川辺をランニングするヨミ、釣りをする1人の女性と1人の少女を見つけ声を掛けようと後ろから近づく、すると足音に気付いたのか2人ともヨミの方を振り返る。
「釣れますか?」
「・・・・・・」「・・・・・・」
「さっきニゴイが釣れました」
「私はまだ・・・」
「へぇすごい!ここ釣れるんですね。姉妹で釣りですか?」
「いえ、この子とは初対面です」
「このお姉さんが先に釣ってたので、失礼を承知で」
「へぇ、妹さんじゃなかったんですね。お嬢ちゃんは何年生?」
「この前中学生になったばかりです」
「じゃあ1年生か」
「はい」
「野球ですか?」
「はい!今日は初めての試合なんですよ。先発です」
「奇遇ですね、私のいとこのお姉ちゃんも今日初めての試合だって言ってました」
「へぇ」
「でも控えだってブー垂れてたんですけど、何日か前から機嫌がいいんですよね」
「そうなんだ、頑張ってね」
「あなたも頑張って」
「そっちも釣り頑張ってくださーい」
「・・・・・・」「・・・・・・」
「あっ、アタってる」
「こっちも初ヒットです」
「またニゴイね。ねぇあなた、さっきから私のあとつけてきてるようだけど誰なの?」
「私ですか、私は・・・」
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―――
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「さこーい」
「柳川大附属川越高校、通称柳大川越」
「以前は弱小だったけど」
「去年の夏は1年生エースの
「今年の夏一押しのチームだよ!」
「ひいい・・・初心者の相手じゃないわよ」
「試合・・・よく受けてくれたわね」
「今日はお越しいただき、ありがとうございます」
「いえいえこちらこそ」
「うちの
ブルペンで投球練習をする大野。
「左のサイドスローか」
「カッコイイ!」
「あの人がエースの朝倉さん?」
「違うよ、あの人は大野さんだよ」
「朝倉さんは怪我かなぁ、最近見ないね」
「代わりに春は大野さんが投げてるよ」
「28イニングを5失点!春はベスト16で惜敗、今のエースは大野さんだよ!」
「サインくれるかなあ」
「・・・・・・」
芳乃ちゃん・・・
「
「ユニフォーム、芳乃ちゃんが発注してくれたんだよね」
「そだよ、これは練習試合用だけどね」
「気分一新ということで、新の文字をわずかに大きくしてみた」
「ほんとだ気づかなかった・・・」
菫ちゃんが稜ちゃんの胸ぐら掴む。稜ちゃんは困った顔をしている
「けどベースは全国に出た時と同じデザインだよ」
「情けない試合はできないな」
「みんな似合ってるよ」
「さあお待ちかね!打順を発表するよ」
「待ってました!」
「1番
「本当に春李は控えなのね・・・」
「練習したことは全部出せるようにしよう」
「声出して楽しくいこうね」
「キャプテン!何か掛け声を」
「ああ、そうだな」
「コホン」
「新越、絶対勝つぞ!!」
「おー!!」
なんでこんなチームと試合を・・・
「警戒すべきは4番の主将と・・・」
「あとは意識高そうなあの二人くらいかしら・・・ずっと素振りしてるし」
「ごめんごめん、遅くなったわ」
えっ!?何あの包帯グルグル巻きのミイラは!?この学校、暴力沙汰の停部が明けたばかりよね。それなのにまだ『やって』るの!?
「遅いぞ春李・・・なんでまた顔中包帯巻いてるんだ?」
「私は
「春李ちゃん、それはそうだけど・・・」
「どしたの理沙っち、白菊?」
「向こうの方々、怯えているようなのですが・・・」
「どうして?これくらいで怯える必要無いじゃない?」
「
「それだったらこぉんな不祥事やってますってカッコの奴、出てくるわけないじゃないのに」
「それもそうだな、本当失礼しちゃうな」
「それだけの事があったんだ・・・」
「怜ちゃん・・・」「主将・・・」
「さぁ、気を取り直して声援を送ろう!よく見て行け、希!」
「そうだね、かっ飛ばせー希ちゃーん!」
「さ芳乃、私の出番は終盤だろうから今は寝てるわ、出てほしくなったら起こして」
「うん分かった。でも」
「ん?」
「グランド整備の時に1回起こすね、ずっと寝て身体が堅くなってるのを急に動かすのは怪我の元だから」
「さっすが芳乃、分かってるう」
まだ改心してないような意識の低い連中に、この私が負けるわけないじゃない。
「まあいいわ、堪能しなさい」
埼玉一右から放たれるクロスファイヤーを。