女子高が共学になったから通ってるけど、男子俺しかいなくね?   作:kiri kiri

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4話 男の子は逃走する

演劇部に顔を出し、しずくちゃんの復帰が決まった翌日の放課後。

 

とりあえず俺と彼方先輩にかすみんに今日から復帰したしずくちゃんでスクールアイドル同好会の部室に集まる事となり、とりあえず部室の扉に手を伸ばした瞬間…

 

 

「「あ……」」

 

 

手と手が触れた。

何だこのラブコメ展開?ありえるん?と言うツッコミはさて置き、ここで考えられる触れた人物はしずくちゃん、かすみん、彼方先輩だろう。

もしかしたら噂の優木せつ菜も考えられるが、現状可能性は低いだろうなと思いつつ横を振り向いたが……………誰だ?まさか……

 

 

「え?男の子?」

 

 

「え?女の子?」

 

 

「「………」」

 

 

しまった…ふざけた返しをしたせいで変な空気に……反射的なツッコミを期待した俺が間違ってた……なんでか知らないがかすみんなら素晴らしいツッコミが返って来た気がする

 

 

「ふふ…あはは!…君、面白い事言ね〜!ここはほとんど女子しかいないのに〜」

 

 

おお?…数秒の沈黙の結果笑ってくれたぞ!

空気を察した苦笑いって感じでもない。

もし気を利かせて苦笑いされた日には、

「生まれてすいませんでしたぁぁぁぁぁぁ」

と叫んで途方に暮れていた。

 

てかこの人…俺が唯一話を一切聞いてないもう一人のメンバーだよな?

ちょっと日本人離れしてる綺麗な顔立ちをしてるし…赤みが強い茶髪にスタイルは…………あーうん、凄いとだけ言っておこう。

 

 

「それにしても私、この学校で男の子と喋ったの初めてだよー!

 

 

「あはは…まぁ男子生徒はほぼいないですからね…」

 

  

知ってる事実だが悲しすぎる…

 

 

「そう言えば君って、私が帰国してる間に新しく入った子?」

 

 

「ん?」

 

 

帰国?…帰国してる間?……あーもしかしてこれあれか?彼方先輩パターン?伝えたつもりだったが伝えられてないパターンか…

 

 

「あー…えーと」

 

「あぁぁぁ!エマせんぱーい!」

 

「かすみちゃん!久しぶり〜!」

 

「久しぶり〜じゃないですよ!ここ最近何していたんですか!?」

 

「あれ?私一時帰国しますって置き手紙を残していたんだけど?」

 

「まさか…」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、かすみんは何か思い当たる事があったのか、部室に入って引き出しに閉まってあった置き手紙と思われる物を取り出した。

あー…外国語だわ。確かに読めないわ

 

 

「この手紙ですか?」

 

「うん」

 

「そうだったんですか……私、てっきりかすみんの可愛さに敵意を感じた誰かからの怪文書かと…」

 

 

ふむ、いや、うん……かすみんはどうにも自信過剰な部分があると言うか…いや、にしたってこの置き手紙を怪文書とは通常、思わないと思うのだが……英語…に近いがスペルが違うな……ドイツ語?イタリア語か?

俺にも分からないが、怪文書と思うのは早とちりだろう。と言うか

 

 

「かすみん」

 

「は、はい!」

 

「んんと…ヴェルデ先輩が外人さんなのは分かるよね?」

 

「先輩、何を当たり前の事言ってるんですか〜?一目瞭然じゃないですか」

 

 

ふむ、その通りだ。一目瞭然だ。だったらある一つの結論に至っても良かったはずだ

 

 

「かすみん…この手紙、英語…ではないが、英語っぽいなと思わなかったかい?」

 

「んー?まぁ何となく英語っぽいとは思っていましたけど」

 

「……なぜそこでヴェルデ先輩のものと思わなかったんだい?」

 

「あー!なるほど!確かによくよく考えたらそう考えれたかもしれません!かすみんったら早とちりしてました。テヘペロ☆」

 

 

……まぁ、うん。かすみんにはどうやら残念な一面があるみたいだな

 

 

「あはは…ところで、さっきの話の続きが聞きたいな?」

 

 

あー…うむ、帰国して戻ってら男子いてびっくりしましたの話か。

いや〜…うん、まぁ…考えたら嫌かもしれないよなー。

せっかくの女子同士の青春に男の私目が紛れ込んでたら。

とりあえず自己紹介と、ついでに状況説明もしておきますか

 

 

「あ、はい。とりあえず軽く自己紹介を織り交ぜながら。二年の伊波結衣といいます。学園では、男手がいないって事でいろいろお手伝いとかしてます。今回はかくかくしかじかで彼方先輩と会って、勉強を教えてる事になりました。てな訳で、勉強場所に部室が使えればと思った結果……部室にはここにいるかすみん一人だったんですよ」

 

「へ?」

 

