下したりして閉じ込められている状態からまだ助け出せていない状況だった。

 爆豪が爆破ターボで飛び上がり、ずり落ちてきた巨大な瓦礫に両手を向けて最大爆発を放って砕いた。

 砕いたことで四方八方に飛び散る大小様々になった瓦礫と粉塵。

 それは離れた場所で救助中の他の学校の生徒達や救助者が集まる場所へ自力で移動するよう誘導されている救助者の方にも飛んで行っていった。

「クソが…!!」

 こうなることは想定していたが、四方発砲に飛んでいった瓦礫をどうにかすることは爆豪にはできない。

 これは大幅な減点だろうと諦めていた時だった。

「ド派手さじゃ負けねー---っす!!」

 暴風が起こり、飛び散っていく瓦礫が風によって舞いあげられていったため着弾予定の地点に落ちることはなかった。

 イナサの個性による風が粉塵ごと飛び散った瓦礫を風で舞いあげて宙でまとめてかためて安全な場所に落とした。

「ちぃっ⁉」

「ハハハ! 俺だってやればできるんすよ! 真似っぽくしたけど、さすがに超能力に及ばないとは分かってるっすけどね!」

 イナサの個性は風を操るものだ。そのため風によって二酸化炭素や窒素、煙やガスなどの気体や軽い物が舞いあげられたり、敵味方への影響を無くすのが困難だ。

「助けがいるなんて言ってねーぞ?」

「緑谷さんが限界近いから頼りすぎんな、だから手を貸せる奴は手を貸せって意味で叫んでたんじゃないっすか?」

 イナサが悪気なく爆豪が仲間に伝えていた言葉の意味をかみ砕いてそう言った。

 その通りのことをズバリ言われ、爆豪はギリッと歯嚙みしつつ黙る。

「ま、間に合いましたわ…。」

「八百万ナイス判断!」

 爆豪が破壊した瓦礫の礫と粉塵か受験生達と要救助者を守るための分厚いシートを急いで創造した八百万のおかげで、上部から落下する建造物の一部から守られ下にいた者達は無事であった。

 要救助者がまだ取り残されている箇所もシートで覆ったことで粉塵と礫で穴が塞がることもなく、救助活動は続行できた。

「く…、穴を広げたくても穴の周りがここまで脆いと八百万が用意した重機も使えないぞ?」

「穴が狭いからダークシャドウとかで救助者を無理やり引っ張り出すなんて言語道断だしな!」

「救助者を小さくするなり形を変えられたらいけるんじゃ…。」

「んな個性あるか!」

「うちにもないよ!」

 救助を一緒に行っていた傑物の生徒が声を上げた。

「雄英にもないならどこから…。」

「それなら私の出番である!」

「だれ⁉」

 救助者がいる箇所が非常に危ない状態だと確認でき、どうやって救助すべきか頭を悩ませる者達のところに突然名乗り出た人物がいた。

 身に着けている帽子とコスチュームのデザインから、士傑の生徒だとすぐに分かった。

「私の個性ならば人体を肉塊に変形させ、この穴の大きさでも通せるはずである!」

「どうやってやるんだよ⁉ 結構深いぞ⁉」

「私の肉体を切り離し、救助者のもとへ送る! それで個性を使用できるのである!」

「なら任せていいか⁉」

「君らは担架の用意だけしていればいいのである!」

「なんか引っかかる物言いだな…。」

 妙に突っかかるような物言いの士傑の生徒に若干モヤッとしつつも、救助者を優先すべきなのでここは彼に任せることとなった。

 士傑の生徒は、左腕を右手で揉み、あっという間に肉塊に変化させて肉体から切り離させた。

 切り離された左腕だった肉塊は穴に入り込み、下の方で要救助者がびっきりしたと思われる声が上がったがすぐに左腕だった肉塊と一緒に別の肉塊が引っ張り出された。

 人間らしき痕跡として目と頭髪の一部が確認できる形状だが生きているらしく、目をぱちくりさせているし呼吸をしているのか肉塊が上下するように膨らんで縮む動きをしているのが確認できた。

 そうして複数人いた要救助者を全員肉塊の状態にして地盤沈下してできた空間から救助することに成功したのだった。

 救助が完了後個性を解除し、担架で救助者を集める場所に移送していった。

「さすがのザギとてこんな芸当はできないでしょう?」

「ああ?」

 挑戦的な物言いに爆豪がいち早く反応した。

「こんな状況下でエネルギー切れを起こすような自己管理のできない有様では……、合格も不可能である。反面教師ぐらいにはなったでしょうが。」

「てめぇ…。」

「落ち着け爆豪!」

「ちょっとあんた、そんなこと言ってたら激マズいって!」

「命知らず!」

「別に聞かれてないのに、なにが……、っ……ぁ…。」

 青筋を立てる爆豪を止めに入る爆豪派閥と、心配して声をかける雄英の面々。

 いぶかしんだ士傑の生徒は、その瞬間に背後に感じた。

 同じ学校からの受験生として参加した後輩のイナサに向けられていたやべぇオーラが自分に向けられていことに。

 爆豪達は、かなり離れた場所からでも分かる赤く光るザギの両目を目撃しているため何も言いだせない。

 ザギは、耳も目もいいのだから、離れていても癇に障る奴を目ざとく見つけてくる奴なのだから。

「肉倉先輩……、俺と同じっすね!」

「言うな夜嵐ー----!!」

 肉倉という士傑の生徒は、イナサから自分も同じ目に遭うだろうからだいじょうぶだ心配無用と笑顔でドンマイという意味でグッジョブサインを送られて、自分で自分を終わらせてしまったとたまらず頭を抱えて地面にうずくまってしまった。

 

 そうして救助活動という二次試験が開始されてからある程度時間が経過した時だった。

 受験会場にある救助者達を集める場所の近くの壁が突然大爆発した。

 

 放送マイクからで大規模テロを起こしたヴィランとは別の仮想ヴィラン集団の襲撃をアラートと共に受験生達に伝えられた。

 

 

 




肉倉をどう活動させるか悩んだ末に、彼の個性なら狭い個所から救助者を助け出せるのに向いているのでは?という思い付きでこういう形で書きました。
人体の形をある程度の大きさの肉塊にしてしまえば、目とか耳とか骨とか関節とかも問題なくなると思ったので。
最悪閉所で大怪我して動けない救助者を肉塊にして運び出せるでは?という発想もありました。

肉倉がちょっと挑発的なのは、他の受験者への牽制でしたが、内容が出久のエネルギー切れ問題をちゃんとしていないと上から目線で注意する内容だったのがあかんかったやつ。
離れた場所にいるから聞かれてないと思ってたのに、出久限定極悪過保護の地雷踏んじゃった……チーン、です。
イナサは悪気ゼロです。ザギから何かされるかもしれないのは自分も一緒だからだいじょうぶだと励まし(?)てるだけです。


最後の方の仮想ヴィラン集団は、ギャングオルカとサイドキック達の予定ですがホークスとかも登場させるか悩み中。
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