前回からの続き。
原作沿いっぽいオリジナル展開。
仮想ヴィラン役を務めるプロヒーローは、原作と少し違います。
参加人数が。
キャラがうまく理解できてないため、キャラや言葉遣いが違うかもしれないのでこれは間違っているとことについては、活動報告かメッセージでお願いします。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
『さあ、後輩予定の君達! ラストスパート頑張りなさい!』
低めの女性の声と共に爆発の煙の中に地面から立ち上がるように現れる巨体。
それは人間の形ではない。
長い首、四肢、コウモリのような大きな翼。
重い足音と共に煙から出てきたのは、ドラゴンであった。
その姿を見た受験生達は、目を見開き、すぐにそれが誰なのかを理解した。
「ドラグーンヒーロー、リューキュウだー---!!」
そのドラゴンが身に着けているコスチュームとその姿からすぐに誰なのかは理解されたようだ。
女性プロヒーローで、個性は『ドラゴン』。十位以内のビルボードチャートに入っている人気ヒーローである。
「仮想ヴィランは、プロヒーローが務めるのね!」
「待て! まだ誰か出てき…っていっぱいいるし⁉」
ドラゴンの姿のリューキュウの後方から彼女の足元を走ってくる人間達がゾロゾロと現れる。
彼らは同じコスチュームで顔は分からないが、バズーカ砲のような物を手にしている。
そんな彼らと共に現れるもうひとりのヒーローがいた。
「ギャングオルカだ!!」
「見た目がヴィランっぽいヒーロー3位もかよ⁉」
個性『シャチ』のプロヒーロー、ギャングオルカは、見た目が怖いということでそんな不名誉な順位にランクインしている。
実力は非常に高いのだが、本人の気持ちとは裏腹に見た目が怖いということで残念ながら子供からの支持が……という本当は子供好きなのに悲しいヒーローでもある。
強面系ヒーローキャラも実は無理をして演じているらしい。
「ん? なんかリューキュウの背中に誰か乗って……、あっ、飛んできた⁉」
「なんか熱気が……、って、うそだろー---⁉ あれ、あれって…!」
「エンデヴァー----⁉」
まさかのお前かよとばかりに飛んでくる火の玉のごとくヴィラン役を務めるエンデヴァーの登場に色んな意味で驚く受験生達。
ザギとの一件でほぼ新しい話題が出てこなくなっていて、世間が落ち着くまで大きな活動は控えているかと思われていたがまさかここで…と。
仮想ヴィラン集団の登場と共に、試験会場の放送マイクから要救助者の収容場所をヴィランが狙っているという新しい試験のシチュエーションが伝えられた。
つまりヴィランから救助された市民を守りつつ、全ての救助を終わらせろということだ。
「救助活動には不測の事態が起こらぬと考えるな!」
自身の個性である程度空中移動が可能なエンデヴァーが試験会場のある一画に飛び降りた。
「クッソー! ザギの右腕ひとつでコテンパンにされて犬神家にされてたくせに!」
「そーだそーだ!」
「ええー--い! いつまでもほじくり返すな!!」
「怒った怒った!」
「沸点低いなやっぱし!」
「待てー--!」
救助中の受験生を襲って妨害する役を演じるエンデヴァーの炎上ネタをしっかりグサッと刺し、救助する者達と救助活動場所からヴィランを引き離す担当を務める者達で分かれて行動する。
「……きちんと学習しているのか疑ってしまうな。」
『同感。まあ、今は今年の受験生達のために心を鬼にしなきゃ。さて…。ん?』
ザギの一件で少しはエンデヴァーの気性が落ち着いたかと思っていたギャングオルカとリューキュウだったが、そうでもないようだと頭痛を感じつつ、そう言葉を交わして仮想ヴィラン役を果たすべく要救助者達が集められている場所に目を向けるとそこにいた人物がまず目に留まった。