「……エマ先輩、スクールアイドル同好会は今、廃部の危機なんです!」

 

「えぇぇ!?は、廃部!?どうしてそんな事になってるのー!?」

 

 

うむ、実に予想の範囲内の反応だ。

と言う訳で、説明だな…秘技!割合!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな事になってたんだ〜!そっかそっか〜。伊波くんは、彼方ちゃんとかすみちゃんに頼まれて力を貸してくれてたんだね!」

 

「そうなりますね」

 

 

うむ、とりあえず納得してくれたみたいだ。

変な誤解とかなくて良かった良かった。

いや、マジで

 

 

「私がいない間、皆を助けてくれてありがとね。それにしても君が噂の男の子だったんだね。話はよく聞くよー。凄く力になってくれるって」

 

「…まぁ、大した事はしてませんよ。てか三年生の間ではかなり私目の事が噂になってるですね。」

 

「それはそうだよ〜!男の子の生徒なんてほとんどいないし、私達の世代までは女子校だったし。数少ない男の子だもん!」

 

「さいですか…」

 

 

おお、肩身が狭い。ありふれない悲しみが俺の精神に攻撃してくる。

はぁ…もうちょっと気軽に付き合える男友達が欲しいなぁ…いやマジで。

ぶっちゃけ歩夢がいなかったら、転校してた可能性あったもん

 

 

「あれ?なんでか落ち込んでる?ご、ごめんね?何か失礼な事言っちゃったかな?」

 

「いえ、先輩は何も悪くありません。この学園でよく感じるありふれた悲しみの果てを改めて感じてちょい凹んでただけ何で」

 

「え、えっと…大丈夫じゃない?」

 

 

「失礼します」

 

「おはよ〜」

 

 

テンションダウンしてる間にしずくちゃんと彼方先輩がやってきた。

このまま話題を移して気分を変えてしまうに限るな

 

 

「やあ、しずくちゃん。おはようございます、彼方先輩」

 

「うむ〜…およ?エマちゃん戻って来たの?」

 

「エマ先輩!」

 

「うん!びっくりしたよ〜!戻ったら男の子がいたから!それに廃部の危機の事も聞いたよ!」

 

「そ、そうなんですか…ところでエマ先輩はどうして同好会に来てなかったんですか?」

 

 

あー同じ説明か……割合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なるほど」

 

「なーんだ、帰ってただけだったんだね〜」

 

 

まぁ、事の経緯はわかったとして…なんやかんやでめちゃくちゃ順調にメンバーが元に戻って来ている。想像以上だ。

 

 

「残すは後1人です!せつ菜先輩を見つけて説得しても来てもらいましょう!」

 

「でも…せつ菜先輩がどこにいるのか、さっぱりわかりません。同じクラスの人達や演劇部の方々にめ聞いてみたのですが…」

 

「私もだよ〜」

 

「せつ菜ちゃんって、何か事情を抱えてたみたいだったもんね」

 

 

ここまでは順調に進んで来たが後1人…優木せつ菜さんとやらがわからないんだよな。

顔の広いあの娘にも聞いたが、わからなかったみたいだし…最終手段を取るか。

あんまり気は進まないけど

 

 

「優木せつ菜さんに関しては、このまま聴き込みをしても難しいでしょう。なのでここは一旦俺に任せて下さい」

 

「結衣先輩は何か思いついたんですか!?」

 

「いや、まぁ…これで見つからないならもう無理だろうなぁって手段をとるよ」

 

「先輩は一体何をするつもりなんですか?」

 

「生徒会室に行って、生徒名簿を見せてもらうよ」

 

 

これで名前なかったらどうゆー事?としか言いようがないが、まぁ存在とクラスが分かれば何とかなるだろうと言う考えだ

 

 

「言って見せて貰える物なの?」

 

「心配しなくても多分大丈夫です。ヴェルデ先輩。俺のボランティア活動は生徒会まで手が及んでるので」

 

「そうなんだ〜!噂通り、頼りになるね!」

 

 

おお…ちょっとちょっと、そんな眩しい笑顔を向けないで下さい。

照れちゃうじゃないですか//…………………ん?

 

何か彼方先輩とかすみんとしずくちゃんがジト目で俺を見つめている。

 

 

「後輩く〜ん?ほどほどにね?」

 

「え?は、はい!すみません…」

 

「……?」

 

 

照れたりして、すみませんでした。

一瞬見惚れてすみませんでした。

ヴェルデ先輩は何があったかわからないみたいだが…めちゃキョトンとした顔してるし。

 

ですが!ですが一つ言うのであれば、あんな笑顔向けらて、動揺するなと言うのは男の子にとってあまりにもハードルが高すぎるのですよ!

 

 

「と、とりあえず俺は生徒会室に行ってきますね」

 

 

その場から逃げる様に俺は部室を後にした。

 

 

故にその後の彼方先輩のつぶやきが耳に入る事はなかった___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ばか」

 

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