女子高が共学になったから通ってるけど、男子俺しかいなくね?   作:kiri kiri

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3話 時に、男の子は演じなければならない

 

 

 

 

 

 

スクールアイドル同好会の部室を後にし、演劇部のいる講堂に来たわけだが…タイミング良く休憩時間だった様だ。

とりあえず舞台に向かおう

 

「失礼します」

 

「ん?……誰かと思えば王子様じゃないですか!?今まで何処に行かれていたのですか?私は貴方様を想い、ずっと!…ずっと探していたと言うのに!」

 

 

「「へ?」」

 

 

「…………………………………申し訳ありません、貴方と結ばれるべく、両親である国王陛下と王妃殿下の説得に時間がかかっていました」

 

 

「「えー!?」」

 

 

「え!…それって……」

 

 

「どうか私と…同じ道を歩んでいただけませんか?」

 

 

「まぁ!……私で……私でいいのであれば喜んでお受けいたします!」

 

 

「「えーー!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………あの…瀬奈部長…もうここら辺でいいですか?」

 

 

「………仕方ないですね。本当であればもう少し続けていたかったんですが……」

 

 

「えーと?……どういうこと?」

 

 

うむ、案の定彼方先輩とかすみんがポカーンとしている。いや、道中に説明すれば良かったのだが、別の話題で持ちきりでなんか話すタイミング逃した

 

 

「部長!?…と先輩!?……え?…何でかすみさん達がここに………」

 

 

あー……察し…説明めんどいなぁ……と言うことでここは秘技!割合で切り抜けさせてもらうぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と……言うわけで俺と部長は演劇部活動であった時は何かしら軽い即興演劇をするみたいなお約束みたいなのがありまして」

 

 

何がと言うわけだって?まぁ皆んな落ち着かせるの大変なんだもん。いちいち文章化してたらやってらんないもん。

 

 

このe……あーいやいや、彼方先輩とかすみんはポカーンとしながらも何やら誤解し始めるし、そこに後輩ちゃんであるしずくちゃんもくるし……まぁ少し時間が必要だったのだ。

まぁ、とりあえず俺が演劇部の舞台に助っ人として度々出演してることは説明し、まぁ今回はスクールアイドル同好会のお手伝いをしてることは伝えた

 

 

 

「あはは…いや結衣くんが一人で自ら来たかと思って…とうとう我が演劇部に入部してくれるかと思ってたのに!まさかの別件だなんて私は悲しいよ!結衣くんもいい加減演劇部入っちゃいなよ!?もう半分くらい部員じゃん!?」

 

 

ハンカチを噛みながら何やら訴えてくるこの方は如月瀬奈と言う三年生の先輩で、演劇部の部長である。

容姿端麗で綺麗な赤みがかかった茶髪のロングヘアーの先輩である。

まぁ、この先輩のおかげで今の雑用部…いやオールマイティ部(架空)の活動をするきっかけとなった人物である。

今となっては懐かしい思い出だ…入学したての新米一年生の頃、部活勧誘時期にこの先輩は俺の所にやって来ていきなり

 

 

『ねぇねぇ、きみきみ!私の愛しいロメオになってよ!』

 

 

とかい言い出したものだから、口を開けてポカーンとしたのも今となっては悪くない思い出である。

この一言からオールマイティ部(そんな部は存在しない)の活動が始まったのだ。

この一言をきっかけに俺の学園生活の基盤が出来上がっていったのだ。

出来上がっていったのだが……この話はまたの機会にしようか。

ちょい長くなってしまう。

ただ俺は圧倒的に他の部よりも演劇部に肩入れしているのだ。

 

 

 

「瀬奈先輩、申し訳ありませんが、今回は絶賛お手伝い中でして…そう簡単に入部できる状況じゃないですし……てか入部は今さら戸惑いがあるんですが…」

 

 

「入部に戸惑いがあるのは結衣くんの意思が弱いからだよ!去年のイベントの舞台はほぼ出演してたじゃない!普通あそこまで活躍してたら部員じゃん!だからいっそのこと入部したらいいじゃんって何回も言って来たのに君はいつもいつも他にも手伝いやら雑用やらパシリやら…」

 

 

「瀬奈先輩!パシリはやめて下さいパシリは!?もっとオブラートに包んで下さい」

 

 

「パシリも手伝いも雑用も全部一緒だ!」

 

 

お、横暴だ!パシリも雑用も手伝いは全部違う筈だ!と思いっきり言ってやりたかったがあんま変わんなくね?と、よくよく考えたら思ってしまった。

いやパシリは!パシリは違う筈だ!

