主人公はチートだった?   作:もんけ

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大和の神

 

あれから、さらに数ヵ月が過ぎた。俺はそろそろ旅に出るつもりでいた。いつまでも諏訪の地にとどまっていても新しい植物や動物は見当たらないからである。諏訪に滞在している間にここにいる生態系はほとんど調べつくしてしまったからである。

調べた中で特には珍しい生物はいなかった。むしろ諏訪子のせいなのかカエルと蛇が多かった。流石に魔界に両生類と爬虫類を一番最初に持っていくのは嫌だ。最初に連れていくならかっこいい生物もしくはかわいい生物だと考えていたからである。

 

諏訪子と凛にこのことを伝えに行こうと思い部屋を出ようとすると「大変だよー!!」と言いながら諏訪子が部屋に飛び込んできた。

 

「何がそんなにやばいんだ?」と聞くと「大和の神が宣戦布告してきたんだよー!もしも負けたら私への信仰がなくなって存在できなくなるんだよー!」と説明してきた。どうやら神様というのは人からの信仰がなくなったら形が維持できなくなるらしい。(もう一度信仰されたら復活するらしいが)もしも諏訪子が負けてしまったら諏訪子への信仰がなくなり新しい神様がその分の信仰を得ることになるだろう。そうなると凛が一人ぼっちになってしまうから焦っているらしい。

俺も旅に出るので凛のそばにいられなくなることを伝え、「お前の代わりに俺が戦おうか?」と聞くとこの戦争は神同士の争いであるため俺が戦って勝っても意味はないらしい。「それに私のほうが強いよ~。」と笑う諏訪子。イラっとした俺は本気の力見せてやろうかとも思ったが否定するのも面倒だったので相槌を打つことにした。この時俺は諏訪子にしかそろそろ旅に出ることを伝えなかったことに気づかず後で痛い目に会うとは夢にも思っていなかった。

 

 

戦いの場は一か月後で大和のある場所と諏訪の中間地点で行われることになったらしい。俺はこの戦いを見届けてからこの地を去ろうと思い一か月待つことにした。

 

そして一か月経った今日決戦の場に俺は見届ける役としてここにいた。凛が巫女で離れることができないので俺が諏訪子に付き添うことになったのだ。この一か月の間はいろいろなことがあった。まず、凛に戦争のことを伝えに行くとめちゃめちゃ焦りいつもは俺の尻尾にもふもふされながらだらけていた彼女も事の深刻さを理解したのか諏訪子のサポートを懸命にしていた。サポートをされていた諏訪子は修行をひたすらしていた。

 

思い返しぜひ諏訪子に勝ってほしいと思っていたら、戦闘が始まったらしい。

序盤の戦いは拮抗していた。だが、中盤になると次第に押されていた。諏訪子の能力は『坤を創造する程度の能力』(つまり、地面の土を作り出し攻撃する)に対し敵である八坂神奈子の能力は『乾を創造する程度の能力』(つまり、風雨などを操る)である。諏訪子が作った土は雨に濡れ泥となり攻撃力を失ってしまう。はっきり言って能力の相性が悪いのである。

 

 

戦闘の音が止んだ。どうやら、諏訪子は負けてしまったらしい。諏訪子の不安は的中してしまったのである。(これからどうなるのだろう)と思いながら諏訪子を担ぎ神奈子を洩矢神社に案内した。

 

 

 

しかし、事態は予想外のほうへ動いたのである。どうやら諏訪子は祟り神としても祭られており神奈子を信仰するのを恐れているらしい。それを聞いた神奈子は洩矢神社を守矢神社と改名し、裏の神を自分にして、表の神(つまり、民の前に姿を現す)は諏訪子にすることによって諏訪子を通して自分への信仰を集めることにしたらしい。これによって、諏訪子の存在は消えることはなかった。

 

俺と神奈子と諏訪子は酒によってすぐに仲良くなった。三人でバカなことをしながら凛に怒られる生活をしていたら、あっという間に一年が過ぎ守矢神社が落ち着いてきた。

そして俺はようやく旅に出ることにしたのだった。

 

 

 

 

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