ヒロアカ×ダークザギ  ネタ   作:蜜柑ブタ

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急に暑くなってきて、正直しんど…と思う今日この頃。





今回は、短め。


試験後の一場面?

不穏な終わりかも。


このネタのザギは、内面が色々と発展途上という設定です。






それでもOKって方だけどうぞ。







いいですね?


第67話  試験終了後とザギの決意(?)

 

 

 目を覚ました出久は、自分の顔がベショベショに濡れるほど涙を流していることに気づいた。

 枕まで濡れて湿るほど泣いていたらしい。

「起きたか?」

「…先生。」

 カーテンを開けたのは相澤だった。

 相澤は努めて体調と精神状態を悟らせないようにしていたが、それでも疲れた顔を隠しきれていないようだった。

「あの…試験は…。」

「滞りなく終わった。……一応は。」

「…なんですか、その含み……?」

「ザギがお前の体を使って…少しな…。」

「ええー--⁉」

「安心しろ。お前が想像するほどの大事にはならなかった。……こちらとしても完全に予想外だった。」

「ザギがなにしたんですか⁉ まさか受験生かプロヒーロー達になにか…。」

「主な被害はプロヒーローが受けたが、二次試験後半に投入された仮想ヴィランの役だったから一応は許容範囲だ。要救助者役にも、試験官にも、受験生にも手を出していない。」

「そ…⁉」

「信じられないか? …正直なことを言わせてもらうが、俺も信じられん。あのザギが…とな。」

 そんなことある⁉ってメチャクチャ驚いて飛び起きた出久に相澤は眉間を指で揉みながら正直な心情を吐露した。

「ザギが出てきて何らかの行動を起こす可能性は視野に入れての今回の仮免試験の実施と緑谷の受験資格だったが…、結果論から言えば試験実施と緑谷の受験は正解だったという答えになった。」

「それって……、あっ、試験が終わったら合否が発表されるって…、今何時ですか⁉」

「ほら。」

 試験がすでに終わっていること、試験後に合否が発表されると知らされていたため合否が気になった出久が相澤に結果を気にして焦っていると何かを手渡す。

 それは重要な書類などを入れる用っぽい頑丈な封筒だった。雄英からの入学試験合否の通達の時を思い出される。

 出久は震える手で封を開け、中に入っている書類を引っ張り出した。

 半分に折られた書類に目を通すと……。

「う…………うわー-----!!」

「おめでとう。お前達が勝ち取った結果だ。」

 ドバッと凄まじい勢いで泣き出す出久に、相澤が微笑んで仮免試験合格について褒めた。

 お前達とは、出久とザギのことだ。

 正直なところ今回ザギが大問題を起こした場合、今後の雄英の仮免試験受験資格を失うという制約を条件に入れていた部分があった。

 しかし結果的に色んな備えや覚悟は徒労に終わった。

 まさかザギが多少乱暴ではあったが受験のルールを守ってくれるとは思わなかったからだ。

 封筒に入っていた書類にはめ込まれるようについていた仮免試験合格の証である免許証のようなカードには、本来なら受験者自身の顔写真だけが載っているのだが、出久のだけは特別に出久の顔写真の隣にザギの顔写真(たぶん隠し撮りの切り取り)が載せられていた。

 名前も緑谷出久とザギの名前が両方記載されている。

 二人がひとりで仮免試験を突破し、二人セットでヒーローであるということを認めるという公式からの答えといえる。

「やった……、やったぁああああああ! ザギー---! ザギ! 君のおかげだよ! ねえ、ザギってば! ありがとおおおおおお!!」

『〔…………よかったな〕』

 姿はないが出久は泣きながら仮免の免許カードを手にオイオイ泣きながらザギに感謝すると、出久の内側からザギの照れ隠ししてるような素っ気ない答えが返ってきた。

「…聞こえているかザギ。……担任として感謝する。」

 相澤が出久の様子からザギが外の声を聞こえていると見て、教師としてザギに感謝した。その表情は受け持つ生徒の努力が実ったことへの喜びと、ザギがこちらに歩み寄る姿勢を見せてくれたことに対して綻んでいた。

 

 

 〔お前のためじゃない。出久のためだ。出久がプロのヒーローになればオレが見た未来が完遂してお前らを自由に排除するためだ〕

 

 

 相澤の感謝に応えず、ザギはあくまで自分の我を通すための足がかりに仮免試験をわざわざ合格に導いたのだ。

 全ては出久のため。ヒーローになったらすぐに辞めさせるため。

 ザギが未来視してしまったことで確定された未来に必要な存在や要素が排除できないからさっさとプロヒーローデビューさせるという考えにシフトしただけ。

 それが終われば因果に縛られずザギが出久に害悪だと判断したもの全てに手を出せるようになる。要するに社会的にも物理的にも排除してこの世から消せるようになる。

 今の段階だとそれができない。

 出久が雄英に入学する前からヒーローになる進路から遠ざけようと色々細工したりしたが全て失敗してここまできたのだ。未来予知による因果が確定されていることが影響しているとしか考えられない。

 出久がヒーローになる未来までの過程に自分も関わるのならそれに身を任せるしかない。

 それがどれほどに気に入らないことであっても、時が来てその先へ進めば終わるはず。

 それまでの我慢だとザギは己に言い聞かせて試験中はなるべく抑えた。ヴィラン役を多少圧倒する程度にしてやった。

 

 

 〔うん万年以上生きてきたがこうも時間の経過に焦れることがあるとはな……。それもイチ生命体に…。笑うなよノア! オレはオレのやりたいようになってるだけだ!〕

 

