試合が終わり倒れた日番谷に待機していた勇音が駆け寄る。
サスケ「大丈夫です。外傷はありません。少し気絶しているだけです。」
一心「うちは副隊長、とてつもない大きさの巨人だったが今のは卍解か?」
サスケ「…ええ。そうです。」嘘をついた。
今後いろいろな敵と出会ったときに卍解の能力を勘違いしてもらった方がいいと考えたからだ。
京楽「日番谷三席の実力も凄かったがサスケ君はとんでもないね。間違いなく隊長クラスだよ。というかもう卍解できてたんだ。」
乱菊「あんたとんでもないわね。流石にここまでとは思ってなかったわよ。ねぇ七緒?
?…おーい七緒!」
七緒はハッとして我に返る。
「え。ええそうですね!」驚きのあまり中途半端な返事になったが気を持ち直し、先ほどの試合を思い返す。圧倒的な力。50年以上師事して来て何もこの人のことが分かっていなかった。頼りにし、尊敬し、憧れさえ感じ最も身近にいたはずの男性。七緒にとって最も大きく近い存在のはずが、何故かとても遠くに感じられた。
日番谷「俺は負けたのか…」
サスケ「もう意識があるのか。ほんとに流石としか言いようがないな。」
日番谷「うちは副隊長、俺は」
サスケが話途中で割って入る。
「それ、堅いな。」
日番谷「え?」
サスケ「サスケでいい。また勝負したくなったらいつでも来い。」
日番谷「ありがとう。サスケさん。あんたなら卍解を使わず勝てただろうに、わざわざ卍解まで見せてくれて。」
サスケが卍解を使ったと日番谷が錯覚しているのには訳がある。最後の月読で幻術にかけ、卍解を使っていたと誤認させたのだ。
こうして新旧神童同士の試合はサスケの勝利で幕を閉じ、口の軽い乱菊によってその結果は一般隊士にも共有されることになる。
京楽「サスケ君ちょっといいかい??」
サスケ「なんでしょう隊長?」
京楽「さっきの試合かなり霊圧を抑えてたよね?」
サスケ「…」
京楽「日番谷君の顔を立てるためにあえて言わなかったんだね。どれくらいセーブしてたんだい??僕の見立てでは半分といったところなんだけど。」
サスケは実際セーブしていた。輪廻写輪眼にもせず、そもそもの霊圧も抑えて。体感的にどれぐらいに抑えてたのか客観的に考えるが当たっていた。
サスケ「おおよそそれぐらいです。よく分かりましたね?」
京楽「これでも隊長だからね。志波隊長も気づいたと思うよ。」
流石は隊長たちだ。そういった能力も長けているのだとサスケは感心した。
サスケ「日番谷には言わないでくださいね。」
京楽「大丈夫だよ。」
隊長レベルになると隠しごともできないなと思うサスケであった。