勢いがあるうちに書けるだけ書いてみる。
今回はインターン初日。
ナイトアイの事務所でひと悶着?
初っ端からギスギスです。
出久がたぶんこのネタ初でマジギレしてザギに怒ります。
それでもOKって方だけどうぞ。
いいですね?
「つ…ついに来た!」
『〔……〕』
緊張しまくりでガチゴチになっている出久の後ろで不機嫌オーラを出しているザギ。
眼前には、ヒーロー・ナイトアイの事務所。
街中にあるためグラントリノのボロボロ事務所とは比べ物になんてならないほど立派で綺麗な建物だ。いや、グラントリノの事務所が極端だったと言うべきか。
ともかく諸々の書類のサインとインターンの日数などのスケジュールを組み、その間の学業ができない分をどう補うかなどを考えてからインターンの日を迎えた。
〔ピリついた感情が漏れているな…。ナイトアイとかいうヒーローか?〕
インターン初日で緊張でそれどころじゃない出久は気づいていないが、ザギは事務所を見た時から何やらピリッとした負の感情を感じ取っていた。
殺気に近いようでそれよりは軽く、柔らかい部類だが敵意だ。
元オールマイトのサイドキックを務めていたヒーローであるから、その関係で引退したオールマイトに大きくかかわったザギに敵意を向けるのは当たり前かと思われる。
オールマイトが平和の象徴として多くの支持とファンを獲得してきたのだから、その傍で共に生死がかかる体験をしてきた者ならオールマイトへの思い入れは尋常じゃないだろう。
ザギのために個性と自身の身を差し出したオールマイトを、嫌々渋々であったがオールマイトを一口かじって個性を喰って奪ってエネルギーの足しにしたのだ。結果オールマイトは、それまで隠してきたトゥルーフォームを世間に晒すことになる、個性を失って引退となった。
ザギは、あれで個性と個性を持つ人間がゲロ不味いと知った時のショックの方が大きくて、あの時の決死のオールマイトの献身や決断なんてひとつも記憶にないぐらいだったりする。
体内にオールマイトの個性であったワンフォーオールはあるが、オールマイトに戻すことも検討されたがオールマイトの意見と、オールマイトの健康状態から戻さないという結論に至っている。
ワンフォーオールは、他者へ譲渡できる特殊な個性であったらしく、オールマイトは師匠であったヒーローから譲渡されて受け継いでいたようだ。その師匠だったヒーローもその前のヒーローから受け継いだようで、何人かに渡って現在まで継承してきたようだが、その結末がザギの腹に収まってエネルギーの足し程度の扱いで実践に使われることなくザギの中にあるだけなのはある意味で過去の継承者達の努力も意思もゴミに捨てるようなものだったかもしれない。
だからこそいまだにオールマイトの決断に納得がいっていない人間は少なくない。
恐らくナイトアイもその部類と考えられる。
出久はこのまま突っ立っていても仕方がないので意を決して事務所の受付に行き、ナイアイの所長室に通された。
ノックをして入室を許可されてから入った瞬間に浴びせられる、鋭い眼光。
並みの人間ならそれだけで失禁か腰を抜かすほどの圧がある。
ザギからしたらそよ風にも劣るが、出久はガクブルだ。
それだけで十分すぎる地雷だ。
出久限定極悪過保護のザギにとっては。
「私を害するつもりですね?」
圧がフッと消えたが鋭い眼光はそのままにかけている眼鏡を指で押さえる仕草をした男、ナイトアイが椅子から立ち上がった。
所長室に設置された仕事用の椅子と机から離れ、応接用のソファーの方へ移動し二人に座るよう促す。
「まずは座りましょう。話はそれからでも。」
「ざ、ザギ…。」
出久はザギがナイトアイを敵と認定したと即座に感じていたので焦りつつ、言われた通り対面する形でソファーに座った。
ザギはホログラム姿であるが、ふてぶてしい態度丸出しで出久の隣に座っている。
「ふむ…、噂とデータに違わぬ過保護っぷりと、緑谷出久くん以外への敵意だ。」
「あ、あの…。」
「ああ。すでに知っているでしょうが改めて自己紹介します。私は、この事務所の所長、ヒーロー名は『ナイトアイ』です。インターンの期間、よろしくお願いします。」
「み、みみ、緑谷出久です! よろしくお願いします! こっちはザギです!」
「ええ、知っていますよ。とんでもないレベルの君限定の極悪な過保護だそうで。」
「ぼ、僕のこと以外は、…どーでもいいって言い切ってて…。なんていうか…。」
「ふむ? それは初耳だ。そこまで君に執着する理由が何かあると?」
「それは……。」
『〔言いたいことがあるなら、さっさと言え〕』
ザギが苛立った口調でナイトアイに言った。
