憧れのウルトラマン(旧ウルトラマン転生短編集) 作:あっ察し
無限に続く初投稿です。
あと今回でメビウスの歌詞で前書きを描くのは一時終了します。
オオダ
「キリマ隊長、あの巨人はやはり、あの映像の”unknown”の様に見えます。」
湖に現れた巨人と動画データから抽出された画像がモニターに現れ2つの画像を照合し、類似性を示していく。
キリマ
「私たちがここで判断をするよりも実際に現場を見ていた者に確認を取る方が早いだろう。そんな事よりも私たちがやる事は周辺への被害を抑える為にあの二体を半径5キロの圏内から逃がさないようにする事だ。
タマダとバンにはあの2体を刺激して暴れさせないよう監視させる。アマギはバイタル上生存は確認できているが熱線の影響か通信が不安定になっているようで応答がまだだ。応答があるまで安否確認の無線は継続しろ、隙を見てアマギを救助するぞ。
二体に動きがあるまでは上空で待機を続けろ。
うかつに攻撃すればあの悪魔が人質の用に持っている潜水艇に当たりかねない。それだけは絶対に避けねばならん。」
ベムラーと巨人を映す衛星カメラのリアルタイム映像にて高速戦闘機2機が了解の意を示すライトを点灯後、高度を上げる。
キリマ
「流石にあのサイズの生物が二体、さらに先の戦闘機を落とした動きからあの悪魔の方は随分と戦い馴れている。
もう一方は完全に未知数。ヒューマンタイプの異星人で同等のサイズになれる者は複数存在を確認しているが、どのデータにも一致する者は無い。位置取りや出現のタイミングからアマギ隊員をかばったようにも見えるが・・・。
くっ、私もこの状況に混乱している。憶測で動く訳にも行かん。私の判断が間違っているように感じれば意見を出せオオダ。」
オオダ
「了解です隊長。しかし、憶測とはunknownに対しての”あの事”ですか?」
キリマ
「ああ、脱出艇の生還者達はアレを守護神だとか神が遣わした天使という者もいる。確かに状況を見ればそう思ってしまうのもやむを得ないかも知れないが、星の外から来た者など、ましてや正規の手続きすらしていない侵入者を簡単に信用すれば痛い目を見るのは確実だからな。」
オオダ
「正論ですな。私の方からは現状なんとも・・・。」
GFの実働部隊本部にて副官と隊長はこの緊迫した状況にどう対処するか、過去の経験や知識を総動員して今やらなければならない事を模索している。
オオダ
「隊長、unknownに一度交信を試みるのはどうでしょう。現場の電波状況も回復しつつあります。」
キリマ
「確かにアレと交信が可能であれば状況の打開が出来る可能性はあるな。先の熱線を耐えきるほどの頑強さを備えているのだからな。他に可能な事もない。とりあえず交信を試みる。バン隊員、巨人の方に交信を・・・。」
交信の支持をキリマ隊長が出そうとしたその時、膠着状態だった現場に動きがあった。
ベムラーが先ほどまでの低い唸り声では無く、まるで発狂するかのような絶叫を上げ、潜水艇を振り上げたかと思うと、そのまま巨人へと突進しようとする。
キリマ
「まさか潜水艇で殴りつける気か!?あ、あれでは潜水艇内の隊員が!!」
副官オオダも、ベムラーの行動に思わず悲鳴が漏れる。
しかし、その悲鳴よりも早く、ベムラーが突進するよりも早く巨人は動いていた。
”デュア゙ァッ!!”
