(白痴といってもあの野郎、踊ったり眠ったりして幸せそうにしてやがる。)
あーあーあーあー、眠い。
眠い。
眠い!眠い!眠い!
何が何が にがっ あーあーあーあー。
きっと一眠りすればすっきりするはずだ。ここ最近の夢見が悪い。
夢のせいだ。
あ、がっがっがっがっ。
おいおいよせよ。おれの腕は食いもんじゃないんだ。
あだっ。あっあっあっ、ぶははははは。肘から突き出た骨をくわえてご機嫌ようご機嫌よう。
おえっ、酒が腐ってやがる。なんだ泥水か!?
違う、おええ、腐った血液。ドロドロの化け物用ジュース。
隠し味の不用な脳みそ。うまいか?好きに食え、ここは夢の谷間だ。
おえー、おれの千切れたところがくせぇ。腐ってるのか?いやそもそも血が止まらない。
吸い付くでかいヒル共がシャワーを浴びて不気味に赤くぬめってやがる。
下半身が無い。おれの足はどこへいった。おい、そこの蛇こたえろ。
酒代に貰っただと。あんなのいらねぇよ。返せ!足を返せ返せ返せ返せ!!
いい、もういい。なにもいらん。睡眠薬をくれ。二度と目覚めなくてもいいキツイ奴だ。
簡単だろ?人を生き返らせることが出来るんだ。その逆はとても簡単。
ここでは無理だと!?
なんでだ!ふざけるな。
夢の国の谷間に死者がいる。生きてるものも死んでるものも等しい。
アザ=トースの吹き込む夢の泡が弾ける度に生きているものが無くなり、死者が蘇り、無くなってまた有るようになる。
何度も何度も、泡が弾けておれはいなくなり。笛の音が聞こえたかと思うと夢から覚める。
おえー、包丁で刺しても血が出ない。人間ってこんな形をしていただろうか?
違う、そもそもここは地球じゃない。こんなに赤くて緑の混じる土なんて地球にはない。ふざけるな、まだ夢の中か。
幸い包丁がある。あの青い服着た化け物にくれてやろう。
おら舌を出せ。切り取ってやる。赤いのた打つ肉をピタピタともてあそぶ。
あば、あか!けカカカカカカ。
「抵抗すると発砲する!包丁を捨てろ!」
「クソ!許可を早く許可を!」
パンって音がしてオレの片目が無くなった。ああ、でもまだ夢の谷間。アザ=トースの野郎はいまだまどろみに包まれて泡を膨らませている。
「なんで動いてるんだアレは!?」
「打て!打て!」
立て続けに体が吹き飛んでいく。笛の音が聞こえる。
ああ、夢から覚めるのか。
かと思えば、おれはいつもの夢の谷間に立っていて切り取った肉を赤いヒルに餌としてやっていた。夢見が悪い。
あの青い服の化け物がその肉片から生えてくる。悲鳴をあげて舌に吸い付くヒルを落とそうと暴れた。
そこでようやく終いの笛が鳴り目が覚めた。
ベッドの上で寝汗を掻き、寝た気もせずに起き上がる。
睡眠薬を取り出す。次は、次こそは夢も見ずに眠れるだろうか。
あーあーあーあーあーあー。
おれの片目はどこへいった?
夢に置いてきたようだから……、取り返しにいかなければならない。
バイアクヘーNo.01「アザ=トース様の鼻提灯ぱないっす。」
バイアクヘーNo.16「それより、またNo.33が……。」
バイアクヘーNo.04「睡眠薬でも食わせとけ。」
バイアクヘーNo.01「ではでは、皆さん良い夢を。」