「……やれやれ、本心を隠した表面的な礼儀のあるコミュニケーションもロクにできないのですか?」
『〔必要ない〕』
「…なるほど、それだけ緑谷出久くん以外はどうでもいいから会話すら必要ないと? だが、全く誰ともコミュニケーションを取らないというわけではないのでしょう? 例えば緑谷出久くんのクラスメイトなど。」
ナイトアイの言う通り、一部の人間の言葉には返答を返すこともある。
だがそれをするかはザギが決めることだ。とやかく言われる筋合いはないとザギは思っている。
「雰囲気でなんとなく分かりますね…。そのお顔は仮面のようで表情筋はないように見受けられるが、不思議と感情は分かりやすい。右腕だけでもコミュニケーションが取れたのもそのせいか…。それでも緑谷出久くん以外は本気でどうでもいいとしか考えていないと? 今後もその考えを変える気は一切な…。」
『〔ない〕』
ナイトアイが言い切る前にザギがきっぱり言った。
腕組して、足も組み、態度で拒絶を示すように動く。
「緑谷出久くんに頼まれても?」
『〔その時はその時だ〕』
「おや? 矛盾していますね?」
ナイトアイが眼鏡を指で動かした。
「あなたはついさっき緑谷出久くん以外との他者のことはどうでもよく、コミュニケーションは必要ないという考えを変える気もないと言ったにも関わらず、緑谷出久くんに頼まれればその通りにすると言うのですか? それだと緑谷出久くんの言葉に従って意見をコロコロ変えると捉えられる言葉。矛盾していると分かっていないのですか?」
『〔出久が望むなら何でもする〕』
「ザギ…。」
あっさりと重たいことを言い切るザギに、出久は困った顔をした。
『〔出久のためなら…、死を望まれても構わないとさえ考えている〕』
「ザギ⁉」
『〔ただし…〕』
とんでもないことを言いだすザギに慌てる出久を遮るようにザギが言葉を続けた。
『〔出久の生涯の平穏無事が条件だ。それが破られたなら……、約束を違えた奴ら全てに死を、そして宇宙を滅ぼす呪いになる。決定事項だ〕』
「重たい! 重たすぎるよザギ!」
重いと言っているが重いで片づけられないレベルのことを当然のことのように言い切るザギに、頭を抱えて大きく項垂れてしまう出久。
一方ナイトアイは、言葉を失っていた。
口の端が引くついて、汗がたらりと垂れてしまっている。
「……侮っていたわけではないのですが、どうやら私が考えていた以上…過ぎたようだ。まさかこれほどとは…。」
意味なく眼鏡を指で押さえて自分の精神を落ち着かせようとしているようだが、オールマイトの元サイドキックとして、ベテランヒーローとしての経験値を総動員して必死に冷静さを保とうとしている。
『〔はあ…、何が元サイドキックだ? オレと対等の土台に立とうとしたのか? グラントリノといい…、アイツの方が遥かにマシだ。出久、オレとしては、インターン先として選ぶならあの老いぼれの方が正解だったと思う〕』
「えっ⁉ そう思ってたの? でも、グラントリノは長期出張があったからできなかったんだよ…。それは知ってるでしょ?」
『〔終わってからで良かったんじゃないかってことだ。確か、ソッチの方が呼び寄せたんだった…か?〕』
ザギがナイトアイよりグラントリノの方がインターン先として良かったという正直な気持ちを伝えたため、出久は顔を上げてザギを見て驚きつつグラントリノがインターン先に選べなかった理由を言ったが、それでも長期出張が終わってからすればよかっただろうと急いで決めなくてよかったんじゃないかと言うザギに出久は黙ってしまった。
「…グラントリノのことは認めていると?」
『〔他より多少はマシって程度にはな〕』
「私は落第点だと?」
『〔点数を付ける意味もない〕』
「そこまで言いますか。」
『〔ところで……、宝を隠すならもっと離れた場所に隠すべきだったな〕』
「!」
次の瞬間、所長室の壁の片側が見えない力で破壊された。
そこは隠し扉になっており、その先に隠し部屋があった。
ザギのサイコキネシスによって中に収められていた物がいくつも宙を浮遊しながら所長室の方へ持ち出されて来る。
それを目にした出久の目が大きく見開かれた。
「お、オールマイトのグッズだー--! それも十数年前の数量も期間も限定品で、二度と手に入らないから写真でしか見たことない幻の物ばっか! まさかサー・ナイトアイ…⁉」
元オールマイトのサイドキックであったナイトアイ。
恐らくその立場を利用して二度と手に入らない限定グッズを手に入れやすかったのだろう。
ナイトアイの顔からドッと大量の汗がにじみ出て、顔色も悪くなる。
