ヒロアカ×ダークザギ  ネタ   作:蜜柑ブタ

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書きたかったけど、なんか進まなかった。
申し訳ない。いつものことですが。


今回は、やっとこさインターン編の大事件となる鍵のキャラとボス敵である潔癖ヤクザと接触する。

原作とは違う展開となっています。


最後の方は、おや? ザギの様子が?
って感じを目指しました。





それでもOKって方だどうぞ。






いいですね?


第78話  個性社会の闇の濃縮を背負わされた幼子の保護のため

 

 

 その少女は、どう見ても訳アリにしか見えない。

 しかも十歳にも満たない幼子。

 少女の格好は、普通じゃない。コスプレであっても、見える手足や首に包帯を巻いていて白い病人服をしているのは違和感と奇妙ささしかなく、おかしい。しかも裸足だ。

 しかも少女は泣きそうな顔で、何か訴えようとしているような感情をにじませているようにも伺える。

 幼すぎることや辛い体験のせいで上手く伝えられないように見える。

 足首まで包帯が隙間ないほど巻かれた裸足の足が震えている。

 ここで何か言わなければダメだと少女は分かっているが、行動に移せないほどのプレッシャーに苛まされている。

 それは出久だけじゃなく、先にインターンで活躍していた通形の方も気づいたようで出久より早く動いて少女の前で膝を地面につき、目線を合わせる。

 少女はビクッと軽く震えた。

「どうしたの? なにか困っているのかい? 俺達ヒーローが君の困ったことを解決してあげるよ!」

「…っ。」

「ここじゃ話せない? 人目が気になるなら事務所に…。」

 

「壊理(えり)。」

 

 そこに男の声。

 建物の間の通路から現れた長身の男。

 奇妙の格好だった。

 顔の下半分を占めるのは時代錯誤なペストマスク。ペスト(黒死病)が流行り多くの人命が失われた悲劇の時代を描いた絵画や資料などでしか見られない過去の医療に従事していた者達が身に着けていたとされる装備だ。

 それよりは現代的なデザインであるが、コスプレというにはおかしいし、首周りにファーがついたジャケットのような現代的なファッションと見える部分だけだが目元などの男の顔立ちからして年齢も若そうだから余計に違和感がある。

 両手には使い捨ての手術に使いそうな清潔な手袋をしており、妙な清潔さや身綺麗さは感じさせるのもまた違和感が強い。

 金色の眼のそのペストマスクの男が歩いてくる。

 すると少女は、体を分かりやすく跳ねさせ硬直して男を見上げる。

「勝手に走るなと言ったはずだ。すみませんね、娘が……っ?」

「えっ?」

 ペストマスクの男が出久と通形に平謝りした時だった。

 出久の手が少女の腕を掴み、軽く引っ張るとそのまま腕の中に収めて立ち上がった。

 突然の出久の行動に通形もペストマスクの男も固まっていた。

 急に抱っこされた壊理という少女もキョトンとしてる。少女の目元に薄っすらと涙が浮かんでいた。

 出久は、ジッとペストマスクの男を見つめる。

「…どういうつもりですか? うちの娘を返してもらえますか?」

 ペストマスクの男は、努めて冷静な声色でうちの娘だという壊理を返せと出久に声をかける。

 だが出久は答えない。

「ちょっと…、D&Z(ディゼ)?」

 通形は、出久とザギのヒーローネームで呼んだ。

 出久が身に着けているパワードスーツの目の部分が不気味に赤く光る。まるでペストマスクの男を威嚇するかのように。

「その姿……!」

 ペストマスクの男は、出久の恰好を見て目を見開いた。

 昨今話題になっている、黒い巨人の姿をイメージした全身を覆うメカメカしいパワードスーツだ。あまりにニュースなどを見ない派でも、一度は目にしただろう。ペストマスクの男も黒い巨人ことザギに似たパワードスーツを身に着けている出久に気押されたように、一歩だけ後ずさる。

 ここで騒ぎになると困るのかペストマスクの男は、壊理を返せと再度言わない。

 何か困ることでもあるのか、それとも外見だけはザギに似ている相手と絡むことに抵抗があるのか、顔の半分以上がペストマスクで隠れているため分かりづらいが、冷や汗をかいている。

