唯我独尊じゃじゃ馬娘   作:コンスタンチノープル

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2巻の118ページの2コマ漫画からこの話を思い付きました。

とある登場人物のキャラが著しく崩壊しているのでご注意ください。ご不快に思われたら誠に申し訳ございません。


第28球

合宿初日の夜中のこと。

 

スピー スピー

 

一同合宿の疲れから深い眠りに就く中、1人眠れぬ夜を過ごす少女がいた。

 

甘いものが食べたい・・

 

菫は好きなスイーツが食べられず寝付けない。

 

「・・・みれ、菫、起きてる?」

 

暗闇の中で小声で菫を呼ぶ声が1つ。

 

「春李?どうしたの?朝練・・・なんて時間じゃないわね」

 

「しっ、静かに。ちょっと来て、みんなに気付かれないように」

 

2人は忍び足で大部屋を出てキッチンへ向かう。

 

「夜食にでもするつもり?」

 

「当たらずも遠からずってトコね」

 

春李がゆっくりと冷蔵庫の扉を開け、中から縦長の箱を取り出す。

 

「これって・・・まさか!」

 

「ふっふっふっ、じゃーん」

 

春李が箱を開けると中には8個のプリンが入っていた。

 

「この青い箱・・・このうつわ・・・まさか!蒼磨堂(そうまどう)の『塩プリン』!?」

 

「うーん、惜しい!」

 

「えっ!?もしかして『こだわりの塩プリン』!?」

 

「もう一声!」

 

「もう一声って、ま、まさか・・・あの幻の『特選こだわりの塩プリン』なの!?」

 

「せーいかーい」

 

蒼磨堂の『特選こだわりの塩プリン』とは何かというと・・・それについては菫がトリップしてよだれを垂らしながら説明してくれる。

 

「あの老舗超一流プリン専門店の蒼磨堂が材料選びに厳選に厳選を重ね作り方においても世界トップレベルの職人が1個1個手作りで作りそのレシピは完全門外不出でプリン作りに携わる時には誓約書まで書かされると言われその値段1個税抜1200円!そ、そんな特選こだわりの塩プリンが今目の前に」

 

春李が菫を揺さぶって落ち着かせる。

 

「ちょ、ちょっと菫、声声」

 

「はっ!?」

 

「誰も起きてこないようね、明日の3時にみんなで食べようと思って、私からの差し入れよ」

 

「さ、さすがは春李・・・でもなんで今私に見せたの?」

 

菫の目がキラキラと輝いている。

 

「そう、塩プリンの数かぞえてみて、こっちの箱もそうよ」

 

「はうにゃ!、いちにーさんしーごーろく・・・・・6個入りと8個入りが1箱ずつで14個あるじゃない、監督にも食べてもらうとしても2個多いわね」

 

「そ、2個あまるように買ったの、そして今ここにいるのは?」

 

「私と春李のふたr・・・も、もしかして!」

 

「二人で『味見』、しましょ♡」

 

春李の言葉に菫の瞳に大流星群が流れる。

 

「春李ぃ!らいしゅきぃ(だいすき)!」

 

「ひゃうあっ!」

 

菫が春李に飛びつく。

 

「ちょっと菫、抑えて抑えて、みんな起きちゃうから、どうどうどう」

 

「ご、ごめん」

 

「スプーンは・・・ココにあるみたいね、はい。じゃ食べましょ」

 

「いただきます」

 

2人はそっと塩プリンのフタのビニールをはがした。

 

「ふわぁ~、この立ち込める香りだけでもごちそう・・・」

 

菫の眼はウットリとしている。

 

「食べる前からソレじゃ食べたらどうなることやら」

 

「はむ」

 

菫が一口塩プリンを口にすると再び瞳に大流星群が流れる。

 

「ふみゅゃぁ~牛乳、生クリーム、卵黄、砂糖、バニラ、それぞれの調和による甘みが際立っていてそれを絶妙な塩梅の塩が更に引き立てていてこれはもう一つの芸術作品といってはばかられないわ。こんなの知っちゃったらもう戻れなくなっちゃう・・・」

 

「もう、大げさよ」

 

「大げさじゃないわ、むしろ私の語彙力じゃ表現が追い付かないくらいよ」

 

「じゃあゆっくり一口ずつ食べましょ」

 

「ええ、こんな逸品バクバク食べるわけにはいかないわ」

 

その後2人は時間を掛けながらゆっくりと塩プリンを食べた。

 

「ごちそうさま」

 

「お粗末さま。さて、問題はここからよ」

 

「問題って?」

 

「このうつわとフタに名前を書いておこうと思うの」

 

「そんな子供みたいなこと・・・」

 

「もしこの塩プリンを3時前に稜が見つけたら?」

 

「・・・全部食べるわね。わかったわ」

 

「はい、ここにペンがあるから菫のは私、私のは菫が名前書いて」

 

「まかせなさい」

 

2人が残りの12個の塩プリンに名前を書いていく。

 

「よし、じゃあ次は芳乃のを書くわ」

 

「うぃ、じゃ私は息吹のを」

 

2人で最初に誰の名前を書くか確認してちゃんと1人1個になるようにして名前を書き終えた。

 

「おし、これで全員分名前を書き終えたわね」

 

「ええ、これで争いは起きないはずよ」

 

「じゃあ次の問題、コレをどうするかよね」

 

春李は食べ終えた塩プリンのうつわ2個を持ちながら言う。

 

「あー・・・確かに見つかったら不味いわよね・・・」

 

「学校の近くのゴミ捨て場に捨てておくわ」

 

「そのままじゃ芳乃か監督が朝のゴミ出しをした時に見つかるわ。そうね・・・」

 

菫が台所を見回すとあるものをある物を発見する。

 

「これにくるんで捨てましょ」

 

「古新聞!ナイスアイデア!」

 

すぐに古新聞でくるんで春李が捨ててくる。

 

「遅かったわね」

 

「近くじゃ芳乃やあんちゃんに見つかるかもしんないんでしょ?ちょっと遠くのゴミ捨て場に捨ててきた。これで完璧よ」

 

「待って」

 

菫が待ったをかける。

 

「どしたの」

 

「ココどうするのよ?二個分空いてるのが不自然じゃない」

 

塩プリンの入っていた箱には2人が食べた分空きが出来ている。

 

「それは私に考えがあるわ。これよ」

 

「それって、保冷剤?」

 

「そ、それもちゃあんと蒼磨堂の保冷剤、塩プリンを一個こっちに移して空きを一つ分にするそこにこの保冷剤を入れておけば・・・」

 

「おぉ・・・自然に見える」

 

春李が塩プリンの箱2つを冷蔵庫にしまう。

 

「これでよし、じゃあ見つからないように布団へ帰りましょ」

 

「ええ」

 

翌日、菫と春李は他の10人にバレることなく3時の塩プリンにありついた。他の面々も驚きに包まれ、食べると瞳に大流星群が流れた。

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