ナイトアイの目がジッとザギを見据えている。その目線は『何をする気だ?』と言葉にせずに問うている。
ザギは、鼻で笑う。
次の瞬間、ザギが指をパチンッと鳴らした。
直後、浮遊していた無数のグッズが爆散するように破壊された。
「ギャーーーーーーー!!」
悲鳴を上げたのは出久であった。
事務所に響き渡りそうなほどの大声で、オタクの彼にとってあまりの衝撃的な出来事に卒倒しかけていた。
ナイトアイもぐらついたが、辛うじて耐えてザギを最初の時以上の眼光で睨んできた。
ザギは、クスクス笑う。わざとらしく笑っていたが、次の瞬間に霞が晴れるようにその場の空気が変わった。
そのことに気づいたナイトアイがハッとして周りを見回すと、破壊されたはずのオールマイトグッズを隠していた壁は破壊されていなかった。
念のためと立ち上がり隠し扉を開けて中も確認したが、先ほど破壊されたはずのグッズはそのままの形でそこにあった。
ナイトアイは、ザギに弄ばれたと理解しその場にへたり込んでしまった。
オールマイトの元サイドキックであると同時に、とてつもないオールマイトオタクであるナイトアイにとって生涯で集めた大切なオールマイトグッズを失うことは命を削られるような痛みを伴ったのだ。
しかしそれがすべて幻だったと分かり、ナイトアイはふらつきそうになる足を叱咤するように殴って立ち上がってソファーの方に戻ってきて座りなおした。
『〔…出久?〕』
「ああ…あああ……、オールマイトの……オールマイトのぉ…。」
『〔あれは幻覚だ。破壊していない〕』
「……えっ⁉」
涙を流してショックで放心していた出久だったが、ザギがあれはザギが見せた幻だったと伝えるとやっと我に返った。
ザギの顔を見上げ、出久は……。
「ザギ………、いくら冗談のつもりでもやめてよね? 僕…、ショックすぎて死ぬって実感しかけちゃったから。」
『〔二度と出久には見せないと誓う〕』
出久には二度と幻覚を見せないようにするが、だが相手に幻覚を使って嫌がらせをするという悪趣味はやめないと意味を込めてくるザギ。
黙ってジッと見つめてくる出久。その視線に込められた出久の言いたいことを読み取り、ザギはふてぶてしい態度はどこへやらでたまらず小さくなってしまう。さすがにやり過ぎたと叱られた子供のように身を小さくしている。
だがナイトアイへの釘を刺すことは忘れない。
『〔下手なことをするなら、あれが現実になると知れ〕』
ナイトアイを指さし、宣告する。
ナイトアイは、自分に向けられたザギの尖った指先を見て、それから目を閉じて大きく息を吐いた
ナイトアイは、己が相手にした存在を甘く見ていたと己を呪った。
弱み(宝物であるオールマイトグッズ)を握られていない分を差し引いても、グラントリノの方がマシとザギに評価されていることの意味を思い知った。
年の功とはよく言ったものだ。
ザギのことを『虐待されて育った天才児』と表現したぐらいだ。ザギが歩んだ歴史と本質的な部分を彼なりに分析してザギが会話が可能な高度な知能を持つ存在であることを踏まえて会話による理解と歩みよりをしようとしたのだ。
その結果、ザギは他よりはマシだとグラントリノを評価している。
それはグラントリノ以外は論外だと言っていることに他ならないのだが……、少なくともザギが会話が可能で相手を理解するだけの知能と心を持っているという確かなデータを出したのだ。
グラントリノができたのだから自分にもできると考えてしまった。自分が浅はかだったとナイトアイは、自分の未熟さを痛感した。
オールマイトのイチファンとして、オールマイトの身を案じてワンフォーオールの秘密を知る者としてワンフォーオールの継承の大きな意味を理解する者のひとりとして、神野事件でのオールマイトの決断でワンフォーオールをザギに喰わせて実質ワンフォーオールを消し去ってしまった結末に言いたいことがたくさあった。
オールフォーワンの個性を喰った際にザギが自分の中に記録した個性は残り続けると実証したことで、ワンフォーオールを取り戻せる可能性があるとして直接ザギに頼むつもりでもいた。
だが直接対面して会話をしたらこれだ。
肉食性で知的生命体を食べることがエネルギー補給の一番の手段であるが、この星の知的生命体にある個性と個性持ちは不味いからこれ以上は食べる気は起きないらしく、逆に先に食べた個性を出す気もないと見た。林間合宿で拉致されたラグドールががオールフォーワンに個性を奪われた後、個性を戻してもらったのは出久の必死な頼みの甲斐あってのことだ。
ヒーロー全般を下に見て嫌っている傾向のザギは、特にオールマイトを嫌っているためザギがワンフォーオールを出してくれるだろうか?