黒を基調とした赤い光る胸部のコアと、赤く光る両目部分と赤く光る表面の模様のパワードスーツが仁王立ちして背後に要救助者達のいる場所を守るようにそこにいた。
「む…、あれが新コスチュームを纏った緑谷出久か。」
『中々イカすコスチュームじゃない。見た目から入るのはいいわね。』
「だがそれだけではプロヒーローには届かぬ!」
ギャングオルカがリューキュウの背に飛び乗り、リューキュウとギャングオルカのサイドキック達であるバズーカ砲みたいな武装の集団と共に突撃してきた。
出久は両腕を前に突き出し、両手を前に向かって開く。
直後リューキュウの巨体が見えない何かに衝突して大きくのけぞり、前方を走っていたサイドキック達もぶつかって弾かれて後方に飛ばされて後ろにいた者にぶつかって倒れたりした。
リューキュウが衝突した時に一瞬だが要救助者達がいる場所全体を包む白っぽい球状のバリアが目視できた。
『いっ…たぁ……、そういえばバリアが使えるんだったっけ…。くぅ…、こんな痛いの久しぶりだわ。』
「だいじょうぶか?」
『うぅ…、ぐわんぐわんする…。体中をなんか雷が駆け巡ったような…。』
危うく後ろへ倒れるリューキュウに潰されかけたギャングオルカだったがバリアに弾かれた直後に飛び降りていた。
「あれでは救助した者を入れることが…、なっ、なに⁉」
『敵味方の識別はできます!』
強力なバリアは味方を守れるが外にいる味方の侵入ができなくなると指摘しようとした直後に、運ばれていく要救助者と一緒に受験生がバリアを通り抜けたのを見てギャングオルカが驚いた。
その理由について出久がギャングオルカ達に敵味方の識別が可能なことを言った。
出久の背後にホログラムのザギがスッと現れる。
まるで出久の守護者のように。出久の戦いの補助をするかのように。
「なるほど…、ザギが味方か否かを識別しているのか。このバリア…、リューキュウでも破ることができないということは……。」
ギャングオルカが出久のすぐ目の前まで近づき、拳を振るった。
拳はすぐにバリアに阻まれて、その腕ごとギャングオルカの大柄な体が後方に吹っ飛びかけてなんとか体勢を整えて倒れずに済んだ。
続いてシャチの能力である超音波を利用した攻撃も行うが、これもバリアに阻まれて出久に届かなかった。
「俺でも無理だな。理解した。しかし……。」
ギャングオルカは、構えを解き、出久を見た。
「長くはもたんのだろう?」
仮想ヴィランとして登場する前から試験の様子を見ていたのだ。だから二次試験開始からエネルギー切れが近いことをギャングオルカ達は把握していたのだ。
実際出久の両腕は震えていた。
必死に震えを抑えているようだが、全身を襲う倦怠感と脱力感のような症状で胴体どころか足も震え始めていた。
「試験終了までに守り切れるのか? 耐える気か?」
『うぅ……、信じて…ますから…!』
「そうか。だが…。」
直後ギャングオルカが戦闘態勢に入り、バリアを殴った。
『うぐ⁉』
「やはりか。バリアの強度を維持するにも衝撃に耐えるのにもエネルギーを使うのだろう? 最初に殴ったときに辛そうに俯いていたぞ?」
『!』
「やせ我慢をするなら、敵に悟られぬようとことんまで道化を演じきれ。でなければ…。」
ギャングオルカがバリアを攻撃することで来るダメージを我慢して攻撃を続ける。
そのたびに出久の体が跳ねて、とうとう顔を上げていられなくなり、膝が目に見えてガクガクと震えて折れ始めた。
「負けて死ぬだけだと覚えておけ!」
ギャングオルカは、拳から血をたらし、体に伝わるバリアのダメージに耐えながら攻撃を続けた。
すると立ち直ったリューキュウまでもが攻撃に加わってきた。
出久はそこまでくるとついに片膝をついた。
胸部のコア部分が警報を伝えるように点滅する。
「やめろやクソがー-----!!」
「緑谷!」