 出久が抱っこしている壊理に顔を近づけ、近くにいる通形にも聞こえない小声で何かを囁く。

 すると壊理は、顔を上げ両腕を伸ばして出久の首に抱きついた。

 その勢いで目に溜まっていた涙が頬を伝い落ちた。

「…本当にあなたの娘ですか?」

「なにを急に…。」

 出久が妙に冷淡な声色でペストマスクの男に問いかけをしてきたため、ペストマスクの男が眉間にしわを寄せた。

「あなたを酷く恐れている。この子の体中の傷……、もしかして?」

 それを聞いた通形がバッとペストマスクの男に疑いの目を向けた。

「すぐに転んで怪我をしやすい子でして……、見かけによらずヤンチャなんですよ。」

 ペストマスクの男は、普通の口調でありふれた返答をする。

「自分……、感応の超能力も使えるんです。」

「?」

「つまり触れた相手の気持ちや感情…、記憶を読み取れるんです。」

「!?」

「どうしました? 急に顔色が変わりましたよ? これ以上、こんな人目と耳がある往来で言われると困ることがあるんじゃ?」

「………出直します。それまで娘のことをよろしく、ヒーロー。」

 ペストマスクの男は、急いで己の心を落ち着かせたようで冷静な声でそう言い、来た道を戻っていった。

 残された出久と通形、そして出久に抱っこされた壊理という少女。

「D&Z…、あっ!」

 ペストマスクの男が去った後、改めて出久の方に向き直った通形は、壊理の体を見てギョッとした。

 必死に出久の首にしがみつく両腕の包帯に血がにじんでいたのだ。少女が出久から離れまいと力を込めたせいで傷口が開いたのだろう。

 通形は、人の往来がある中騒ぎを大きくするわけにはいかないと判断し、通信機で手短にナイトアイの事務所に連絡を入れた。

 そして出久と目配せして、壊理を抱えたまま素早くその場から立ち去った。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 ひとまずナイトアイの事務所に最短距離で帰還し、出迎えてくれた事務所在籍の医師に壊理を託した。

 別件で事務所から離れていたナイトアイも間もなく戻ってきて、二人に話を聞いた。

「……ペストマスク。そのような奇抜な格好の男が、その少女を自分の娘だと。」

「ええ、ですが……、何か違和感を強く感じました。だよね、緑谷くん? ……緑谷くん?」

 椅子に座って向き合って話をしていたのだが、ずっと静かな出久。

 通形が話しかけたが応答なし。

 ナイトアイが眉間にしわを寄せ。

 大きくて重量のあるハンコをどこからか取り出すと、出久に向かって振り下ろした。

 部屋に鈍い音が響く。パワードスーツのヘルメットをまだ被ったままだったのでその上から大きくて重たい謎のハンコの一撃がヒット。

「サー⁉」

 通形が突然のことに声を上げる。

「…う……? あれ?」

 頭を殴られた出久は、夢から覚めた様に周りを見回した。

「目が覚めましたか?」

「えっ、あれ? ……あの女の子は?」

「どこまで覚えています? どこから意識がなかったんですか?」

「えっと……、急にザギがこうしろって手取り足取り……、途中から少しぼんやりしていました。頭ゴーンってされるまで……、あれ?」

「なるほど……。少女の保護のためにザギが男を退けたということですか。」

「ザギが⁉」

 通形がまさかと言わんばかりに思わず声を上げた。

「どういう意図があったのかは知りませんが……、少なくともお手柄ですよ。ザギ。」

『〔……ふん〕』

 すると出久後ろにザギのホログラムが現れた。

 腕組をしてナイトアイを馬鹿にするように上から目線な態度だ。

「ハッ! それより、サー! あの子の傷の具合は?」

「縫い傷の一部が開いて少し出血しただけで、命に別状はないと聞いています。しかし……、あれは単なる虐待事件ではない。」

「……ざまれた。」

「緑谷くん?」

 パワードスーツのヘルメットを外した出久は、顔色が悪くなって震えていた。

「……拘束されて…、体中を…メスや色んな器具で……、切り刻まれて……切り取られて…。何度も何度も……死にそうになると……個性で元通りにされて…、また…。あ、ああ……。」

「気をしっかり! そうか…、君はあの子の記憶を……。」

「そういえば君は複数の超能力を使えると聞いてのを忘れていました。……保護した少女の受けた傷と痛みとその時の感情の記憶を共感してしまったようですね。少女の精神状態が不安定で聞き取り調査はすぐには難しい。ですから……、緑谷くん、君が彼女から読み取って感じ取った彼女の体験と記憶を我々に教えてもらいたい。」

「ですが、サー!」

「ミリオ。逮捕状どころか、家宅捜査などを正式に行うには相応の確固たる情報と手続きが必要なのです。教えましたでしょう? なんの許可証もなく相手を疑って調べることは違反行為となりこちらが罪となるのです。最悪の場合、疑った相手が無罪だったとしても警察やヒーローという肩書がある者が疑ったことで周囲からのあらぬ誤解を招き、冤罪や名誉棄損といったことで訴えるという起きてはならない事件に繋がる可能性があることを頭に叩き込みなさい。」