 

 くどいようだが本当に自分らしくないことに力を注いでいることに頭を抱えて悶絶しつつ、どこかで見ているであろうノアに文句をぶつけるが向こうからの反応はいまだない。

 あの時に笑われたと感じ取った時から向こうも気を張っているのか知らないが、きっと変わらず近くでこちらを観察、監視しているに違いない。

 そもそもなんのつもりか…、完全復活後に自分を完全に殺しきれなかったから追いかけてきたのか。

 

 

 〔アイツ(ノア)は何を考えているか…、分からん!〕

 

 

 ノアを倒してやろうとあれこれノアを調べたり、戦いに備えて力をたっぷりつけたつもりでも結局相打ちからの復活した者同士で今度は手も足も出ないほどの差をつけられて完全敗北。

 ここから更に何をしようというのか?

 やはり前にいた地球での一件やその他もろもろの罪状から警戒してわざわざ本人が監視しているのか。

 

 

 〔……それならそれでさっさと出てくればいい。だが…、出久の平穏無事を引き換えだ〕

 

 

 そこだけは譲れないとザギは考える。

 ノアなら後始末を引き受けろと言われなくともしそうであるが、ザギは自分のことより出久は優先すべきものだから絶対に出久に不幸を残したまま終わりたくない。

 

 

 〔出久の今後が保証できないまま、先に終わってたまるか!〕

 

 

 それだけ本当に絶対に譲れないとザギは折れる気はない。

 もしノアを始めとしたウルトラ一族が自分を抹殺しに来て、ザギを倒した後に約束を反故したなら……枕元に立つどころか末代先まで呪って害悪を振り撒く怨念になる自信がある。

 関係ない奴らへのとばっちり? 知ったことか。

 

 

 〔出久だけが無事ならそれで……、オレは、どうでもいい。…………ああ、そうか〕

 

 

 ザギはその時間違いなく自覚した。そしてそれを受け入れた。

 

 出久だけでいい。

 出久の故郷も、出久の周りにいる人間達も、そして何より自分自身も。

 興味関心が多少あったとしても切り替えられる程度の価値しか見出せない。

 ノアは自分の出生とこれまでの人生で切っても切り離せないから別として、それ以外はもう……。

 

 

 〔そうか…。そうだ。もう分離はできない。なら、そのまま……、このまま……〕

 

 

 するとザギのホログラムが出現した。

 嬉し泣きで泣きっぱなしだった出久の後ろから抱きしめるようにする。実体がないホログラムだから感触なんてない。

「ザギ?」

 出久がキョトンとしてザギを見上げた。

『〔……このまま…〕』

「うん? どうしたの? もしかしてやっぱり…、ザギは仮免取ったの嫌だった?」

『〔出久が欲しがっていたものだ。出久が喜ぶなら…〕』

「! あ…、ありがとう…!!」

 出久はザギが仮免の免許証を取ることについて受け入れてくれたと純粋に嬉しくて喜んで笑ってお礼を言った。

 ザギの胸中を知らずに。それはそんな二人を見守っている相澤もだ。

 

 

 〔ずっとこのまま……、出久のためにオレは存在し続ける。それでいい〕

 

 

 これでいい。

 このままでいい。

 万が一、ノアやウルトラ一族とかが自分を罰しに来たとしても構わない。

 出久だけが平穏無事が保証されるなら抵抗せずに自分を差し出してあっけなく死んでいい。

 その代わり、出久の平穏無事を保証するという約束を保護するならば話は別だ。

 地獄から、あるいは虚無からでも復活して呪いとなって約束を反故した奴らとそれに連なる奴らすべてを終わりまで呪いつくしてやる。

 

 

 〔笑いたきゃ笑えばいいさ、ノア。これが今のオレだ〕

 

 

 モヤモヤが晴れたかのように、今のザギは清々しささえ感じていた。

 実体のないホログラムの姿で抱きしめている、ちっぽけな命に過ぎないたったひとりの少年のためだけに自分をそっちのけにしてもいいと覚悟を決めたことがきっかけだった。

 

 

 

 

「よかった、デクくんとザギ! 二人ともおめでとう! ……でも、なんやろ? この胸騒ぎ…?」

 試験会場の救護室の扉の隙間から様子を見ていた麗日が嬉し泣きしていたが、胸の内に湧き上がる言いようのない不安感に喜びの気持ちが揺らいだ。

 その悪い予感の正体がなんなのか分からず、麗日は必死に悪い予測を頭から振り払おうと耐えた。

 

 

 一方、銀色の身を持つある存在は、ザギの様子とその胸中の変化を見て、そう来るか…ヤレヤレといった様子でつい肩をすくめた。

 

 

 

 




ザギが大変な方向に吹っ切れた。
別に恋愛感情云々じゃなく、生まれたてのヒナが親だと思った相手に懐いたの延長っぽい感じです。
この時点でザギのその変化に気づいたのは、ザギにとって切っても切れない因縁にある銀色のあのお方だけ。
麗日もなんとなく嫌な予感を感じているけど、その正体までにはたどり着けない。

ここからどう軌道修正して、真のウルトラマンへの道に到達するか。そこを書いていきたい。

次回当たりで不合格者を出すかどうするか考えないと……。
原作通りにしてもいいかもだけど、出久が関わらないからな……。
いっそ全員合格でもいいか?

あとそろそろオリジナルの敵を出そうかと考え中。

インターンと潔癖ヤクザのイベントも出さないと…。
ナイトアイとザギの絡みをどう書こうか……。悩む!
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