そこへ爆発ターボでぶっ飛んできた爆豪と爆豪の足に掴まって一緒に飛んできた轟が駆けつけてギャングオルカとリューキュウに飛びながら攻撃を仕掛けた。
爆発と共に氷塊が襲い掛かり、バリアへの攻撃の中心だったリューキュウとギャングオルカが飛びのく。
「加勢するよ!」
そこへ真堂や戦闘向けの受験生達が駆けつけて爆豪と轟に加勢した。
同じコスチュームと同じ武装の仮想ヴィラン役をしているギャングオルカのサイドキック達がバズーカ砲みたいな武器を向けて引き金を引いた。
発射されたのは生コン。生のコンクリートだった。
それにいち早く気づいた轟によって氷の壁が生成され、爆豪と加勢に来た者達をその攻撃から守った。
「骨のある後輩ができそうだな。」
ギャングオルカは、傷だらけで血まみれになり痛みで震える手でペットボトルに入った水を頭の上から被った。シャチという個性の都合で乾燥に弱いのでこうして頻繁に水分補給をしないといけないのだ。
バリアに仕掛け続けた攻撃のダメージが思っていた以上に大きかったようで、体が悲鳴を上げているが先ほど出久にやせ我慢をするならとことん敵をだますよう演じきれと言った以上、自分がそれを実行できなければというプライドと意地でギャングオルカは自分が負ったダメージを隠して出久を守るために立ちはだかる受験生達に向き直った。
「俺達のかっこいいところ見てろよ、ザギ!」
汗や土汚れで汚れた顔で笑った真堂が地面に両手をつくと地面を伝って凄まじい揺れが仮想ヴィラン達襲い掛かり足止めしたり膝を折らせて倒れさせていった。
「緑谷とザギは絶対守る。」
轟が氷の橋を即席で生成し、揺れる地面の上を滑って渡りながら揺れから逃れている仮想ヴィラン達を氷漬けにしたりしながらリューキュウに迫った。
そしてリューキュウを封じるべく大きな氷塊を生成するために移動しながら力をためる。
その時。
「しょー---とー----!!」
「チッ!!」
聞きなれているが不愉快極まりない大声と共に飛んでくる火の玉の存在に気づいた轟は盛大に舌打ちして顔を不機嫌そうに歪めた。
氷の橋の生成を止めて後方に一気に飛びのくと火の玉が先ほどまで轟がいた場所を通過して氷の橋を通過して溶かしてから仮想ヴィラン達を爆撃するように地面に衝突した為仮想ヴィラン達の一部が吹っ飛んでしまった。
かろうじて生きているようだが、地面に倒れてぐったりしたりヒクヒクしている仮想ヴィラン達が散らばっている中で立ち上がったのはエンデヴァー。
「避けるなしょー---とー----!!」
「避けない方がおかしいぞ。」
「私情を持ち込むな、エンデヴァー!」
「やかましい!」
「くっ、あちぃ…!」
乾燥に弱いギャングオルカは炎の個性を身にまとうように発動させているエンデヴァーを止めきれない。
再び炎の熱エネルギーを利用した体当たり攻撃を仕掛けようとエンデヴァーが構える。
狙いは息子の轟だろうと誰もが見ていたが、違った。
「いつまでもその目で俺を見ていられると思うな、ザギ!!」
途中で軌道を変え、違う方向へ飛んだエンデヴァーが炎の塊となってバリアにぶつかった。
たちまちバリアに弾かれるエンデヴァーだったが、視覚化しバリアが大きく揺らいでいた。
『あ…ぐ……っ、こんな……とこ…ろ……で…。み…ん……な……ご……め……。』
「出久!!」
パワードスーツの胸部のコアから光が消え、ついに限界を迎えた両膝を地面についてゆっくりと地面に倒れ伏そうとした。それと共にバリアが消える。
だがそれは……、恐ろしい厄災を封じていたパンドラの箱を開ける行為に等しかった。
〔ふ ざ け る な〕
遠のいていった出久の意識を背後から受け止め、優しくどこか深い所へ降ろしてから出久より前へ移動していく黒い存在を出久は見た気がした。
パワードスーツの胸部のコアが光を取り戻す。
しかも輝きが最初の時より強く、体の模様部分の赤い部分と目の赤い輝きも強まった。