 

 

「似たような意味ですがパシリは違いますってパシリは!?」

 

 

「はぁ…じゃあ忠犬って言えばいい?」

 

 

「何でそうなる!?」

 

 

「大丈夫大丈夫!犬って言ってもこの学園の女の子の言う事なぁんでも鼻の下伸ばして喜んで聞いちゃう忠犬みたいな君は忠犬と呼ばれるにふさわしいよ」

 

 

「忠犬って……あのですね………」

 

 

いろいろ講義したいが…めんどくさい。

この先輩いつもいつもマジめんどくさい。

あれ、なんかしずくちゃんやかすみんまで冷たい目してない?いや、別に自らトラブルに向かって行動は……してない事の方が多いよ?だいたい頼られたパターンだよ?

 

 

「全く…まぁ忠犬や鼻の下を伸ばして、とかは言い過ぎたとして、この間なんてとうとう生徒会の手伝いまでしちゃって……………どの部活の人も皆んな君を頼りにしちゃってる。でもそれで一番苦労してるのは間違いなく君なんだよ?」

 

 

「………」

 

 

一応関わりを持つ最低ラインはしっかりと決めているつもりだ。

いくつかの運動部から遠征の参加までされた事もあるが、流石に断った。

あくまで俺のできうる範囲はこの学園内でできるとこまでと決めている。

演劇部だけは例外だけど……

 

 

「苦労はしちゃってるかもしれませんが…まぁ困ってる人に頼られたら放って置けないんです」

 

 

特に目の前にいるあなたや生徒会長殿は…

 

 

「はぁ〜……」

 

 

うむ、まぁ……瀬奈先輩のいう事は最もだと思うよ?

多分俺の学園生活は結構特殊だと自覚してはいるよ?何か一つに絞ってやってみる事は非常に大事だと思う。

 

でも、いろいろ手伝いをやってるからこそわかる。運動部系やるならマネージャーと言う選択肢しかない(泣)。

だって女子ばっかりなんだもん、そりゃ自然とマネージャー職ですよね(泣)。

文化系もいろいろあるが入部を考えるに至るほど興味が湧かない。

演劇部は……まぁ、最有力候補だけど、手伝いやら何やらやる事が増えてくうちに入部する覚悟が散漫してしまったのだ

 

 

「ま、とにかくうちの桜坂ちゃんと話をしに来たんでしょ?先ずはそっちを済ませていいよ。桜坂ちゃんも話しに応じる形でいい?」

 

 

「は、はい!」

 

 

ふむ、ようやく本来の目的を果たせそうだ。

俺は…後々瀬奈先輩からいろいろ言われそうだけど、まぁ仕方ない

 

 

「よ、ようやくしず子と話せる…」

 

 

「は、話をしに来ただけなのに…話す前から疲れたよ〜」

 

 

「わ、私もです…」

 

 

「あはは…いや〜ごめんね?私と結衣くんが?次からはこう言う事がない様に結衣くんを入部させるわ!」

 

 

「瀬奈先輩…その発言にツッコミを入れたら話が長くなりそうなので…」

 

 

「全く…仕方ないから今日は引いてあげるわ。それじゃ、話を済ませてね?」

 

 

そう言って瀬奈先輩は俺たちの前から離れて舞台裏の方に向かっていた。

さて、ようやく本題に入れると思い三人の方に視線を移そうした瞬間…

 

 

 

 

 

君はほんと…バカだな

 

 

 

 

 

先輩が顔を横見がちに本当に少しだけ、表情が見えないくらい少しだけ振り向き、何かを小声で言っていた気がした。

内容は全くわからないが…多分俺の事だろうな……おっと、まぁとりあえず目の前を向いて今ある問題に向き合わねば

 

 

「いや、なんかいろいろと申し訳ない。それじゃあ本題に入ろうか」

 

 

「か、かすみん的には、先輩のこともいろいろ聞いてみたいですが…それは後ほどにします!」

 

 

「あ、私も後で聞きたいな〜?」

 

 

俺的には面倒なので断りたいですが…まぁ時間をかけてしまったお詫びとでも思って付き合おう

 

 

「しず子…」

 

 

「かすみさん…」

 

 

しずくちゃんとかすみんがお互い少し気まずい雰囲気を出しながら向き合う。

実際気まずいだろう、何せかすみんならもっと早くしずくちゃんに聞きたい事を聞けた立場にもあった筈だ。

そしてそれはしずくちゃんも同じだ。

しずくちゃんも説明責任を…責任って言葉は少々重い気がするが……果たしてない

 

 

「しず子、どうして急に来なくなったの?しず子が来ない間に同好会は廃部の危機になっちゃったよ?」

 

 

「っ!……そ、そんな事になっていたのですか!?」

 

 

「なんかかすみちゃん以外皆んな来てなかったみたいで〜…」

 

 

「そんな……私以外にも…」

 

 

ふむ…実を言うと、前々回にしずくちゃんと会った時に感じた事があったけど……どうやら今回の件と関係してたみたいだな

 

 

「しずくちゃん、少し前まで肩に力が入ってると言うか……ちょい必死になってたけど、何か関係があるんじゃないかい?」

 

 

「先輩……えっと、私…」

 

 

…….あーちょい高圧的になってしまっただろうか?いや、言いづらいだけだろうか?

