零戦之介でございます。
エクスキューショナーとザク隊長が一騎打ちをするようです。(他人事)
どのような結末を迎えるのか、どうぞご覧ください。
頑張って加筆しました~
ザク隊長「核反応炉、リミッター解除。」
ガチャッ、グォォオオオン……
ザク隊長「スラスター、全力噴射準備。」
カチカチッ、フシュウウン……
ザク隊長「壊れないでくれよ、僕の体。」
ザク隊長は不安げに呟く。
だが、直ぐにそんな悪い考えを振り払い、エクスキューショナーに真っ直ぐ向き合う
ザク隊長「そんじゃ、いってみよう!」ブワッ
ザク隊長はスラスターを噴射しエクスキューショナーの所に突き進む。
エクスキューショナー「お前が先に行くのか。まぁ、いいや。こっちも行くぜ!」ズドン!
エクスキューショナーもザク隊長の動きに呼応し、全力で走り始める。
ザク隊長「ハァァァァァ!」
エクスキューショナー「オォォォォ!」
両者とも雄叫びをあげ、スピードを緩めず駆けていく。
エクスキューショナー(コイツ、何考えてんだ。このままだと激突すんぞ?)
エクスキューショナー(……ははーん、なるほど。そういうコトか。面白い…!)
ザク隊長「いくぞ、エクスキューショナー!先ずは一発。」
エクスキューショナー「ご挨拶ってか!」
ズガン!
ザク隊長とエクスキューショナーがスピード落とさずに思いっきり頭突きをする。
その衝撃と音は凄まじく、数キロ先のMG3とGrⅯP5にもはっきり聞こえ、ダイナーゲートがひっくり返り、イエーガーが腰を抜かすほどだった。
MG3「な なんだぁ?!」
GrⅯP5「なんですかこの音は!?」
MG3「おい、ⅯP5。さっきの音の方角はどっちだ!」
GrⅯP5「さっきエクスキューショナーが飛んで行った方向です!」
MG3「嫌な予感がする。ⅯP5、急いであっちに行くぞ!」
GrⅯP5「はい!」
M1911「し 指揮官様。」
ザク隊長「……。」
エクスキューショナー「……。」
WA2000達はザク隊長がいる場所から数キロ先の小屋から戦いを見守っていた。
頭突きをしてからまったく動かない二人を戦術人形達は不安そうに見ている。
スコーピオンが体を震わせ、目を潤ませながら口を開く。
スコーピオン「もしかして、指揮官は頭突きの衝撃で……。」
WA2000「馬鹿なことを言うな!」
WA2000がスコーピオンの胸倉を掴み、吠える。
WA2000「指揮官がそんな事で死ぬ訳がないでしょ!指揮官が・・・死ぬわけ・・・ないでしょ・・・。」
WA2000のスコーピオンを掴んでいる手が小さく震え目頭に涙が溜まる。
M4A1「WA2000、落ち着きましょう。ザク隊長は絶対に生きています、信じましょう。」
M4A1はWA2000の肩に優しく触れ、彼女の荒れた心を落ち着かせた。
WA2000「ゴメン、スコーピオン。怒っちゃって。」
スコーピオン「こっちもごめんね。」
M4A1は胸をなでおろす。そして、再び窓の外を見る。
それなりに時間が経っても全く動かない二人を見て、流石のM4A1も心に焦りが出てくる。
もしかして、本当にもう…と思ったその刹那。
エクスキューショナー(ギロリ!
ザク隊長(グポン!