パワードスーツのあちこちにある排気口からプシューっと蒸気を吹かし、力強く立ち上がったのは……。
『〔いい加減にしろ……〕』
「お、おま……、ザギ……。」
「ザギ?」
「えっ? えっ? 緑谷は?」
「どうしたんだ? なにが起きて…?」
真っ青になり滝汗をかく爆豪と、反対にキョトン顔の轟。
特に爆豪の様子を見て雄英1年A組の加勢しにきた面々は、とてつもなく嫌な予感を感じ、それ以外は何が起ころうとしているのか分からず困惑していた。
「貴様、まさか……⁉ ブゴゥっっ⁉」
立ち上がったエンデヴァーの眼前に一瞬で移動していたザギがエンデヴァーの前髪を掴み、そのまま彼の顔面をとてつもない速さと力で地面に叩きつけて頭を地面に埋めた。
出久とは全く違うその凶暴な暴力と声音。雄英からの受験生一同は、すぐに何が起こっているのか理解して思わず硬直してしまったし、試験官達も理解してしまった。
こうなる事態は予め想定していたが……、実際に目にすると動けなくなるほど実物が恐ろしかったのだ。
『〔攻撃は最大の防御。……誰が言った言葉だったか。……どうでもいい〕』
出久が疲れて倒れる。
つまりザギのストッパーがいなくなる。
それはすなわち……、ご機嫌斜めの出久限定極悪過保護が野に放たれるということだ。
パワードスーツは、少ないザギのエネルギーの増幅のための触媒としての役割と、出久がその力を自分の意志で使うための役割を担っていた。
これまでは超能力の出力をザギが抑えていたのも含めてザギがそれを許可していなかったため使えない状態だったが、ザギが少しずつ出久の意見を取り入れて渋々使用する許可を出していったのだ。
だがいくらザギが憑依したことで身体能力が常人を超えるほど強化された出久であっても、強すぎるエネルギーを扱うには心身ともに経験も強度も足りていなかった。ザギが抑えてた本来の出力で超能力を使用するのも大きな負担になったのは、体育祭でザギから大怪我を負わされた轟を回復させるのに今まで使ったことがない出力でヒーリングを行ってすぐに倒れたことからもザギが意図的に抑えていなかったら場合の出久にかかる負担が大きいかが分かる。
ザギからの抑制を解いたこと。それが出久の活動限界時間の原因である。
なので実際の残りエネルギー量はまだ余裕があり、出久では使いきれないがザギが表に出るなら話は別ということだったのだ。
爆豪は、一気に来たストレスで白目をむいて倒れそうになったので近くにいた上鳴と尾白が慌てて支えた。
考えた末に、仮想ヴィラン役をするヒーローの人数を増やしました。
敵役を務められそうなキャラは誰かな?っとPixiv大百科と睨めっこして、リューキュウとエンデヴァーを選びました。
エンデヴァーはザギとの一件があるのでその挽回目的もあるって背景もあるってことにしました。
ギャングオルカは、教える側としてもしっかりしてるので原作通りにしました。
もうひとつの理由として最初はホークスをと考えていましたが、プロヒーロー歴の面からエンデヴァーに変更しました。
バリアを攻撃されてバリアを張ってる側に負荷がかかってやべぇってなる展開は、ウルトラマンゼロの劇場版のシーンと参考にしました。
あそこでゼロはカラタイマーが点滅どころか、光が完全に消えて自分が死にそうになるまで踏ん張っていたので。
出久の活動限界時間の伏線については、どうするか悩んだ末に、出久が疲れて引っ込んでしまう(意識を失う)と出久というストッパーがいなくなってザギが好き勝手しだすという恐ろしいことが起こるということにしました。
仮免試験に向けた訓練中には発生ていません。
エンデヴァーは……、本当にごめんなさい!
そこまで扱い悪くしたいわけじゃないのに、なんでかこういう不憫な役回りにしやすくてついこんな役を…!
次回は……どうしようかな…。