先ほどまで巨人が立っていた場所からは大きく舞った土埃だけが取り残され、次の瞬間には既に銀色の巨人はベムラーの目と鼻の先まで接近していた。
ベムラーも突進しようと力を溜めていたところに一瞬で距離を詰められた事に驚き思わず硬直する。
そして数秒遅れ、衝撃波と爆発のような音が辺りに響く。60m級のサイズを誇る大質量の物体が高速で移動した為、ソニックブームのような現象が起きたのだ。
その衝撃により、上空を旋回していた高速戦闘機二機は一瞬コントロールを失いかける。
しかし、その緊急事態により、この現場を見ていた誰よりも早くパイロット2名が正気を取り戻す事が出来た。
巨人は硬直したベムラーの短い左腕を右手で掴んで引き寄せると、その手に握られている細長い潜水艇を強引に湖面に降ろすように引っ張る。
この時彼が湖の中へ着水させてから離させた方が、安全だと考えたからだ。
しかし、不意を突かれたベムラーはすぐさま正気を取り戻し、人質を解放されてなるものかとその怪力をもって抵抗しようとする。だが、銀色の巨人は既に下で縮こまるように腰を落としてどっしりと構えている為どうにもベムラーの左腕の力だけで押し返すのは無理だと考え、すぐさま銀色の巨人の背に向けて引っかき攻撃を行う。
”グッゥ”
巨人が引っかき攻撃の痛みに苦悶の声を上げる。
実は今引っかかれた所にはわずかに火傷の痛みが残っていたのだ。
一瞬ベムラーに力の均衡が傾き始めるが、さらに体重をかけてベムラーの姿勢を落とさせ顔面に肘鉄を叩き込む事でやり返す。
してやったりと思っていた所に思わず強烈な一撃をもらってしまったベムラーは、一瞬手の力を緩めてしまう。
そして潜水艦は湖面に着水。
それを見た光の巨人はベムラーの体をその背中を使って跳ね上げるように押しあげ無防備に跳ね上げられたその体に強烈な回し蹴りが叩き込まれる。
その衝撃でベムラーは広い湖面の淵迄吹っ飛びそのままひっくり返って痛みに悶える。
銀色の巨人はここで追撃ではなく潜水艇の救助を優先した。
潜水艇をやさしく抱き上げるようになるべくゆっくりと湖面から持ち上げると、ベムラーとは反対側の湖面まで運び、地面へと降ろす。
そこでようやく痛みから立ち直ったベムラーが起き上がり怒りの咆哮を上げる。完全にキレてしまったようだ。
その絶叫に対して巨人は構えを取る。ここからが本番だと言うように巨人がベムラーを見据える。
しかし、この瞬間にもタイムリミットは刻一刻と迫っていたのだった。
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キリマ
「すさまじいな。」
目の前で繰り広げられる闘いでの巨人の強さにキリマ隊長は戦慄を覚え思わず呟いてしまう。
一瞬で距離を詰めたあの動きも、推定50万UP(50万馬力のヤブラツ版)とされるベムラーの怪力を意に介さないそのパワーを見てしまったのだ。その圧倒的な力に畏怖を抱くのは仕方ない事だろう。
強大な力というのはそれだけで生き物に恐怖を感じさせてしまうのだから。
オオダ
「し、しかし、あの巨人のおかげで潜水艇は助かったようです!付近で待機していた救護班も現場へ急行、先ほどの衝撃波で幾らか混乱はあったものの機材などに問題は無いとの事です。」
キリマ
「ああ、目的は不明だが間違いなくあの巨人は船を助けてくれたようだ。アマギの戦闘機を守ったのも意図しての事かも知れん。浅はかな判断ではあるが、現状敵性体では無いと判断する。
戦闘時の余波の事もある、各機は迂闊に近づかず距離を取っておけ。」
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湖の上では痛みから立ち直ったベムラーと巨人が戦闘を再開していた。
完全にキレたベムラーは消耗も気にせずに熱線を連続で巨人に向かって放射するが、巨人はそれを作り出した鏡のようなバリヤーで反射する。
何度も放った熱線はあらぬ方向へと反射されやがて霧散していく。その光景にさらにベムラーは怒り、最大の力で熱線を放つ。
先の連続放射よりも長い間放たれたそれは、巨人が使うバリヤーに確かに負荷を与え、巨人をあとずさりさせる程のエネルギーを持つが、バリヤーによる反射の角度を素早く巨人がずらした事でベムラーの胸部に跳ね返っていき自身の身を焼いた。