ザク隊長「ハッ!」バッ
エクスキューショナー「フン!」バッ
ザク隊長とエクスキューショナーが頭突きの衝撃から目を覚まし、二人とも大きく飛び退き距離を取り、お互いにけん制し合う。
エクスキューショナー「ヘッ、中々やるなお前。さっきのは痛かったぜ。」
ザク隊長「君もやるね、久しぶりに意識が飛んだよ。」
静かに話しながらザク隊長は不敵にエクスキューショナーは嬉しそうに笑いながらお互いにぶつけた頭を摩る。
ザク隊長は彼女の目をじっと見つめ、本音をポロリとこぼす。そして余計(?)な発言もしてしまう。
ザク隊長「……君は強いね。」
ザク隊長「そして、美しい。」
このうっかり発言が、鉄血工造とザク隊長の今後の関係の大きな分岐点となるのだが、それは別のお話。
エクスキューショナー「はぇあ?!な なななななな何言ってやがる!」
エクスキューショナーは顔を真っ赤にして照れ始める、ザク隊長もザク隊長で自分の言ったことに今更恥ずかしさを覚え慌てふためいた。
ザク隊長「あっ、その、マジでゴメン!」
エクスキューショナー「そうじゃねぇ!なんでオレの事を美しいって思ったんだよ!戦場で!オレとお前は敵同士なんだぞ!」
ザク隊長「いや、だって。」
ザク隊長「キミの顔キリッてしてて綺麗だし、体もしっかり引き締まっててカッコいいし、左右非対称な両腕めっちゃロマン溢れてるし、武器のブレードだって」
エクスキューショナー「もういい!もういい!」
ザク隊長のマシンガン褒めトークに流石のエクスキューショナーも照れ顔が隠し切れず、手を振りながらザク隊長の話を遮った。
エクスキューショナー「ったくよぉ。お前の気は確かか?」
ザク隊長「気が確かだったらわざわざ一人でのこのこと君の目の前にでて猛スピードで頭突きなんかするもんか。」
エクスキューショナー「それもそうか…ってそうはならねぇだろうよ。」
エクスキューショナー(あれ?なんでオレはなんでコイツと呑気におしゃべりしてんだ。何時もだったらさっさと切り捨てンのに。)
エクスキューショナー(新しい敵と出会って自分でも知らん内に舞い上がってたんかな。)
ザク隊長「どうした、エクスキューショナー。」
エクスキューショナー「んあ?なんでもねぇヨ。」
ザク隊長「そうか、じゃあ仕切り直しと逝くか。キミが望むなら。」
エクスキューショナー「……ハハッ、おもしれ―奴だ!いいぜ、その勝負もっかい乗った!」
エクスキューショナーの全身のモーターがザク隊長のジェネレーターが唸りを上げ、二人の体温をガンガン上げていく。
ザク隊長「いくぞ、エクスキューショナー。弾の貯蔵は十分か!」
エクスキューショナー「問題ないぜ!そんじゃ、改めていざ尋常に……。」
ザク隊長「勝負!」
ザク隊長の掛け声と共にエクスキューショナーとザク隊長は真っ直ぐ走り出し、お互いの刃を交える。そして、グリフィン対鉄血の戦いで最も熱く、激しい戦いが幕を開けたのだった。
ザク隊長「ウオォォォォォォオ!」ブォン!
エクスキューショナー「ガァァァァァア!」ギュォオ!
先ずはお互いに大きく振りかぶって刃と刃をぶつけ合う。刃と刃がガリガリと激しく静かに削れる音が鳴り、しばしの間拮抗しあう。
最初の力比べはエクスキューショナーの勝ちだったようで、ザク隊長の斧を押し返し、グググと後ろへ後進させた。
エクスキューショナー「オイオイ、圧されてるぜ隊長サン!!」
ザク隊長「なんのまだまだ!!」
ザク隊長は足腰に力を込めてグイとエクスキューショナーを一気呵成に押し返す。スラスターを吹かしながら一気に押し込んだ。
ザク隊長「そらどうしたエクスキューショナー。負けてるぞ?」
エクスキューショナー「うぐぐぐ…うるせえ、よ!!」
力勝負では不利と踏んだエクスキューショナーは力いっぱいにブレードでザク隊長を弾き飛ばし、技でザク隊長に切りかかった。
エクスキューショナー「そらそら、こっちだぜ!」
エクスキューショナーは脚力で舞うように跳ね、四方八方から切りかかった。