「………はい。」

 ナイトアイの鋭い眼光と共に投げかけられた言葉に出久を心配していた通形は押し黙ってから、返事をするしかなかった。

『〔出久。オレが話す〕』

「ザギ………、ごめん…、頼める?」

 パワードスーツを身に着けたまま体が震えている出久に後ろからザギがそう提案すると、出久は今にも吐きそうな酷い顔色の顔でザギにあとのことを頼んだ。

 ザギが頷くと、出久は糸が切れた様に横に倒れこみ慌てて通形が支えた。

「……きちんとした内容をお願いしますよ?」

『〔あの娘やお前達がどーなろうがどーでもいいが、出久がそうしたいからオレはそれを助ける。それだけだ〕』

「まったく……、協力的なのかそうじゃないのか……。ミリオ、緑谷くんを救護室に運んでください。私がザギから聞くので。」

「は、はい!」

 通形は、出久を背負い急いで部屋から出ていった。

 残ったのはナイトアイとザギのホログラム。

「あなたは、その場に残れるのですね? 彼が傍にいなくとも。」

『〔距離が開く分、多少エネルギーは使う。だが大した量じゃない〕』

「そうですか。なら手早く、分かりやすく、あなたが緑谷くんと共に見たあの少女が体験した記憶と、ペストマスクの男の目的など、分かっている範囲ですべて教えてください。」

『〔言われなくとも……。何度も話すのはめんどーくせぇから聞き逃すなよ?〕』

 ザギは、ナイトアイを挑発するようにそう言ってから感応の超能力で得た情報を言葉にしてナイトアイに伝えた。

 

 

 〔……まったく。常識が多少違えど…、やることは同じか〕

 

 

 ザギは、目的のためになら手段を選ばないという選択を躊躇なく取れる知的生命体に共通した性を、愚かだと思いながら壊理という少女に何があったのか、そしてその地獄のように惨い仕打ちをされていた目的が何であるかを超能力で垣間見た情報を基に語った。

 

 

 

 

 

 本来辿るはずだった出来事は、ザギという強大なイレギュラーと出久のためと考えた立ち回りで辿るはずの道は大きく捻じれ、逸れるのか?

 それとも……。

 しかしザギには、そんなことはどうでもよかった。

 どうでもいい……はずなのだが…。

 

 

 例えあの壊理という幼子が覚醒した自分の個性で実の父親を完全に消滅させてしまったことや、その個性に目を付けたあのペストマスクの男の思想によって個性を破壊して無個性にする武器造りの素材として生きたまま切り刻まれては死ぬ寸前で再生させられることを繰り返されるという、まるで個性があることが当たり前になったこの世界の闇と悲劇を濃縮した人生を背負わされたような運命にあったとしてもだ。

 

 

 〔オレは、なぜあの娘を持ち帰る選択をした? 確かに出久が疑っていたのと娘から読み取った記憶から、そうすべきだって出久に勧めたが……〕

 

 

 あのペストマスクの男がすでにヒーローにマークされており、裏社会での取引ですでに一部で利用され始めている壊理の肉を素材にした個性破壊の武器があるから、遠からずペストマスクの男の行いがバレて逮捕され、壊理はそれによって救われる未来が超能力で予知せずとも分かり切っているのに、なぜ自分がそれに手を出して保護を最優先させたのか。

 今のザギにはよく分からない。

 

 

 

 




壊理と初遭遇した時と治崎と接触したときにどう対応するか考えた末に、威圧して逃げ帰らせ、壊理を保護して事務所に連れて帰ったということにしました。

この時、ザギが出久の意識の真後ろのいるような感じで、演技を手取り足取りさせたという形で、若干ザギが表面化したような状態になっていたため出久は意識が途中から途切れ気味になりナイトアイに殴られて目が覚めたという流れ。

壊理に触った時点で壊理が受けた仕打ちや記憶と感情、そんなことをされた理由も超能力で読み取ってしまったので出久は正気に戻って思い出して共感してしまって彼女が味わった苦痛を感じてしまって倒れてしまう。
説明役をザギが買って、出久は救護室行き。
壊理を抱っこしてから囁いた内容は、自分に抱き着いて絶対帰りたくないって意思表示するよう促したものです。治崎が自分を恐れているから挑んでこないってのも付け加えて。

ザギは、なんで壊理を助ける方向に自分が手を出したのか自分でよくわかっていない。
出久が壊理の様子がおかしいことや治崎に違和感を感じていたから、手を貸したってつもりだけど、治崎の悪事はそう遠くない時期にバレて壊理も救われることが超能力で未来視をせずともザギの経験から予知できたのでしなくていいって頭じゃ考えていても、なんで壊理の保護を優先させたのか分からんって首を傾げている。
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