機動戦士Zガンダム―蒼窮の地球(ホシ)と宇宙(ソラ) 作:エイゼ
ジャック・オコーネル…一年戦争並びに数々の戦いを駆け抜けてきたベテランパイロット。
MS隊隊長としてガルバルティβに搭乗する。階級は大尉。
フィーネ・エイム…ティターンズに所属する佐官であり、アレキサンドリア級巡洋艦『ガウンランド』の艦長を務める。ジャックとは一年戦争時の教官と生徒の間柄。階級は大佐。
軌道上の攻防戦
宇宙世紀史に於ける連邦とジオン公国との戦争『一年戦争』は連邦の勝利に終わるも、ジオン残党のUC81年『水天の涙』事変やUC83年の『デラーズ紛争』を経て、対ジオン残党特殊部隊『ティターンズ』が結成され、宇宙移民者への弾圧が増していく。
対する宇宙移民者や反連邦者らは『エゥーゴ』を結成、後に云われる『グリプス戦役』の始まりの話と共に、その戦場を駆ける一兵士達の物語である。
時は、エゥーゴによるジャブロー攻略戦に於ける衛星軌道上に遡る。
『…貴官らには、エゥーゴの大気圏突入後の敵部隊の追撃に当たって貰う。』
「…大佐、此は命令ですか?それとも要望でしょうか?…」
モニター上に映し出される、妙齢な美女でありかつての教官並びに上官であるフィーネ・エイムに質問を投げ掛けるジャック・オコーネルであり、普通なら上官侮辱に当たる行為ではあるが…長年の付き合いを知っているからこその気安さだろう。
『正直言えば、要望だよ…今回のエゥーゴとは言っては悪いが…連邦内部の腐敗に端を発した内ゲバだよ…情けない限りさ…』
「心中御察しします…ですが答えは決まってますよ…大佐」
『悪いな、大尉…本来なら、我々がやるべき事をジャック、お前に押し付ける形になった。』
「何を今更、自分も連邦の軍人ですから…覚悟の上です。」
作戦内容を愚痴りながらも、互いに確認しつつ各部署へのチェックを行いながら…サラミス改級から出撃準備を整えていく。
「各機、今回の作戦内容は、エゥーゴの撤退する艦隊に対しての追撃任務になる…質問はあるか?」
『隊長、敵の戦力は如何程ですかね?』
ガルバルティβに乗るジャックの対して、部下のハイザック並びにジムⅡのパイロット達からの質問が飛び交う中、一報が入る。
『エゥーゴ艦隊、撤退を始めた模様!MS隊は直ちに出撃せよとの事です!』
「始まるか…各機、生きて帰る迄が任務だ…良いな?」
『了解!』『判りました!』
「その意気だ…良し、出撃するぞ!」
『各員の奮起に期待します…御無事の帰還を御待ちしてます。』
「ありがとう…ジャック・オコーネル…ガルバルティβ、出るぞ!」
ジャックのガルバルティβを戦闘に、ジムⅡ並びにハイザックの混成部隊は撤退を開始したエゥーゴ艦隊へと迫る…その場所で双方の血で血を洗う様な戦闘になるとは…未だ誰も知らない…ニュータイプであろうとも…
此は、偶然か必然か?…嘗ては、戦友として戦った者達が敵として刃を交えていくのは…