右や左や上下斜め、後ろと思えば前にいて、あちらと思えば又こちら。燕のような早業に流石の隊長も大苦戦を強いられた。
しかし、ザク隊長もただでやられる訳がなく、確実に攻撃を防ぎ時にはカウンターを撃って彼女を怯ませた。
ザク隊長「そこか!」
エクスキューショナー「うっ!?」
ザク隊長の斧がエクスキューショナーの腹を捉える。しかし、咄嗟に避けられたので服を切り裂いただけで終わった。それだけでもエクスキューショナーにはショックだったようで、一気にエクスキューショナーは引かざるを得なくなった。
エクスキューショナー「なんて野郎だ…。」
ザク隊長「・・・。」
~場面は変わって遠くの廃屋にて~
M4A1「す すごい。」
AK-47「あれが私達の指揮官、MS-06FザクⅡの本当の力!」
M4と47とスコーピオンは遠くから指揮官たちの戦いに目を皿のようにし、手汗をかきながら見守っていた。
スコーピオン「やっば。指揮官って本気になるとあんなに強いんだ…。」
Ⅿ1918「いけーやれー。」
Ⅿ1911「ぶったおせー。」
WA2000「観戦してる場合かバカタレ共。」
Ⅿ1911「あぐっ。」
Ⅿ1918「ぎゅっ。」
WA2000は呑気に観戦し、気の抜けた声援を送っていた二人に空手チョップを食らわせ、呆れながら注意した。
WA2000「まったくもう。」
WA2000はため息をついた。そして、再び窓の外を覗く。
WA2000(今ん所はエクスキューショナーがやや優勢、指揮官はやや劣勢といった感じね。)
WA2000(お互い互角に見えても指揮官は防戦一方なのに対しエクスキューショナーは攻戦一方なのがその証拠。まずいわね。)
WA2000の考えは半分は確かに合っていた、しかし半分は間違っていた。
ザク隊長は確かに防戦一方で一見不利。しかし、実際の所不利だったのはエクスキューショナーの方だった。
エクスキューショナー(なんだ、コイツは。)
エクスキューショナー(技を出せば弾かれ避けられ反撃を喰らい、力で殴れば押し返される。なんつー熟練度だ。)
エクスキューショナー(もしかして俺より強いんじゃ…。いや、そんな事はないと思いたいが。)
エクスキューショナーは焦っていた、どれだけ攻撃してもすべて弾かれ、避けられ、かすり傷も負わせられない。
そして魅せられていた。彼の技に、力に、その逞しさに。
エクスキューショナー「ハァッハァッハァッ…。」
ザク隊長「どうした?息切れが激しいようだけど。」
エクスキューショナー「うるせぇ、だまってろ。……クソが。」
ザク隊長「……すまない。」
エクスキューショナー「まったくだ。」
長く短い切り合いが終わり、再びけん制し合う二人。
エクスキューショナーが口を開く。
エクスキューショナー「お前はなんで、そんなに強いんだ。」
ザク隊長「なんだい、急に。」
エクスキューショナー「オレの質問に答えろ。なんでそんなに強いんだ。俺たちと同じハイエンドモデルだからか?」
ザク隊長「いや、ボクはどこにでもいる量産型MSだ。君たちの言うリッパーやガードとほぼ同じさ。」
エクスキューショナー「ウソをつくんじゃねぇ!量産型が、そこまで強くなれるワケがねぇ!そうだ、強化改造を施して強くなったんだ!そうなんだろ!」
ザク隊長「なにもしてないよ?改造も手術もやってない。」
エクスキューショナー「じゃぁ、じゃぁ…。どうして、どうやって、強くなったんだ。」
エクスキューショナーの声がかすかに震える。
ザク隊長はエクスキューショナーの見据え、こう続けた。
ザク隊長「何も変わった事はしてはいない。毎日毎日、同じ事をしただけだ。」
エクスキューショナー「は?」
エクスキューショナーは驚愕の声をあげる。ザク隊長は意に介さず淡々と語り続ける。
ザク隊長「キミは何かボクが特別な存在だと、特別な事をした存在だと、そう思っているようだね。」
ザク隊長「残念だが、ボクはそんな大袈裟な存在じゃぁない。どこにでもいる量産型だ。」