うむ……少しあのまじないをかけてやるか。

 

 

 

「しずくちゃん…大丈夫だよ」

 

「先輩…!」

 

 

 

俺はしずくちゃんの隣に立って彼女の頭に手を置いた。虹学に来て初めての舞台に立つ前にやったまじないだ。

もう手を話しても大丈夫だろう。

彼女はそんな柔な子ではない

 

 

「……先輩、彼方先輩、かすみさん、私はこの虹学に通って些細な理由でスクールアイドル同行会に入りました。楽しそうで輝いていていたから、演技力にも磨きがかかりそうだからと言う理由です。最初は楽しく活動していたのですが……私はせつ菜先輩のステージを見て自信をなくしてしまって…挫折しかけました…」

 

 

「「え?」」

 

 

せつ菜って…確か歩夢が言ってた七不思議の一つにされていた人物か。

虹学の中でもかなり人気のあるスクールアイドルだと聞いたが、そんなに凄いの?

 

 

「せつ菜先輩のステージには私が追い求める理想がありました。完璧なステップに歌唱力、自信から生まれるであろうステージ上での圧巻のパフォーマンスに表現力。何より観る人々を惹きつける魅力がありました。悔しいですが…今の私では到底敵わないと痛感しました。なので…自分の足りない部分を補うために、今の自分を磨くために演劇部に通う頻度が増して…逆に同行会に行く頻度は減っていって….…最近では全然通わない日々が続いてしまいました」

 

 

なるほど、まぁ確かにちょい言いづらいのも分かる理由だな。

でもしずくちゃんはしずくちゃんなりに頑張っていたと言う訳だ。

 

 

「すみません、自信がなくなったなんて言いだせなくて…本当にごめんなさい…彼方先輩、かすみさん」

 

 

「あ、いや…かすみんも無理に聞き出そうとして…ごめん」

 

 

「うーむ、そっかそっか〜…話してくれてありがとうねしずくちゃん…よしよし〜」

 

 

「かすみさん!…か、彼方先輩?//」

 

 

うんうん、まぁとりあえず話せたみたいで良かった良かった。

ご褒美は彼方先輩のなでなでだな。

 

まぁ話は終わらないが……俺が前々回の練習じゃなく、前回見た虹学に入学して初めての舞台、あの舞台を見た俺には心配などない

 

 

「しずくちゃん、今はどうなんだい?同行会に戻って来れるだけの自信を取り戻したかい?」

 

 

「はい!…まだ理想には程遠いですが、頑張るだけの自信は取り戻せました!」

 

 

「じゃあじゃあ!戻って来てくれる!?」

 

 

「はい!またよろしくお願いします!」

 

 

「やったね〜…とりあえずこれで後二人だね〜」

 

 

とりあえずこれで今回の目的は達したな。

しずくちゃんも前よりいい表情をする様になった…後二人か

 

 

「先輩…少しいいですか?」

 

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

かすみんと彼方先輩に一言伝え、俺としずくちゃんは人のいない舞台裏の一室に来た。

 

 

「先輩…今回は本当にありがとうございました」

 

「いや、俺特に何もやってない気がするんだけど…」

 

 

てか…俺必要だったのだろうか?何やかんなでスクールアイドル同好会廃部の危機から脱するべく、手伝う事になったけど…正直俺は瀬奈先輩とのやり取りで場に混乱をもたらしただけな気がする。

俺いない方が話が早かったかもしれない…いや、確実に早かった件だよ

 

 

「そんな事は決してありません!きっと先輩がいなかったら今もいろいろ悩んで…スクールアイドル同好会に戻ろうとだなんてしてなかったかもしれません…かすみさん達とちゃんとお話しできなかったかもしれないです」

 

 

「……まぁきっかけの要因にはなったかな?

まぁ……とりあえずどういたしまして。でも瀬奈先輩とのやり取りは正直な〜」

 

 

「そ、それに関しては………でも私も先輩には演劇部に入ってほしいです!」

 

 

「なぬ!?」

 

 

マジか…しずくちゃんと言えば今までは俺と瀬奈先輩のやり取りを苦笑いしながら見守ってるイメージがあったのに……ま、まさかこれから……

 

 

「先輩!…ただ単に男性役がいないと言う理由ではありません。私先輩と一緒に演じて見たいんです!」

 

 

あー………まさかしずくちゃんにこんな事を言われるとは……………

 

 

「そう言ってくれるのはありがたいけど…そうだなぁ………どの道保留にするつもりはなかったし、改めて考えとくよ。でも今はスクールアイドル同好会の手伝いが優先だよ」

 

 

「わかりました。私も明日からスクールアイドル同好会に戻るので、どうかよろしくお願いします。先輩」

 

 

 

そう言ったしずくちゃんの表情は付き物が取れたような…非常に明るくて可愛い笑顔をしていた

 

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