by月人
まばゆい光に視力を奪われてからだいぶ時間が経ち目が開けられるようになった。疲れた体に鞭を打ちながら状況確認のために目を開ける。目を開けて周りを見渡すと、『断空』で作った盾がボロボロになっており危機一髪だったことが分かった。おそらく防空壕を掘ったことにより爆弾の着弾地点から離れたおかげで生き残れたのだろう。その証拠に、さっきまでここにはびこっていた地上の妖怪どもは形すら残っていない。この爆弾によって地上の妖怪は俺を除いて一匹残らず消え去ってしまったのだろう。そして俺が立っている周りの土はえぐれていた。ついさっきまで賑わっていたはずの都の景色は一転して荒れた土地になっていた。「立つ鳥跡を濁さずとは言うが、荒れすぎじゃね?」そんなどうでもいいことをつぶやきながら俺の意識は急速に落ちていく。(もともと妖力全開放していたし、地上に妖怪がいなくなっということは今はどこも安全ということだから張りつめていた緊張感も消えたんだろう)と思いながら完全に落ちた。
目が覚めた。どうやら、100年以上眠っていたのだろう。周りの荒れた土地に雑草が生え始めていた。いくら何でも寝すぎたなと反省した俺は修行をすることに決めた。妖力を全開放してこんなにも眠ってしまうのはこれからの時代まずいと思ったからだ。幸いにも今は人や妖怪は地上にいないので襲われることもなかったからよかった。そんな風に思いながら予定を立てることにした。
予定は決まってきた。おそらく原作が始まるのはまだまだだろう。転生してから100年くらい経っているためうろ覚えだが。
ということで、まずは、修行をしながら旅をし、寝る場所を見つけることにした。せっかく転生したんだし現代ではもう会えない生物がいるかもしれない。そんな生物に巡り合えることを願いながら。
まずは、空を飛ぶ練習を始めた。今いるのはもちろん日本だが歩いて旅をするのはもちろん大変である。数年経つと安定して飛べるようになってきた。が、目新しい生物を見つけることはできなかった。
それでも、魚を捕まえ、火で焼いたり木の実をとって飢えをしのいだりと充実しているとは言えないが楽しい生活を送っていた。そうしていく中でもともと少しは料理ができたのだがプロ並みにうまくなってしまった。どうやら、前に作った四次元ポケットは強く念じると、料理の材料と調味料は出てくるらしい。
一人でやることがなくなった俺は甘味や料理をすることにより暇をつぶした。
「酒作ったら何年物になるんだろ?」そんなことをつぶやきながらつくるのであった。
暇だ。とにかく暇だ。まだ人類が現れる気配がない。
家は作らなかった。旅を続けているため、一か所にとどまることがほとんどなく、無駄になってしまうからだ。暇だった俺は環境について調べることにした。月から魔力が出ていることは前にも言ったかもしれないが、どうやら自然の中にも魔力というものは存在しているらしい。ちょっとずつ技を試しながら妖力を減らし、魔力を妖力に変換するのを意識しながらやってみた。前まで無意識にできてはいたのだが、意識しながらやることにより効率が良くなったように思えた。また、俺が鬼道を使う時はどうやら魔力を使っていたらしい。今まではおそらく妖力を魔力に変換して使っていたため、妖力切れを起こしていたが、修行をするうちに減らなくなったのだ。それは、魔力が俺の中に現れたということに他ならなかった。人間状態時には妖力は半分までしか使えないという制限があったが魔力には大した制限もないことが分かった。たとえ魔力が切れたとしても気絶することはないので俺は魔力を好んで使うことにした。妖狐状態になることによって火力を上乗せすることができると気づいたが今は使わないだろうと思った。
そこから数百年間は修行の日々だった。体を鍛えるために筋トレをし、剣術を磨くために刀を素振りし、魔力を妖力に変換するのを無意識にできるようになったり、ともはや作業の感覚になってしまった。
「いや、なげーよ。どんだけ俺を待たせる気だよ。人類の復活遅すぎんだろ。日本全国の旅なんてとっくに終わったわ。人体錬成して人類生み出したろーかな。」そう決意しながら人体錬成に必要な素材を思い出していく。「たしか、水が35ℓに炭素が20㎏、アンモニアが4ℓ、石炭1.5㎏、リン800g、塩分250g、硝石100g、イオウ80g、フッ素7.5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素か。」いや、少量の元素15ってなんやねん。アバウトすぎやろと思いながら、全国を旅しながら集めることにした。
ようやく全ての材料が集まったが、まだ復活してないようだ。俺が人類の生みの親かーと一人感銘を受けてしまった。
そう!これは一人の妖怪が人類を生み出す神秘的な物語である。(違う)
置いてかれて死体蹴りまでくらうとは、、、
日頃の行い悪いんですかね?