ザク隊長「だから努力した、死に物狂いで努力した。気が狂うほど同じことを繰り返した。最後の最後まで自分のなすべき事をした。」
ザク隊長「例えその繰り返した事が無駄だったとしても愚直に繰り返した。」
ザク隊長「ボクの今は亡き上司が言ってたことなんだけど、ボクはどうやらその行動のお陰で普通は辿り着けないとこまで辿り着いたザクなんだって。」
ザク隊長「でもね、ボクはたった一人でそこに辿り着いたワケじゃない。多くの人が、仲間たちがボクを支えてくれた。」
ザク隊長「ビグザム司令やファイヤパターンゲルググ、スカルマークリックドム、旧ザク爺さん、ギャンちゃん、ソロモン基地の部下たち、ジャブロー攻略隊の仲間たち、01爺さんに極地基地のジム、アガ太にアガ美、ザクレロママとその相方のガンキャノン、エルメス皇女。」
ザク隊長「数え切れないほどの人に支えられてここまで来た。多くの人がボクを押し上げてくれた。だからボクは今ここにいる。」
雨がやみ、雲が徐々に消えて太陽が徐々に姿を現す。
ザク隊長「もう一度言おう、ボクは特別な存在でも、優れた英雄でもない。ボクはザクだ、どこにでもいてなんの変哲もない。」
次の瞬間、雲がさぁっと消え。太陽が神々しく光り。
ザク隊長「量産型のザクだ。」
ザク隊長の背後を明るく照らした。
エクスキューショナー「あ、あ、ああ。」
エクスキューショナーは怯えていた。足は竦み、手は震え、さっきまで勝気だった表情は恐怖で歪み、声はかすれ声を出すのがやっとという、普段の彼女からは想像も出来ないほど怯えきっていた。
ザク隊長「さぁ、いくぞエクスキューショナー。さっきまでは君のターンだったが今度はボクのターンだ。覚悟はできているな?」
ザク隊長がエクスキューショナーに歩を進める。
エクスキューショナー「ヒィッ!」
エクスキューショナーが情けない悲鳴を上げ、後ずさる。
エクスキューショナー「く、来るなぁー!」
エクスキューショナーが左手の銃をザク隊長に向かって乱射する。
しかし、狙いがまともについていない弾がまともに当たるハズがなく全部避けられてしまう。
エクスキューショナー「クソックソッ。」
エクスキューショナー「えっあっ。」
そして、乱射したツケが回り、とうとうHGのエネルギーが尽きてしまう。カチカチカチと空しい音しか鳴らなかった。
ザク隊長「射撃ゴッコは終わりかなエクスキューショナー。」
ザク隊長が冷ややかな眼でエクスキューショナーを睨み付ける。
ザク隊長「今度は君のお得意のチャンバラごっこだ。行くぞ!」
ザク隊長が一気呵成に切りかかる。
エクスキューショナー「クソッタレがぁー!」
エクスキューショナーはガムシャラにブレードを振り回す。技も技術もなくただただ力尽くで切り掛かった。
ザク隊長「ぬるい。」
だが、そんなモノが通用するはずもなく全部弾かれ、最終的には最後の武器のブレードも
ザク隊長「フン!」
エクスキューショナー「あがっ。」
うっかり手を滑らせ、その隙を突かれ遠くまで飛ばされてしまう。
エクスキューショナー「う、うう。」
ザク隊長「万策尽きたって感じかな、エクスキューショナー。」
エクスキューショナー「ふざけんな!まだやれる!イエーガー、援護射撃!」
エクスキューショナー(コイツの強さは異常だ、兎に角逃げて本部に戻ってイントルゥーダーやスケアクロウにコイツの情報を渡さねば。)
エクスキューショナー「あれ?おい、イエーガーどうした!」
エクスキューショナーはイエーガーが援護射撃をしてこない事に疑問を抱き、必死に指示をだす。しかし、イエーガーはピクリとも動かず倒れてしまった。
エクスキューショナー(な、なんだ?イエーガーが言うことを聞かねぇ。)
ザク隊長「やっと効いてきたか。」
エクスキューショナー「な 何をしやがった…。」
ザク隊長「聞きたい?」
エクスキューショナーは静かに頷く。
ザク隊長「実はね、君と会敵するちょっと前にミノフスキー粒子をここら辺に散布したのさ。」
