魔法少女リリカルなのはLOST FORCE   作:三月雪音

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これは、高町家に引き取られた少年の物語……

ある日の夜、少年は魔法の力に目覚める。

力に目覚めた少年は数多の出会いや困難の中で、何を思い、何を成すのか……

これはその始まりの物語……

魔法少女リリカルなのはLOST FORCE、始まります。


魔法の力

「この剣は…それに体の奥底から湧いてくるようなこの力は……?」

 

照人はいつの間にか手にしていた光剣と謎の力に困惑していた。

 

「影が!!」

 

フェレットの言葉で我に返った照人は黒い影を見ると、黒い影は触手を伸ばし照人の体を突き刺そうとしていた。

 

間一髪で突き刺されるのを避けた照人は、すかさず光剣を振りかざし攻撃する。

 

「セァッ!!」

 

「ヴェアアオオッ!?」

 

「効いてる…これなら!」

 

触手を切断され呻き声をあげる黒い影を見て、更に追撃を行う。

 

「ヴィエエアアッ!」

 

黒い影は触手を再生させると鞭のように振るい反撃するが、照人はそれを軽々と避け、逆に触手を光剣で切り落とした。

 

「ヴギャァァッ!?!?」

 

全ての触手を切られ無防備となった黒い影に、照人はトドメと言わんばかりに光剣を振りかざす。

 

「これで…終わ「ヴルグャァアッ!!」

 

その瞬間、黒い影がもう一体現れ、照人に突進し突き飛ばした。

 

「グッ!!」

 

照人は咄嗟に受け身を取り、ダメージを最小限に抑える。

 

「もう一体!?……まさか、あの黒い影に共鳴して新しく暴走したのか!?」

 

フェレットも予想していなかったのか驚きの声をあげる。

 

「「ヴァグルオオアアッ!!」」

 

二対一になり一気に劣勢に追い込まれる照人。

 

「照くん……!!」

 

「く!どうすれば……わぁっ!?」

 

なのはは照人の名を呟くと対抗策を考えていたフェレットの体を持ち上げた。

 

「フェレットさん!さっき、私にも才能があるって言ってたよね?どうすればいいの?」

 

「だ、ダメです!危険すぎます!」

 

フェレットはなのはを制止しようとするが、なのはは止まらない。

 

「でも、このままじゃ照くんが!!」

 

(確かに彼女ならこの状況をどうにかできるかもしれない。でも……)

 

悩んだ末に結論を出したのかフェレットは自分が身に着けていた宝石をなのはに差し出す。

 

「これを!」

 

「暖かい……」

 

なのはは宝石を受け取ると両手で包むようにして持つ。

 

「それを持って、目を閉じて心を澄ませて、僕の言う通り繰り返して……いい、行くよ!!」

 

フェレットの言葉になのはは頷くと目を閉じて集中する。

 

「「我、使命を受けし者なり。契約の下、その力を解き放て。風は空に、星は天に。そして、不屈の心はこの胸に!この手に魔法を…レイジングハート、セット・アップ!」」

 

≪stand by ready.set up.≫

 

なのははフェレットの言う通りに復唱すると宝石からピンク色の光があふれ出る。

 

「なんて魔力だ……落ち着いてイメージして、君の魔法を制御する"魔法の杖"の姿を、そして君の身を守る"強い衣服"の姿を!!」

 

黒い影と戦っていた照人は突然の光に怒りの声をあげており、フェレットはあふれ出る光に驚きながらもなのはに指示を出す。

 

「そんなぁ、急に言われても……えっとえっと」

 

急いで"魔法の杖"と"強い衣服"をイメージするなのは。

 

「とりあえずこれで!!」

 

すると、なのはの服装が私立聖祥大学付属小学校を模したものに変化し、赤い宝石が目立つ杖を握っていた。

 

そこに黒い影と戦っていたはずの照人が飛んでくる。

 

「ッツ!痛ぅっ!」

 

「照くん!!」

 

なのはは照人の元に駆け寄り、照人が立ち上がるのに手を貸す。

 

「来ます!!」

 

照人が立ち上がると同時にフェレットの叫び声で戦闘が再開する。

 

「「ヴェラルリリリィッ!!」」

 

2体の黒い影はなのはと照人目掛けて飛び掛かる。

 

