唯我独尊じゃじゃ馬娘   作:コンスタンチノープル

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第27球

芳乃と春李が小声で話していると、

 

「ヨミ!あとで夜の学校探検しようぜ」

 

「いいね~」

 

「!、私もお供させていただきます」

 

3人で夜の学校を探検する段取りが纏まったところで、

 

「寮がとなりにあるから静かにね。それと明日もあるし自主トレする人はほどほどにね」

 

「はーい」

 

「三人とも、今寝ることも練習の一つって言ったばかりじゃない。それをまあ芳乃まで・・・」

 

「これくらいはいいと思うよ」

 

「まったくもう」

 

「あれ?先輩方は?」

 

「先刻出て行かれましたよ」

 

「よし、じゃあ残りのメンバーで布団敷いておきましょ」

 

「春李ちゃん・・・」

 

芳乃と希が申し訳なさそうに切り出す。

 

「二人ともどしたの?」

 

希が芳乃に目をやって先にどうぞとする。譲られた芳乃が答える。

 

「私は、藤井先生と明日の打ち合わせやなんかがあるからできない」

 

「わかったわ。希は何?」

 

希が答える。

 

「私はこれからバット振りたかっちゃけど・・・」

 

春李が呆れてため息をつく。

 

「はぁ・・・希、今日は休みなさい。初日から張ってると体がもたないわよ」

 

「ばってん・・・」

 

「まあ確かに、いつもやってることを休むにはやる以上の勇気がいるわ。でも今はその勇気が必要な時よ。休むことも練習の一つだと思って」

 

「わかった」

 

「でも・・・」

 

今度は珠姫と菫が春李に話す。

 

「どしたの?」

 

珠姫と菫が顔を見合わせ、菫が話すことにした。

 

「春李からみんなの分の布団を敷こうって言いだすだなんて意外ね」

 

珠姫が続けて話す。

 

「私も思った。春李ちゃん、そういうのはみんなにやらせて自分はって感じに見えるから」

 

「しっつれいしちゃうわ。と言いたいところだけど全否定はできないわね。でもこういう時、自分から敷けば自分の好きな場所で寝れるってもんでしょ?」

 

「ああそういうこと」

 

「春李ちゃんらしい理由だね」

 

「じゃ早いトコ敷いちゃいましょ」

 

3人は夜の学校探検、芳乃は杏夏との打ち合わせのために別れ、珠姫、息吹、菫、希、春李の5人は大部屋へ移動し布団を敷き始めた。

 

「およ?」

 

春李が首をかしげる。

 

「春李どうしたの?」

 

息吹が春李に聞く。

 

「シーツの長さが足りない・・・」

 

「シーツん長しゃが足らんんじゃなくて春李ちゃんの敷き方が悪かっちゃん。代わって」

 

希が春李に変わって布団を敷く。

 

「ええ、任せるわ」

 

「上に折り込んだシーツが長すぎるっちゃん。ほら、こうすりゃ・・・」

 

「おぉ・・・」

 

菫が会話に入ってくる。

 

「春李ってこういうのあまり得意じゃないのね」

 

「ええ、うちはベッドだから布団敷いたのなんて何年ぶりかしら」

 

私んちもベッドだからあまり慣れないのよね・・・

 

息吹がそう思っていると菫が希に話しかける。

 

「菫ちゃん、となりで寝たっちゃよか?」

 

「ええ、構わないわよ。こっちは(アイツ)だから反対でいい?」

 

「うん、端っこがよかと」

 

2人が場所取りについて話している横で珠姫と春李が、

 

「あーもう春李ちゃん、それじゃあまた敷布団とシーツの長さが合わなくなるよ」

 

「ご、ごめん・・・」

 

「春李ちゃんの布団も敷いてあげるから春李ちゃんはそこで大人しくしてて」

 

「わ、わかったわ。場所はココで」

 

「はいはい」

 

戦力外にされる春李。その後なんともなく11人分の布団を敷き終える。

 

「終わり・・・よね?」

 

春李が申し訳なさそうに聞き、息吹が答える。

 

「ええ」

 

「じゃあみんなは一足早く寝てて、私芳乃とあんちゃんに布団敷き終わったって言ってくっから」

 

菫が答える。

 

「わかったわ、じゃあおやすみ」

 

珠姫がクギを刺す。

 

「春李ちゃん、自分がほとんど敷いてやったとか言っちゃダメだよ?」

 

「そんなすぐバレる嘘つかないわよ。じゃみんなグンナイ」

 

春李が大部屋を出て芳乃と杏夏のもとへ向かうと夜の学校探検を終えて帰ってきた3人と鉢合わせた。

 

「あら、おかえり」

 

「ただいま~」

 

ここで春李が少し3人をからかう。

 

「で、ユーレーとは会えたのかした?」

 

「おいおい、春李ってそんなもの信じてるのか?」

 

「冗談が通じないのね、まさかホントに出たんじゃないでしょうね?白菊?」

 

春李は3人の中で一番嘘がつけなさそうな白菊に聞いた。

 

「いえ、でも先輩方が話しているのを・・・」

 

そこまで喋ったところで稜が白菊の話を遮る。

 

「おい!」

 

「怜ちゃんと理沙っちがどしたの?」

 

「いやあなんでもない。なんでもないんだ本当に」

 

春李の頭にハテナマークが浮かぶ。

 

「もう布団敷き終わって、他のみんなは床に就いてるから部屋入る時は静かにね」

 

「はーい」

「おう」

「わかりました」

 

「さ、布団敷き終わった事、芳乃とあんちゃんに言わなきゃ」

 

「私達も戻ってきたっていうところだよ」

 

「じゃ一緒に」

 

そういうと4人は一緒に部屋に入る。

 

「ただいま~」

 

「おかえり~」

 

「こっちは布団敷き終わったわ」

 

「ありがと~」

 

「うんうん、全然。私敷き方がブサイクで途中から戦力外だったから」

 

稜が茶々を入れてくる。

 

「お?なんでもできる天才の意外な弱点ってとこか?」

 

「別に私は自分が万能だとは思ってないわよ。それより・・・」

 

「先生どうしたの?」

 

「大丈夫かよ~」

 

「ちょっと張り切りすぎたみたいで・・・」

 

「今から、整体の先生か鍼灸の先生呼んであげよっか?」

 

杏夏はもだえながら答える。

 

「い、いえ、こんな夜更け、それには及びません」

 

「埼玉四強時代のOGだからといって酷使しすぎたかも・・・すみませんねぇ」

 

「年には勝てないわね・・・」

 

芳乃から明かされた杏夏の素性に一同が驚く。

 

「OG!?新越の?どうりで上手いと思った!」

 

だ・・・大先輩・・・

 

稜は昼間の自身の言動、行動を振り返る。

 

「数々の無礼を・・・」

 

自然と土下座で詫びる稜。

 

「い・・・いいのよ」

 

「なるほどどうりで・・・」

 

あの顔面4分割の時の身のこなし、タダモンじゃないとはにらんでたけど・・・ふふふっ、ますます面白いことになりそうね。

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