エクスキューショナー「ミノフスキー粒子だと?」
ザク隊長「ミノフスキー粒子ってのはね、こっちの世界でのチャフのようにレーダーや無線通信を妨害することができる特殊な粒子なんだ。しかし君が知るチャフなどよりも強力で、なおかつ効果が長期間持続するんだ。」
エクスキューショナー「つまり、イエーガーが動かないのも……。」
ザク隊長「ミノフスキー粒子が原因だね、多分ここら一帯の通信システムはもうイカレてると思うよ。」
エクスキューショナーが試しにエージェントに通信をいれる、しかし不愉快な音のノイズが響くだけで何も反応しない。
ザク隊長(流石に斧で指をちょっと切ったのは痛かったな。ミノフスキー流体を乾燥させて、撒いてってのも時間かかったし暫くはやらないでおこう。こっちも通信が効かなくなるリスクもあるし…。)
ザク隊長「さて、止めとするか。なにか言い残していく?」
ザク隊長が斧を構え、静かに近寄る。
エクスキューショナー「ヒッ…。」
エクスキューショナー「嫌だ…。誰か……。」
ザク隊長「ん?」
エクスキューショナー「誰か、助けてくれ!」
エクスキューショナーが子供のように泣きじゃくり始める。
エクスキューショナー「誰でもいい、誰でもいいんだ。オレを助けてくれ!」
エクスキューショナー「まだ、オレは……壊されたくない!」
エクスキューショナー「ハンター、スケアクロウこっちに来てくれ!イントルゥーダー、援護してくれ!怖い…怖いよぉ。」
エクスキューショナー「オレはまだ何も成していない、成していないんだ!」
エクスキューショナーは座り込み、震えながら泣きじゃくった。
ザク隊長「エクスキューショナー……。」
ザク隊長はどうしていいかわからず、じっとエクスキューショナーを見つめる。すると、後ろから走ってきた物体が急にぶつかり、腹部に鈍い痛みが走る。
ザク隊長「イダッ!」
ザク隊長は後ろを振り返る、するとそこには一匹のロボがいた。
ダイナーゲート「ワンワンワン!ウウウウ、グルルル……。」
そのロボットがザク隊長に対して、猛然と立ち向かおうとしていた。どうやらザク隊長に体当たりしたようで、本体の一部が少し破損していた。
エクスキューショナー「ダイナーゲート……?よせ、やめろ!お前が勝てる相手じゃない!」
ダイナーゲートと呼ばれたロボはエクスキューショナーを背にザク隊長の前に立ち、懸命に威嚇する。自分の主人を守るために、勇気を振り絞って吠えた。
自分が勝てやしないなんてこと本人が一番わかっていた。正直とても恐ろしかった、だがしかし、自分の大切な大好きな主人がやられるのを黙ってみている方がもっと恐ろしかった。
ザク隊長「そうか、キミも、キミにも守りたいモノがあるんだね。」
ダイナーゲート「ウウウウウ…。」
ザク隊長はダイナーゲートにゆっくりと近づく。
ザク隊長「ダイナーゲート。」
ダイナーゲート「ワウ?」
ダイナーゲートは顔を傾げ、ザク隊長に視線を合わせる。
ザク隊長「キミのご主人と話がしたいんだ。大丈夫、もう痛めつけたり傷つけたりしない。約束しよう。だから、通してくれ。頼む。」
ダイナーゲート「ウゥゥゥ。……ワン。」
ザク隊長「ありがとう。」
ザク隊長はダイナーゲートに頭を静かに下げ、歩き始める。彼はエクスキューショナーの所まで歩き、彼女の前に座り込み説得を始めた。
ザク隊長「エクスキューショナー、投降してくれ。もう、終わりにしよう。」
エクスキューショナー「やだ。」
エクスキューショナーは泣きはらした目でザク隊長を睨む。
エクスキューショナー「誰がグリフィンなんかに投降するもんか。絶対お前をぶっ殺してやる。」
エクスキューショナー「お前なんか、大っ嫌いだ。」
ザク隊長「……。」
ザク隊長困り顔でエクスキューショナーを見つめる。
ザク隊長「そうか。」
ザク隊長はなにか閃いたようだ。
エクスキューショナー「?」
ザク隊長は殺気を完全に引っ込め、エクスキューショナーにゆっくりと近づく。
エクスキューショナー「く、来るな。」