自身の熱線に焼かれた痛みにより再び痛みに苦悶の声を上げて駄々っ子の用にはねながらベムラーは痛みに悶える。
だれもが圧倒的な巨人の勝利を確信しかけたその時、巨人の胸の青いランプが赤く光ると点滅を始めた。
その瞬間巨人は力が抜けたかのように膝をつき、その肩が苦しそうに上下する。
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オオダ
「巨人が膝をついた!?戦闘開始から2分ほど経過したが大きなダメージは追っていないはず!?」
副官は目の前の巨人が急に膝をついてしまったのが何故かわからず驚愕している。
戦闘では巨人がうまく立ち回っていたように見えたのにいったい何故・・・。
『こ・・・こ・・ら アマ・・応答せよ!こちらアマギ隊員!本部応答せよ!』
オオダ
「アマギ隊員!!無事だったか!?」
アマギ
『通信が回復した!こちらアマギ!あの巨人のおかげです。熱線から庇ってもらいましたから。』
オオダ
「あぁ、だがその巨人だが急に苦しみ出したように見えるぞ!一体何があった?」
アマギ
『こちらアマギ!それはわかりかねますが、巨人の胸のランプが青色から赤色に代わって点滅しているのが確認できます。
苦しみだしたのもその時からでした!!』
アマギ隊員の報告にキリマの直感が働きハッと目を見開く。
キリマ
「赤色は危険信号・・・、つまり活動時の限界を示しているのか?」
オオダ
「な、なるほど!で、でしたらこの状況はまずいのでは!?このままではあの巨人がやられてしまう!今彼がやられてしまえば・・・、せっかく流れがこっちに向いてい時に!!あぁ!ベムラーが!ベムラーが立ち直ってしまったぁ。」
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や、やばいは・・・。さっき迄なんでも出来そうな気がしてたのに・・・。い、意識がすっ飛びそうだ・・・・・。
あ・・・、あと少しだけ・・。もってくれよ・・・・・・・。
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再び痛みから立ち直ったベムラーだが、何をしても上手くいかなかった事と熱線による火傷の痛みで最悪のタイミングで冷静さを取り戻していた。
そしてそのベムラーが肩で息をしながらも強引に立ち上がた巨人を見てどこかニヤリと笑ったようにさえ見える顔で睨むと、再度熱線を放つ。
先ほどの用にバリヤーで熱線を受け流そうと巨人は前方に手をかざすが、明らかにバリヤーの面積が先ほどより小さくなっている。それを見てベムラーは悟った。この敵はどういう訳か弱っているようだと。
内心しまったと巨人は思ったのだろう、勝負を急ぐために怪獣へと突進して行くが、その速度は明らかに船奪取時に見せた速度よりも遅く、ベムラーは自らの尻尾の間合いに飛び込んできた巨人の胸をその長い尻尾で強烈に打ち据える。
”グア゙ア゙ア゙ア゙ツ”
横凪に振るわれたベムラーの強力な尻尾攻撃により巨人は思わず湖面に倒れ込んでしまう。
襲い掛かる疲労と胸の痛みで巨人が中々立ち上がれずにいるとそこに何度も叩きつけるように尻尾が鞭のように振り落とされ、巨人は思わずダウンしてしまう。
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アマギ
『このままでは巨人が危ない!!他の2機に援護の指示を!!!』
オオダ
「し、しかし、・・・くッ隊長!!私も同意見です」
アマギから届く悲鳴のような要請にオオダは隊長に決意を込めた目で訴えた。
切迫した状況だ。巨人は明らかに弱体化してしまっている。だがしかしベムラーの方もかなりダメージを負っているはずだ。
どうにか攻撃を行えば状況を好転させられるかもしれない。
だが、キリマは過去の経験から惑星外から接触して来た者にとって疑い深くなっている節が自分にはあると思っている。
勿論それは、この仕事を行う上で重要な資質ではある。
しかし、それでも尚、もはや迷う必要はないのだ。
あの巨人はこのリスクを負ってなお、私たちの仲間を助けてくれた。
ならばそれに報いる事がGFの、引いてはこの星の平和を守る者として当然の事であるのだから!
