ヨミの入浴中、4人は一足早く反省会を始めていた。
「勝てると思ったんだけどなぁ、まさか朝倉さんが出てくるとはね」
「ヤバかったわね」
「あの直球
「まあ早めに見れてよかったよ」
「ねぇ、この白菊のセカンド内野安打だけど、どんな内容だったの?」
春李は試合中ほとんど寝ていたため、芳乃が書いたスコアブックと、ファインプレーなどスコアブックに書けない細かなプレーを書き記したノートを照らし合わせ、それでも分からない場面は3人に聞きながら自分が出場するまでの試合の流れを掴んでいった。
「バットの下側にかすった球がワンバウンドの高いフライになって、余裕の内野安打って感じかな」
「うんうん、じゃあ次の送りバントだけど丁度息吹もいるからやった息吹と外から見た意見が聞きたい。どんな球をどうバントしたのかやってみせて」
「この辺の球をこんな感じでしたわ」
息吹は立ち上がってジェスチャーでその場面を再現してみせ、珠姫が補足する。
「外から見ていても良いバントだったよ。ボールの勢いを上手く殺して転がしてたから」
「うん、ちゃんと膝も使えてるみたいだし、初めて試合に出たにしては中々じゃない」
「やった!春李に褒められた」
「よかったね、息吹ちゃん」
「まぁ、私ならセーフティ気味にやって一塁も生きてるけどね」
「一言余計なのよ」
「春李ちゃんって、
「しっつれいしちゃうわね、上手かったり良いプレーは良いってちゃんと言うようにしてるわよ。ただ私の方が凄いだけよ」
「それが鼻につくのよ。ねぇ春李」
座り直した息吹が春李に聞く。
「どしたの?」
「これいつまでやるの?いい加減疲れたんだけど」
息吹は
「そうね、じゃあ本題に入ろうかしら。芳乃、珠姫」
そう言うと春李は真剣な面持ちで2人の方へ向き直る。
「2人にどうしても、聞きたいことがあるんだけど」
「何かな?」
「大分神妙な顔してどうしたのよ」
「2人は今の
春李の問いに芳乃が先に答える。
「どう見てるって、良いチームだと思うよ」
「私は・・・」
「私が聞きたいのはね、どこまで勝てると思ってるかなの。珠姫は思う所があるようね。でも芳乃から聞くわ。どう?」
「そうだね、現状の戦力だったら、今年は県ベスト4くらいじゃないかな」
「うんうん、どんなプロセスでかしら?」
「予選までみっちりと練習してクジ運も良かったらの話だよ」
「なるほど、珠姫はどうかしら?」
「私は・・・」
珠姫が気まずそうに重い口を開く。
「芳乃ちゃんほど良いとは思えない。芳乃ちゃんが言うようにみっちり練習してクジ運が良かったとしても良いトコベスト16くらいだと思う」
「うん、珠姫には根拠を聞こうかしら」
「根拠って、第一
「よしよし、
「そういうのいいから。やめて!」
「珠姫ちゃん、
「わかった」
「じゃあもっと踏み込んだトコ聞きたいんだけど」
「?」
芳乃と珠姫が顔を見合わせる。
「来年再来年、希が言ったような全国に出場できるか?私が言ったように全国制覇できるか聞きたい」
ここで話し合いから外れていた息吹が割って入る。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「息吹には聞いてない」
「聞いてないってなによ!そういう大事な話は全員揃ってる時に話すとか、せめてこの場だったらヨミがお風呂からあがった時に話すもんでしょ!?」
「私の考えは違うわ、正直息吹にも外れててほしかったくらいよ」
「どういうことか説明しなさい」
「まあまあ息吹ちゃん」
芳乃が息吹をなだめる。
「良いわ、まずヨミ、希、稜の3人。この3人にはそんなこと気にしないでプレーでチームを引っ張っていてもらいたいから。次に怜ちゃんと理沙っち、2年生の2人は私たちとは残された時間の長さが違うし特に2人は背負っている過去のことも考えて外させてもらった。次に菫、菫は何事も考えて慎重に事を運ぶタイプに見えたから内野でも負担の大きい
「それで、どうして芳乃だけじゃなくて珠姫にまでソレを背負わせたの?」
「芳乃には当然チーム全体の状態を把握していてもらいたかったし、珠姫は
「・・・分かったわ」
「安心しなさい。別にのけ者にしようって訳じゃないから。さぁ、2人の意見を聞かせてもらおうかしら」
ちょっと不格好ですがここで一旦切ります。