オールフォーワンから個性を喰ってみせたのもヴィラン連合の個性を奪ったのも、単なる嫌がらせと出久を害した報復だったらしいということを考えると、嫌がらせで意地でもワンフォーオールを出してくれない可能性が高い。
ワンフォーオールの継承者として見出した人材として、ルミリオこと通形ミリオを育てあげてきたこともあってなんとかワンフォーオールを取り戻したいが……。
ザギのこの頑なさを目の当りにしたら無理だと思い知らされる。
「ザギ……。ナイトアイに酷いことしないって約束できない?」
『〔……〕』
「さっき君が言ったよね? 僕のために死んでも構わないけど、そのあと僕に何か良くないことが起こったら、何もかもを呪ってやるって……。もし、さっきみたいなことを本気でやるなら僕が君を呪うよ?」
『〔できる限り…努力する…〕』
「絶対やらないって言い切れないところがザギの悪いところだよね? 知らないところでやればいいとか、バレなきゃいいって思ってるんでしょ? たぶん、ずっとそんな感じでやってきたんでしょ?」
『〔その通り過ぎるから否定はしない〕』
「分かった。僕は君を未来永劫呪うって決めたよ。君にできて僕にできないってことないんでしょ? だって僕ら、分離できないし。」
『〔……よく理解している。出久は賢い。…賢いから困るぞ〕』
「ザギ、君が悪すぎるから僕はそうせざるおえないんだ。そのうち僕の中にいる君に直接お仕置きできるぐらいになってやるって気持ちでいるからね? でも勘違いしないで? ザギのことが嫌いだからそうするんじゃない。君が悪いことをしたら悪いことしたらダメって叱って痛い目見るって覚えなきゃいけないって、心が痛いけど君のためだから仕方なくやるってことだから。」
『〔因果応報なんて嫌というほど味わった。あれ以上の報いを受けても大したことないとしか感じないかもしれない〕』
「それはそれ。これはこれ。ザギは、僕にとことん嫌われたいのかな?」
『〔う……〕』
「それが一番嫌なのに、どうして僕の嫌なことばっかりしちゃうかな~? 君なりに頑張ってるってのは分かってるよ? でもね、僕だって限界があるんだから。仏の顔も三度までっていう言葉あるけど、それ以上に君の悪事は見逃して許してあげてるってことと、それにも限度があるってことを分かって…よね?」
出久がにっこり笑ってザギに宣告した。
いくら寛大でもあっても、二度と分離できない関係であったとしても、いつまでもザギのやることを許し続けられないと。
限界が来たときは、ザギが出久のために全てを呪って害すると宣言したように、出久がザギを呪って何かしらの害悪になるというのだ。
よっぽどナイトアイが所持していた超レア限定グッズをザギが破壊する幻覚を見たのが堪えたのか、ザギに対する許しの許容量が限界に達しかけているという意味も込めて忠告する出久に、ザギはこれ以上は何も言えなくなった。
「悪いことはしないで誰かのためになる良い事をしたら、君のこともっと好きになると思うからさ。そっちの努力もしてみない?」
出久は笑顔でそう提案してきた。
ザギは、少し考えてから小さく頷いた。
そんな二人の様子を見ていたナイトアイ。
ザギが出久を最優先にしてるのは間違いないうえに、現状のザギは出久に嫌われることを何より嫌がっている。
そのため出久の意見なら耳を傾けるし、出久を介してなら別の相手の言葉も聞き入れなくもない。
だがザギにとって自分のせいで出久が利用される状況は完全に地雷であり、そんなことをすれば地球ごと滅ぼしても構わないとさえ言い切るし、自分が望まれて死んでもその後の出久の安息が約束されないなら宇宙を巻き込んで害する相手をすべて呪って滅ぼすとあっさり宣言するほどには出久に固執している。
地球上でザギに対抗できる手段は恐らくない。いまだ手の届かない高さにある宇宙に安易に飛び立てない地球人類ではザギと対等になるなんてあと何万年…何十万年かかっても可能かどうか分からない。