「キャッ!!」

 

≪protection.≫

 

なのはは咄嗟に持っていた杖を黒い影に向けると、女性の声と共にピンク色のバリアが発生し黒い影を弾き飛ばし粉々にする。

 

「なっ!?」

 

「え、えぇ~!?」

 

何が起きたのか理解が追いついていないなのはと照人にフェレットは説明する。

 

「僕らの魔法は発動体に組み込んだプログラムと呼ばれる方式です。そして、その方式を発動させるために必要なのは術者の精神エネルギーです。そしてあれは忌まわしき力の下に生み出されてしまった思念体…あれを停止させるには、近距離での封印魔法か、大威力魔法が必要です」

 

フェレットはそう言うと首を回し黒い影を見ると、黒い影は粉々になった体を再生させていた。

 

「くッ!思った以上に再生が速い」

 

「具体的にどうすればいい?」

 

照人の問いにフェレットは答える。

 

「さっきみたいに攻撃や防御の基本魔法は心に願うだけで発動しますが、より大きな力を必要とする魔法には引き金となる行為が必要なんです」

 

「引き金?」

 

「はい、言葉や特定動作など人によって様々です。心を澄まして、そうすれば心の中に浮かんでくるはずです」

 

なのはと照人は言われた通りに心を澄ましていると再生を終えた黒い影が襲い掛かる。

 

「リリカルマジカル……」

 

「封印すべきは忌まわしき器。ジュエルシード!」

 

「ジュエルシードを封印」

 

≪sealing mode.set up.≫

 

なのはの持つ杖から三枚のピンク色の羽が生え、黒い影がピンク色の光の帯によって拘束される。

 

一方で照人は剣の刀身を撫でると刀身が光り輝く。

 

「デャァァァァァッ!!」

 

照人は掛け声と共に巨大な斬撃を放つ。

 

≪stand by ready.≫

 

「リリカルマジカル。ジュエルシード、シリアル21。封印!」

 

≪sealing.≫

 

なのはがそう言うと黒い影はピンク色の光なり、もう一体の黒い影は真っ二つに切断され消滅した。

 

そして、二体の黒い影がいた場所には二つの宝石が落ちていた。

 

「あれがジュエルシードです。レイジングハートで触れて」

 

フェレットに言われたとおりにレイジングハートで触れるとジュエルシードは吸い込まれていった。

 

≪receipt number XXI. and XVI.≫

 

「あ、あれ?終わったの?」

 

「そう……みたいだね」

 

「はい、あなたたちのお陰で…ありがとう」

 

その言葉を最後にフェレットは倒れてしまう。

 

「ちょっと大丈夫!?ねぇ!?」

 

なのははフェレットに近寄ると、パトカーのサイレンの音が聞こえてくる。

 

「なのは、一旦ここを離れるよ」

 

照人の言葉に頷いたなのははフェレットを抱いて近くの公園まで移動した。

 

二人がベンチに座り休憩していると、フェレットが目を覚ましたようだ。

 

「すいません」

 

「あ、起こしちゃった。ごめんね、乱暴で…ケガ痛くない?」

 

「ケガは平気です。もうほとんど治っているから」

 

なのははフェレットに謝ると、フェレットは体を震わせ包帯をほどく。

 

「ほんとだ~。ケガの跡がほとんど消えてる。すご~い」

 

フェレットを抱き上げて本当にケガが治ってることに驚くなのは。

 

「それよりも君の名前とか、その他諸々のことを教えてくれないかな?俺の名前は高町 照人、"照人"でいいよ。それで、こっちが妹のなのは」

 

「僕はユーノ・スクライア。"スクライア"は部族名だから、ユーノが名前です」

 

「ユーノ君か、可愛い名前だね」

 

なのはの言葉にユーノは表情を暗くする。

 

「すいません……なのはさんと照人さんを巻き込んでしまって」

 

「ケガしてないし、気にしなくていいよ。それとさん付けは止めてくれないかな?むず痒くて…」

 

照人はユーノの言葉に頭を掻きながら言うと、ユーノが口にする。

 

「わかりました」

 

「あ、そうだ。ユーノ君ケガしてるんだしここじゃ落ち着かないよね。とりあえずわたしの家に行きましょ。あとのことはそれから、ね?」

 