キリマ
「戦闘機パイロット2名に次ぐ!!火力をベムラーの胸部火傷に集中!!巨人を援護しろ!!」
タマダ・バン
『『了解ッ!!』』
既に準備は出来ている!と言わんばかりにパイロットが力強く了解の意を示す。
どうやら2機とも指示を受ける前から動き出していたようだ。
オオダ
「帰ったら命令違反で報告書でもかかせましょう隊長。」
独断専行した部下の行動を咎めるようにオオダが隊長に進言する。
キリマ
「それもそうだな。」
とキリマは真顔で答える。しかし、少しして、その口角が僅かに上がった。
それを見てオオダも微笑む。
オオダ
「全く、いい部下を持ちましたね。」
キリマ
「全くだな。」
そんな軽口を言い合った二人だったが再び顔を引き締め、モニターを見る。
自分たちの選択が何を起こすのかを見る為に。
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何度も尻尾に打ち据えられ、立ち上がる事も出来ずに苦しむ巨人を見てベムラーはまるで嘲笑うかのように吼えると、微かに身じろぐ事しか出来ない巨人にとどめを刺す為に近づいていく。
何とか巨人も立ち上がろうとするが光の巨人になったばかりで、エネルギー枯渇時の感覚になれていない彼にとってはそれすらも地獄のような苦痛を伴っているようで、全く体の自由が効かないのである。
何とか状態が持ち上がるかというその時にベムラーが思いっきり巨人の脇腹を蹴りつけ、巨人は吹っ飛ばされて仰向けになり背中から地面に落ちる。
今度は巨人が脇腹の痛みに蹲ってしまった。
ベムラーも体力の限界なのだろう。
完全に巨人にとどめを刺すために再びその口に熱エネルギーを溜め始める。
今なら確実に当たるだろう、だからこそ必殺の一撃を溜めているのだ。
だが、ベムラーは完全に戦闘機の事を失念していた。戦闘開始時にちょろちょろと飛び回っていたやつらなど敵では無いと、存在を認知の外に追いやってしまっていたのだ。
そんな驕りから急速に接近して来た2機に気付かずに無防備に溜めの動作を行ってしまい、完全にその場で棒立ちとなっていたのだ。
そんな絶好のチャンスに戦闘機からはレーザーとミサイルが発射され、熱線を溜めていたベムラーの胸の火傷後に着弾。
火傷の後に走る強い痛みに思わず口の中に溜めていた熱エネルギーを暴発させるベムラー。
溜めたエネルギーが暴走してしまったのか口の周りが黒く焦げてしまっている。
絶好のとどめのチャンスを邪魔され再びその怒りが怒髪天を迎えたベムラーは巨人から目をそらし、不意打ちをしてきた2機の戦闘機に注意を完全に向けてしまう。
その時、ようやく巨人がよろよろと膝立ちまで立ち上がった。
もはや、エネルギーは枯渇寸前である体は痙攣するように小刻みに震え初め力んでいなければこの姿を保てない程に疲弊してしまっている巨人はだが、その目に強い意志を宿しているように見えた。
”どんなピンチの時でもウルトラマンは諦めない!”
男にとってウルトラマンは憧れであった。
だからこそ、今日この瞬間にそれは、男にとって”呪い”に変わってしまったのかも知れない。
巨人の全身が銀色に強く輝き、力を振り絞る様に立ち上がる。
その輝きが完全に火が落ちて暗くなった湖をまるで朝焼けの空のように照らしだす。
誰かが言った。
アマギ
「なんて、あたたかな光なんだ・・・。」
そしてその周囲の変化にしまった!とでもいうようにベムラーが巨人を見るが、もう手遅れだ。
巨人は腰を落として力強く踏み込むとグン!と大地を蹴ってベムラーへと突貫する。
段々と加速していく巨人に苦し紛れにベムラーは熱線を放つが、それが何だとでも言うかの様に巨人は加速しながら突っ込んで来る。
次の瞬間目の前に迫る巨人にベムラーは組み付かれその加速のままに空中へと持ち上げられる。
そらに浮かび上がった巨人とベムラーはさらにグングン加速しながら上へ、上へと飛翔していく。
さらに、さらにどんどんと加速していくそれはまるで、”銀色に輝く流星”のようだった。
やがてその光の線だけを残して2体が見えなくなった頃、空に花火が広がるかの用に大きな爆発が起こった・・・・。
戦闘回です。後は後日譚を描き切る事で一話が完成する。
美しき終焉を・・・。
冗談は置いといてやっぱ本家の脚本さんはすごいですね。
以下雑設定
キリマ:女性隊長!イルマ隊長よりも口調も見た目も男勝りで男前。
静かなタイプのドS。
オオダ:実は隠れヒーローオタク。ヒーローが好きすぎてGFの実働部隊に入った天才だが、それも昔、立派な中年になった上に年下の出来る女性上司の下で部下たちに何方かといえば優しい方の上司として慕われている。
戦闘機パイロッツ:こういう一話二話でウルトラマンの自己犠牲的な側面を見て未知の存在だけど信じてみようって展開好きだから出した。
キャラ付けは再登場したらやってやるよ。
ベムラー:時間切れ初心者を追い詰めるも、ヤブラツ魂をなめていた為残念ながら敗北、ウルトラ墓場へボッシュートです。
原作よりもずる賢い感じにしてみた。
主人公:人間のメンタルでウルトラマンをやるっていうのはね、それは血を吐きながら続ける悲しいマラソンなんだよ。
実績解除!称号:銀色の流星を手に入れました。
今後も称号を獲得していって最後には″ウルトラマン″に至れるといいね!!