ザギがどこから来て、何者なのかは分からないが地球の常識では推し量れないほどの超常的な域の何かだ。
いつか地球人類が宇宙へ飛び立つか、あるいは宇宙の向こうから訪問してくるか。恐らくザギは目的があって今地球にいるわけではないはず。出久と出会ったのも偶然だ。個性という超常能力と外見が当たり前になった時代が重なったせいで出久の体内に居候したザギの存在に気づくのが遅れたのは確かだろう。
出久が4歳の時点で無個性と診断されたが遅れて個性が覚醒したということで簡単に片づけられるからだ。個性というには多彩な能力がいくつも使えるとしてもだ。両親の個性とは違う突然変異で全く違う個性を宿すこともあるため、いくら当たり前になったとはいえそういった理由で個性というものがいまだ未知数だということもあり、出久の身に発生した異変すらも割とすんなり受け入れられたのだ。
まさか地球外の存在が宿ったことで力がついたなんて……誰が想像する?
雄英から又聞きでオールマイトが異星人が地球に来て紛れ込んでも誰も気づかないんじゃないか?と口にしたことがあったそうだが、確かにとナイトアイは同調した。
異形型個性への偏見はいまだ根強い地域や思想があるが、その人数が増え、多様性を受け入れようとする運動や考え方の変化で受け入れられつつある昨今で、ザギがそのままの外見で現れてもそういう外見の個性…としか思われないのでは?と。
もっと早くザギと接触出来たら今の状況にはならなかったのでは?という意見もあるしナイトアイもそう考えていた。
しかしザギが体育祭までたまに顔を出す瞬間はあってもほぼ身を潜めていたことや、唯一ザギに接触した当時6歳の爆豪を脅して黙らせていたこともあるし、仮にそれより前から姿を出していたとしても別人格が宿った異形型個性の突然変異としか思われなかった可能性が十分あった。
それにザギは凶暴だ。体育祭の時には低レベルな子供の喧嘩のようなことをしつつ、1年生の生徒をひとり殺しかけたし、エンデヴァーを二回も一撃で倒してしまうという不祥事を起こしている。
出久がザギを認識し、コミュニケーションを取れるようなってから少しずつだが出久以外に噛みつきまくる獣状態は緩和してきたのだから、早い段階で接触出来てもコテンパンに倒されるなりされて社会的に殺されたエンデヴァー以上の大惨事が起こっていたかもしれない。だから早い段階でザギと接触せずに少しは会話ができる程度に大人しくなってからの今じゃなければまともに顔を合わせることすら叶わなかったのだとナイトアイは痛感させられた。
「これは……、いまだかつてない経験になりますね。」
ザギとの交流は自分が望んだことだが、この経験はきっと役立つだろうとナイトアイは前向きに考えるようにした。
相変わらずダラダラ長い説明文ばっかりになったような……。癖って抜けない。
ナイトアイがザギと直接話をしたかったのは、オールマイト直々に差し出されて喰ったワンフォーオールの返却(※取り出してもザギの中には記録されていて残る)を求めようとしていたということにしました。
誰よりもオールマイトのファンであり、オールマイトの身を案じてワンフォーオールの継承者の育成にも力を入れていた人だからこのネタでああいう形でワンフォーオールが無くなったということに納得がいかない第一人者になりそう…ということでこう書きました。
しかしそもそも会話はできてもザギが頑ななことと、若干見通しが甘かったからグラントリノのように上手くできず、宝物のグッズの在処を知られて弱みを握られたりと完全に踏みつけられた形に。
グッズを破壊した幻覚のせいで出久がガチギレしちゃってザギとしては、やっちまった…っていたずらが過ぎたことを反省してますが、ナイトアイへの敵意は変わらずです。
さて、ここからどうナイトアイが出久とザギの関係や力の使い方とかにプラスになっていくようにするか悩みますね……。
通形のこともありますし。
潔癖ヤクザのイベントも絡みますからそれも合わせて何らかの変化に繋がるようにしたいところです。