エクスキューショナーは怯えながら後ずさりをし逃げようとした。
エクスキューショナー「お前なんてズタズタにして壊してやる。それ以上近づく、ムグッ?!」
ザク隊長はさらに後ろに下がろうとしたエクスキューショナーを優しく抱擁する。左手で頭を撫で、右手で背中を一定のリズムでポンポンと優しく叩く。
エクスキューショナー「は、離せ、クソ野郎。」
エクスキューショナー「お前の情けなんているもんか。すぐにでもぶっ壊してやる。」
エクスキューショナー「壊してやる、こわして、やる。」
エクスキューショナーの声が徐々にか細くなっていく。
エクスキューショナー「お前なんて、ヒグッ、おまえなんて、すぐに、ヒグッ、バラバラ、にしてやる。」
さらに声に嗚咽も混ざってくる。
エクスキューショナー「きらいだ、きらいだ、おまえもグリフィンもだいきらいだ。なのになのに。」
エクスキューショナー「おまえに包まれてるとなんで、なんで、こんなに心地いいんだ。」ポロポロ
エクスキューショナーの瞳から大粒の涙があふれる。
エクスキューショナー「おまえはなんであたたかいんだ。おれとおまえはてきなのに。金属で出来たガラクタなのに。なんでだ。」
ザク隊長「生きてるからさ。」
ザク隊長は優しく答える。
ザク隊長「ボクもキミも今この瞬間を必死に生きているから、こんなにも温かいんだ。」
ザク隊長「だって、ホラ。キミだって。」
ザク隊長はエクスキューショナーをより強く引き寄せ抱きしめる。
ザク隊長「ちゃんと、生きていて温かい。」
エクスキューショナー「あ……。」
エクスキューショナー「う、ああ。あああ。」
エクスキューショナー「うわぁぁぁあ!」
エクスキューショナーは再び泣きじゃくった。ザク隊長の胸の中で、人目をはばからず号泣した。その泣き声は先ほどの恐怖ではなく、安堵の声であった。ザク隊長はひたすらに彼女を抱きしめた、安心できるように優しく抱きしめた。曇り空はもう、晴天となり二人を優しく太陽が照らした。
そして暫くして。
WA2000「終わった?」
ザク隊長「ああ、おわった。」
ザク隊長はにこやかに仲間たちを迎えた。
Ⅿ1911「指揮官様、エクスキューショナーはどうなりましたか?」
ザク隊長「寝てる。泣き疲れたみたい。」
隊長はエクスキューショナーの頭をそおっと撫でた。
エクスキューショナー「すぅ…すぅ…すぅ…。」
エクスキューショナーはまるで幼子のような静かに穏やかな表情でザク隊長を膝を枕にして寝ていた。
スコーピオン「これが泣く子も黙るエクスキューショナーとはねぇ。」
M1918「こっちが本来の姿なのかもね。」
AK-47「フン、こうしてみると可愛いもんだ。」
ザク隊長「シー、静かに。起きちゃうよ。」
Ⅿ1918 AK-47 スコーピオン「「「すいません。」」」
WA2000「で、どうすんの。コイツ。」
ザク隊長「捕虜にする。異論はないな?」
WA2000「別に?ここに放置するわけにもいかないしね。」
ザク隊長「よし、お仲間が来る前に移動する。M4A1、悪いけどちょっとボクの荷物持って。」
M4A1「分かりました。うんしょ。」
ザク隊長「よし、総員準備はよろし?」
戦術人形達「「「よろし!」」」
ダイナーゲート「ワン!」
一匹のダイナーゲートがザク隊長の足元に走り寄り、しっぽを振った。
ザク隊長「おや、キミも付いてくるかい?」
ダイナーゲート「わう。」
ダイナーゲートは同意したようで、嬉しそうに大きくジャンプをして走り回った。
ザク隊長「ふふっ、そうか。」
ザク隊長「そんじゃ、前進!」
戦術人形達「「「応!」」」
未来が輝こうとしていた。
なんかエクスキューショナーがかわいい感じにになってしまった。(困惑)
もっとカッコいい感じに書きたかったのですがどうも上手くいかないものですねえ…。
まぁ、エクスキューショナーもヒロインの一人だしいいでしょう!(適当)
それでは次回に続きます。読んでくれてありがとうございました。