「そうだね。そろそろ時間的にも危ないから」

 

なのはと照人が家に帰り物音をたてないように入ろうとすると、恭也が現れたのでユーノを背中に隠すなのは。

 

「おかえり」

 

「「お、お兄ちゃん…(に、兄さん…)」」

 

明らかに機嫌の悪い恭也になのはと照人の声は震える。

 

「こんな時間にどこにお出かけだ?二人とも」

 

「あの…その…えっと」

 

恭也の問いになのははしどろもどろになり、照人はやっちゃった~と手で顔を覆った。

 

「あら、可愛い~」

 

「「お、お姉ちゃん?(ね、姉さん?)」」

 

すると美由希が現れ、背中に隠したユーノを見られる。

 

「あれ、なんか元気ないね?なのはと照人はこの子のことが心配で様子を見に行ったのね?」

 

ユーノを隠していたことがばれたのでなのはは潔くユーノを背中から出す。

 

「えっと…その…あの」

 

なのはは恭也と美由希の顔を交互に見て、二人の表情を伺う。

 

「気持ちは分からんでもないが…だからといって内緒でというのはいただけない」

 

「まぁまぁ、いいじゃない。こうして無事に戻ってきてるんだし、それになのはと照人はいい子だからもうこんなことしないもんね?」

 

美由希の言葉になのはと照人は恭也に謝る。

 

「「内緒で出かけて、心配かけてごめんなさい」」

 

「うん」

 

「はい、これで解決…でも可愛い動物ね~母さんなんかこの子見たら可愛すぎて悶絶しちゃうんじゃない」

 

「その可能性は否定できんな」

 

美由希はユーノを抱き上げ、そう口にすると恭也は否定しなかった。

 

士郎と桃子にユーノの紹介し、ユーノは当初話していた通り照人となのはの二人でお世話することになった。

 

その後、なのはの部屋にてユーノはなのはと照人にジュエルシードが自分の世界の物であること、自分が発見し発見後の輸送中に原因不明の事故により海鳴市近辺にばら撒かれたこと、 輸送時の管理に直接関係してはいないものの責任を感じ独力で回収しようとしたことを話した。

 

「真面目なんだね。ユーノ君は……」

 

照人はユーノの真面目さに肩を竦めていた。

 

「え~と、今夜は巻き込んじゃって助けてもらって本当に申し訳なかったけど、僕の魔力が戻るまでの間ほんの少し休ませてほしいんだ。一週間、いや五日もあれば力が戻るから、それまで…」

 

「戻ったら、どうするの?」

 

なのはの問いにユーノは答える。

 

「また一人でジュエルシードを探しに出るよ」

 

「それはだ~め。私、学校と塾の時間は無理だけどそれ以外の時間なら手伝えるから…」

 

なのはの言葉にユーノと照人は反対の声をあげる。

 

「だけど今夜みたいに危ないことだってあるんだよ?」

 

「ユーノ君の言う通りだ。なのははまだ子供なんだから怪我でもしたら大変なことになる。ユーノ君の手伝いは俺一人でするよ」

 

ユーノと照人は反対の声をあげる。

 

「だって、もう知り合っちゃったし話も聞いちゃったもの、ほっとけないよ」

 

なのはは照人の目を見ながら続ける。

 

「"困っている人がいて助けてあげられる力が自分にあるなら、その時は迷っちゃいけない"、お父さんの教えだよね?」

 

一歩も引かないなのはの様子に、照人は折れてしまう。

 

「うっ……分かった。でも、危ないと思ったら絶対に逃げるんだ。それだけは約束して」

 

「うん!!」

 

照人の言葉になのはは元気よく返事をし、今度はユーノの方に向き直った。

 

「ユーノ君は困ってて、私はユーノ君を助けてあげられるんだよね。魔法の力で…」

 

「うん」

 

「私、ちゃんと魔法使いになれるかどうかあんまり自信ないけど、頑張るから」

 

「うん、ありがとう。なのは、照人」

 

こうして、照人となのはの新しい日常が幕を開けたのだった。  




ジュエルシードを順調に集めていく照人となのは

しかし、今度は街を巻き込むほどの大事件…

事件は終わり、照人となのはは何を思うのか

次回「失敗と後悔」

人の想いを利用して踏みにじったことを後悔しろ!!
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